貴方、生きているのでSANチェックです。   作:トメィト

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URもお気に入りも伸びがおかしいので私に1D100のSANチェックです。
……いや本当に発狂しそうですよ。嬉しさとその他諸々で。


あと、前回の描写で私の力不足で皆様に誤解を与えてしまい申し訳ありません。
前回の自分も守りたい、という主人公の発言は決して嘘ではありません。あの段階では彼の本心です。只、のちに疑問を持っているだけですのできよひーセンサーに反応はありません。


貴方、正体を暴いたのでSANチェックです。

 

 

 

 

 

 女神さまと会った。

 人理修復の旅は本当に愉快だと思う。普通なら出会うことすらできない……どころか実在するかもわからない存在と会うことができるなんて。歴史の教科書(3D)と言っても過言ではない。俺の場合はちょっと内容が異なってR指定入るけど。

 

 さてこの女神。とてもイイ性格をしているようで実にろくでもない声音でこの島の洞窟に褒美を用意したと言っていた。立香に召喚されたクー・フーリンはとても嘘くさいものを見るような反応をしていた。なんなら小声で“やめとけマスター。あのタイプの女は面倒だぜ”と語っていた。

 

 でも、女神の褒美なんて言葉を聴いたら期待してしまうのが人の性。ネロ・クラウディウスも立香も、ついでにドクターまで童心を思い出したかのように行ってしまった。今思えばそれは彼の女神の力なのではないかと軽く思った。

 

 

 

 

 結果。

 オルレアンに続いてここでも遭遇した自称アイドル系サーヴァント。未来の自分も頭痛もののドラ娘(聞いた話)エリザベート・バートリー。そしてタマモナインという謎の集団の一角であるらしいタマモキャット。

 立香の反応を見る限りだと、そこまでいい成果とは言えなかったようだ。ちなみにお約束かの如く俺は警戒されている。エリザベート・バートリーは分かってたけど、タマモキャットも同じようだった。なんでも野生が反応するらしい。意味が分からない。

 

 まぁ、ここまではいいんだ。別に俺としてはそこまで疲れるわけでもなかったから。問題はここを離れる際に言い放った、女神の一言。

 

 

――――何で貴方がそちらに居るのかしらね。

 

 

 何を思ってこの一言を放ったのか、真意を読み取ることはできなかったがこれでより一層俺が疑われるようになったことは間違いないだろう。女神はろくなものではないというクー・フーリンの言葉は当たっていたらしい。救いはネロ・クラウディウスと立香、キリエライトさんがそこまで気にしていなかった点だろう。ここで彼らに疑われたら俺はここでお陀仏である。あの黄金に光る肉塊マジでやめて欲しい。

 

 

 

 

~~

 

 

 

 

 分散していた戦力を終結させ、ついに俺達は相手の本拠地であるローマに辿り着いた。ネロの言葉で士気も万全。話に出ていた宮廷魔術師と思われるレフ・ライノールの件もあり、カルデアとネロの兵士たちの状態はベストであった。

 

 けれど、あるサーヴァントを相手にしたとき、ネロに異変が起きた。今までの自信は何処かへと消え、信じられないものを見たように目を見開いている。

 

(ローマ)が、ローマだ。(ローマ)の元へ来い。愛しい我が子、そしてそれに――――連なる者達」

 

 ローマの入り口で戦うことはなかったが、彼はこちらの頭であるネロに大きな影響を与えていった。

 あれだけ自信に満ち溢れていた顔は何処か影をみせるようになり、どことなくオーラも弱くなっている気がする。クー・フーリン(兄貴)曰く、これが続くようなら兵の士気にかかわるらしい。ジークフリートも同意見のようだった。ちなみに清姫にあれが偽物かどうか聞いてみたら、黙って首を振られた。そう言ったことは分からないらしい。無茶振りして本当にごめんなさい。

 

 

「………」

「どうした立香。余の方を見て黙り込んで。マシュはどうしたのだ?」

「ちょっと心配になってね」

「……そうか。また、情けない姿を見せてしまったな」

 

 曰く、神祖が現れたことがショックだと言った。

 少しでも彼の言葉に呑まれ、下ってしまいそうになった自分が許せないのだと。

 

 でもそれは普通のことだと思う。特に俺は事なかれ主義の国で生活してきたし、自分の憧れの人が目の前に立ちふさがったのであれば足を止めたくもなると思う。

 

「……でも、違うって思うんでしょ?」

「そうだ。どれだけ完全に統治できていたとしても、彼らの顔には笑顔がない。民が笑っていないのであれば完全な統治とは言えないと余は思うのだ」

「じゃあ、それでいいんじゃないかな。俺には国のことなんてわからない。でも……俺ならネロが統治してたあの街で生活したいと思うよ」

「……そうか……そうか……。うむ、既に答えは出ておったな。余は余が信じる道を迷うことなく進めばよいのだ」

 

 元気を取り戻すことができたらしい。

 ネロは今まで見てきたような明るい笑顔を浮かべていた。元気になったことに喜びながら、俺は少し前のことを考える。

 

