エピローグってこんな感じでいいのか感で書き上げました。
一応そのまま原作突入出来るようにしときました。
続けるにしてもこのままこの作品で書くのか、タイトルの語尾に「=続(例題)」を付けて別作品で書くかは悩み所です。
一つ疑問なのですが投稿するたびに最新話より一話の方がアクセス数多いってどうなの?
では、どうぞ!!
人工的遮蔽物が一つも無いまっさらな自然豊かな草原。
太陽の光がダイレクトに降り注ぎ真夏の暑さを強調させる。
風が吹く、草木を揺らす優しい風、風の音意外は何もない静かな世界。
涼しく、気持ちがいい。
背もたれに体重を乗せ、体を伸ばす。
「……ふぅ」
「日傘くらい用意したらどう?」
「行き成り現れんな、驚くだろ」
「どこにそんな人が居るのかしら?」
閉じた瞼に影が掛かる。リールがふんだんにあしらわれた可愛らしい日傘だ。後、顔が近い。
「
「
「それは良好だ」
静かな静寂、気まずさはない。ゆっくり、ゆっくりと、髪が風に煽られながら遥か彼方を見詰める。
「薔薇の師団はこれから生まれ変わる」
黒薔薇にはアストの七つ年下。先代黒薔薇の直系血族にあたる。
この子は化ける。
銀薔薇には英国王妃を、暗殺が絶えないからな、すぐ変わりそうだ。
白薔薇は空席。
紫薔薇には先代紫薔薇の娘が。紫薔薇は極東の一族が代々受け継いでいる。
紅薔薇はそのまま。情報の管理など手広くやっていて便利だ。
黄薔薇は空席。
翠薔薇は空席。
灰薔薇にはロシアで出会った面白い奴。先代がアレだったし陰謀めいた奴にした。
「権力の抑止、紛争、世界大戦の回避。どれもこれも面白味がない。
「まずは地盤固め?」
「そうだな……俺は暫らく裏方に徹する。諜報活動とかやってみたかったんだ。その間、頼む」
「任されました」
軽く唇を合わせる。
もう両手で数えるのも無理なほど触れ合っている二人だが、此ればかり慣れない。
「お上手です?」
「……違うだろ」
穏やかに流れる時間。品を崩さず、クスクス喉を震わせ笑い合う。
「そろそろか……」
水がとぐろを巻き四人の男女が出現する。
「よお……白薔薇」
「もう……白薔薇じゃない」
「相変わらず初々しいな、俺が先輩として色々教えてイダダダダダァア!?」
「この子の前で変な事言わないで」
耳を捻られ奇声を上げるエーイン。地味に痛いぞそれ。
白薔薇——————イルクの背後から此方を窺っている小動物。
「ほらー飴だぞ~?そんな所に隠れてないでどうだ?」
恐る恐る小さな手を伸ばし飴を引ったくり、またイルクの背後に隠れる。
「……懐かれない……何故だ?」
「私には懐いたのにね」
「二人ともちゃんとした面識ないだろ?」
「それなら何でアストは懐かれてんだよ」
「母性?」
「それは敵わないな」
「……キンはギーとキーの気配するから」
イルクの背後に隠れている小動物の正体は<元>黒薔薇ショコラ・バンセン・アブラクサス。
見た目こそ幼女だが、一世紀生きる魔女だ。
しかし、見た目相応の記憶しかない正真正銘の唯の幼女だ。
「クロは人見知り激しいんだ。怖いお兄さんには見向きしないさ」
「さようで……そろそろそっちの子紹介したらどうだ?身を隠している貴方たちが態々連れてきた子供なんでしょ?」
イルクの腕に抱かれた小さな命。
イルクと同じ水色の髪、何処となく目尻がエーインに似ている。
一目で分かる。二人の赤ちゃんだ。
人差し指を差し出すとそれを握りキャッキャッと楽しげに笑いだす。
「元気な女の子じゃないか。将来有望だな、母に似て美人になる」
「口説いてんのか、え?人の女房誑かしてんのか?」
「もう間に合ってるよ」
「この子の名前は?」
「アモ」
「アモ?」
「スペイン語で
「……素敵ね。お腹を痛めて産んだ子供は何者にも代えがたい宝物……私もそう想えるかしら?」
「……自分を犠牲にしても護りたい宝石になる」
