今後もどんどん魔境になっていきます。
では、駄文ですがお付き合いください。
「マリアをいじめるなデス!!」
「切ちゃん、こいつやっちゃお?」
ちみっ子達がすごい剣幕で怖い事を言ってくる。
ピンクの方、大人し目で冷静そうな感じなのに意外に脳筋なのな…
「待ちなさい。比企谷八幡さんですね?」
ちみっ子達を静止したのは、目の前の涙目のマリアさんではなく、その後ろから現れた車椅子の老女。
「マム!でも!」
「お黙りなさい。その場の感情に流されて、私達の計画をご破算にするつもりですか?」
マムと呼ばれた老女がピンクのちみっ子を
少しは話の分かる人が出てきたみたいだな。
「彼と話があります。別室で話しましょう」
「マム!?でもそれは…」
「こんな奴と二人きりとか危険デス!」
俺はこんな奴呼ばわりかよ…
別に言われ慣れてるからいいんだけどね?
嫌な慣れだな…
「…ではこうしましょう。音声はあなた達にも聞こえるようにします。それで問題ありませんね?」
「それなら…」
「では移動しましょう。ついてきてください」
「おかしな事考えるんじゃないデスよ?」
へいへい…
厄介事には違い無さそうだが、あまりの手際の悪さと素人臭で警戒心はほぼ失われていた。
***
「さて、それでは…」
マムと呼ばれた老女に紙とペンを渡される。
筆談か…話を合わせてください…ね。
「まず、私達の目的ですが、ルナアタックについては、どの程度ご存知ですか?」
―マリアにフィーネが宿っていないと何故気付いたのかはわかりませんが、内密にお願いします
「一応は当事者っすからね。ある程度は…」
―何故、フィーネさんを騙る必要が?
「なら細かい説明は、不要ですね。ルナアタックによって月遺跡、バラルの呪詛に不具合が生じています」
―計画の為、生医学の権威、ドクターウェルの協力を得る為です。
「不具合が生じると何かまずいんすか?」
―その計画とは?
「単刀直入に言うと、月が落下します」
筆談は無し…か、これは話していい内容って訳ね。
しかし、月が落ちるって…
帰ったらあのアラサーに色々聞かなきゃならん事が大量だな…
「月の落下を阻止する為にも、協力して頂きたいのです」
「協力するかどうかは計画の内容を聞いてからっすね…」
「もちろんです」
それから、ナスターシャと名乗る彼女から計画の説明を受けたのだが、予想通り、ガバガバだった。
そもそも、想定される敵対勢力の中に二課も入ってるんだが、何故敵対する必要があるのかもぼんやりしてて意味がわからん。
ソロモンの杖強奪しようとしてるけど、月の落下阻止に何でノイズみたいな危険な戦力使おうとしてんの?
いる?いらないよね?
要するに、
行動理由が善意である分、はっきり言って、テロリストより質が悪い。
月の落下を阻止する肝心要のフロンティア?とかいう遺跡の分析とかは正確なのに、何でこんなバランス悪いんだ?
彼女達の分析に関しては信用しても良さそうなので、月の落下はマジっぽいんだが、どうしたもんかね?
「以上です。何か質問はありますか?」
「はぁ、まずはこの各国政府への宣戦布告って何で必要なんすか?」
「それは…」
「各国政府は月の落下を既に察知しているからですよ」
急に後ろから声が掛かる。
ビックリするからやめてね?
「ドクターウェル…彼と二人にして欲しいとお願いした筈ですが?」
なるほど、この人がウェル博士ね…
「硬い事は抜きにしましょう。月の落下によって力無き人々は混乱するでしょう。そんな中、事前に察知して、自分達だけが助かる算段を立てていた各国政府を打ち倒す!そう!人々にはそんな英雄の姿が必要なのですよ!」
想像以上にヤバそうな人だな…
口調こそ丁寧だが狂気が隠しきれてねぇよ…
しかし、問題だけは真実で、対策案が幼稚過ぎる場合、どうすりゃいいんだろうな…
はぁ…働きたくねぇんだけどなぁ…
「条件があります」
「何でしょう?」
「まず、この計画では間違いなく失敗します。計画の修正を俺に一任してください。これが最低条件です」
沈むと分かっている泥船に自ら乗る人間はいない。
しかし、それでも乗る必要があるなら、沈まないように補修するしかない。
幸い、家に帰れば悪巧みが得意な人間に心当たりはある。
「…いいでしょう。しかし、時間がありません。速やかに着手をお願いします」
呑んだか…
おそらくだが、彼女も自分達が素人である事を自覚しているのだろう。
しかし、一介の高校生の指摘を真に受けるってのもどうなのかね?
