色々はっちゃけたので、番外はしばらく我慢します。
…たぶん。
では、駄文ですがお付き合いください。
「君は侵食進度の割に自覚症状が無かったと言っていたな?」
アラサーが聞いてくる。
「あぁ、さっき聞くまでそんな深刻だとは思ってなかったわ」
「…これは私の考察だが、聞くか?たぶん君にとっては愉快な話にはならんと思うが」
アラサーが念を押してくる。
ここまでくれば、だいたいわかる。
答え合わせのような物だ。
「教えてくれ」
「そうか…相変わらず察しがいいな。以前、君のガングニールは響ちゃんと融合した物が宿っていると言ったな?」
「あぁ」
「今回も同じだ。本来、君に掛かるはずの負荷を全てあの子が肩代わりしていたと見ていいだろう。一時的に君が歌えなくなったのはその為だ。君の想いより、あの子が君を守りたいと想う力の方が強かったという事だ」
やっぱりか…
ほんと、あいつは何処までお人好しなんだよ…
「つまり、響君の侵食が急激に早まったのは…」
「この子達がいなくなった事で精神的に弱まった所に二人分の負荷を背負ったから、ね。しかし、あの子にも限界があった。その限界を超える分の負荷は君が肩代わりしていたみたいね。お互いがお互いを想い合う間柄、まさに…」
「それ以上はぼっちにはキツいからやめてくれ」
アラサーの言葉を途中で切る。
あんた何言おうとしてんだよ…
「はいはい、ほんと素直じゃないんだから…」
まったく、あいつには借りが大きくなる一方でどうやって返せばいいのかわかんねぇな…
もっとも、あいつだけじゃねぇんだけどな…
ほんと、どいつもこいつもぼっちをぼっちにさせてくれない厳しい奴らで困る。
***
「じゃあ早速、壊れた
「あぁ!頼んだぞ!了子君!」
司令が力強く応える。
敵だった相手をここまですんなり信用できるとは…
良く言えば器が大きく、悪く言えばお人好しな人だ…
色々悩んでたのが馬鹿らしくなってくる。
「ふふっ、相変わらずなのね?」
「甘いのはわかっちゃいるが性分だ…こればかりはどうにもならん」
ほんと、この大人には敵わねぇな…
物理的にも絶対無理だしな…
「司令!ここにいたんですか!?って櫻井さん!?」
友里さんが慌てた様子で入ってくる。
「彼女は協力者だ。心配するな」
「はぁ…司令が言うなら…」
「それで、どうしたんだ?」
「あ、そうでした!響ちゃんが、F.I.S.の装者と一緒に出撃しちゃったみたいで…」
「なん…だとぉ!?響君は今何も戦う力を持ってないんだぞ!?」
あいつ何やってんだよ…
まぁ、それでも聞かれたらあいつはこう答えるのだろう…
「行かせてあげてください。これは響の『人助け』です、人助けは一番響らしい事ですから!」
俺の代わりに戻ってきた小日向が答える。
そうだ、立花響が立花響である限り、こんな所で立ち止まる筈が無いのだ。
例えガングニールが無かろうと、あいつが助けると思ったのなら助けられる方は
不本意ながら、その中に自分も含まれているみたいなので、もう諦めるしかないのである。
「まったく、あの子は相変わらずねぇ」
「こういう無理、無茶、無謀は本来俺の役目なんだがな…仕方ない。俺も出る。緒川に車を回しとけと伝えてくれ!」
あ、司令も出ちゃうの?
憐れ暴走眼鏡、御愁傷様。
一生消えないトラウマを植え付けられちゃうと思うけど強く生きてね?
*** 八幡out 翼in
―騎刃ノ一閃―
バイクを駆り、散発的に現れるノイズ達を殲滅する。
…そろそろか。
バイクから飛び降り、放たれる銃弾を避わす。
「そろそろだと思っていたぞ?雪音」
雪音は無言で銃をこちらに向ける。
なるほど、語る口は持たん…か。
いいだろう、ならばお前の胸の覚悟、防人の剣が応えよう!
斬撃と銃撃が乱れ合う。
こちらの剣を避わされ、銃弾を放たれるがこちらも銃弾を斬り更に斬り掛かる。
ふふっ、懐に入られた時の対処、上手くなったではないか。
雪音の動きが止まる。
何か通信を受けたみたいだな…
あれは…首輪か?悪趣味な…
あれが雪音を従わせているのか?
「犬の首輪を嵌められてまでして、何を為そうとしているのか!?」
「汚れ仕事は、居場所の無い奴がこなすってのが相場だ、違うか?」
ふ、何を言うかと思えば…
お前の居場所はとっくにあいつの側なのだろう?
「首根っこ引き摺ってでも連れ帰ってやる。お前の居場所、帰る場所に」
「お前がどれだけ拒絶しようと、私はお前のやりたい事に手を貸してやる」
「それが…片翼では飛べぬ事を知る私の…先輩と風を吹かせる者の果たすべき使命だ!」
そうだったよね?奏…
(そうさ、翼)
!?今…奏の声が…
(でも、いい加減自分の気持ちにも素直になんないと後輩に奪われるぞ?)
な、何を言ってるの!?
あいつは、比企谷はただの後輩で…
(あたしは別に誰とは言ってないぞ?それが答えだよ、翼)
やっぱり、奏は意地悪だ。
でも、奏が側にいるなら私は飛べる!
