では、駄文ですがお付き合いください。
目が覚めると、どこかの部屋に閉じ込められていた。
身体に少し倦怠感は残っているが、拘束はされていない?
逃げてくれと言っているような物なのだが…
『君にはそこで絶唱を歌って貰う』
スピーカーからフィーネさんの声が聞こえる。
「断ると言ったら?」
『私はノイズを操る完全聖遺物を持っている。クリス1人で何処まで護りきれるでしょうね?』
…もしかしなくても小町の事だろう。
「降参だ。小町には手出ししないでくれ」
『この先、生き延びれるかもわからん者の為にご苦労な事だな。では歌いなさい』
待ったも心の準備も無しかよ…
全く、ぼっちが歌うなんて間違ってるだろ…
~Granzizel bilfen gungnir zizzl~
あいつから貰ったシンフォギア…
こんな事の為に使う力じゃ無い筈なのにな…
~Gatrandis babel ziggurat edenal~
体が熱い。血が沸騰してるみたいだ…
~Emustolronzen fine el baral zizzl~
あいつなら…あのまっすぐな少女なら、この力をどう使うんだろうな?
ふと、そんな事を考えてしまう…
~Gatrandis babel ziggurat edenal~
負荷に耐えきれず、口から血が流れる。
~Emustolronzen fine el zizzl~
これが…絶唱。
あの人が…天羽奏が命を燃やして行使した力の正体。
…最も、戦う覚悟も何も持ち合わせない俺が使えば、ただの暴走するエネルギーでしかない。
『これ程のエネルギーを行使して死に至らんとは、さすがは融合症例だと褒めておこう。このエネルギーでカ・ディンギルを発射する!』
褒められても全然嬉しくねぇな…
体はもうボロボロだっつぅの…
『せめてもの報酬だ。月が破壊される様を君にも見せてやろう』
外の様子がモニターされる。
夜に実行されているだけあって、周囲に人はいねぇみたいだな…
それとも、避難しているのか?
『~Gatrandis babel ziggurat edenal~』
…何でだよ…
『~Emustolronzen fine el baral zizzl~』
…小町と逃げろって言ったじゃねぇか…
『~Gatrandis babel ziggurat edenal~』
…何でお前が其処に居て…
『~Emustolronzen fine el zizzl~』
…何でその歌を歌ってるんだよ…雪音!?
モニターの先には、カ・ディンギルと呼ばれた、かつてリディアン音楽院であったであろう砲身の射線上に、いる筈の無い少女、雪音クリスの姿があった。
…そして、その儚き少女の歌は、月を破壊するエネルギーを僅かばかり反らし、少女自身はエネルギーに飲み込まれ、墜ちてゆくのであった…
***
『…思わぬ邪魔が入った。無駄な事を…次弾を打つ。もう一度歌いなさい』
…邪魔だと?無駄だと?
…ユルセナイ…
…アイツヲ…ムダダトワラウオマエヲゼッタイニユルセナイ!
体がどす黒い破壊衝動に塗り潰されていく。
今はただ、あいつを、大切な物を守る為に命を掛けた少女を無駄とせせら嗤う者を!
気付けば目の前の光景が外に切り替わっていた。
自分自身が何かをした覚えは無い。
だが今、そんな事は些細な事だ。
「チッ!こんな時に暴走だと?やはり完全聖遺物でなければ動力制御は難しいか。今からでもネフシュタンを」
「私がそんな事を許すと思ったか!?櫻井女史!!」
騒がしい。煩わしい。
邪魔をするなら全て打ちのめす。
「立花!」
…ウルサイ…
この腕が、彼女の胸を貫くと同時に抱き締められる。
「これは…束ねて繋ぐ力の筈だろ?」
――影縫い――
「…立花、奏から継いだ力を、そんなふうに使わないでくれ」
…オレハスベテハカイスル…
…ハカイしたい…筈…なの…に…
「…待たせたな」
「あくまでも一振りの剣であり続けるか」
「今日に、折れて死んでも、明日に人として歌うために…」
「風鳴翼が歌うのは、
…そして、一振りの剣は、天高く舞う翼となり、その身をもって、絶望の塔を打ち砕くのであった。
***
気付けば、動力室で倒れていた。
あの感覚は何だったんだろうか?
!今はそんな事より、状況だ。
途中から記憶が曖昧だが…雪音と…風鳴先輩は………
モニターを確認する。
その先には、例の鎧を着たフィーネさんと、地に臥せるまっすぐな少女の姿があった。
…お前まで何してんだよ…
ボロボロじゃねぇかよ…
モニターの先では、無防備に痛め付けられる少女の姿、スピーカーが壊れたのか、音声は聞こえない。
クソッ!さっきみたいに外に出れないのか!?
胸の歌は響かない…
普段は五月蝿いくらいな癖して、何で今、何も出来ねぇんだよ!!
あれだけの事があって、更にお前にまで何かあったら、俺は一生、俺自身を赦せなくなる。
頼む!今だけでもいい。頼む!!
!待てよ、あちらの音は無理でも、こちらの音声をあいつに届けれたなら…
急いで動力室を出る。
と、目の前に見知った顔が
「八幡!?どうしてここに!?」
小日向、お前こそ何やってんだよ?
「響に歌を届ける為に、動力室を目指してたの」
小日向の目的は、この部屋だったらしい。
急いで、ダウンしていた設備の電源を起動し、小日向達の避難場所まで移動する。
「比企谷君!!無事だったか!?」
「お兄ちゃん!!」
避難場所には、腹に包帯を巻いた司令や小町がいた。
「話は後だ。今はあいつに歌を!」
***響視点***
何もかも終わってしまった…
翼さんも…クリスちゃんも…もういない…
ハチ君は…愛しい彼ならこういう時、どうするんだろう…?
了子さんが何か言っているんだけど、何も頭に入ってこない。
~~♪~~~♪
「何だこれは?何処から聞こえてくる?この不快な…歌……歌……だと?」
「聞こえる…みんなの声が…」
みんなの歌が
「良かった…私を支えてくれてるみんなはいつだって側に…」
「みんなが歌ってるんだ……だから!」
「まだ歌えるっ!」
「頑張れるっ!!」
「闘えるっ!!!」
みんなが私を支えてくれている!
だったら私は、何度だって立ち上がってみせる!!
「まだ闘えるだとっ!?何を支えに立ち上がる?何を握って力に変える?鳴り渡る不快な歌の仕業か?」
「そうだ、お前が纏っている物は何だ?心は確かに折り砕いたはず…なのに、何を纏っている?それは私が作った物か?」
「お前が纏うそれは一体何だ!?」
「何なのだ!!?」
私を含め、光の柱が3つ。
良かった…二人とも無事だったんだね!
もう諦めたりしない!
奇跡だって手繰ってみせる!!
私は生きるのを諦めない!!!
「シィィィンフォギアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」
ラストのBGMは、当然ですがSynchrogazerを脳内再生して頂ければ。
原作の熱量を少しでも表現出来ていれば幸いです。
屈指の名シーンなので、無理矢理ビッキーに視点変更してまでして書いてしまいました。