ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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少し遅くなりました。
第二話GXです。


第二話GX

性格最悪の痴女が何かの結晶を投げたと思ったらさっきまで風呂場だったのが、いつの間にか物々しい広間に景色が変わっていた。

周りには、コアラみたいな顔した赤髪の等身サイズの人形が一体置いてあり、その先の玉座?に誰かが座っていた。

どう見てもあいつがコイツの言うマスターとやらだろう。

 

「戻ってきたか、ガリィ…って何て格好で連れて来てるんだ!?」

 

そう、俺は未だ全裸のままである。

てか、誰かと思えばこの前のちみっ子じゃねぇか…

幼女にこの姿は教育に悪いと思うよ?

 

「いやぁ、シンフォギア装者がいないタイミングを見計らったら丁度お風呂入ってたみたいで?ガリィちゃんうっかり☆」

 

呼吸するように嘘吐きやがったよ、こいつ…

何?大嘘吐き(オールフィクション)でも使えんの?

今のこの状況も無かった事にしてくんない?

 

「ととととにかく、何か着ろ!ふ、服なら貸してやるから!ガリィ、案内しろ!」

 

ちみっ子が顔を真っ赤にして言う。

だから最初から服くらい着せてくれと言ったんだが…

 

「エー!?このままでいいんじゃないですか?マスターからしたら見慣れてるモノでしょうし☆」

 

「そそそそんなモノ、パパ以外………ってガリィお前わかっててやってるだろ?」

 

どうでもいいけど、年頃?の女の子があんま下品な言葉使うなよ…

アラサーが言うには見た目通りの年齢じゃないらしいが…どう見ても幼女である。

というかさっきからガン見されているので、変な性癖の扉を開いちゃいそうである。

さすがのエリートぼっちの俺でも全裸だと目立つらしい。

いや、当然か…

 

「テヘ☆」

 

「いいからさっさと服を着せろ!」

 

「ハーイ☆」

 

ガリィと名乗る少女?に連れられる。

さっきからコイツ、隠しきれてない腐った性格にあざとい物言いとかで、いい印象皆無なんだけど…

 

「じゃあ、このマスターの普段着とかどうカナ?きっとマスターの好感度アップ間違いナシだよ☆」

 

そう言って、赤色のワンピースを渡してくる。

やっぱコイツ性格最悪だわ…

 

「いや、サイズ合わねぇし、それを普通に着れたら全裸よりレベル高い変態じゃねぇか…男物ねぇのかよ?」

 

「ブー☆人質の癖に注文多いなぁ…服を与えて貰えるだけ感謝しろよ、この豚野郎☆」

 

ほんと口悪いな、コイツ…

しかし人質か…少し情報が入ってきたな。

それより、まずは服を何とかしてくれ、頼むから。

 

その後もドレスとかコアラ顔の人形が着ていたようなファンシーな服とか、ひたすらネタに走った服ばかり渡されたが、比較的まともなカジノのディーラーみたいな服を渡された所で妥協した。

どれだけやっても自分の服だけは渡そうとして来なかったので、ネタに全力投球という訳でも無いらしい。

…今、またどうでもいい知識が増えてしまった気がする。

 

***

 

「やっと服を着てくれたか…」

 

ちみっ子が疲れ気味に言う。

いや、その言い方だと俺が普段から全裸で過ごしてるみたいじゃねぇか…

あれはお互い忘れたい出来事だと思うので、さっさと本題に入ろう。

 

「で、用件は何なんだよ?」

 

「ブフォッ」

 

ガリィが吹き出す。

 

「…何だよ?」

 

「いや、だってさっきまで全裸だったのにいきなり『用件は何なんだよ?キリッ』って…プククク」

 

「いや、全裸は全面的にお前のせいだからな?」

 

ほんと何なの、コイツ?

 

「ガリィ、話の腰を折るな」

 

「ハーイ!ガリィちゃんお口チャックしてまーす☆」

 

どうやら、一応ちみっ子の言う事はちゃんと聞くらしい。

 

「コホン…それでだな、お前を拐ったのは女狐に対して人質として有効そうなのでな」

 

女狐?アラサーの事か?

いや、あの人俺をモルモットにしたり、燃料扱いしたりしてたから多分無駄だと思うよ?

 

「いや、多分あんま意味無いと思うが…」

 

「ん、ちょっと待て。…オレだ」

 

ちみっ子がいきなり話を切って自己紹介?しだす。

 

「あぁ、オレが預かっている。コイツの命が惜しければこちらまで来て貰おうか」

 

ん?もしかして今アラサーと会話してんの?

テレパシーって奴か?

