ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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第六話Gです。

かなり魔境になります。

では、駄文ですがお付き合いください。


第六話G

「で、どういう事か説明してくれるよね?」

 

向かい合う小日向が言う。

椅子に座っているのだが、気分的には正座に近い。

精神的正座である。

ほんと、何で笑顔でこんな威圧感出せんの?こいつ…

 

それから、アラサーの事を伏せつつ、掻い摘まんで俺が立てた計画の事、計画があのMAD眼鏡の暴走で狂い始めている事を小日向に説明する。

 

「月が…そんな事に…」

 

月が落ちてくると言う事は小日向にもショックだったらしく、言葉も出ないと言った感じだ。

 

「でも八幡は何でそんな計画が立てれたの?」

 

ぐっ、そこを突かれると痛い。

二課に所属している為、若干の知識はあるとはいえ、俺は一介の高校生に過ぎないのだ。

計画が緻密であればある程、違和感が出る。

そして、あのアラサーが立てた計画は緻密も緻密過ぎたのだ。

 

「あー…実はな…驚かずに聞いてくれるか?後、他言も無用だ」

 

「うん、わかった」

 

観念してアラサーが家に居候している事を話す。

小日向は驚いてこそいたが、得心がいったといった顔をしていた。

そもそも、こいつなら隠しててもバレるのは時間の問題だったように思う。

ガチユリの癖して、勘は鋭いのだ。

ガチユリ関係ねぇな…

 

「む、今何か失礼な事考えなかった?」

 

これである。

ほんと油断ならない奴なのだ。

 

「まぁ、いっか…それで、私に出来る事は無い?」

 

こいつに出来る事、か。

俺としては、大人しく帰ってくれるのが一番なんだが…

マリアさんの宣戦布告のせいでテロリスト扱いされてるだろうし、難しいか…

下手すれば名前が割れている俺と小日向は指名手配されている可能性まである。

とりあえず、先送りしてる問題の事でも考えといてもらうか…

 

「フロンティア起動のキーになる聖遺物の適合者が見つかってねぇんだ。心当たりは無いか?」

 

「それってどんな聖遺物?」

 

「魔を払う鏡とか何とか言ってたが、詳しくは知らん」

 

「うーん、ちょっと見せてもらってもいい?」

 

別にそれくらい構わんとは思うが…

ナスターシャさんに連絡を入れて持って来てもらうか。

 

***

 

ナスターシャさんの了解を得てちみっ子達が神獣鏡(シェンショウジン)のコアを持ってくる。

 

「計画の要だから大切に扱うデスよ?」

 

「ありがとう…うん、やっぱり」

 

何だ?小日向の顔が明るくなる。

 

「私、たぶんこの神獣鏡(シェンショウジン)、使えると思う」

 

は?マジで?

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

小日向が聖詠を口にする。

が…上手く起動できず、不発に終わる。

 

「適合係数が足りない」

 

「LiNKERを使えば、適合できるかもしれないデスが…その…あまりオススメしないデスよ…」

 

月読、暁がそれぞれ口にする。

やはり、ほぼ一般人の小日向を巻き込む事に気が引けるようだ。

根は優しい奴らなんだろう。

 

「ううん、大丈夫。持って来てくれる?」

 

「…あのロクデナシに聞いてみるデスよ」

 

しかし、小日向は小日向で頑固なのだ。

この程度で折れるならば、あいつに寄り添い続けてはいないだろう。

だが、聖遺物に適合するという事は、戦う宿命を背負うという事でもある。

…あいつを、あのまっすぐな少女にとっての日常を…このまま戦いの道に引き摺り込んでも良いのだろうか?

無情にも俺が迷っている間に暁がLiNKERを持ってくる。

 

「じゃあ、もう一度やるね?」

 

「ちょっと待て…やっぱり、お前…」

 

「八幡。何を言いたいかはわかるよ?私は八幡のその優しさが嫌いじゃない。けど、私だけただ見てるだけなんてやっぱり出来ないよ。私だって戦うんだ!」

 

こうなった小日向未来は誰にも…そう、立花響でさえも止められないだろう。

 

「わーった。無理はすんなよ?」

 

「うん、ありがとう」

 

そう言って、小日向がこちらに笑顔を向ける。

…やはり、自分の歌を持ち、自分の足で立っている奴は俺みたいな日陰者には眩しすぎる。

 

こうして、自分は戦う覚悟も何も全く持ち合わせていない事を再び痛感させられるのであった。

 

***

 

LiNKERを投与し、小日向がもう一度聖詠を口にする。

 

~Rei shen shou jing rei zizzl~

 

今度は起動に成功し、小日向が紫のシンフォギアを纏う。

 

「できた。私、これで響のいる世界を守れる!」

 

「素ぅ晴らしいですねぇ!ボクの作った『あなたの為のLiNKER』があるとはいえ、ここまで簡単に適合してしまうとは!これこそまさに愛!ですねぇ!」

 

「「何故そこで愛!?」」

 

気付けば全員集まっていたらしく、俺とナスターシャさんのツッコミが被る。

 

「親友のいる世界を守りたい、そんな純粋な想いが聖遺物との適合を果たしたのです!涙ぐましいじゃないですか!これを愛と言わず何と言うのです!」

 

尚もMAD眼鏡の演説は続く。

既に全員が話半分にしか聞いていない。

だんだんこいつの扱い方がわかってきたな…

 

「ではこのまま慣らし運転をしましょうか、マリア、相手を」

 

「OK、マム。フフっ、今日初めて適合した装者が私の相手になるとは思わないけどせいぜいがんばりなさい?」

 

「はい、胸をお借りします」

 

うん、人は自分に無い物を求めるって言うしな?

