「社長!何ですか話って。」
「門脇君、非常に申し訳ないんだが
君にはわが社を立ち去って貰いたい。」
俺、門脇誠児が言い渡されたのは突然のリストラ報告だった。
「社長‼それはどういう事ですか!?」
「言葉通りの意味だよ。我が社は経営難で人数を減らさないと苦しいんだ。それに君
あの犯罪者の弟だそうじゃないか。」
兄貴の事がバレただと!?10年前の事件なのに!?
「君がいると我が社の評判が落ちかねないのだよ。そう言う訳だから君には今日中に立ち去って貰うよ。」
「あぁ解ったよ‼こんな会社こっちから願い下げだよ。」
俺はそう言ってこの会社を後にした。
その後俺が住んでたアパートにも兄貴の話は知れ渡り俺はアパートを追い出され公園でのホームレス生活を強いられる事になってしまった
その夜俺は行き付けのおでん屋に行った。今日は飲まずにはいられなかったのだ。
「てやんでぃ‼バーロー‼ちくしょー‼テメーらいい加減ツケ払え‼ってなんだテメーかよ。」
おでん屋の主人である低身で髪の毛一本の男チビ太はアイツらが代金を払っていない事に余程苛立っていたのか俺をアイツらと勘違いしたようだ。
「チビ太、いつもの。」
俺が注文するとチビ太はサワー系の酒の缶を出す。
「覚えててくれたか。」
「覚えてるも何もオイラの店でこういうの頼むのお前位だよ。」
チビ太はこの店はビールしか出さないとこだわっているのだが、俺がビールは苦手だと言うのもあるのだが俺はアイツらと違って金を払っているので用意してくれているのだ。
「なんかあったのかよ。」
「会社をリストラされたうえにアパートを追い出された。」
「そうか。あ、アイツら来やがったぞ。」
俺が後ろを向くと例の代金を払わないアイツら松野家の六つ子が来た。アイツら20なんだからいい加減働けよ。まぁアイツらには俺の兄貴が迷惑をかけたから俺につべこべ言う権利はないだろうけど。
「なんだおっさん、あんたも来てたのかよ。」
「いちゃ悪いか。」
アイツらは十中八九今回も親に働けって言われたから飲みに来たのだろう。まぁいつもの事だし。
「それよりもおっさん、今日も一緒に飲み明かそうぜ。」
「言われなくてもそのつもりだ。」
そのまま俺は六つ子どもと共に飲みまくった。夜が明ける頃には六つ子は酔いつぶれて寝ていた。俺はアイツらより先に代金を払ってその場を去った。勿論アイツらの分は払っていない。
「あ、そうだチビ太、そいつらに伝えておけ、俺は今日此所に来るのは最後かもしれないってな。」
俺がおでん屋を去った後、俺は公園のベンチに座ってふせぎこんでいた。
「はぁ。」
俺は溜め息をついて昼まで動かないでいた。昼頃には雨が降ってきたが俺にはどうでもよかった。
「どうしたの?」
俺は話しかけられたと思って前を見たら白いロングヘアーで頭に長いリボンを着けた少女が傘の下から俺を見つめていた。おそらく中学生ぐらいだろうか。
「そんなところに居たら風邪引く。」
「風邪引かねぇよ、おじさんバカだから。それより嬢ちゃん」
俺がそう言うと少女はむくっと頬を膨らます。
「高校生。」
「へ、」
「今年から高校生。」
じゃあまだ中学生じゃねえかよ。まぁどっちにしろ俺からしたらまだ嬢ちゃんだけどな。
「それよりおじさんどうしたの?」
「会社クビになってアパートも追い出された。」
「だったら家来る?」
「は、」
「行くとこないなら家に来る?」
「いいのか?こんな得体のしれないおっさん自分の家に連れ込んで。」
「困った時はお互い様。」
「そうか、ありがとよ嬢ちゃ」
「千石冠。」
「へ、」
「千石冠、私の名前。」
「そうか、俺は門脇誠児だ。」
「じゃあセージ、ついてきて。」
俺が冠に言われてついて行くと、そこには黒塗りのベンツが停まっていた。彼女ってお金持ちのお嬢様なんだな。
「お嬢様、お待ち」
ベンツの前に立っていた執事らしき男は俺を見た途端眉を潜める。
「お嬢様から、離れろ!?」
執事は俺の胸ぐらを掴み地面に叩きつける。
「冠お嬢様!?大丈夫ですか!?」
「本当に申し訳ございません。」
執事は俺に謝罪している。どうやら冠が誤解を説いてくれたようだ。
「まさかお嬢様が雇うという人物に何とご無礼を。」
「構わねぇよ、誰だってお嬢様の傍に見ず知らずのおっさんが居たら怪しむしな。」
「兎に角お乗りください。旦那様には私から連絡しておきます。」
執事の言葉と共に俺はベンツに乗り込む。
「セージ、」
「ん、なんだ?」
「セージって何歳なの?」
「37だけど」
「誕生日は?」
「8月12日。」
俺は車内で冠の質問に答えている。一方執事さんは、
(お嬢様、成長しましたな。あの人見知りのお嬢様が他人、それも年上の殿方に自分から話しかけるとは。)
運転席で冠の成長に感動し、涙していた。
「つきましたぞ。」
「ここが私の家、」
俺がベンツを降りると、そこにはでっかい豪邸があった。
「すっげぇ。」
「さぁ中にお入り下さい。」
執事がドアを開けて俺と冠も中に入ると、床には赤い絨毯が敷いてあった。すげぇさすが金持ち。
「やぁ、君が門脇君だね?」
俺が声がした報告を向くと男性が居た。恐らく冠の父だろう。
「話は聞いているよ、それで君に提案があるんだが。」
「提案?」
「君には衣食住を提供するよ。その代わり私の娘冠の専属の執事にならないか?」
「へ!?」
千石冠の専属執事になる作品は二番煎じとなりますが、スロウスタートのクロス作品は私が始めてとなります。暖かい目で見守って下さると光栄です。批判はご勘弁してほしいです。