side 織斑ルイズ
ジョゼフ達との真っ黒いお話を終わらせて、魔法学院に戻る。食べず眠らずでも行動に支障の出ないこの体はいいと思うけど、やっぱり精神的には食べたり寝たりした方が楽なのよね。
そう言うわけで学院でいつもの通りの朝練を終わらせたら、料理長であるマルトーの作ってくれた朝食をとる。給事中にお腹を鳴らすわけにはいかないし、生徒達より早く食べるのは当然とも言えるわよね。
それからメイドの仕事をしながら私の弟子達に合った鍛練メニューを考える。最近はメイド達だけでなくタバサやギーシュ・キュルケ等々それなりの量の貴族が居るので、そっちの方も考えなくてはいけないので大変だ。
体を鍛えるとある程度精神も勝手に鍛えられるので精神力を増やしたりするのには丁度いいのだけれど、それだと増えた精神力に振り回されたり暴発したりすることもあるから精神力の扱いもちゃんと鍛えさせて同時に精神力から魔法に変えるのを効率化。その際、メイド達の対魔法技の練習も一緒にできるから一石二鳥の修行。
……で、特に進んでいるルイズとシエスタの二人には基礎体力作りから一歩踏み出した場所や、いつまでも重要な基礎を他のメイド達や貴族達に教えてもらっていたのだけれど、今はシエスタが選抜した『高弟メイド』達が行っている。
そしてシエスタとルイズが今何をやっているかと言うと……大体なんでもありでお互いと組手をしていることが多い。
当然ルイズは魔法なし、シエスタは遠距離用武器なしの近接戦闘のみの組手だけれど、基本は柔拳使いで攻めの気が強いルイズがシエスタに正面から攻めかかり、豪拳使いで守りの気の強いシエスタがカウンターを狙いながら守るという流れになっている。
一戦終わると私がちょこちょこと良かったところ悪かったところを指摘して、それからお互いに重心や目線、足の位置や体勢等でどこをどんな攻撃で狙ってきているのかを予想して戦うことを意識させたりする。
……ちなみに私は基礎固めの後はデルフリンガーを使うために抜刀居合いと八斬一突を練習。まだまだ目標には届かないから要練習。
それからデルフリンガーを使った魔法剣をいくつかと、魔力放出と再吸収による身体能力の強化と魔力回復技の練習。必要ないかもしれないけど、使えるけど必要ないから使わないのと使えないのでは随分違う。『備えあれば嬉しいな』とはよく言ったものね。
「『憂い無し』だよ相棒。確かに嬉しいかも知れねえけど全然違うぜ」
「私のボケにちゃんと反応してくれて、しかもツッコミまでしてくれるデルフリンガーが好きよ?」
「はいはい」
デルフリンガーはさらりと流してしまったけれど、私は実際結構感謝している。ツッコミ不在で話を続けると、いつの間にか物凄い方向に話がぶっ飛んでることもあるし、それを修正してくれるツッコミは重要なパーツとなりえるもの。
そう、だからシャルさんは全員からかなりからかわれる代わりに割とどんな時でも受け入れられるし、デルフリンガーも未だに折られることなく私の腰元に居る。ツッコミは本当に重要なポジションよ? 無くなるまでその大切さには気付きにくいけれどね。
……それからは基礎体力作りと並行してお仕事を再開。鍛練だけに使える時間は実は結構少なかったりするので、掃除や洗濯などを正確に手早くやることで身体の細かい動かし方を学ばせ、汚れやゴミを探すのは観察力をつけるのに役立つ。
生徒の場合は授業中、授業に集中しながら自分の魔力だけを操ることにも集中してもらう。これができるようになれば呪文を唱えながら走ったり、呪文の途中で話すこともできるようにもなる。
……まあ、この事では魔法を使いながら何か別のことをできるようになるっていうのが一番重要なことなんだけどね。秘薬を作りながら本を読んだり、お菓子を作りながら想い人に送る手紙の内容を考えたり、食事をしっかりと味わいながら考え事をしたり、本を二冊以上同時に読んだり……それこそ色々と生活の中でも戦闘でも役に立つ。
ギーシュの場合は“ワルキューレ”の数を増やせるし、一つの物に二回同時に“錬金”をかけて無理矢理スペルのクラスを引き上げることだってできるしね。
ちなみにギーシュに言う時には『そうやって自分が初めて作った銀で二人に指輪を贈ってあげたくない?』と言ったら凄まじい勢いで食いついた。ついでに他の土メイジも食いついた。『入れ食い』という言葉はまさにこう言うのを指すんだろうってくらいに入れ食いだった。
……ちょろい、と思ったのは私だけではないはず。
なお、実はこっそりフーケも参加している。確かにラインスペル二つ分の精神力で金やらプラチナやら宝石類が作れるんだったらやらない手は無いものね。いい副収入ができてよかったわね。
テファからの手紙を私が届けた時は凄い絶望的な表情を浮かべていたんだけど、可愛い妹さんからの手紙にあんな反応をするなんて……どうしてかしらね?
