遅筆すぎるwもっと達筆になりたいっス。
頭の中でどう終わらすか大体決まっているのですが文章力のない自分はまとめるのに時間がかかってしまう。
早く投稿できる人が正直羨ましいです。
ラグナ・ブラットレイのサーベルが大気を裂く。
振るう、振るう、振るう。
流れるような動きのまま、勢いを殺さずサーベルが駆ける。
互いの白い刃は魔靭を相殺し合う。
斬る、斬る、斬る。
剣術だけでは勝負がつかない。互いが互いの癖を知り尽くし太刀筋までもがばれている。ならと、タイミングをずらし、パターンを変えても互いの想定内。決定打にはならない。
殴る、蹴る、投げる、極める、目くらまし。地の利さえ利用し相手の眼に向かい砂を蹴り上げる。
斬る、斬る、斬る。
数えるのも馬鹿馬鹿しい激しい攻防。終わりの見えない攻防は、突如終わりを告げる。
「……引き分けか」
「あぶなかった~」
互いのサーベルが首の皮一枚で寸止めされていた。
「最後身体能力強化したでしょラグちゃん!明らかに昨日より速度とパワーが桁違いだったよ!ぷんすかぷんぷん!」
「手加減されていたと?誤解だ母よ。昨日はあくまでサーベルのみの決闘であり何でもありの実戦じゃない。その速度に対応できた母の反射速度が異常だよ」
「私は常日頃から五感強化してるからね♡変化には敏感だよ~」
「よし、なら最初っから肉体強化を施してから手合せする」
「死んじゃうよ~お母さん何歳だと思てるの!はっ……まさか私の年齢を訊きたいがために誘導したな~そんな簡単な誘導尋問引っ掛かるほどお母さんはそ・ん・な・に・甘くはないぞ☆」
「理解できる文脈で言ってくれ、何故誘導尋問したことになっている?」
「もん!男の子が一々小さい事気にしないの!三十分の休憩を挟んで次行くよ!」
「ああ……母よ、一つ約束してくれないか?」
「いいよ~いいよ~ラグちゃんの頼みなら世界だって滅ぼしちゃうんだから!」
「頼まないし世界滅んだら俺も母も問答無用で死ぬぞ……そんなたいした約束じゃない。次俺が勝ったら灰薔薇について教えてもらう」
「そんな約束必要ないよ~ラグちゃんが知りたいなら私はなーんでも教えちゃうぞ☆例えば私の性感———」
「母が俺に勝ったら何でも言う事訊いてやるよ」
「……なんでもっていった?いったよね~いっちゃったよねいまー!私が勝ったらラグちゃんの肉体を好き勝手出来るってことだね!!!あんなことやこんなことができるんだよね!!?私のこ———」
欲望がだだ漏れで丸聞こえ。此処まで効果があるとは振った自分が言うのもあれだがドン引きである。
「と、とりあえず三十分後にまたな」
謎な寒気が背筋を通り過ぎ全身に伝わる。その際下半身に視線(プレッシャー)を感じたが気のせいでありたい。
何故ラグナはあんな約束をしたのか。母——————レイン・ブラットレイは大の息子馬鹿である。それも"超"がつく息子ラヴで頭のネジが緩むどころか捥ぎ取ったヤバい思考の持ち主。実の息子から見ても愛が重すぎる人物。俺が傷つくのを良しとはしない。刃を交える時でさえ防御に完全に徹し時間と無理を重ねなければ一太刀浴びせるのも困難。
なら鉄壁の防壁を崩すにはどうすればいい?なに簡単だ。防壁としての機能を切り崩せばいい。
今までの様な引き分けじゃない。勝者と敗北者が決まる魔法の言葉。
——————何でも言う事訊いてやるよ。
母よ……戦いはもう始まってるぞ。
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■■■■魔術回路実験記録。
第一実験——————失敗。 理論自体悪くはない。
第二実験——————失敗。 前回の反省を踏まえ準備したが結果は失敗。
第三実験——————失敗。 データが足りない。
第四実験——————失敗。 まだまだデータが足りない。
第五実験——————失敗。 現状を鑑みるにデータが圧倒的に足りない。
——————失敗。
——————失敗。
——————失敗。
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第七九五実験——————失敗。 魔術回路にするにはまだまだ難しい。
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第一九一三実験——————失敗。 何かが不足している。
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第四四五一実験——————失敗。 此処までくるとちょっとばかしストレスが芽生えてくる。
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第五五八二実験——————失敗。 あの人の事が頭から離れない。
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第九〇三三実験——————失敗。 憂さ晴らしに。
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記録は其処で終わっていた。
実験に持ちいた材料。時間。方法。失敗の原因。ありとあらゆる手段を持ちいた魔術回路開発のデータが詳細に記録されていた。途中から日記っぽくなってるのは目を瞑ろう。
(コレを灰薔薇様に……ご褒美間違いなしだ)
彼は薔薇の師団に所属する魔術師。正確には薔薇直属魔術師戦闘部隊に所属する彼は隊長や副隊長のように薔薇に対し絶対忠義の真心を尽くして仕えるなどといった心意気は存在しなかった。あるのはただ一つ。
"利用してやる"
生まれた時から貧民街で暮らす彼は人を"騙す"ことに長けていた。騙し騙し騙してきた。自身に魔術の才があるとわかったのは九歳の時だ。そしてそれさえ利用し最近目を付けていた子供がいない老人貴族に接触した。品のある子供を演じこの屋敷の近くに捨てられたと泣き喚く。接触してきたら後は簡単だ。養子として迎えられるよう貴族の老人に気に入られる。裕福な日々を送るためにまた"騙した"。
騙すことにおいて一流と自負する彼は老人の死後遺言通り当主になり妻を迎え入れなに不自由のない生活を送っていた。そしてそんな彼だからこそもっと上へと上り詰めたいと思ったのかもしれない。
結社に接触できたのは偶然だった。だが彼はその偶然を掴み取り結社の魔術部隊に滑り込むことが出来た。そこからが彼の手腕の見せ処。
"騙した"。世界を裏から支配する薔薇。幹部を"騙した"。結社に属する者から一握りしか選ばれない直属部隊に選ばれてしまった。
薔薇直属魔術師戦闘部隊に配属される方法はたった一つしかない。<薔薇に対し絶対的な忠義>
彼の"騙す"は一流から超一流にランクアップした。
幼児期から人を騙いてきた彼は"騙す"のが自然であり空気みたいなものだ。騙すのは特技ではなく彼其の物なのだ。
だから解る。この資料は次のステップへ上がる鍵だ。出世の匂いがプンプンするしな。
魔術回路——————簡単に言っちまえば時間や準備が面倒な呪文や印や魔法陣等の複雑怪奇な魔術儀式を魔力を流すだけで魔術的効果を発揮する装置。
この資料には大規模魔術儀式を魔術回路化にするための数々の実験が詳細に記録されている。しかも完成まじかだ。
(コレが資料通りの魔術なら最強じゃねーか!俺が幹部になるのだって夢じゃねえ!)
