雪月花可愛すぎ!アニメで悶え死にました(ガチデ)
マシンドールは傷つかないは可愛いヒロインしかいないから困るぜ(汗
今更すぎかも知れませんが、本作品は一週間投稿を心懸けています。
投稿する日にちを決めないと失踪しそうなんでw
私の家系は代々錬金術を伝承している珍しい家系だ。
お父様も爺様も曾爺様も魔力は雀の涙も無い。そんな家系だからこそ錬金術がいまだに受け継がれているのだろう。
かくいう私も魔力を持たないちっぽけな少女。
魔力も念動も使えない私は異形な力に憧れた。キラキラと瞳を輝かせお父様みたいな錬金術師になると活き込んだ。
———だから頑張った。
錬金術は<理解>する必要がある。物質を理解し、現象を理解し、構造を理解し、流れを理解する必要がある。
お父様は知識を与えてくれた。
物質を成す原子、元素を頭に叩き込まれた。此れが解らないと話にならないらしい。
現象がどうやって起こるのか頭に叩き込まれた。自然現象こそ錬金術の基礎らしい。
構造を頭に叩き込まれた。人体・建造物・乗り物全ての創りは錬成陣に連なるものがあるらしい。
流れ——————流れってなんだ?いまいち理解できない。万物全てには流れがあるらしい。
お父様との勉強で解らなかったところは爺様に聞く。
"流れってなーに?"優しく微笑む爺様。厳しいお父様も好きだが、優しい爺様も好きだ。
<流れ>とは。魔力・念動の使い方に順序(流れ)があるように。原子にも元素にも自然現象にも人体にも建造物にも乗り物にも数式にさえ流れがある。
万物の<流れ>を理解し分解し再構築する。それが錬金術。
"ん~、よーするに流れってなーに?"爺様に笑われた。まだ難しかったかと。負けづ嫌いな私はむくれた。
爺様は大雑把に教えてくれた。
よーするに私たち錬金術師は術を行使する際に力を借りているらしい。魔力が無いなら他から持ってきちゃえとのこと。けど魔力を内包している人間と違い自然界には魔術を使えるほどの魔力の塊は無い。錬成陣はそんな大地に流れる微量な、人にさえ感知出来ない程の魔力を錬成陣に集まるよう<流れ>をつくる。
それができたら立派な錬金術師。
お父様から錬金術五色について教わった。
<黄金錬成>
"んじゃー翠色と黄色は錬金術の敵だね!"何でそうなる。とお父様に呆れられた。けど黄色は嫌い。目がチカチカするもん。
曾爺様は少しぼーっとすることが多い。家系にまつわる武勇伝、歴史、偉大なる錬金術師の話しになると舌がまわるまわる。
だけどそんな曾爺様のお話しが私は好きだ。錬金術がどれだけの可能性を秘めているのか、どれだけ世界に貢献したか、どれだけの偉業を残したのか。私が特に好きなお話はご先祖様のお話。それも偉大で偉大なすんご~い偉大なご先祖様!
私の家名にもなっている有名な人。
<ヘルメス・トリス・メギストス>
そんな偉大なご先祖様の血が流れている子孫が私。けどそんなご先祖様でも<賢者の石>はつくれなかった。
なんでも<賢者の石>は錬金術の最高の到達点。私がつくってやろう!曾爺様には黄金をつくれるようになってからねと言われた。
私が黄色が嫌いだと言ったら<四色練成>について語られた。
<賢者の石>を作り出す作業には第一原質を「黒化」「白化」「黄化」「赤化」させるという4つのプロセスがあるらしい。
"え~黄色嫌い"そう言うと曾爺様は黄金は好きだろ?と聞く。好き。錬金術師にとって金を錬成するのは誇りだし綺麗で好きだし他の金属と違って余計な不純物がないから好き。
けど黄化——————私の嫌いな黄色には黄金の意味があるらしい。
"やっぱり黄色だ~いすき!"曾爺様には現金な孫と言われた。いいもん、好きなんだから。
私が十四歳の誕生日と共に正式にメギストス家の当主になった。現当主だったお父様を越えてしまったからだ。今では黄金を簡単に作れる腕前だ。此処までの才は百年に一度とか、やったね。
此れでやっと念願の<賢者の石>の製造に専念できる。
つくれなかった。当主になって今どれだけ資金も資源が無いのかわかってしまった。
資金と資源はお父様が用意するからお前は錬金術をもっと研けと言われた。魔力の無いメギストス家は没落しているといってもいい。だから私がお父様も爺様も曾爺様もご先祖様も成しえなかった錬金術の到達点である<賢者の石>をつくってみせる!メギストス家を復興させ錬金術を世間に認めさせてやる!
