内容は全然息抜きじゃないですが(笑)
前に予告したF.I.S.組編です。
…何だか悪い夢を見ていた気がする。
立花が薬で眠らせてくるヤンデレだったり、雪音がテンプレヤンデレだったり、風鳴先輩がストーカー型のヤンデレだったり、天使だと思ってた小日向が堕天使だったりする夢だ。
…現実はそんな事、ある訳無いのにな。
何故なら…
「八幡、おはよう」
「おはようデース!」
「あら、起きたのね?朝食、用意出来てるわ」
四六時中、こいつらに監視されているのだから…
つか、毎度思うがどうやって入って来てるんだろう…
俺、鍵閉めたよね?
こいつらのせいで、自分の部屋に鍵を掛けるのが習慣になって久しいのだが、今に至るまでまったく効果がある気配が無いのも如何な物だ。
定期的に鍵を変えているのに、朝起きると確実に侵入されている事から、おそらく合鍵ではなく、ピッキングによる物と思われる。
本格的に指紋認証とかにした方がいいのかね?
今度司令に相談してみようかな…
しかし、毎回こうやって侵入されてはいるが、おそらく俺はまだ未経験の筈だ。
寝てる間の事なので、確証が無いのが悲しい所なのだが、そもそもそういった事をされていれば、こいつらの態度も変化がある筈だ。
なので、おそらくではあるものの、状況証拠的に未経験である。
何?うらやましい?じゃあ代わる?
…確かにこいつら、見てくれ
まずは、月読。
黒髪のロングツインテで物静かに見える美少女。
こいつの場合、未成熟な方がポイントが高いというのも、萌えを知る諸兄ならお分かりだろう。
だが、ヤンデレである。
次に暁。
金髪で特徴的な語尾を操る美少女。
月読とは対照的に割と発育しているが、それが更に活発で健康的なイメージを与えてくる。
だが、ヤンデレである。
最後にマリアさん。
ピンクの特徴的な猫耳っぽいお団子ヘアの面倒見が良さそうな美女。
彼女は、ダイナマイトボディと言って良いだろう。リアル不二子ちゃんだ。
だが、ヤンデレである。
お分かりだろうか?
1人でさえお腹一杯なヤンデレが、あろう事か3人同時に迫ってくるのだ。
ヤンデレジェットストリームアタックである。
俺がたとえニュータイプだったとしても、踏み台にしようとした時点で刺されているだろう。
ヤンデレが可愛いだとか、実は安全なんていう風潮は、フィクションの中だけの話なので、代わりたいという人がいれば、是非代わって欲しいものである。
その代わり、命の保証はしかねる。
実際、俺も何度か死にかけているしな…
***
朝食の時間。
マリアさんの用意した料理を食べる。
基本的に彼女達の用意する料理は俺の物だけ妙に赤い。
原材料は聞かない方が己の為だろう。
食べれないなどと言ったら、それだけで刺されかねない。
「八幡、おいしいかしら?」
「…鉄分たっぷりですね」
「ふふ…八幡が…私の…うふふふ♪」
怖えよ…私の何なの?
しかし、これがスタミナ料理などに切り替わると貞操の危機なので、いよいよ逃げる事も視野に入れる必要が出てくる。
よって、これでもまだマシなのだ。
「八幡」
無心で鉄の味を胃に詰め込んでいると月読に声を掛けられる。
「…何だ?月読」
「何度も言ってるけど、調って呼んで?呼べ!」
怖えよ…
何でそんな呼び方に拘るんですかね?
間違ってねぇだろ?
「ど、どうしたんだ?調」
調、そう呼ぶと、さっきまでの怒気が嘘のように霧散して逆にニコニコ顔になっていた…
マジで訳がわからん。
「うん、私達、そろそろ次のステップに進むべきだと思う」
…どうする?
こいつの中で俺との関係がどうなっているのか不明だし、怖くて聞けないが、心情的には絶対に却下だ。
しかし、断り方を間違えれば、リアルバラバラの実になってしまう。
ヤバい、派手に死んでしまう…
「…具体的には?」
何はともあれ、こいつの要求を確かめるため、少し探りを入れる。
「セッ…」
「何度も言ってるけど、俺はお前を大事にしたいんだ。だから、そういうのは結婚したらな?」
「むぅ…」
っぶねー、危うく襲われるとこだったわ…
こういった危機回避能力は、こいつらによって培われたのだが、まったく嬉しくねぇ。
こいつらと関係持つとか、人生終了なので論外だ。
むしろ、関わりたくないんですけど、いい加減解放してくれませんかね?
