貴方、生きているのでSANチェックです。   作:トメィト

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今後は生活習慣が元に戻るので更新が不定期になると思われます。ご了承ください。


貴方、探索開始でSANチェックです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途轍もない出来事が起きた第三特異点から数週間が経過した。精神がぼろ雑巾のようになってしまったカルデアだったが何とかみんなが正気を取り戻すことができ、再び人類の未来を取り戻すために戦えるようになった。

 

 カルデアのスタッフ達は回復したての精神で何とか次の特異点を特定、レイシフトができるレベルまで安定させた。ここの職員たち優秀過ぎィ!

 

 それはさておき、四つ目の特異点は産業革命。人類が今の形に辿り着くためには絶対に必要な時代。場所は首都ロンドン。珍しくそのまま目的地にレイシフトできるという。メンバーは兄貴、ブーディカ、清姫らしい。ジークフリートを連れて行かないのは前回、映像を通して時間を越えたカルデアに被害を齎す存在が確認出来たための保険だという。まぁ、今回はそうならないように立ち回ることが第一になると思う。

 

 相変わらずサーヴァントを召喚できない俺ではあるが、着実によくわからない礼装だけは集まっていくこの虚しさ。黒鍵ってどうやって使うのかわからないんだけど。

 

 ……で、でも一応立香達が居るから身の安全くらいは何とかなるだろう()

 

 

 

~~

 

 

 

 きっとあれがフラグだったんだろうな(啓蒙)

 俺は今、19世紀のロンドンにいる。周りはとても濃い霧に包まれており、一メートル先も見渡せない。更に言うと、この霧は恐らく何かしらの毒素を含んでいるのだろう。眩暈、吐き気が込み上げてくる。

 

 ……これだけでも最悪なのに、まだ不幸は続くらしい。

 右を見てみる。濃い霧がある。

 左を見てみる。濃い霧がある。

 後ろを見てみる。濃い霧がある。

 視線を正面に戻す。濃い霧がる。

 

 

 お分かりいただけただろうか。

 そう、俺はロンドンの街中に一人でぽつんと突っ立っている。アッハッハ、これは酷いぞ。

 

 一応通信機を起動させてみるものの、無情にも無反応。見放された感が満載だ。霧と毒といつもの視界(クトゥルフEYE)の三重苦。精神にクる。

 

 相も変わらず映るものを全て肉塊にして通してくる眼を凝らしながら、あたりの建物に近づく。

 するとどこの家も扉、窓を完全に締め切っていることが分かる。原因は言わずもがなこの霧だろう。一先ず中に入れてもらえないかと何件か回ってノックをしてみるが反応はなかった。……別に居留守くらいなら納得できるのだが、中にいる人の気配をまるで感じることができない。

 

 おかしいと思いながら、扉に耳を付けて中の様子を窺う。やはりおかしい。余りにも静かすぎる。

 心が痛むが試しに扉に手をかける。すると、閉まっていると思っていた鍵は開いていて、すんなりと中に入ることができた。

 

「お邪魔します」

 

 直に扉を閉めて霧が中に入ってこないようにし、中へと歩みを進める。部屋の中は特に荒らされた形跡はなかったが、誰かが出てくる気配もなかった。

 

 そこで部屋の様子をよく観察してみると、所々に埃がたまっているのが確認できた。溜まり具合から言って最後に掃除をしたのは4、5日前であることが分かる。もしかしたらここの家の主は暫く帰っていないのかもしれない。まぁ、埃かどうか、真相は分からないけれど。今までの経験から言って多分あってる。

 

 一階部分は所々調べてみたが、特に変わったところはなかった。強いて言えば、洗われていない食器が置いてあった程度だ。なので次は二階に足を踏み入れることにする。

 

 二階に続く階段は他の部屋と比べて劣化が見られた。いつもならしっかりとしている肉同士の結合が所々綻んでいることから、先程見た一階は改装、もしくは補強を行っていたのではないかと考えられる。