私は時代を怨んだ。
魔術が世界に浸透した時代。
魔術が一般に流通する時代。
魔術が政権を支配する時代。
どいつも此奴も「まじゅつまじゅつまじゅつ」。錬金術の佳さを判ろうともしない馬鹿ばかり。
魔力の有り無しで優遇も優劣も違う。
私の錬金術を見て凄いと声を上げてくれる人もいたけど、私に魔力が無いと知ると唯のトリックっかと破棄捨てる。
曾爺様と爺様は私の十八歳の誕生日の日に病死。
お父様は過労で寝込んでいる。
お金が無い今何時死んでもおかしくはない。
あんなに楽しかった黄金錬成が金儲けの手段になっている。少ない材料から極小の黄金を錬成する。
当然何時かは材料も尽きる。仕事は朝五時から夜一時までの重労働の毎日。
そんな日々で錬金術の研究が出来るわけもなく子供の頃夢見た賢者の石は遠い日の夢物語に。
今日は錬成した黄金を売りに宝石店へ。これも時代の流れか不景気のせいで何時もより安かった。此れではお父様の薬代を合わせて二週間しかもたない。
"また……黄色が嫌いになった"
二十五歳の誕生日の日にお父様が心臓麻痺で死亡。メギストス家の墓も国家に買収された今となってはお父様を埋葬する方法が無い。
焼いた。
人目のない真夜中の森林でお父様を焼いた。
皆が眠る墓はない。せめて錬金術でおくって上げたいと思い錬金術で発火させた炎で焼いた。
お父様だった死体が灰に変わり果てていくさまを眺めながら、私は——————ないた。
朝五時に目が覚めた。日頃の習慣のせいか、泣きつかれ気絶した私は何時もの時間に意識が覚醒してしまう。仕事には——————いきたくない。
つかれた。
なんだかすべてがどうでもいい。
なにもかも——————何もかも失った。
家も家族も夢も何もかも失ってしまった。
お父様を埋葬した日から一週間が経った。お金も食料も底を尽きた。
今日、明日、どうやって生きるのか計画なんてない。
ふと、黄金を錬成する材料に目が止まった。そう言えば材料も此れで最後。
考える前に体が動いていた。
材料をかき集め黄金を錬成する。その際に薔薇のペンダントに形を作りかえた。
昔は遊び心でよくやった遊び。此れで皆に黄金の杖や、犬の模型などを作りよくプレゼントしていた。
あの頃は楽しかった。皆が好きだった。錬金術が好きだった。黄金が好きだった。
——————だった。
あんなにも綺麗で美しかった黄金。何もかも失っても黄金だけが残った。
だけど嫌い——————大っ嫌い。思い出すから。楽しくて眩しかったあの日を。
だから要らない。此れはけじめだ。私の技術の粋をこの黄金に込めた。
"黄色は嫌いだ"
イギリス首都ロンドン広場の隅で黄金で作った薔薇のペンダントを売る。値段表示もなくただ置いてあるだけ。一時間此処に居るが誰も近づいてこない。其れもそのはず。私は此処一週間水洗いも着替えもしていない状態。見た目からして汚いし臭いも相当するはず。
薄着で肌寒い。日影はやはり冷える。
このまま死ぬのも悪くないかもしれない。そうすれば解放される。此の(メギストス家の)重圧から。
顔を伏せた体勢でまた一時間。眠気で薄れた意識の中、私に近づく気配を感じた。
誰かが騎士でも呼んだか?抵抗する気力も理由もない私は連れて行かれてもいいかと思いそのまま騎士が私を連行するのを待つ。
・・・・・・?何時まで経っても声もかけられない。疑問に思い視線を気配に向けるとちょこんとペンダントを凝視する女の子がいた。
十歳——————六歳にも見える幼い顔つきの女の子。年端もいかない女の子に私は——————眼を離せなかった。
「ぬしがこれをつくったのか?」
「……え?」
声変わりする前の疳高い声。頭まで響くその声で私の意識が引き戻される。その質問が私に対してだとしばらく時間がかかった。
「きいておるのかぬし!」
「え……あっ、うん……わたしが……つくった……」
「そうか!すごいのーぬし!こんなせんしゃいなつくりはしょくにんでもむずかしいぞ!」
「そ……そお?」
「うむ!われぇがほめておるのだ!じしんをもつがーよい!」
「……ありがとう」
「ふむふむ!」
久しく忘れていた感覚。私に娘が居たらこんな感じだろうか?
