Q どうして人類最後のマスターと一緒にレイシフトさせてんの?
A レイシフト先で死んだら、誰の責任でもないでしょ?
いや、実に合理的な判断ですねぇ!
ワタクシ感動いたしましたよ! えぇ、えぇ、これでこそ人間ですよ!
ちなみにワタクシ、別に悪魔とかではございませんよォ?
ロマニ・アーキマン。
元々は医療部門のトップを若くして任される人物であったのだが、現在彼は医療部門のトップと所長代理を掛け持っている。理由は生きている人の中で彼よりも地位の高い人間がいなかったからだ。そんななし崩しのような形で所長代理になった彼だが、元は真面目な性格ゆえに、寝る間も惜しんで様々な作業をしていた。
しかし、最近では所長代理としての役目が少しばかり行き届いていないと感じていた。原因はもちろん、異常なまでに不安定な精神を抱えたスタッフたちの存在だ。
このカルデアに来る際には身体検査が為される。そしてそこを通過し、このカルデアで活躍できる技術を持っている人こそがスタッフとして配属されるのだ。つまり、ここに居るスタッフ達は元々心身ともに健康だった。
だが、人理修復の旅が始まるきっかけ。カルデアの元No.2レフ・ライノールによる裏切りと破壊工作によって精神状態は不安定になった。
「……妙な夢、か……」
ロマニ・アーキマンは本来自分がいるべき医務室の机で先程までスタッフから聞いていた話を口にする。
彼らが不安定なのはもう一つ理由がある。それは寝るとたまに変な夢を見るのだという。内容に共通性は感じられない。風景も、時間も、登場人物も一貫性のないものばかりだ。ただ一つの項目を除けば。
「誰かに見られている気がする、という共通性。そして何故か皆が口をそろえて“これはアイツの所為だ”と言うんだよね……」
夢の中で常に誰かの視線を感じる。それもただの視線ではなく、言い表せないようなおぞましい何かだと漠然とした表現を口にしていた。それだけでもわからないのに一貫して上がるアイツ――――すなわち、乾真琴の所為、という言葉。
ロマニはこれらの関係性が全くつかめなかった。彼自身におかしな所は殆どない。検査にも異常は見受けられず、受け答えもしっかりしている。
「何より、ここまで彼のことが出てくると逆に疑いにくいよね」
今までの情報を整理しながらぼやく。
そう、彼が何故、真琴のことを疑わないかと言うと人柄を知っているという理由のほかにもう一点ある。それがこれだ。
余りにも集中しすぎている。ミステリーなどでもよく見かける明らかに犯人そうな奴は逆に犯人ではない、という法則に似ているようなものだとロマニは自己分析している。
「レオナルドから送られてくる情報にも不可解なところは見当たらなかったからね」
彼の部屋に魔力を感知するセンサーを仕掛けたのだが、それに反応はなく、いたって普通に過ごしていることが分かる。そもそも、ここに来てようやく魔術を使えるようになった人間が、複数人の夢を改ざんできるとは考えにくい。
「何処かで意識操作でもされているのかって具合だよね。……はぁ、マギ☆マリ見たい」
自身が夢中になっているネットアイドルの名前を呟きながら、彼は情報を纏める。その姿をレオナルド・ダ・ヴィンチに目撃されレオナルドパンチ☆でベッドに沈められるまで後、10分。
発狂して連投です。