形振り構ってられないって事か…
「次に、特異災害対策機動部二課、特に風鳴弦十郎司令とは絶対に対立しないようにしてください」
「それは何故ですか?」
?あの人外の事、詳しくは知らないのか?
「確実に負けるからです。完全聖遺物込みとは言え、月の欠片を投げ飛ばすような人と戦いたくないでしょう?」
俺が話すと同時に時が止まったかのように二人がフリーズする。
アレ?おかしいな…
俺はいつの間にスタンドが使えるようになったんだ?
無駄!無駄!無駄!無駄!とか言っちゃうの?
「…そ、それは事実なのですか?」
ナスターシャさんが再起動する。
良かった、もうちょっとで「そして時は動き出す」とか言っちゃうとこだったわ。
「えぇ、まぁ、その場で見てましたし」
いや、あれは俺もいまだに信じられんのだけどね?
「あ、ありえないぃぃぃぃ!何なんですか、その規格外はぁぁぁ!?驚き過ぎて眼鏡がずり落ちるかと思いましたよ!?」
うん、やっぱヤバめの人だな…
あんまり関わりたくないタイプの人種だわ…
***
「では、あなたを信用し、解放しますが、くれぐれも私達の事は口外しないように。そちらからの連絡はマリアの連絡先を伝えますのでそちらに」
そう言われ解放されるが、ちみっ子二人が後ろをついてくる。
「…何でついてくんだ?」
「私達はお前を信用していない」
「裏切らないように監視するデス!」
「まぁ…好きにすりゃいいんじゃね?」
とは言ったものの、真後ろにぴったりくっつく必要は無いんじゃないかな?君たち?
ぼっちが目立つような真似するのやめてくれない?
「じー」
「バッチリ、監視するデス!」
はぁ…ほんと心労がマッハなんだが…
切実に休みが欲しい。
結局、こいつらは家の前までついてきた。
「およ?お兄ちゃんお帰り…ってその子達…」
アレ?何かデジャヴを感じるな…
「お兄ちゃん!ついに誘拐しちゃったんだね!?クリスお義姉ちゃんや響さんに一体何の不満があったの!?今ならまだ間に合うから警察行こ?」
うん、そろそろ泣いていいかな?いいよね?
某号泣議員並みに泣いちゃうよ?
ていうか、雪音と立花は関係ねぇだろ…
***
「月読調ちゃんに暁切歌ちゃんだね?私は比企谷小町、よろしくね!」
「よろしくデス!」
「…よろしく」
あの後、必死に説明してようやく小町は納得してくれた。
また誘拐されてたと聞いた時は呆れていたが…
それにしても打ち解けるの早いね、君ら?
雪音といい、アラサーといい、こいつらといい小町は誘拐犯と仲良くなるスキルでも持ってるんだろうか?
そういやアラサーはどこ行ったんだ?
「あ、了子さんならかーくんと旅行行ったからしばらくいないよ?」
は?何してんの?あのアラサー…
猫と旅行って…どこの独身OLだよ…
計画の修正どうすんだよ…
割とアラサー頼みだったんだけど…
「そうだ!二人とも、今日はご飯食べていって」
「え?でも…」
「さすがに悪いデスよ…」
「いいからいいから」
小町の誘いにちみっ子達は遠慮するが、そうなった小町に抵抗は無駄だ。
君らその遠慮をもうちょっと俺に向けてくれてもいいんだよ?
その後、月読と暁はもの凄い勢いで、小町の作った唐揚げを頬張っていた。
「こんなごちそう初めてデース!おいしいデスよー!」
「切ちゃん、みっともないよ?でも、本当においしい」
…こいつら普段何食ってるんだよ
ようやく、役者が全員登場しました。
八幡のスタンスがどちら寄りかはお分かり頂けたかと思います。
完全オリ展開とは言え、キャラを掴むため、アニメを見直してるんですが、高質量のフォニックゲインを浴びてるので、そのうち自制が効かなくなって、番外とか書きそうです(笑)