ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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前後編の予定でしたが、後編があまりにも長くなりそうなので、切ります。


幕間 聖夜の戦い・中編

12月24日クリスマスイヴ

 

リア充達にとっては特別な意味を持つ日だが、ぼっちである俺にとっては至って普通の日と変わらない…はずだった…

 

そう、はずだったのだ。

 

この日は板場達とオールナイトプリキ○ア観賞という予定こそあったものの、俺からすれば冬休みのただの1日である。

 

何でクリスマスイヴにプリキ○アかって?

プリキ○アはいつ見ても素晴らしいアニメだろ?

 

そんな現実逃避を必死でしているのだが、状況は刻一刻と不利に傾いている。

何が起きてるかというと…

 

「はい。八幡、あーん」

 

予定は何故か小町主催のクリスマスパーティーに変更され、パーティーのはずなのに何故か月読と二人きりなのだ…

何これ?

 

「いや、自分で食えるっつうの…」

 

「八幡は私からあーんされた食べ物は食べたくないの?」

 

「い、いやそういう訳じゃねぇけど、ぼっちにはハードルが高すぎるんだよ…」

 

「そういう訳じゃないなら問題ない。今なら誰も見てないし大丈夫。はい、あーん」

 

そう言って無理矢理口に捩じ込まれる。

初あーんが発育が芳しくないロリっ子になるとは…

 

「む、今何か失礼な事考えなかった?」

 

…何でわかるんですかね?

 

「いつも見てるから八幡の事はだいたいわかる」

 

そんな事を頬を染めながら言ってくる。

 

「…勘違いさせるような事言うんじゃねぇよ…」

 

「勘違いじゃないよ?」

 

…は?何言ってんの、こいつ?

 

「試してみる?」

 

そう言って月読の顔が近付いてくる。

いや近い近い近い!?

 

ピーッ!!

 

…ん?笛?ナンデ?

 

「調ちゃん?アウトだよ?さぁ、こっち行こうね?」

 

いきなり現れた小日向に月読が連行される。

 

「い、嫌だ!お、おしおきは…」

 

「はいはい、お話ならあっちのお部屋で()()()()聞いてあげるよ?」

 

「八幡!たすけ…」

 

バタン…とドアが閉まる。

…理解が追いつかんのだけど…何コレ?

 

ちみっ子にドキドキさせられた屈辱と小日向の笑顔が軽く恐怖映像だった事くらいしか整理できてないが、もしかしてこれドッキリ的な奴?

 

絶対にドキドキさせてはいけないクリスマスパーティーみたいなノリ?

…だったら月読は何であんなギリギリを攻めたんだよ…何かお題でもあるんかね?

 

小町がやたらと焦ってたから、何かと思えばあいつらこんな事企画してやがったのか…

 

ほんと、ぼっちで遊んで何が楽しいんですかね?

普通にいじめだよ?

 

***

 

あの後、月読と小日向以外の全員が部屋に戻ってきたと思ったら、しばらくして、また退出しだす。

次の刺客は…風鳴先輩か…

 

この人、無意識にドキドキさせてくるからな…

アウトにならないように注意してくださいよ?

 

………しばらく無言が続く。

 

何?しゃべらない事が今回のお題?

 

「そ…その…比企谷!?」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

ビックリした…急に大きな声出さないでね?

アウトになっちゃうよ?

 

「わ、私の事をどう思ってる?」

 

?何でわざわざそんな事聞いてくるんだ?

お題と何か関係あんの?

 

「頼りになるラーメン好きな先輩っすかね?」

 

「そ、そうではなくだな…いや、それも嬉しいんだが…」

 

?何だ?今の答えじゃ駄目なの?

 

「お、女の子としてどう思っているんだ?」

 

そんな事を頬を染めてモジモジしながら聞いてくる。

…結婚したい。

 

…いやいやいや、騙されるな比企谷八幡。

これはそう言うゲームだ。

風鳴先輩も本心ではなく、お題がこういう物なんだろう。

となれば、少しくらい仕返ししても問題無いだろう。

こいつらだって俺で遊んでる訳だしな?

 

「前にも言いましたけど、風鳴先輩の事、嫌いじゃないっすよ?」

 

そう返したら、何故か満足げな顔で目を閉じたままフリーズしてしまった。

 

…もしもーし…し、死んでる!?

じゃなくて、これ気絶してね?

…どんだけ俺にあの質問をするのが嫌だったんですかね?

