貴方、生きているのでSANチェックです。   作:トメィト

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皆さんの考察がすごすぎてネタバレをする時失望されないかという恐怖を抱く私に1D10のSANチェックです。

もちろん、それが嫌とは言いませんけれど。ご期待にこたえられるかどうかとビクビクしてしまう私であります。


貴方、航海をしたのでSANチェックです。

 

 

 

 今日は聞こえる日らしい。

 例の男性だか女性だか子どもだかお年寄りだかわからない不思議な声音が、夢の中に響き渡る。

 

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

 

 前よりも聞き取れるようになったその声はまるで何かを称えるかのよう。

 何時までも何時までも、飽きずに狂ったように同じ言葉を紡ぎ続ける。

 

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

 

 声は段々と増えていき、やがて一つの合唱にまで発展した。内容は唯々うるさくて煩わしいだけなんだけど。

 

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

『■■■ ■■ta■! ■■■ ■■■■na!』

 

 もういい加減起きてしまおうか、そう考えたその時。

 意味深な発言をしたあの声が聞こえた。

 

 

―――我々は、何処にでもいる。我々は、彼らを想っている。我々は、君を肯定する。

 

 

 感情の籠っていない声。まるでスピーカーから録音された音源がただ再生されているかのような言葉に背筋が凍り付く。聞いてはいけない。耳を塞ぐ。けれど、無意味。脳に直接刻まれるように言葉が届く。

 

 

―――故に、一つ、プレゼントを贈ろう。

 

 

 一体何のことだ。

 疑問をぶつける前に意識が遠ざかる。身体が浮上する感覚を覚え、意識が覚醒しつつあることを自覚した。先程の寒気も感じなくなり、余裕が戻って来きた。このことを忘れないうちに、本調子でない頭を回して考えを纏める。

 

 ……様々なことが疑問としてでたものの、取り敢えず一つだけ思うことがある。

 俺が皆から疑われてるの絶対この声の所為だな、と。

 

 

 

 

~~

 

 

 

 海、それは母なるもの。

 あらゆる生命の起源であり、様々な生物の生命を育んでくれるまさに原初の母だ。

 

 けれど、それに伴い海には多種多様な生物が混在している。自他共に不気味な怪物認定待った無しの俺がこの母なる海を見たらどうなるのか……。答えはただ一つ。

 

「うわ……」

 

 暗くて黒くて透明度が高いという何十もの矛盾を孕んだ海に浮かぶのはちょうど魚くらいの大きさの様々な形の肉塊が自身の触手をうねらせながら進む地獄だった。触手関係でタコと思い込もうかなと思ったけど、無理だったよ……。

 

 久しぶりに削れるSAN値に萎えつつ、立香達ともに近くにある船に侵入、その場にいた海賊と交渉(物理)を済ませて、彼らのボスの場所へと案内してもらえることになった。

 あそこで容赦なくボコれるようになったあたり、立香もキリエライトさんも吹っ切れて来たのではないだろうか。

 ちなみに今回立香のサーヴァントとしてついて来たのはクー・フーリン、ジークフリートだけである。女性陣についてはカルデアに残ってもらう形になっている。敵の親玉と関わりがあったレフ・ライノールを退けたことにより、相手が手を打ってくるかもしれないと残って貰っているのだとか。マスターだけでなく、カルデアが潰されてもアウトだからその判断は間違いではないと思う。現状そのカルデアを支えるスタッフの負担になっているのが俺ということになっていて申し訳ないとは思うけれども。

 

 

 しばらくして俺たちはその海賊の頭、フランシス・ドレイクと遭遇した。その後は説得タイムとなるのだが、基本的に俺の出番はない。こう言ったことは立香やマシュがやるのが好ましいとのこと。妥当である。俺なんてみんな同じようにしか見えないからこういったことにはまるで向かないだろうからね。

 

 彼女はこの付近の海図を持っているらしいので、何とか一緒に行動しないかと交渉をしたのだと思う多分。俺は離れた所で海賊の人に話を聞いていたのでわからなかった。ちなみに彼らの話ではフランシス・ドレイク達もここに来たのは狙っていたわけではなく嵐に遭遇したからというらしい。彼らも大変そうだった。

 

 まぁ、その後は色々あってローマの時とは違い、フランシス・ドレイクがこちらの仲間になるということが起きてしまったが同盟を組むことができたという感じで合っているらしい。立香曰く、とても豪快で滅茶苦茶な人だったらしい。……うん、数多の英霊と仲良くなれる君が言えることじゃないと俺は思います。

 

 仲間になった証として宴会を開いた時、フランシス・ドレイクは現状の異常性を認識していると同時に聖杯を所持していることが判明した。最もその聖杯というのはこの時代に元々存在していたもので、こちらで回収しても特異点消失には至らないらしい。

 

 やっぱり開始早々、聖杯を回収できてそのままめでたしめでたしとはいかないらしい。世の中世知辛いね。

 

 

 こうして未知の海域での航海が始まることになった。

 ちなみに俺は船が苦手らしく、周りの光景も相俟って酔った。

 

 

 ……この特異点、生きて帰れる気がしないんですけど。




何時かまた誰かに裏切られるのではないか。
アイツは本当に味方なのか。
レフ・ライノールを凌駕する化け物ではないのか。
悠長なことをせずに魔女裁判を行えばいいのではないか。
彼には果たして何が見えているのか。
どうして此処までされて日常を謳歌することができるのか。




……さぁ、果たして混沌渦巻くカルデアの諸君は人類の未来を取り戻すことができるのか。


ワタクシ、とても楽しみですねェ。クヒヒ!
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