灰薔薇の命令は屋敷の者を全員始末し魔術に関するあらゆる資料と魔術機具の破棄。効率を考え同じ部隊に所属する四人はそれぞれ別行動で任務をこなしている。五月蠅かった悲鳴と叫び声は静まり返っている。他の四人が頑張って任務をこなしてくれたようだ感謝感謝。
(この資料以外に目ぼしい宝物はないな……これ全部破棄とか勿体ねーなぁ)
素直にそう思ったが、金に目が眩んで密かに売りさばくなど二流を通り越して三流以下のその場の金にしか目が向かない低脳な彼ではない。やることはやる。この資料は別だが。
やることをさっさと終わらせた彼は他の四人と合流すべき集合ポイントに向かう。
違和感——————彼は人を"騙す"からには覚られぬよう相手の全てを観察している。気に入られるため仕草、口調、表情、空気に至るまで敏感に察知し相手が今どんな気持ちなのか予想するのだ。口で言うのは簡単だがそれを実行するのは大変難しい。そこは経験がものをいうのだ。
違和感——————彼はこの小隊のリーダーを務めている。彼らを"騙し"彼らが求めるリーダーを演じている。あいつ等の観察は終了している。直属部隊に配属されてから一番付き合いが長いからな。それ程の距離でもなければ離れていても気配で大体の居場所がわかるまでの付き合いだ。
違和感——————そうか、気配がしないんだ。さっきまでひしひしと感じていたあいつ等の存在をまったく感じない。やられた?あいつ等がやられるほどの実力者が居るとは考えづらい。だが、もし———————
「こんな所に……探しましたよ」
何時から居た!?俺に気配を覚られず背後に立つなんて!
だてに小隊のリーダーを任されてはいない。"自分さえ騙し"あの四人を相手取る実力を身に着けた。結社の幹部や隊長たちの様な化け物でもない限り倒せなくとも逃げ切る自身はあった。
「その資料はあの方にとってとても大切な物なのです。返して貰います」
!!!???
息が出来ない……首が天井に引き上げられている!?何時だ!?何時の間に紐を首に引っ掛けた!!?いや問題はそこじゃない、そこまで解るのに体が動かない魔力が上手く制御できない……自動人形がぁぁぁぁあ……。
「ああ……あぁぅ」
爪先がギリギリ床につく危険な状態。
「
俺が……俺様が"騙し討ち"だとぉ!?俺を"騙し"ただと……"騙し"は俺だぁ……俺なんだ……俺を"騙す"なんて許されるはずがねええええええええええ!!!
「ああ……うぁ」
「毒が全身に回り念動も魔力もまともに制御できないのに爪先だけで頑張りますね……私も忙しい身、さっさと死んでください」
首に巻きついたロープが更に絞められる。遂に足が宙に舞う。酸素を補給できない、脳への血流も止まる。
人を騙し自分さえ騙してきた彼の人生は騙されることでその幕を閉じる。
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結果だけを発表しよう。
紙一重の差で何とかギリギリ俺が勝った。母も俺もボロボロだ。
「はあ……はぁっ、これっで、俺が蒼薔薇だ」
「にゃははは……ついに負けちった」
元蒼薔薇レイン・ブラットレイに勝った俺はこれから現蒼薔薇と堂々と名乗れる。いやまてよ……灰薔薇に結社が乗っ取られた今、俺は果たして蒼薔薇と名のるべきなのか?
・・・・・・まいっか。無駄な事は気にしない主義だ。要するに心の問題だ。
「さて、母よ」
「うん?」
「アストを呼んでくるから灰薔薇について話す内容まとめておけよ」
「ち、あの女狐も一緒……うん!わかったよ!」
戦闘の余波に屋敷を巻き込まないよう離れに造られた戦闘場で戦っていたため屋敷からは少し距離がある。
「歩いて行くか」
疲れた体に鞭打つ必要はない。徒歩で五分ほどの距離だ。
すると俺が生まれる前、ブラットレイ家に仕えてきた執事が息を切らしながら走ってくる。
此方までくると乱れた服を正し呼吸を落ち着かせる。
「奥様、坊ちゃま。クレオ・ヘル・トリスメギストス様が意識を取り戻しました」
「「!!」」
もっとも目覚めて欲しい人物が目を覚ました。
チートタグを最強?タグに修正します。
主人公そこまでチートでもないので。