「バラのぺんだんとはどーやってつくったのじゃ?」
「じゃ?……錬金術……で」
語尾のじゃと錬金術について話していいか悩んだがこの子ならいいかと思った。
「おぉ~!すごいのー!すごいのー!れんきんじゅしゅはすごいのー!」
「ふふふ……ペンダント気に入った?」
「うむ!きれいでつくしいのじゃあ!」
「綺麗で……美しい……」
懐かしい響きだ。だけど……いまのわたしは……。
「……ないてをるのかぁ?」
「……え」
言われるまで気付かなかった。泣いてるのだ、私は。女の子は私の頭に手を乗せると優しく、ゆっくり頭を撫ではじめた。不思議と心が落ち着く。心なしか体の疲れが少しとれた気もする。すると私の"中"で何かが溢れ出てくる。
「こ、こうすればだいじょうぶときいたのじゃが……ちがったかの?」(おろおろ)
私は泣きじゃくった。自分より年下の子相手とか関係なく彼女の腕の中でみっともなく泣いた。
「……ち……ちがうっの……大丈夫……だから……」
「ど、どこもいたくないのじゃな?」
「……うん、大丈夫」
泣き止むまで待っていてくれた彼女は考え込むように腕組をすると閃いたとばかり表情を明るくさせる。
「ぬし、いまひとりか?」
「……うん……一人だよ。誰も居ない、一人ぼっち……」
「ならわれぇとこぬか!」
「あんたと?」
「そうじゃ!ぬしのバラはきにいった!せんしゃいできれいでうつくしい!あ、ぬしのこともすきじゃぞ!だからこい!」
「……あんたは私の目の前から消えない?」
「きえぬ!」
「……あんたは何時までも私の傍に居てくれる?」
「いてやろう!」
「………………あんたは……」
"あんたは錬金術を馬鹿にしないんだな"
「うむ。ならやくそくじゃ!やくそく!」
「約束?」
「"ぜったいにひとりにしない"ショコラ・バンセン・アブラクサスのなのもとにわれぇはこのやくそくをやぶらぬぞ!」
「ええ……私もあん、ショコラを一人にしない。絶対に」
この子にならついて行ってもいいと思えた。全てを失い。死ぬしかなかった私に居場所をくれた。ショコラを守る。絶対に守ると誓う。この眩しい笑顔が守れるなら私は何だってやってみせると。
「ぬしはきょうから"きばら"じゃ」
「黄薔薇?何で黄色なの?」
「ぬしにはきいろがいちばんにあうとおもうたからじゃ!またれんきんじゅしゅでわれぇをたのしませるのじゃぞ!」
「……うん」
ショコラの手握る。繊細で今にも壊れそうな小さな手だけど——————この温もりに私は救われたきがした。
"この日、また私は黄色が好きになった"
二千文字くらいで回想終わらせてすぐさままさかの急展開!?がやりたかったのに回想でまさかの四千字越えw