両翼揃ったツヴァイウィングなら、何処までだって飛んでいける!
「その仕上がりで偉そうな事を!」
雪音が体勢を戻す。
また何か通信が入ったようだ。
「風鳴…先輩」
!雪音が、私を先輩と…
そうか、そうなのだな?雪音?
「次で決める。昨日まで組み立ててきた、あたしのコンビネーションだ!」
「ならば、こちらも真打をくれてやる!」
その言葉を合図に再び剣撃と銃撃が交差する。
―MEGA DEATH PARTY―
―千ノ落涙―
狙いは…そこだ!
技の相殺の爆発で視界が悪くなった隙を突き、雪音の首輪を斬る。
これでいいのだろう?雪音!
*** 翼out クリスin
「ひゃっはー!願ったり!叶ったり!してやったりー!」
ゲス野郎が騒ぎ立てる。
あたし達はあたしの放った技の爆発に巻き込まれて、地下に落ちたんだが、どうやらこのまま芝居は上手くいきそうだな?
「シンフォギア装者は、これからボクが統治する未来には不要、あひぃぃ」
ゲス野郎があたし達の死亡確認の為降りてくる。
そりゃそうだよな?
思った通りのゲス野郎で安心したぜ?
「その為にぶつけ合わせたのですが、こうも奏功するとは、チョロ過ぎるぅぅ」
しっかし、こいつ気持ち悪ぃな…
おかげでぶっ飛ばすのに躊躇はいらねぇから助かるけどよ…
ゲス野郎があたしが立っているのに気付く。
「はぁぁぁっ!?」
「約束通り、二課所属の装者は片付けた。だから、ソロモンの杖をあたしに」
「こんなままごとみたいな取引に、何処まで応じる必要があるんですかねぇ?」
そう言って、ゲス野郎があたしの首輪に付いた爆弾のスイッチを押す、が…
「え?え?ナンデ爆発しない!?」
「壊れてんだよ!」
あたしは首輪を引きちぎる。
「約束の反古たぁ悪党のやりそうな事だ」
「ひぃぃ!く、来るなぁぁ!」
あたしが近付くとゲス野郎がノイズを放つ。
「今さらノイズごとき!くっ!?」
何だこいつは…
ギアからのバックファイアが上がってやがるのか!?
くっ、先輩との戦いでダメージを受けた状況でこの負荷はキツいな…
「アンチLiNKERは、忘れた頃にやってくる、うぇへへ」
…やっぱこいつ生理的に無理だわ…
「なら、ぶっ飛べ!アーマーパージだ!」
あたしは、ギアを開放する。
これがイチイバルの奥の手だ。
やった後、素っ裸になるからあんまやりたくねぇんだけどな…
特に八幡がいる時は絶対無理だ。
以前のあたしなら出来てたかも知れないが、今の…八幡にちゃんと恋してるあたしには無理だ。
「ひぃぃ!」
「おらぁ!」
ゲス野郎をぶん殴って杖を手放させる事には成功したが、遠くに弾いてしまった為、杖の支配から解放されたノイズ共がすかさずこちらに迫ってくる。
チッ、妨害されてる状況じゃギアの回復まで間に合わねえ!
ここまでなのかよ!?
「先輩!」
無数の剣撃がノイズ達を襲う。
そこには、限定解除前のギアを纏う先輩…風鳴先輩の姿があった。
「そのギアは!?アンチLiNKERによる負荷を抑える為にあえてフォニックゲインを高めずに出力の低いギアを纏うだと!?そんな事が出来るのか!?」
説明くせえ…ほんとうぜえな、こいつ。
「出来んだよ、そういう先輩だ」
風鳴先輩がノイズ達を殲滅する。
やっぱ戦闘では敵わねぇな…
「付き合えるか!ひぃぃ」
ゲス野郎が逃げていく。
あたしもノイズに囲まれるが、先輩が一掃する。
ようやくギアが回復し、服が戻る。
「回収完了、これで一安心だな」
先輩が杖をあたしに渡す。
「一人で飛び出して…ごめんなさい」
「気に病むな、私も一人では何も出来ない事を思い出せた。何より、こんな殊勝な雪音を知る事が出来たのは僥倖だ」
クソ、思った以上にこっ恥ずかしいな…
「それにしたってよ…何であたしの言葉を信じてくれたんだ?」
「雪音が先輩と呼んでくれたからな」
はぁ!?まさか、それだけで?
「それだけか?」
「それだけだ」
ほんと、お人好し過ぎるだろ…
やっぱり、こいつらの側は、どうしようもなく、あたしの帰る場所なんだ。
「あ、そうだ。比企谷を振り向かせるお前達の戦い、私も参戦する事にした」
「はぁぁ!?てめえ、何言ってやがんだよ!?」
「何だ雪音?もう先輩とは呼んでくれないのか…?」
「ライバルなんだから、呼び方なんざてめえで十分だ!」
こうして、急遽現れた超強力なライバルに頭を悩ませる事になるのであった。
だけど、こればっかりは譲る訳にいかねぇ。
必ず八幡はあたしが振り向かせてみせる!
あたしは決意を新たに先輩の後を追うのであった。
ついに防人がエア奏さんを習得しました。
エア奏さん初登場は最初からここと作者の中で決めていました。
防人が八幡を男性として意識する切欠になる、とっておきたい、とっておきでした(笑)