 神祖ロムルス。

 自身をローマと名乗り、先程はとてつもない広い度量に俺達は圧倒された。ネロだけじゃない。俺もきっとマシュも彼の纏う雰囲気に圧倒された。彼に受け入れると言われた時には一瞬だけ下ろうとネロと同じようなことを考えた。

 

 しかし神祖ロムルスは少しだけ言葉を詰まらせた。それは真琴を見つけたとき。視界に全員を入れるように眺めながら受け入れると謳っていたが、その言葉が彼を視界に入れた瞬間に途切れた。

 ……どの英霊もそうだけど未だに彼のことを受け入れる英霊には会っていない。どんな英霊も必ず彼を見て顔を引きつらせている。俺にはその感覚がまるで分らなかった。

 

 今も、ローマの兵士たちと共に戦う彼の姿を見る。

 真剣な表情で魔術を使っている彼は、どう見ても疑われるような人物には見えないのだ。これは、俺が素人だからなのだろうか。魔術の世界、戦いの世界に生きた人物はまた見方が違うのだろうか。

 考えてもその答えは未だに見れなかった。

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

 

 

 

 神祖ロムルスは撃破した。恐らく彼もこの街に到着する前に現れたレオニダスと同じように不本意ながら召喚されたサーヴァントだったのだと思う。今まで見てきた中でも最も強力な光を放っており、肉塊ではない別のナニカに見えるレベルの存在だったのだから間違いないと思う。きっと彼はネロ・クラウディウスとカルデアの実力を窺っていたのではないかと考えた。

 

 彼が消えて無事に人理修復、と思われたがやはりことはそう簡単にはいかないらしい。宮廷魔術師としてその存在を匂わせて来たカルデアの裏切り者であり、ついでに俺が疑われる原因を作り出したレフ・ライノールが神祖を罵倒すると共に現れた。

 

 相変わらず一人だけ肉柱状態の彼は自身がどれだけ怒られたのか、ということと俺達がどれだけ無力なのかということを朗々と語りだした。ストレスたまっているのかしら。ぶっちゃけ、俺も相当頭にきてるんだけど。元々お前が俺のことを無理矢理連れてこなければこんなに苦労することはなかったのに。

 

『一つ、聞きたいことがあるレフ教授』

「何かねロマニ・アーキマン」

『―――君はどうして――『そこに居る乾真琴はお前の仲間じゃないのか!?』―――ちょっ!?』

 

 唐突に通信に割り込んできた声。それはカルデアのスタッフの一人の声だった。どうやら日々俺と過ごすプレッシャーに堪えられなくなったのか、ついに聞き出してしまったらしい。

 いや、そうじゃなくて。俺はそこまで負担をかけていたのだろうか。これは少し酷くない?

 多分俺以外の奴なら本当に裏切ってレフ・ライノール(肉柱)側につくレベルだよ?

 メンタルオリハルコンの俺は裏切らないけどね!

 

「――――――我等をあのようなモノと一緒にするかッ!!」

 

 なんでお前がキレるんだよ……。

 

 スタッフからの問いかけにレフ・ライノールはまさかの激怒。こちらを見下していた態度は何処へやら、声を張りつめながら職員に向かって吼えた。

 

「許しがたい屈辱、許しがたい冒涜!! そんなもの、あの小娘が迎え入れようなどと戯言を言わなければその場で始末したものをッ!!」

 

 えぇ……。

 

「――――いい機会だ。この場でまとめて消し去ってくれる。その汚物も、貴様ら愚かな人間も!」

 

 

 

 

 

 

 宣言と同時に、光が肉塊を包み込む。

 光は収束していき、やがて彼の姿を変えた。

 

 

 

 

 現れたのは長い髪をした男性。恰好は緑色のスーツを身に纏い、シルクハットをかぶっている。……見た目とても怪しい男になった。

 

「なんだ、あの怪物は……! 醜い! この世のどんな怪物よりも醜いぞ、貴様!」

 

 ネロ・クラウディウスがそう口にする。

 これは俺の視界の法則から言って、普段の肉柱姿に変化したのではないかと予想した。ということはこれが、今まで立香達が見て来たレフ・ライノール(真)ということになるな。……俺、こんなのについて行ったのか。

 

「それはそうだ。この醜さこそ貴様らを滅ぼすのだ。――――改めて自己紹介をしよう。我が名はレフ・ライノール・フラウロス。七十二柱の魔神が一柱。魔神フラウロスである!」

 

 

 

 いや、もじゃもじゃのロンゲ姿で言われても……。

 

 

 ともかくもうすぐ前人未到の戦いが始まる。

 ドクターの話では相手は本物の悪魔かもしれないということだから油断はできないだろう。俺は普段通り、立香のサポートをしなければ。

 

 




何を思って女神は疑問を抱いたのか。
何を思って神祖は躊躇ったのか。
何を思って魔神は憤慨したのか。

分からない。分からない。分からない。彼には分らない。
彼の眼に、表情は、真意は、想いは! ……決して映ることはないのだから。
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