ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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八話です。

これからの展開は早めの予定です。


第八話GX

「寄って集ってなんなんだ!?お前らは!?どっから湧いて出た!?」

 

どうやらキャロルの記憶が戻ったらしいな…

まぁ、これで父娘ごっこも終わりという事だろう。

べ、別に残念だなんて思ってねーし?

 

…いやまぁ、本音を言えば、身内認定までしていたのだ。

やはり、名残惜しい気持ちはある。

それに、こんな目が腐ったぼっちを真っ直ぐに好きだと言ってくれたのだ。

幼児故に裏表を考えようが無かったのも大きい。

偽物の親子関係ではあるが、悪くはなかった…と思う。

ん?親子関係が偽物って事は、愛娘が言っていた結婚は法的に何も問題無いんじゃねぇか?

 

……………

 

…いや、俺は断じてロリコンじゃないけどね?

ホントダヨ?

ていうか、見た目はともかく、実年齢はキャロルの方が遥かに上だからね?

これが合法ロリか…

文面にすると犯罪臭がやべえな…

 

「チッ、シンフォギア装者が勢揃いか…って、ちょっと待て!?」

 

ん?何か妙に慌ててるし何かモジモジしてるけど、どうしたんだ?

やべー奴がいるから焦ったのか?

ほんと、いまだにロック外してくんないんだけど何とかしてくんない?

 

「お前ら、オレが戻ってくるまで大人しくしてろよ!?いいな!?絶対だぞ!?」

 

そう言うだけ言って、やや早足で退室して行った…

装者達もキャロルのいきなりの豹変についていけてないようで、唖然としている。

 

しかし、どうしたんだ?

何か準備でもあるんだろうか?

 

あぁ…そういやあいつ、トイレ行きたくて起きたんだったな…

 

***

 

「待たせたな」

 

キャロルが戻ってくる。

しかしあちらは、もはや戦いムードではなかったようで、談笑などしていた。

君たち、敵地で余裕あるね?

 

ちなみに、俺は自動人形(オートスコアラー)に囲まれてるのと、いまだ無言の小日向がロックオンしているので、玉座に座ったままだ。

やだ、このままじゃ狙い打たれちゃう…

 

「なんだ!?この緊張感の欠片も無い状況は!?」

 

キャロルが叫ぶ。

まぁ、それはお前にも原因あると思うよ?

生理現象だから仕方ないけどね?

 

「あ、キャロルちゃん、トイレちゃんと行けた?」

 

立花がキャロルに声を掛ける。

さすがお気楽の権化のような奴だ。

キャロルの豹変など気にしてもいないし、まったく空気を読んでいない。

 

「やかましいわ!!ていうか、何でトイレって知ってるんだ!?」

 

どうやら、急に記憶が戻ったせいで混乱しているらしい。

幼児状態の記憶は無いみたいだな…

愛娘とは本格的にお別れか…

 

「大方、パパを取り戻しに来たんだろうが、オレが返してやる義理は無い!!」

 

キャロルが術式を展開する。

いや、ちょっと待て…キャロル、お前今パパって…

 

「オレの下僕ども!敵を排除しろ!最優先はパパの安全だ!」

 

「ようやく派手に暴れられる!」

 

「退屈だったゾ」

 

「邪魔者にはお帰りいただきましょうか?ポンコツ…」

 

「はいはーい☆マスターが元に戻った以上はお仕事しないとね☆」

 

キャロルの一言で待機していた自動人形(オートスコアラー)達が一斉に行動を開始する。

若干1名まだダメージが抜けてないみたいだが…

 

「守ってやるんだからガリィちゃんの側を離れるなよ☆」

 

ガリィが俺の側につく。

同時に小日向がガリィに向けてビームを放つが、ガリィも水の盾で防ぐ。

 

「光を使う時点でガリィちゃんとは相性最悪だよ☆お嬢ちゃん?」

 

ガリィが軽口で小日向を挑発する。

やはり小日向は無言でビームを再度放つが…

 

「無駄だって☆」

 

ガリィの前に大きな球状の水が作られる。

小日向のビームを受けたそれは内部で光を乱反射させ、そのまま小日向に向けてビームを打ち返す。

 

「!!」

 

間一髪、小日向は回避するが、驚きを隠せないようだ。

 

「聖遺物に対して完全特効?相性ゲーで無双し放題で腑抜けた装者なんてガリィちゃんの相手じゃねぇんだよ☆」

 

そう言ってガリィが俺の横に立って自分の腕を俺の腕に絡める。

いや、今そんな事する必要ある?