 足元に気を付けた方がいいと、考えながら階段を上り切ると、正面に部屋が一つ。そして左右に一つずつ扉が見えた。

 

 一応全部の扉に耳を当てて音を聞いてみたが、正面の部屋と右の部屋からは何も聞こえなかった。ただ、左の部屋からは何故か急に大音量で音楽が流れ始め、右耳が聞こえにくくなるというトラブルに見舞われる始末。これが不法侵入の天罰だというのだろうか。

 

 音を聞く限りでは特に何もなかった……というか聞き取ることができなかった為に直接中を中に入るしかないと決断を下し、まずは右の扉から開けていく。

 

 中は恐らく物置きだったのだろう。幾つもの荷物が所狭しと並べられており、足の踏み場がないほどすし詰め状態だった。目を凝らして何かあるかと見てみるが、特にこれと言ったものはなく、新しい発見はなかった。

 

 次に正面の扉を開けて中を見てみる。

 そこは寝室なのだろう。二人用のベッドが一つあり、クローゼット、タンス、ドレッサーと不自然なところは何もない。ただ置いてある家具から言って夫婦で暮していたのではないかと考えられる。

 

 クローゼットの中には男女共に上着のようなものが入っていた。

 タンスには恐らく衣服と思われる物体が置いてあるだけであり、ドレッサーやベッドの下にも怪しいものは何もなかった。

 

 しかし、今までの部屋を見て来て気になることが一つある。それは何処の部屋も荒らされた形跡はなく、使いっぱなしの状態であることが多いということだ。

 一階の食器もそうだが、ベッドも初めからめくられていた状態である。ここの部屋の主達ががさつという可能性も無きにしも非ずだが……妙に引っかかりを覚える。

 

 

 そう考えつつ、最後に、急に音楽が鳴り始めた部屋に向かう。

 しかし、先程俺の耳を使い物にならなくした音楽はもう聞こえてこない。急に音が鳴りだしたのもあれだけど、勝手に止まるのもおかしいよな。……まぁ、気にしないことにする(セーフ)

 

 ゆっくりと残った左の扉を開くと、まず最初に感じたのはむせ返る様な血の匂いと、腐ったような鼻に来る匂い。部屋の中には、他とは違い赤い色がびっしりとついており、もうこれだけで何が起こったのか予想できるほどの惨状だ。もっとも、俺の視界はいつも惨状。この光景も何ら普通と変わりないものだが、嗅覚的にはとても辛い。

 

 死体の様子を確認してみるが、目に見えるのはおいしそうな料理。……俺が料理に見えるということは普通の眼から見ると、人の原型をとどめていない肉塊っていう所だろう。今までの経験から言えば(バイ〇ハザードで学んだ)。

 

「……ん?」

 

 一度、部屋の周りを見てから再度死体の方に目を向けてみると、一片の紙切れが目に映った。

 いつも通り、紙は何かの皮でできているような材質で文字も時々うねっているが、慣れから来る麻痺を武器にスルーを決め込み、書いてある内容を読み上げる。

 

「『……更なる知識を求めて、私は全にして一、一にして全なる者と接触することに決めた。一先ず、彼の存在の元へ行くために―――――』…………(汗)」

 

 蠢く文字を何とか解読しながら読み取った結果、この紙片は何かの日記であることは理解できた。というか、その内容がやばすぎる。全にして一、一にして全なる者ってあれだろ。この前思い出した知識の中にあった存在。この前現れた奴なんて目じゃないくらいの存在。

 

「…………」

 

 一応全ての部屋の探索を終えたのだが、これはもう一度じっくりと調べた方がいいのかもしれない。

 とにかくこの特異点も一筋縄ではいかないと確信したのだった。

 

 

 

 

 




因みに立香達は原作通りに進んでいますよ。
コイツだけいつも世界観違うな(すっとぼけ)
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