割と好意的だと思ってた先輩が実はそうでもなかったとか、普通に凹むんですけど…

 

(はぁ…もうちょい耐性付けなきゃダメだわ、こりゃ…)

 

ん?今何か知ってる人の声が聞こえた気がしたんだが…

…誰の声かも思い出せんし、気のせいか?

 

その後、目が俺みたいになった月読が風鳴先輩を回収し、他の奴らも戻ってくる。

…月読、一体何があったんだよ…

 

しかし、これ最低でも後4人いるんだよな…

もう既にしんどいんだけど帰っちゃダメ?

あ、ここ俺の家だったわ…

神なんていねぇんだな…

 

***

 

また、ぞろぞろと人が退出しだす。

いい加減俺が感付いてるって理由でお開きにしない?ダメ?

次は…暁か…まぁこいつにドキドキさせられる事は無いだろう。

良かったな、お前はクリアできるぞ?

クリア出来たら何の特典があるのか知らんけど。

どうせふらわーとかだろ?

 

「八幡さん、あーんデスよ」

 

何でお前も月読と同じ事やってくんの?

まぁ、そういうお題なら仕方ないのかも知れんけど。

しかし、これがゲームであると知ってるのと相手が暁なので普通に差し出された物を食べる。

たとえコミュ障のぼっちでも、演技だとわかっていれば、これくらいなら問題無い。

演技というのがポイントだ。

 

「わ、わ、これ、割と恥ずかしいデスね?」

 

そう言って、頬を染めながら上目遣いしてくる。

 

「はいはい、あざといあざとい」

 

「何なんデスか!?他の人と扱いが違い過ぎデスよ!?待遇改善を要求するデス!!」

 

「その場合、無視になるな」

 

「改悪じゃないデスか…」

 

いや、悪口言われんのと無視されるなら無視の方が断然いいと思うんだが…

俺基準だと確実に改善なんだが、どうやらお気に召さないようだ。解せぬ。

 

「むぅ…こうなったら、出たトコ勝負デス!!」

 

そう言って、暁が飛び付いてくる。

バカッ!!お前、そんな事したら…

 

ピーッ!!

 

ほらな?

 

「切歌ちゃん?アウトだよ?さ、行こうね?」

 

またどこから現れたかわからん小日向が暁を連行する。

こいつもしかして、神獣鏡の力使ってね?

こんなしょうもない事にギア使うなよ…

 

「お、おしおきは嫌デス!」

 

「はいはい、お話ならちゃんと聞いてあげるから、じっくり…ね?」

 

「は、八幡さ…」

 

バタン…

 

暁…合掌。

 

どうやら過度の接触はアウトってところか…

小町主催だけあって、そのあたりはぼっちに配慮されてるっぽいな。

そもそもこんな事しないのが一番の配慮なんだけどね?

これで後3人…ようやく折り返しかよ…

 

***

 

「そう言えばガヤハチ先輩ってこの中に好きな人とかいないの?」

 

戻ってきた安藤がそんな爆弾を投下する。

バカッ!!お前!?

案の定、装者全員が血走った目でこちらを見る。

 

百歩譲って雪音と立花はわかる。

何で他まで血走ってんの?

 

あぁ、小日向もわかるわ。

俺が立花なんて答えた日には、血の雨が降るだろう…俺の。

しかし、俺の答えなんて決まってるんだがな?

 

「好きな人?小町だな」

 

俺は世界一愛する妹の名を答える。

 

「はぁ…このごみぃちゃんは…」

 

「まぁハチ君だもんね…」

 

「八幡、そりゃねぇよ…」

 

「比企谷?先ほどの事は秘密という事か…?」

 

「これだから八幡は…」

 

「まったくデスよ…」

 

「何故そこで妹っ!?」

 

小町の言葉を皮切りにほぼ全員からため息が出る。

え?何で?本心だよ?

後、風鳴先輩先ほどの事って何?

俺嫌いじゃないって言っただけだよね?

小日向も無言で笑顔なの怖いんだけど…

笑顔って凶器になるんだな…知らなかったわ…

 

「妹を愛する比企谷先輩、ナイスです!」

 

「これアニメだとヤバい展開だよ!?大丈夫?逃げた方がいいんじゃない?」

 

寺島と板場はいい奴だな…

次に聞かれたらこいつらも好きな奴の中に入れてもいいかも知れんな…

 

プロぼっちの俺にあるまじき考えだが、そんな事を考えずにはいられないくらいに、例の催しのせいで俺の心は急激に疲弊していたのであった…




という訳で中編でした。

前半3人中、2人アウトで1人気絶…

うん、愛されてますネ(白目)

八幡にゲームだと勘違いさせた調が割と戦犯です(笑)
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