ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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今回からフロンティア事変突入です。

無印の終わり方がアレなので、初っぱなからオリ展開です。

では、駄文ですがお付き合いください。


フロンティア事変
第一話G


学期が変わり新学期、今日も今日とて、リディアン音楽院の新校舎へと向かう。

 

旧校舎は家に居候しているアラサーの暴走のおかげで使い物にならなくなった為、校舎自体が移転した形だ。

最初はしばらく学校が休みになるとぬか喜びしたのだが、そこは二課、仕事が早かった。

くそっ、もう少しのんびりやってくれても良かったのに…

あんだけ優秀な人材が揃ってるなら俺は働かなくてもいいんじゃねぇの?

 

朝、教室に入るといつも通り、イヤホンを付け、寝たふりをする。

通称ステルスモードだ。

空気になるのはぼっちにとって必須スキルだからな。

 

「それでは、転校生を紹介します」

 

教師の声で目が覚める。

やべっ、寝てたみたいだな…

 

「雪音クリス…よろしく」

 

…あいつ、うちのクラスかよ…

二課が手を回しやがったな…

はぁ…ぼっちの平穏が脅かされる気しかしねぇ…

 

「八幡!よろしくな!」

 

教室がどよめく。

バカ!お前!こんな大勢の前で名前呼びするな!

 

「先に言っておくが、ここにいる八幡はあたしの旦那だ。ちょっかいかけんじゃねぇぞ?」

 

おい!やめろ!教師が「雪音さん…不純異性交遊は…」とか言ってんじゃねぇか!

ぼっち相手に目立つ事するんじゃねぇよ!

 

新学期早々、某幻想殺しさんのように不幸だーと叫びたくなったのであった…

後で雪音を問い詰めたところ、やはりインなんとかさん…じゃなくて小日向の入れ知恵だったらしい。

小日向、お前絶対に許さないからな!

絶対の絶対だ!

 

***

 

「比企谷、探したぞ?少しいいか?」

 

昼休み、ベストプレイスでマッ缶を啜っていると風鳴先輩に声を掛けられる。

ちなみに昼飯はアラサーが作った弁当だ。

桜でんぶでハートとか作るのやめてくれない?

横で見てた雪音がフリーズしてたじゃねぇか…

何故か明日は自分が作ってくるとか言って聞かねぇし…

ぼっちは平穏に過ごしたいんだよ…

 

「はぁ…別にいいっすけど…」

 

「そうか、このチケットだが、君と妹君の分だ」

 

「QUEENS of MUSIC?ライブっすか?」

 

「あぁ、出演する事になってな。雪音と立花は残念ながら任務と重なってしまったんだが君達にはぜひ、ステージの上に立つ私を見て欲しい」

 

「…わかりましたよ、行ければ行きますよ」

 

「ふふっ、素直じゃないな、君も。それじゃあ、邪魔をしてすまなかった」

 

そう言って、風鳴先輩は去っていく。

雪音はずっと唸っていた。

お前は犬かよ…

 

***

 

帰り道、雪音や立花、小日向と別れ1人帰路につく。

ようやく解放された…あいつら何ですぐ喧嘩すんの?勘弁して欲しいんだけど…

 

「やっと1人になったデスね!」

 

「でも待った甲斐があった。大チャンス」

 

ん?何だ?このちみっ子達…

見たところ、中学生くらいか?

 

~Zeios igalima raizen tron~

 

~Various shul shagana tron~

 

は?聖詠?

目の前のちみっ子達が歌声と共に姿を変える。

それは、紛れもなく、シンフォギアであった。

 

「おとなしくしやがるデス!」

 

「わーったよ、降参だ」

 

「抵抗しなければ、危害は加えな…え?」

 

ピンクのシンフォギアを纏うちみっ子がポカーンとする。

かわいいな、チクショウ。

 

「諦めるの早すぎデスよ!?」

 

「もうちょっと何か無いの?」

 

そんな事言われても、あれ以来、胸のガングニールは全く反応しないのだ。

どうやら、愛想を尽かされたのだろう。

…ていうかお前らは仕事しやすくて、願ったり叶ったりなんじゃねぇの?