「そういうものなのかな?」
「そういうもの」
アストは生まれて初めてになるガールズトーク?に戸惑いながら新鮮味があっていいと笑みをこぼした。
——————閑和休題。
「薔薇の師団に戻る気はないか?白薔薇は何時でも空いてる」
「戻る気はない。今日はお別れを言いに来たの」
「クロを匿うなら結社が最も安全だ。二人……あーもう六人いたな、八人じゃボロが出るぞ」
「大丈夫、僕がいるから」
「説得力があるから困る。雲隠れする前にクロの能力を———」
「だめ」
「……駄目か?」
「だめ」
「……さようで」
これ以上の説得は無意味か。
「最後に決闘しないか?」
「やだ」
「だろうな、訊いてみただけだよ。だがな、結社は変わる。<三人の魔女>が望んだ安寧、秩序、世界平和から程遠い血が流れる時代になる」
「私とラグナは先導して行う。十年……五〇年、一〇〇年掛かるかも。でも、人生楽しんだ人の勝ちでしょ?」
「ぷッ!クハハハハハハ!!やっぱ面白いなお前等!!"人生楽しんだ人の勝ち"か、正しくその通りだ!だがな、俺等とお前等じゃ往き付く先は真逆だ。平和な時間と
「覚悟の上だ。邪魔をするならすればいいし、何時でも相手になってやる」
「錬金術の研究が一段落したら相手になってもいいよ」
「「絶対嫌だ」」
俺が認めた人間は平和主義者が多いな。
残念ではあるが、二人には世話になっている。
クロには難しすぎたのか首を傾げキョトンとしている。
首には黄金で作られている薔薇のペンダント。
其処にはクレオの故郷の言葉で"貴女と共に"と刻まれている。
最後に残した言葉と全く同じ。
クレオの願いと想いは確かに黒薔薇と共に生きている。
「俺とアストは仕掛けて来ない限り絶対に手出ししない。よ……十人で隠居生活を楽しんでくれ」
「……誰も」
「ん?」
「……誰も止める人がいなくなったら……本気で止めてあげる」
「ククク……その言葉、忘れるなよ」
イルク、エーイン、クロ、アモが水に飲み込まれ——————消える。
「さて……まずは根を生長させる。地盤を安定させ、肥料をやらないとな。水は……君に任せるよ」
「……任されました。だけど、今はゆっくりしたいかな」
「俺が淹れた紅茶でも飲むか?クッキーもあるぞ」
「……いただく(女として負けた気がする)」
紅茶もクッキーも淹れたて焼きたて、クッキーは焦げ目がとても美味しそう。
クッキーを一枚摘まむと口に含む。
一口サイズで食べやすい。
クッキーを食べ、紅茶も飲む。
「……おいしい(おいしい、凄く美味しいけど……どうなのこれ?)」
家事のたぐいは使用人(メイド)に任せっきりのアストは、舌が肥えているが手料理は"無理・絶対"のお嬢様だ。
「口に合って何よりだ」
「えっと……ラグナはどこで身に着けたの?ほ、ほら!ちょっと以外だし」
「料理の腕は母から剣術を指導する条件に叩き込まれたんだ」
「どうして?」
「俺の手料理が食いたかったそうだ」
なんだそれはと笑い合う。
一般的な青春時代なんて知らない二人は年齢が近い唯一の異性。
二人が恋に落ちるのは必然だったのかもしれない。
世界は動き出す。
半世紀もあれば人の考えなんて簡単に変えられる。
技術力は向上し、魔術師の在り方も変わっていく。
人を幸せにする人形は、兵器へと姿を変えていく。
平和な世界は遠い過去の話しになる。
一人じゃ無理だ。
一人で達成してもそれは唯の自己満足だ。
それ以上は無い。
君となら——————
出会って間もないけど君となら何だってやれる。
「……ありがとう」
「何だよ、いきなり」
「別に。ただ、言いたくなっただけ」
くすり、と悪戯っぽく笑うアスト。
風になびく髪を指先で掬う仕草。素直に綺麗と感じた。
改めて見惚れた。
自然に目線が合い、指を絡める。
二人なら何だってできる。
楽しく人生を謳歌しよう。
二人で、一緒に。