「……相棒の毒牙に大切な妹がかかっちまったと思ったんじゃねえの?」
「毒牙って……酷いわね。私はテファにはなにもしてないわよ? テファについては私よりもルイズの方が……」
「あの娘っ子はナニやってんだよオイ!? つかほんとにナニやったんだ!?」
「エルフ特有の細長い耳をはむはむしたりテファ特有のあの胸を揉みしだり指ちゅぱしたり首筋をくんかくんかしたり……」
「娘っ子ぉぉぉぉぉ!? そっちの道に行くなぁぁぁぁっ!? 非常識の側に行って俺を一人にすんじゃねぇぇぇぇ!!」
「まあ、要するにちょっとそっち方面に暴走した私とやってることは同じってことよ」
「娘っ子ォォォ!いつの間にか相棒と一緒になってんぞォォォ!?」
デルフリンガーがさっきから酷い。私はこんなに(イチカに対しては)純粋で(イチカ限定で)心優しく、(イチカとIIIメンバーに対してのみ)素直だって言うのに……。
そう、私はルイズと違って純粋よ。前にフーケ相手にちょっと色々あったりもしたけど、あれはただのマッサージだったしね。
……だから、えっちなことなんて何もなかったわよ? 嘘じゃなくて本当の事よ?
「……じゃあ俺を襲ったのはなんなんだよ?」
「これから一緒に居る相棒に対する親愛の情を現すついでにデルフリンガーの可愛い姿が見たかったからだけど、なにか?」
「開き直りやがった」
元からあんまり隠す気もなかったしね。ただ、わざわざ周りに喧伝するようなことでもなかったから言わなかっただけで。
……そう言えば、そろそろ始まる頃ね。私が提案してジョゼフ達と話を作った茶番劇が。
内容は秘密。だけど、世界はきっと悪い方には進まないわ。
そんなに重要でもないですが、興味のある人は聞いて(?)ください。
例の「ワッフルワッフル」でやることに決めたデルフリンガーくちゅくちゅ話ですが……もしかしたら『前儀』と『本番』の前後篇になる可能性が出てきてしまいました。しかも普段より若干長くなることは確定で。
現在は『前篇(仮)』を執筆中ですが、5000文字書いてもまだまだ書きたくて仕方がないのです。デルフリンガーが予想以上にいじるといい味を出すせいです。私は悪くない。
……そう言うことで、明日の更新の時間に間に合いそうになかったらそこで一度前篇だけ更新し、本番はストックが貯まるまでしばらくお預けということに……!
まあ、私の知り合い曰く、「本番無しのがエロくね?」と言うことらしいので、前篇だけでも一応それなりに読めるようにして置く予定です。
それでは。
P.S ゼロ魔を完結させたら次は『陽光殲滅者シンフォニックなのはコンチェルト』か『真・恋姫✝無双~呉……え? これ呉? ほんとに呉? 呉と言い張るのこれで!? 編~』です。名前は気にしない方向で。