ちょっと好戦的で危険な奴らだな…

 

「調!釈然としないデスが、連れて行くデスよ!」

 

「うん、わかった。切ちゃん」

 

…誘拐対象の前で、普通にお互いの名前呼び合うとか、ちょっと頭は足りてない子達みたいだな…

そんな事を考えながら、緑のシンフォギアを纏うちみっ子に襟首を掴まれて運ばれる。

お前、もうちょっと運び方に気を使えねぇの?

雪音みたいにお姫様抱っこはやめて欲しいけどね?

はぁ…このパターン何回目だよ…

誘拐され慣れているって言うのもどうかと思うんだがな…

 

***

 

ちみっ子達に運ばれ、如何にもなアジトっぽいところに連れていかれる。

 

「来たか」

 

どうやら今回はボスと対面できるみたいだな…

あのアラサーみたいな厄介さは無さそうだ。

 

「まずはようこそと言っておきましょうか。融合症例第2号?」

 

長身のモデル体型の女性に声を掛けられる。

?どっかで見た事あるな?

あっ、この人小町がテレビで見てた歌手じゃねぇか?

あの時、何かアラサーが含み笑いしてたように見えたけど知り合いか?

でもアラサー関連なら俺を誘拐する意味がわからんな…

あの人あれ以来司令にびびってるっぽいし、世の中のほとんどの事よりうちのカマクラの方が大事とかワケわからん事言ってたし…

 

「私達はFIS、そうね、君にはフィーネ、と言った方がわかるかしら?」

 

ん?やっぱあのアラサーの関係者か?

だとしたら何で誘拐?

本当に意味がわからん。

 

「まぁ驚くのも無理は無いわね。数ヶ月前に消滅した筈の怨敵が、また目の前に現れたのだから」

 

俺が混乱してる間にも、話は続く。

は?何言ってんの?この人…

 

「マリアにはフィーネの魂が宿っているデスよ!」

 

いやいやいや…

そのアラサーなら今頃、家で煎餅でも食って猫と戯れてると思うよ?

さすがにあのアラサーでも、同時に二人に魂が宿るなんて事無いと思うよ?知らんけど。

ていうか、ちみっ子、ボスの名前明かしちゃっていいの?ダメでしょ?

 

「ふふっ、驚いて声も出ないようね?」

 

…なんか素人くせえな、こいつら…

厄介さで言えば、あのアラサーの方が数倍上だ。

そもそも、あのアラサーなら自分の存在はギリギリまで隠そうとする筈だ。

それだけでも、この目の前の女がアラサーを騙っているだけだと言うのが容易に想像付く。

 

「で?俺に何をして欲しいんだ?」

 

素人故に何やってくるかわからん怖さはあるが、警戒レベルは下げても良さそうだ。

力では敵いそうも無いが、おとなしくしてる限り、問題は無いだろう。

 

「話が早くて助かるわ。そうね、さしあたっては君を人質にして、日本国の国土割譲を要求しようかしら」

 

……………

 

少しの間、静寂に包まれる。

…はぁ…ここまでかよ…

そんな要求通る訳ねぇだろ…

ギャグか何かか?スベってるよ?

 

「…何よ、その目は?私達は本気よ!?」

 

「俺のこの目はデフォっすよ…」

 

「そ、そう…それは…その…御愁傷様?」

 

どうやら俺のこの目は誘拐犯に気を使われるレベルらしい…

泣いていいかな?いいよね?

…しかし、あまりにもやる事なす事素人過ぎて腹が立ってきた。

 

「…お前らいい加減にしろよ…人拐っといて何だよその要求は!?バカじゃねぇの?通る訳ねぇだろ!もっと身代金とか分かりやすくて相手が払いやすい物にしろよ!」

 

「で、でも人命は何よりも尊いって言うじゃない?それに貴方は聖遺物との融合症例っていうレアな人種だし…」

 

「はい!バカ!国相手に個人の命なんてほとんど意味ねぇよ!そんな要求通るなら戦争なんて起きねぇんだよ!」

 

「何よ!?バカ、バカって…私達にだってやりたい事があるのよ!!」

 

「…じゃあ、初めからそっちを話せよ」

 

はぁ…こんな誘導尋問に引っかかるあたり、本当に素人みたいだな…こいつら…

 

気付けば、目の前のマリアと呼ばれた女だけでなく、ちみっ子二人も涙目で俺の事を睨んでいた。

 

…え?何この状況?




完全オリ展開です。

杉田君とマム登場まで書けませんでした…

明日から仕事復帰しますので更新ペース若干落ちると思います。
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