学祭ですが、Gのラストと繋がってるようで繋がってません。
今日はリディアン音楽院の学園祭。
私は響と回るつもりだったのに、何故か今八幡と二人きりだ…
途中まで一緒だったクリスはクラスメイトに引き摺られていったし、響は翼さんの家に忘れ物を取りに行く手伝い、小町ちゃんは気付いたらいなくなっていた。
あれ?翼さんの家から特定の物を探し出すって響今日帰ってこないんじゃ…
「…んだよ?」
「別に?響今日帰ってこないんじゃないかな?って思っただけ」
「…風鳴先輩の家はどんな魔境なんだよ…」
ん?八幡行った事無いんだ?
…何で私今ホッとしたのかな?
「…んで、どっか回んのか?」
言い方はぶっきらぼうだけどちゃんと私に合わせてくれるんだね?
八幡は優しいな、でもね?
「八幡はどこか行きたいところ無いの?」
こういう時はリードしてもらいたいのが女の子なんだよ?
「俺か?俺は今すぐ帰って寝たい」
…ちょっとそれは無いんじゃないかな?
まぁ、八幡に期待した私がバカだったけど…
「もう…八幡は相変わらずだね?じゃあ帰って一緒に寝る?」
期待を裏切られたのだ。
これくらいの仕返しはいいよね?
「バ…おま…にゃ、にゃに言ってんだよ!?」
焦ってる焦ってる。
ふふっ、猫みたいになってるよ?
「だって八幡は帰って
「んな訳ねぇだろ…ぼっちに勘違いさせるような事言うんじゃねぇよ」
八幡はすぐそうやってぼっちって言うけど、いい加減にしとかないと藤尭さんに怒られるよ?
私は響がいるから興味無いけど、藤尭さんも十分イケメンだと思うのになぁ…
「はいはい、それでそろそろ行きたいところ考えてくれた?」
「え?何?これ俺が決める流れなのかよ…」
もう!そんな事ばっかり言ってたら…
って、見事なまでにこんな事くらいで愛想尽かすような人がいないね…
改めてすごいと思うけど、ちょっと天然タラシ過ぎないかな?
今まで二人だったのが、いきなり六人って…
彼の相手が響以外なら誰でもいいはずなのに何かちょっと面白くない。
「あ、八幡!…と未来さん」
「八幡さん達は二人だけデスか?」
そんな事を考えていると調ちゃんと切歌ちゃんが私達を見かけて声を掛けてくる。
二人とも両手に食べ物を持ってる。
よっぽど学祭の食べ物が気に入ったんだね?
「おぅ…立花達が用事でな、お前らは何やってんだ?」
「私達はうまいもんMAPの作成中デスよ!」
「八幡も一緒にどう?」
うまいもんMAP?それで両手に食べ物持ってたんだね…
ていうか、この学祭の食べ物全部食べる気なの?
私には無理だなぁ…それに…
「あー、悪い。俺達これから行くとこあるんだわ」
え?八幡どうしたの?
さっきまで帰りたいとか言ってたのに…
「そうなんデスか…では私達は使命に戻るデスよ!」
「残念…でも今日だけはこっちが優先」
調ちゃんと切歌ちゃんと別れる。
良かったの?八幡…
「お前、食べ物ばっかりとか苦手だろ?仕方なくだよ、仕方なく。んじゃ行くぞ」
ふふっ、不器用だなぁ。
***
八幡と一緒に学祭を回る。
八幡は適当と言いつつ、私に歩幅を合わせてくれたり、私がちょっと疲れてきたタイミングで休憩を入れたりしてくれる。
何でこんなに気遣いができるのに、自分の事をぼっちなんて言うのかな?
八幡が自分の事をぼっちって言う度に胸がチクッとする。
どうしたらやめてもらえるのかな?
やっぱり、クリスに頑張ってもらうしかないのかな?
でも、八幡の好みは翼さんなのかな?
よく見惚れてるし…
あれ?おかしいな?何かイライラしてきた。
何で八幡の好みのタイプを考えたらイライラするんだろう?
…まさかね。私は響を愛しているもん。
この気持ちに偽りなんてないはず。
「ぼーっとしてどうしたんだ?調子でも悪いのか?そろそろ帰るか?」
「!ううん、何でもない」
もう!女の子と一緒にいるのにそんなに帰りたいオーラ出すのは失礼だよ?
…でも、私を気遣ってだよね?
ほんと、不器用だなぁ…
ありがとね?八幡
本当に彼の優しさは分かりにくい。
でも、私は彼が誰よりも優しい事を知っている。
だからこそ、彼には幸せになって欲しい。
誰かに彼を幸せにして、なんて人任せだけど響が好きな私が取れる手段はこれしかない。
…これしかないはずなのに…
何で八幡と二人きりだとこんなにドキドキするんだろう…
八幡の事は人としては好きだけど、男の子として好きな訳じゃないと…思う。たぶん…
やっぱり自分の気持ちがわからない。
八幡の事ならだいたいわかるのに、自分の事がわからないなんて、私どうしちゃったんだろう…
「やっぱお前今日はちょっと変だぞ?本当に帰った方がいいんじゃねぇか?」
「…うん、ちょっと今日は疲れちゃったみたい、じゃあ私帰るね。今日はありがと、八幡」
「…ちょうど俺も帰ろうと思ってたから、その…何だ?途中まで送ってやるよ」
…何でそういう事しちゃうかな?
そういうのは私じゃなくて、クリスとかにして欲しいのに…
でも、八幡にこう言われただけで、嬉しい自分がいる…
もう…何だかなぁ…私ってこんなにチョロかったかな?
「送り狼を狙ってるのかな?八幡」
これくらいの意地悪は大丈夫だろう。
「バ…おま…やっぱ今日は何か変だぞ!?」
「ふふっ、冗談だよ?八幡にそんな度胸無いもんね?」
予防線を張っておいて正解かな?
正直、今日八幡にそういう事されたら断れる自信が無いし…
「ハッ、わかってるじゃねぇか?俺にそんな度胸は無いし、お前にそんな事やったら後が怖すぎんだよ」
…今のはちょっと聞き捨てならないなぁ…
よし、帰り道は八幡にたくさん意地悪しちゃおう。
***
帰り道、生まれて初めて出来たちょっと気になる男の子が横にいるだけで、こんなにドキドキしてしまう物なのかと、自分のチョロさに辟易としてしまう。
「そういや、立花は大丈夫なのか?」
「今日は確実に戻ってこないから大丈夫だと思うよ?」
「…ほんと、風鳴先輩の家はどんな魔境なんだよ…」
む、女の子と二人きりなのに、他の女の子の話は関心しないなぁ…
これは少し教育が必要だね?
でも八幡だしなぁ…
はぁ…先が思いやられるや…
今回、393が少し自覚しました(笑)
でも、まだやっぱりビッキーの方が好きです。
彼女の愛は深く重いのです(笑)
ちょっと執筆速度が落ちてきたので、明日は1日お休み頂く予定です。