スロウスタート 犯罪者の弟の物語   作:Kamenride1

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にゅうがくしき

「ほらなごみ、すごみ、餌だぞ。」

 

俺は現在、冠お嬢様の飼い猫なごみとすごみの餌をやっているのだが、俺を警戒して全く近付こうとしない。猫は警戒心が強いって言うからな。

 

「仕方ねぇ、此所に置いとくぞ。」

 

俺はなごみとすごみの餌入れを床に置いてその場を去る。今日はお嬢様の入学式だからボーッとしてる訳にはいかないのだ。因みにお嬢様は既に起こしている。

 

 

 

「さてと、今日の朝食は、」

 

俺はキッチンで朝食を作る。献立はサラダとベーコンエッグとトーストにしておこう。

 

 

 

「お嬢様達、朝食の用意が出来ました。」

 

俺はそう言って、冠お嬢様、旦那様、奥様の朝食を用意する。

 

「そう言えば冠、今日から入学式だな。」

 

「うん。」

 

「あらあら、ならカメラ用意しないと。」

 

「大丈夫ですよ奥様、写真は俺が撮りますから。」

 

俺は奥様の代わりに写真撮影を引き受ける。奥様機械音痴だからな。

 

「セージ」

 

「あぁわかってる、晩飯美味い物作ってやるからよ。」

 

仕えて間もないが俺はお嬢様の事が解ってきた。身長コンプレックスな事とか寝る事と食べる事が好きな事とか。

 

「さすがセージ、私の事わかってる。」

 

俺達は朝食を食べ終わり学校に向かう準備をする。向かう先は星尾女子高校、女子校か。

 

 

 

『新入生一同起立!!』

 

開会式が始まった。保護者席男性陣少ねぇな。まぁ女子校だから仕方ねぇだろうけど。

 

 

 

俺は今、始業式が終わったので買い物をしている

 

「今日の晩飯何にすっかな。」

 

 

 

私千石冠は今久しぶりに再開した栄依子と新しく出来た友達花名とたまてと一緒に世間話をしながら帰ってる。

 

「成る程成る程、かむちゃん執事雇ったんですか。」

 

「うん。」

 

「かむ、その執事さんってどんな人なの?」

 

「あ、私も知りたいかも。」

 

たまてに続いて栄依子と花名も食い付いてきた。セージは確か、

 

「強いて言えば、酒豪で博打好き、色魔でヘビースモーカー」

 

「冠ちゃん、そんな危ない人雇ったの」

 

「後、無精髭でボサボサ頭、」

 

(なんかまずいよこれ。)

 

(これはとんでもない不良執事ですな。)

 

(かむの未来が心配かも。)

 

三人がなにやらヒソヒソと話し始めた。

 

「冠ちゃん、その人と関わらない方がいいと思うよ。」

 

「セージ会社クビになってアパート追い出されたらしいから雇った。」

 

「そんな捨て犬感覚で!?かむちゃん、危ない人を家に入れちゃダメですよ。」

 

「セージ料理上手いし掃除早いしなんでもできる。」

 

「そう言う問題じゃなくて、私達かむを心配して言ってるんだけど。」

 

「20過ぎてニートの奴等もいるからそれに比べたらまし。」

 

「「「あぁ、そうですか。」」」

 

今の私の言葉で三人が静まり返った。

 

 

 

「なんかいい本ねぇかな。」

 

俺は買い物ついでに時間が余ったので本屋に来ている。雑誌のコーナーのある本を手に取ると、

 

「あー、まんがタイムきららだジョー。」

 

声がしたので後ろに振り向くと、頭に旗をさしたオーバーオールの幼い容姿の少年が立っていた。

 

「僕も読みたいジョー。」

 

困ったな、この雑誌俺が先に目を着けたんだけどな。まぁこうなったら仕方ない。

 

「やるよ。」

 

俺はそう言って少年にまんがタイムきららとか言う雑誌を渡す。

 

「わーい♪やったジョー♪おじさんありがとうだジョー♪」

 

少年はそう言って去って行った。さて、俺も屋敷に戻るか。

 

 

 

「お嬢様、晩御飯のお時間です。」

 

「うん、晩御飯。」

 

俺はテーブルの上に料理を並べる。

 

「今日の晩御飯はなにかね門脇くん。」

 

「よくぞ聞いてくれました旦那様、今夜は何と、手巻き寿司です。」

 

「手巻きって自分で作るの。」

 

「そうです奥様、自分の食べたいネタを海苔と酢飯の上に乗せて巻くだけでほら完成、誰でも簡単に作れるお手軽料理です。」

 

何てったって手巻き寿司は庶民でも寿司が楽しめるのだから。

 

「さて、誰から巻きますか。」

 

「当然冠の分からだろう。冠の入学祝いなのだから。」

 

「ではお嬢様、好きなネタをお取りください。」

 

俺がそう言うと、お嬢様は鮪、イクラ、海老などのネタを乗せ巻いて口に運ぶ。

 

「どうですかお嬢様、お味の方は。」

 

「おいしい、自分で作るのも悪くない。」

 

気に入ってもらえたようだ。

 

「ところでどうだね冠、学校の方は。」

 

「今日えーこと会えた。同じクラスになれた。しかも新しい友達が二人もできた。」

 

「そうか、それはよかったな冠。」

 

冠お嬢様と旦那様達はそのまま話しを続ける。家族か、俺にはもう両親もろともいない。

 

「門脇くん、折角だから君も一緒に食べようではないか。」

 

「いいんですか旦那様。」

 

「当然だろう、君も家族の一員なのだから。」

 

そっか、今はお嬢様達が俺の家族なんだ。

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