あの立派な物を借りたくなる気持ちはわからんでもない。

 

「じー」

 

月読がこちらを見ている。

睨んでいると言った方がいいかも知れん。

 

「…何だよ?」

 

「八幡が許せない事を考えてた気がする」

 

うん、君はこれからに希望を持とう。うん。

無いと思ってた風鳴先輩も柔らかかったし、大丈夫だよ、たぶん。知らんけど。

 

「やっぱり許せない」

 

何でわかるんだよ!?

俺ってそんなにわかりやすい?

 

そんな下らないやり取りをしている間に訓練が終わっていた。

結果は…

 

マリアさんがケチョンケチョンにのされていた…

 

マリアさん………気の毒だな……

あんだけ先輩風吹かせてたのに…

あれはフラグだったのか…

 

後で聞いた話だが、神獣鏡(シェンショウジン)には聖遺物由来の力を無効化する力があるらしい。

何そのチート?

何?あいつがラノベ主人公だったの?

しかし、シンフォギアとしての性能は本来、最低に近い程低い筈との事なのだが…

………あいつを怒らせるのはやめておこう。

 

***

 

「いやぁ、新人に花を持たせるとは、新生フィーネは懐も深いようですねぇ!」

 

MAD眼鏡が興奮しながら話す。

 

「え?え、えぇそうね…この調子でがんばりなさい?」

 

「はい、ありがとうございました!」

 

…あの様子だと、割と本気でやってたみたいだな…

なんだろう?何か悲しくなってくるな…

 

ドンッ!!

 

俺が何とも言えない気持ちに浸っていると、いきなり、アジトが大きく揺れる。

 

「ななな何事デスか!?」

 

「これは!?…先ほどの訓練時の小日向さんの歌でネフィリムが起動したようです」

 

は?マジで?

あいつマジでラノベ主人公なんじゃねぇの?

何そのご都合展開…

あの聞いただけで胸焼けしそうな愛が重い歌で起動するネフィリムもどうなの?

 

「しかし、早急にネフィリムを鎮める必要がありますね」

 

「私がやります!」

 

小日向が志願する。

確かにマリアさんを圧倒したこいつ以上に適任はいないのだが、装者になったその日にいきなり自律型聖遺物と実戦なんて無謀にも程がある。

かつて、ネフィリムが暴走した際にマリアさんの妹は絶唱を使ってネフィリムを鎮めたらしいのだ。

それだけ危険な相手という事だ。

 

「お前、何言ってんだよ!?」

 

「大丈夫。任せて?」

 

「確かに、起動したてであれば可能かも知れません。しかし、くれぐれもネフィリムに聖遺物を取り込まれないようにして下さい」

 

ネフィリムの特性は、暴食。

聖遺物の力を取り込んで力を増幅させるのだ。

本来、シンフォギアで挑むのは餌を与えるに等しい。

しかし、司令みたいな色々おかしい人ならさておき、生身でアレと対峙しても勝てる見込みは無いだろう。

 

「はい、じゃあ行ってくるね?」

 

「セレナ!待っ…くっ」

 

?マリアさんの様子がおかしい?

小日向に妹の面影を見てるのか?

 

***

 

アジトの一角で暴れ回っていたネフィリムと小日向が対峙する。

クソッ、モニターで見ているしか出来ねぇなんて無力過ぎるだろ!

 

睨み合いが続く。

ネフィリムがいつ飛び掛かってもおかしくはない。

頼む!無事でいてくれ!

お前に何かあったら、俺はあいつに何て言えばいいかわかんねぇよ…

やがて、小日向がおもむろにネフィリムに近付く。

バカ!お前何やってんだよ!?

 

『お手、フフっ、いい子』

 

我が目を疑う。

しかし、モニターには確かにネフィリムが犬みたいにお手してる姿が映し出されていた…




イヤー393チート過ぎますネ!

これでほぼ原作性能通りというのが恐ろしいデス…

対聖遺物で彼女に勝てる相手はいないでしょう。

今回のたやマさん
マリアさん→嘘!?こんな事ってありえない!これはあなたの胸の歌がしてみせた事なの!?
八幡→マジ気の毒…
マム→まさか…マリアを圧倒する程とは…
切ちゃん→マリア、割と本気っぽくなかったデスか?
調→それよりも八幡?何考えてたか詳しく
杉田君→愛ですよ!
393→手を抜いてくれたみたい。フィーネを演じるって大変なのかな?

F.I.S組はフリーダムですね…
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