ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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何かある程度ストーリーが思い付いてしまったので


ルナアタック事変
第一話


地獄を見た――

 

人を炭に変える異形の群れ。

他者を省みず、逃げ惑う人々。

死に瀕した自分と少女を救う為、命を燃やしたあの人――

 

地獄を見た――

 

生き残った少女に対する人々の悪意。

悪意から身を守るには、少女は余りにも無力だった。

それでも、どこまでもまっすぐに生きる少女に目を奪われた――

 

地獄を見た――

 

少女がまっすぐであるために悪意を自分に向けさせた。

気持ち悪い独り善がりの代償として、元々ぼっちだった自分はますます孤独になって行った。

それでも、少女とその友人は自分から離れることは無かった――

 

「未来?ハチ君がまた濁った目で難しい顔してるよ?」

 

「いつもの病気だからほっといていいんじゃない?」

 

…おい。

 

戦姫絶唱シンフォギア

~ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる~

 

春。入学の季節である。

とある事件によって高校受験を受けれず、途方に暮れていた俺、比企谷八幡を受け入れてくれたリディアン音楽院にも、新入生が入ってくる。

それが目の前を歩く、立花響と小日向未来だ。

 

…因みにリディアン音楽院はほぼ女子校に近い。マジでぼっちには厳しい世の中である。

本当に勘弁して欲しい。

 

「それでね?翼さんとお話したいって思うんだ?」

 

立花がそんな事を言う。

…正直聞いて無かった。

適当に返しておくか。

 

「あーはいはい。まぁがんばればいいんじゃね?」

 

「うわぁ…テキトーだなぁ…」

 

「響?八幡にまともな返事を期待しても無駄だよ?」

 

…小日向さん?さっきから俺に対して辛辣過ぎじゃないですかね?

お前は何処乃下何処乃さんかよ!?

 

?自分で言ってて何だが、誰の事だかわかんねぇな…

魂の叫びっぽいし、多分別時空の俺が乗り移ったとかだろう。

 

「うるせーよ。それと、学校であんま俺に話し掛けてくんなよ?」

 

「えぇ!?何で!?」

 

少し考えれば分かるだろ…

リディアンに入学してからはそうでも無いが、それまで人々に迫害されてきた上級生の男と親しげに話してたら悪目立ちする。

 

「ほんと、八幡は捻デレだね?」

 

おい!誰だ、そんな頭悪い造語を広めてる奴は?

小町か?小町なのか?

 

というか、小日向さん?名前呼びとか俺くらいのプロぼっちでないと勘違いして告白して振られちゃうまであるので止めて下さい。

…振られちゃうのかよ。

 

「あ!そう言えばハチ君!今日の放課後ヒマかな?」

 

「残念ながら暇じゃねぇな。帰って寝るのに忙しい」

 

「言い訳が雑過ぎるよ!?」

 

だってさ?コイツに振り回されると体力持たねえんだよ。

人助けとか言って走り回って猫拾って来たり。

人助けじゃなくて猫助けじゃねえかよ!

因みにその時立花が拾って来た猫はカマクラという名を与えられて我が家の飼い猫となっている。

 

「でもでも?ヒマって事だよね?」

 

この流れはまずい。

 

「じゃあさ、買い物に付き合って欲しいんだ?」

 

…どんな厄介事かと思えば買い物かよ!?

というか立花さん?無闇に年頃の男子に対して付き合ってなどと言うと、以下略。

 

「八幡も観念したら?」

 

「うぐっ…買い物だけだからな?」

 

「やった!じゃあ、放課後ね!」

 

「へぇへぇ…」

 

我ながら清々しいまでの社畜根性に心底嫌気が差す。

やはり俺は社会に出ず専業主夫になるべきと心に誓ったのであった。

 

***

 

放課後、立花と合流し、買い物に付き合う。

 

「それでね?CDは特典が凄いんだよ!」

 

立花の買い物は本日発売の風鳴翼のCDだそうだ。

このご時世にCDねぇ…

しかも風鳴翼とは…懲りねぇな、こいつも…

 

風鳴翼――

元ツヴァイウィングというユニットの歌手。

元…というのは相方の天羽奏は故人だからだ。

そして、ツヴァイウィングは俺達にとってもまったくの無縁という訳でも無い。

世間一般では加害者と被害者という位置付けになっている。主に俺のせいで。

つまり、世界災厄であるノイズから逃げる為に俺が天羽奏を犠牲にしたことになっている。

…実際は少し違うのだが、それを語ることは無いだろう。

 

そんなこんなでコンビニの角を曲がったあたりで異変に気付く。

()()()()()()()()()()

そして、最悪なことにコンビニの中で、かつて人であったであろう炭の塊を発見する。

 

「ノイズ!」

 

「立花!落ち着け!シェルターまで走るぞ!」

 

「ハチ君…うん!」

 

そんな時、親とはぐれた小さい女の子の声が聞こえる。

 

「お母さん?どこ?」

 

「ハチ君!助けなきゃ!」

 

こんな時でも自分より他人の事かよ?

まったく、どこまでもまっすぐで目が眩みそうだよ。

 

***

 

あれから、ノイズに追われ、ただひたすらに走っているうちにシェルターからも随分離れてしまった。

こうなれば奴らが自壊するまで逃げ回るしかないだろう。

しかし、俺と立花はまだいいが少女の方は限界が近い。

…仕方ねぇな。

 

「立花。俺が囮になるから、その娘と一緒にシェルターまで逃げろ」

 

「ハチ君!?何言ってるの!?」

 

「しゃあねぇだろ?どのみちこのままじゃジリ貧だ。それならお前らが確実に助かって、運が良ければ俺も助かる方法に賭けるしかねぇよ」

 

「ハチ君のバカ!!そんな事で助かったってうれしくない!」

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃん?ケンカしてるの?」

 

そんな事をしてる内にノイズが迫ってくる。

 

「バッカお前!もう団体さんが来ちゃったじゃねぇか!」

 

「うん。だから…一緒に逃げなきゃね?」

 

ほんと、こんな時にどういう神経してんだ?コイツ…

 

***

 

あれからも、ノイズに追い詰められ、いよいよヤバい。

ノイズさん達も俺達を炭に変える為、張り切ってるらしく、一向に自壊する気配は無い。

ビルの屋上まで追い詰められたところで立花に異変が起きる。

 

~Balwisyall Nescell gungnir tron~

 

歌?何でこんな時に歌ってんの?コイツ?

前々からちょっと足りない娘だと思ってたけど、命の危機でいよいよイっちゃった感じか?

 

と思ったらいきなり立花が光り出す、というか俺も。

何だコレ?体が…熱い…血が沸騰しそうだ。

 

…気が付けば、立花は半裸で鎧?みたいな格好をしていた…俺も似たような格好だった。

 

…何コレ?めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…




とりあえず第1話です。

八幡のモノローグ難しいですね
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