司令とか立花とか小日向がとんでもない奴らだから忘れがちだが、あの人も大概だよな…

 

「では遣いを出す。ガリィ」

 

「アイアイサー☆ちょっと行ってきますね☆」

 

そう言ってガリィがまた結晶を使って消える。

あれはテレポートか?

割とこいつらも何でもアリだな…

 

***

 

「連れてきましたよ☆」

 

しばらくして、ガリィがアラサーを連れて戻ってくる。

いや、あんた何で来たんだよ…

 

「ずいぶん舐めた真似をしてくれるわね?キャロル?」

 

アカン、あれめっちゃ怒ってる奴だわ…

あんなに怒ってんのカマクラ関連以外で見た事無いよ?

 

「フン、フィーネともあろう者が小僧1人の命が惜しくてノコノコやって来るとはな?」

 

「さっさと八幡君を返しなさい?今なら昔のよしみで見なかった事にしてあげるわよ?」

 

「断ると言ったら?」

 

「残念だけど…あなたとはお別れになるわね」

 

「いつまでも自分が優位だと思ったら大間違いだぞ?ガリィ」

 

「ハーイ☆」

 

ガリィに拘束される。

いや、あんだけ怒ってたら人質意味ねぇだろ。

 

「…卑怯ね」

 

…アレ?

いやいやいや、あんたフィーネだろ!?

何で俺なんかが人質になったくらいで引き下がってんだよ?

 

「ガリィ、女狐を拘束しろ」

 

「エー?殺っちゃわないんですか?」

 

「そいつの場合、転生される方が厄介だ」

 

「なるほどー☆じゃあ、手足縛って牢屋にでもブチ込んでおきますね☆」

 

「ちゃんと術式を無効化する方に入れろよ」

 

「ハーイ☆オラ☆ちゃっちゃと歩けよ☆」

 

「くっ、キャロル、覚えてなさい!…とでも言えば満足か?」

 

「何?」

 

アラサーの雰囲気が変わる。

ガリィが俺から離れるのを狙ってたのか…

 

「私が何の用意も無しにここまで来たとでも思ったか?」

 

アラサーが懐から何か取り出す。

あれは…

 

「あれは!?ガリィ!さっさと拘束しろ!」

 

そう、ネフィリムの爆発によって無用の長物と化したはずのソロモンの杖だ。

 

「遅い!機能拡張されたままなのでな、こんな使い方も出来る」

 

瞬間、ガリィの姿が消える。

 

「自慢の人形はバビロニアの宝物庫に飛ばしたわ?あそこから帰ってくるのは転移結晶では難しいわよ?」

 

「チッ、やはり計画の一番の障害はお前だ、女狐」

 

ちみっ子が忌々しそうに呟く。

完全に形勢逆転だな…

 

「なんてな?ガリィ、いつまで遊んでるつもりだ?さっさと終わらせろ」

 

「ちぇー、最高にドヤ顔してる所を追い詰めるのが楽しいのに」

 

「な!?」

 

アラサーがガリィに拘束される。

 

「お前がさっきまで遊んでたのはガリィが水で作った分身体だったという訳だ」

 

「くっ、人形にここまでの性能を…キャロル、あなた本気なのね?」

 

「あぁ、オレはいつでも本気だとも」

 

「万象黙示録…世界を分解し、破壊するなんて」

 

世界の破壊…

それがこいつの目的か…

 

「当然だ、パパを殺した世界など、オレがこの手で壊してくれる!ガリィ、連れて行け」

 

「ハーイ☆」

 

アラサーがガリィに連れて行かれる。

 

「さて、お前はこれで用済みだが…このまま帰すわけにもいかん」

 

つまり、始末しちゃうよ?って事か…

まぁ、アラサーが負けた時点で何となくそんな気はしていた。

 

「せめて、オレの糧になって貰おう」

 

ちみっ子が近付いてくる。

小町…お兄ちゃん、ここまでみたいだわ…

覚悟を決めていると、いきなりちみっ子に唇を奪われる。

 

!!!!!?????

 

「な!?」

 

ちみっ子が驚いたように離れる。

何だ?何か無数にある俺の黒歴史の何個かが()()()()()()()()

 

俺は今何をされたんだ?

いや、キスされたのはわかってるけども…

何か、もっと恐ろしい事をされたような気がするのだ。

俺が困惑していると…

 

「お前…こんな過酷な人生送ってきて、よくまともでいられるな…」

 

何故かちみっ子が憐れみの目でこちらを見ていた…

…余計なお世話だっつうの…




という訳で思い出の搾取で八幡の黒歴史を強制体験させられたキャロルちゃんでした(笑)

アラサーはあっさり負けてしまい絶対絶命のピンチですが、何故か憐れみの目を向けられているので割と何とかなりそうです(笑)
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