 

「ガリィちゃんが護衛している限り、奴らには指一本触れさせないぞ☆あ・な・た☆」

 

どうやらこいつ、まだキャロルの母親を諦めていないようである。

その精神的タフさは素直に尊敬する。

 

「てめえ!何してやがんだ!!」

 

「調子に乗るなデス!!」

 

「切り刻む…」

 

「何のつもりの当てこすり!貴様、明日の陽を拝めると思うなよ!!」

 

「ハチ君嫌がってなくない?」

 

「あなた達落ち着きなさい!?相手の思うつぼよ!?」

 

「ガリィ!誰がそこまでやれと言った!?」

 

ガリィの挑発的行動に装者達が一斉に食いかかる。

てか、キャロルも混じってんだけど…

なんかこいつら来てから俺の立場がマッハで悪くなっていってる気がするな…

しかし、いまだに無言の小日向が怖すぎる…

 

***

 

「抜剣…」

 

ようやく小日向が喋ったんだが、まったく聞き慣れない単語だった…

ばってん?小日向って九州の人だったっけ?

違うか?違うな…

 

「!?小日向、待て!?」

 

ん?何だ?妙に風鳴先輩が慌ててるが…

 

小日向のギアが禍々しい黒いオーラに包まれる。

いや、お前…黒いオーラ似合い過ぎだろ…

 

「ッ!!また!!」

 

ん?またって何だ?

 

「いつもいつもいつもいつもいつも八幡は!」

 

小日向の感情が爆発する。

え?何?やっぱ俺、何かやっちゃってんの?

またオレ何かやっちゃいました?

孫じゃねぇっつうの…

あのコミック版の帯の今一番孫ってるって煽り文句考えた奴のセンス凄いよな…

 

「私を危ない人扱いして!私だって、女の子なんだからぁぁぁぁ!!!」

 

小日向の咆哮と共に小日向のギアが漆黒に変わる。

何だ、あのギア?

どうにも話に聞いている暴走状態とは様相が異なる。

 

しかし、どうやら小日向は俺の表情からだいたい俺の考えてる事が読めるが故に、俺のあいつへの扱いがお気に召さなかったようだ。

そういや、最初来た時にガリィのやべー奴発言に心の中で同意したわ…あれが原因か…

やっぱりやっちゃってんじゃねぇか…

 

「まさかぶっつけ本番でイグナイトを成功させるたぁな…」

 

「しかし、決め手に欠ける今この場では…」

 

「私達もやろう!」

 

装者達が次々にばってんばってん叫ぶ。

何?九州の方言流行ってんの?

方言女子って変な魅力あるよね。

 

とまぁ冗談は置いといて、装者達のギアが次々に漆黒のギアへと変わっていく。

これが、エルフナインの言っていた、キャロルへの対抗策だろう。

って事は、これってもしかしなくても、キャロルの思惑通りって事なんじゃ…

 

「イグナイトを起動させたか…下僕ども!お前らの本分を果たせ!!」

 

「派手に言ってくれる」

 

「好きにやらせて貰うゾ」

 

「ポンコツの汚名返上といきましょうか」

 

自動人形(オートスコアラー)達が次々と奮起する。

レイアはコインを両手に構え、雪音と対峙する。

あいつ、トランプとか武器にしそうだと思ったけど、コインだったか…

ミカは排熱で服が燃え尽き、人形としてのボディが顕の状態で月読、暁と対峙する。

人形だとわかっていても、目のやり場に困る。

ファラは剣を両手に二刀構え、風鳴先輩とマリアさんと対峙する。

ポンコツ同士の対決か…

どうやら、それぞれ、あれがあいつらの戦闘形態なのだろう。

それは、俺の隣の奴も例外ではなく…

 

「あーあ☆命令されちゃった…」

 

心底残念そうにそう呟くと、いきなりくるっと、こちらを向いて、またしても俺の唇を奪ってくる。

お前!?また思い出吸い取るつもりかよ!?

 

「てめえ!何してやがる!!!」

 

「切ちゃん、あいつは最優先で抹殺」

 

「デスデスデース!!」

 

「今の私は冗談が通用する程穏やかでは無いぞ!!」

 

「ハチ君もちょっとは痛い目見た方がいいんじゃないかな?」

 

「だから頼むからあなた達落ち着きなさい!私達の目的を忘れないで!」

 

「まったく、素直じゃない同僚を持つと派手に苦労する!」

 

「同僚のよしみだゾ!行かせないゾ!」

 

「そちらのポンコツは冷静みたいね」

 

装者達が激昂して、それを自動人形(オートスコアラー)達が止めているのが聞こえる。

俺、生きて帰れんのかな…

 

「ん…」

 

どれくらい経っただろうか?

一瞬にも思えるし、かなり長かったようにも感じるが、ようやくガリィから解放される。

あれ?記憶を掘り返しても別に何も思い出を取られてない気がするんだけど…

 

「取り忘れただけだよ、少しは()()に集中しろ、バーカ」

 

そう言って、一瞬困ったように微笑み、すぐにいつも通りの底意地の悪い笑顔の仮面を被り直して小日向へと向き直したのであった。

 

その微笑みの意味がわからず、ただただ立ち尽くすのであった。




という訳で公式に存在しないイグナイト393が爆誕してしまいました(笑)

ガリィちゃんの圧倒的正ヒロインオーラがヤバいです(笑)
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