ありのまま今起こったことを話すぜ。
知り合いが急に歌い始めたと思ったら、知り合いと自分が変な鎧みたいな格好になっている。
何を言っているかわからねぇと思うが、何が起きたか俺にもわからねぇ。
うん。本当にわからん。
人は理解の範囲を超えることが起きると立ち尽くすしか出来ねぇんだな…
「ハチ君!?後ろ!!」
「うぉっ!?」
立花の声で再起動したら、ノイズさんが真後ろまで迫っていた。
思わず蹴っちゃったけど、炭になって無いよね?俺の足…
それどころか、今のビックリキックだけで近くに居たノイズさん数体が吹き飛んで砕け散る。
は?何だコレ?
ノイズに触れて何とも無いのもビックリだが、身体能力もおかしくね?
ともかく…
「立花!その娘抱えて隣のビルにジャンプだ!」
「え?え?それはさすがに無理じゃないかなぁ?」
「大丈夫だ!信じろ!」
「ッ!!うん!信じる!!」
そう言って立花は女の子を抱えて隣のビルにジャンプする…つもりが身体能力が高すぎて飛び越えて行く…
「なんでぇぇぇ!?」
はぁ…まぁあの鎧がありゃ無事だろ…
結果的に立花が離れてくれたので、俺も自分の目的に専念するとしますか…
コイツらを立花のところまで行かせる訳にはいかんしな。
***
しばらくして、見様見真似のカンフー映画の真似事でノイズさん達と戯れていたのだが、急に虚脱感に襲われる。
って事はこの鎧のキーはやはり立花のあの歌で、立花と離れた事で力が弱まってるって事だろう。
良かった。
あいつの事だからここまで戻って来るなんてバカな事をやりそうだったが、ちゃんと逃げてくれたみたいだな。
気付けば鎧は解除され、いつもの制服に戻っていた。
いよいよ、年貢の納め時みたいだな…
~Imyuteus amenohabakiri tron~
また歌か…まぁ、最期としては悪くねぇな。
そんな事を思って目を閉じる。
………アレ?死んでねぇな?
目を開けるとそこに溢れかえっていたノイズの姿は無く、力強く、そしてどこか儚い1人の少女の姿があった。
「無事か?ノイズに襲われて二度生き延びるとは君も中々に悪運が強いな」
そう、そこにはかつて、命を救ってくれた歌姫、風鳴翼の姿があった。
***
あの後、やっぱり立花は戻ってきた。
何でも女の子を親元まで渡して俺を助けに来るつもりだったらしい。
「あなた達を拘束します。抵抗などしないように」
いきなり風鳴先輩がそんなことを言って立花と俺を車に乗せる。
いやほんと今日は色々ありすぎて出来れば家に帰ってすぐに寝たいんだけど…
お話があるなら後日とかじゃ駄目ですかねぇ?
…駄目ですよねぇ…はぁ…
立花は終始ついていけないといった顔だった。
***
何故かリディアンに連れて来られた俺達は見たことも無いエレベーターに乗せられる。
ここって空かずの間じゃなかったのな。
そんな場違いな事を考えていると同行していたイケメンから「揺れるので注意して下さい」と言われる。
「ははは…」
立花が愛想笑いをしていると
「愛想笑いなど不要よ」
と風鳴先輩にバッサリ斬り捨てられる。
?何かトゲがあるな?
この感情は…困惑と嫉妬?
ほぼ初対面の相手に抱く感情じゃねぇよな?
…よくわかんねぇな。
俺?俺は終始無言でこの後もずっと空気だと思うからもう帰ってもいいんじゃないかな?
駄目?ですよねー…はぁ…小町に会いたい
***
「ようこそ!立花響君!比企谷八幡君!」
お通夜ムードで連れて来られた俺達を待っていたのは、何かよくわからん歓迎会みたいな集いだった。
ていうかこの熊みたいな人、俺のリディアン入学に色々と便宜を図ってくれた人じゃねぇか!?
熊みたいな人、もとい風鳴弦十郎さんが言うには、この人達は特異災害対策機動部二課という国の機関で、主にノイズの
そして、それを実現しているのが、風鳴翼先輩が纏っていた鎧、シンフォギアシステムということらしい。
そして、ここまで言われれば、いかにちょっと足りない娘、立花でも分かろう物である。
「その力、人々の為に役立ててはくれないだろうか?」
つまり、偶然ながらそのシンフォギアシステムを持つ立花と俺のスカウトである。
そして、それに対する立花の答えなど決まっている。
「私の力が誰かの助けになるんですよね?だったら私、戦いますっ!」
はぁ…こうなった立花は梃子でも動かねぇからな…
「比企谷君。君は?」
「…お断りします」
「えぇ!?ハチ君!?なんでぇ!?」
立花が涙目で訴えてくる。
というか近い近い近いいい匂いかわいい
お前はマジでぼっちに何を期待してんだよ!?
「ふむ。断ったからと言ってこちらから何かする事は無いが、理由を聞いても?」
「たぶん、シンフォギア?は俺では無く、立花の歌がキーです。俺はぼっちで立花と連携が取れるとも思えないので、力になれるとも思えません」
「むぅ…確かに君は起動キーである聖詠を歌って無いと言っていたな?」
「あ、ハチ君はそれらしい事言ってますけど、めんどくさい事やりたくないだけですよ?」
おいぃ!?立花てめえ色々台無しじゃねぇか!?
「まぁ…比企谷君の言う事も一理ある。が、やはり人手は多い程いい。サポートでも構わないから考えてはくれないだろうか?」
あ、この人いい人だな?
適当に言った俺の言い訳を考慮してくれてる。
自分で言い訳って言っちゃったよ…
「大丈夫だよ。へいき、へっちゃら!」
へぇへぇ…お気楽なこって。
「…条件があります」
「聞こう」
「まず、戦闘への参加は期待しないで下さい」
これは最低限だ。
聞けばシンフォギアシステムは歌を歌うことで出力を維持するらしい。
ぼっちが人前で歌うなどハードルがK2並みに高い。
「もちろんだ」
「次に…今後、発生するノイズ災害で、俺は特定の人物の安全を最優先に動きます」
これも同じくらい譲れない。
「相手を聞いても?」
「妹の小町と知り合いの小日向未来、そしてそこにいる立花響です」
「ハチ君!!」
立花が感極まって抱きついてくる。
バカ!!やめろ!!柔らかいいい匂い近い近い近い!
ぼっちに何て事しやがるんだ、コイツは?
立花を引き剥がすと風鳴さんは豪快に笑う。
「ハッハッハッ!戦いに赴く者の安全を最優先にするとは…まったく君も素直じゃ無いな!わかった!こちらでも便宜を図ろう!」
…こうして、俺の社畜人生がより磐石な物となりつつあったのであった。
とりあえずパパッと二話まで投稿。
書き溜め無いので、ボチボチ更新していきます。
八幡と防人はちょっと面識ある程度ですが、八幡が奏さんを犠牲にしたことにしているので、防人は八幡を知っています。