はぁ…胃が痛え…
***
両隣に月読と暁、前にマリアさんという布陣に囲まれながら通学する。
周囲の視線が痛いんだが、残念ながらこの扱いにももう慣れてしまった。
嫌な慣れだな…ほんと…
「おい!ポンコツ装者共!今日こそは八幡を解放して貰うぞ!」
幼女がヤンデレ達に突っ掛かる。
この幼女は、お隣さんのキャロル・マールス・ディーンハイム。
見た目からは想像も付かないが、御年数百歳の錬金術師だ。
こうやって、何度も俺の救出を試みてくれている勇者なのだが…
「イグナイトモジュール!抜剣!」
―禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS―
「何するものぞ!シンフォギアァァァァ!」
原理はわからんが、何故か発生した爆発で幼女が吹っ飛ばされる。
何でも、彼女が本領を発揮するには、思い出を焼却する必要があるらしいのだが、とある事件で思い出を焼き尽くしてしまった彼女には、かつて程の力は無いらしい。
他力本願この上無いのだが、彼女には頑張って欲しいと心から思う。
てか、即時イグナイト抜剣の上にユニゾン技とか容赦無さすぎませんかね?
「殲滅完了」
「悪は去ったデス!」
暁さん?俺にはどう見てもあなた達の方が悪に見えるんだけど気のせいかな?
キャロルさん生きてる?
「クッソー!次こそは必ず!待っててくれ!八幡!」
良かった…生きてるみたいだな。
「しぶとい」
「今日という今日はトドメを刺すデスよ」
ハイライトさんが長らく行方不明のヤンデレ達がキャロルさんに迫る。
まずい、こいつら殺る気だ。
マリアさんも見てないで止めてくれよ!
「いいわ…調、切歌、殺ってしまいなさい」
ヤンデレに期待した俺がバカだった…
「ちょっと待て!?つく…調、切歌!」
急いでキャロルさんの前に立つ。
「八幡どいて!そいつ殺せない!」
「八幡さんにちょっかいかける害虫は一匹残らず駆逐するデスよ!」
お前らは一体何処のイェーガーだよ…
「まぁ落ち着け、な?俺はお前らを殺人者になんかしたくないんだ。殺人者なんかになったら、俺はお前らを軽蔑するぞ?」
危険な賭けだが、人命が掛かっているのだ。
形振り構っていられない。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで見捨てないで!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「違う違う違う違う違う!嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!」
阿鼻叫喚である。
俺が彼女達を否定するような事を言うと、このように呪文のように同じ事を言い続け、かなり精神が不安定になる。
回復して通常のヤンデレに戻るまで3日程掛かるのだが、その間、俺の命が危険に晒される。
ちなみにどうあっても、出会った頃のようなキレイなこいつらには戻らないらしい…
「ぐ…すまない、八幡。助けに来ておいて、この体たらく…オレが万全であれば…」
キャロルさんに礼を言われるが、目の前で殺人が起きる所だったのだ。
止めるのが普通だろう。
「気にすんな…」
ただ、数日の間こいつら精神不安定で、うるさくなると思うけど我慢してね?
***
夜、危険な時間の始まりである。
ヤンデレ達は精神が不安定な為、何をするかわからない。
しかし、警戒した所で奴らを止める術が無い為、あまり意味は無いだろう。
せめて、死なないように奴らを誘導出来れば御の字だ。
「八幡…」
早速来やがった…月読だけか?
「八幡が私達を見捨てるなんて言い出さないように…朝言った通り、次のステップに進む事にしたの」
ヤバいヤバいヤバいヤバい。
俺は後退りながら、説得を試みようとした所で…
「逃がさないわ」
「デース!」
マリアさんと暁に押さえ付けられる。
ちょっと待て!?本当に待って?
「放せコラ!」
「3人に」
「勝てる訳」
「無いのデース!」
…お前ら、何でこのネタ知ってんの?
しかし、馬鹿野郎お前、俺は勝つぞお前とか言ってみたい物だ。
3人どころか1人にも勝てないっつうの…
現実は非情である…
***
翌日…奴らに夜通し搾り取られた俺は現在進行形で絶望の真っ最中である。
こんな時だけ素直過ぎる我が分身が憎らしい。
奴らの監視のせいで禁欲生活を続けていた反動で、それこそ無双の働きだったとだけ言っておく。
男の脳と下半身は別人格ってのは本当だったんだな…
ともあれ、人生詰みのお知らせである。
後はいつ投了するかのご相談だ。
俺は所詮敗北者じゃけぇ…
…頼むから誰か取り消してくんない?
やはり俺がヤンデレに迫られるのは間違っている。
いや、ほんとに。
という訳で番外でした。
相手が装者だとBAD ENDは避けれないようです。