ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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すみません、遅くなりました。
予告通り防人番外です。


番外 風鳴翼生誕祭~実録、防人の一日~

防人の朝は早い。

 

午前8時、3度目の目覚ましで起床する。

学生の時分は4度目の8時10分だったのだ。

ふふん、私も成長して、大人としての自覚が芽生えているという事だ!

今度は2度目の7時45分に起きる事に挑戦しようと緒川さんとつい先日約束したところだ。

 

午前8時30分、朝食を取る。

朝はもちろん、緒川さんが前日に用意してくれた、白米と味噌汁に漬物だ。

やはり、日本人は米に限る。

む、今日は合わせ味噌か…

緒川さん、ますます腕を上げましたね。

 

午前9時、着替えを始める。

何故だ!?私のお気に入りのワンピースが無いぞ?

今日は比企谷とデートなのだ。

無いでは済まされんぞ!!

何処だ!?このタンスの中か?無い…

もしかして、食器棚か?無い…

わかった!テレビ台の中だな!?無い…

おのれ、誰の陰謀だ!?出てこい!叩き切ってやる!

む、陰謀を企てた敵は出てこなかったが、ワンピースの方はようやく出てきたか…

まさか、クローゼットにあるとはな…くっ、不覚!

しかし、部屋が()()散らかってしまったな。

…まぁ、いいか。

何、()()散らかっていても、どこに何があるかを私が把握していればいいだけの話だ。

何も問題は無い。

 

午前11時5分、比企谷と待ち合わせだ。

約束は11時だったから、少し遅れてしまったな。

やはり、バイクで来た方が良かったか?

いや、しかしワンピースでバイクというのもどうなんだ?

やはり、こういったヒラヒラした服でバイクに乗るのは抵抗があるな。

やめておいて良かった。

 

待ち合わせ場所に着く。

比企谷は…いた。

 

「すまない、待たせたな」

 

「…いや、俺も今来たとこっすよ」

 

「何!?待ち合わせは11時だぞ!?遅れるとはどういう事だ!?」

 

「いや、先輩が遅れたから話合わせただけっすよ…」

 

まったく、不器用な奴だ。

しかし、付き合い初めて半年経つというのに、いつになったら翼と呼んでくれるのだ?

というより、先週、ようやく手を繋いだくらいだ。

もちろん、その先のせ、せ、接吻とかは、まだやっていない。

いい雰囲気になっても、いざ、となると推して参れず、鞘走るのを躊躇ってしまうのだ。

こういう時、女の身としては、男にリードして貰いたいものだが、相手は比企谷だ。

期待しても難しいだろう。

まぁ、そういう所も含めて好きになったのだから仕方ない。

惚れた弱みだな。

しかし、世間一般的に見て、私達の進展は遅すぎるのではないだろうか?

前に読んだ雑誌…ゼ◯シィだったか?では、私達の間柄は既に結婚を前提に付き合っており、後は式場の予約や指輪、ドレス選び、新婚旅行先を考える段階になっていると書いてあったのだが…

どうもそのような感じがまったくしない。

おのれゼ◯シィ…謀ったか!!

 

まぁ、ゼ◯シィはともかく、今日は目標として、翼と名前で呼んで貰う事と、チャンスがあれば、せ、せ、接吻をする事にしている。

やはり、少し気恥ずかしいな…

 

正午、比企谷と昼食を摂る。

比企谷との食事といえば、そう、ラーメンだ!

今日はあっさり系の塩ラーメンのお店に行く。

ラーメンは普段はこってり系が好きなのだが、その、カロリーがな…

今日は比企谷とせ、せ、接吻をするかもしれないし、場合によってはそれ以上の事も…

とにかく!少しでもカロリー控えめにしておきたかったのだ!

む、どうやら私はあっさり系ラーメンというものを舐めていたようだ…

認めよう、カロリーを気にして、妥協したなどと、無礼な態度だった、と。

気付けば、スープまで全て飲み干していた。

…また走り込みを増やす必要がありそうだな…

 

午後1時、比企谷と映画館に行く。

 

「俺はこの映画を見るので、2時間後にまたここで合流しましょう」

 

「………は?」

 

「………え?いや、俺はこの映画が見たいんで、先輩も見たい映画見てきてください」

 

………どうやら説教する必要があるようだ。

恋人とのデートを何だと思っているんだ、まったく…

比企谷に説教をしていたら、比企谷が見たい映画の開演時間を過ぎてしまったようだ。

ならば、今日は私の見たいこのラブストーリーの方に付き合って貰おう。

 

午後3時、ど、どうにもまずい状況だ。

私が見たい映画に二人で入り、暗がりを利用して手を繋ぐ事までは成功したのだが、ど、どうやらこの映画…その…濡れ場があったみたいで…その、気まずい…

先ほどから、比企谷の手を少し強めに握ってしまっている。

わ、私が誘った映画だけに、私がそういう事を期待していると思われたらどうしよう…

その…もちろん求められる事は素直に嬉しいし、私とて、そういう事に興味が無い訳ではない。

ただ、その…今日いきなりは心の準備が…

そこからの映画の内容は、まったく頭に入ってこなかった。

 

午後4時、周囲をブラつく。

どうやら、比企谷的にあの映画の内容はスルーの方向でいくつもりのようだ。

ホッとした反面、何かモヤっとする。

恋人として、まったく興味を持たれていないようで、悲しくなるのだ。

もちろん、そんな事無いとは思うのだが、相変わらず私の胸に視線は集まらないため、不安になる。

今日は翼と呼んで貰わねばならんしな。

少し聞いてみるか?

 

「ひ、比企谷?」

 

「ひゃ、ひゃい」

 

「その…私の事をどう思っている?」

 

「…大切な先輩で、彼女です」

 

「そ、そうか…ならば、私の事は…翼、と呼んでくれないか?」

 

「…翼さん、これでいいっすか?」

 

「さんも無しだ」

 

「…………翼」

 

…………………はっ!?いかんいかん。

また気絶していたようだ。

どうも比企谷がでれ?る度に気絶する癖は直さなければならないな…

 

次の目標は接吻か…

 

午後6時、いつもならここで別れる時間だ…

だが、今日の私は接吻までを目標としている。

 

ならば!我が家に招いて夕食を一緒に摂るなどどうだろうか?

…うん、我が家なら人目につく事も無い。

 

「ひ、比企谷?」

 

「ひゃい」

 

「その…今日は我が家で夕食などどうだろうか?」

 

「…………は?」

 

「そ、その…泊まりでも構わないんだが…」

 

「せ……翼」

 

む、また先輩と言おうとしたな?

まぁ、こればかりは慣れていくしかないだろう。

 

「いや、まぁ、その、俺は…」

 

「わかった、ならば提案だ。我が家に来て、一緒に夕食を食べてくれ」

 

これくらい言わないと首を縦に振らんだろう。

 

「………了解っす」

 

こうして、初めて彼氏が我が家に来る事になった。

 

***

 

午後7時、何故か私は正座している。

 

「何故怒られているかわかりますか?」

 

「………部屋が散らかっているからです」

 

そう、私としてはまったく気にならないのだが、どうやらこの部屋は俗にいう汚部屋というものらしい。

 

「はぁ…じゃあ一緒に片付けましょうか…」

 

もはや、接吻など雰囲気すら出てこないのであった…

 

***

 

「…というのがだいたいの一日です」

 

「すみません!全面カットで!!事務所的に絶対NGです!」

 

?緒川さん?

何かまずい事でもあったのだろうか?




すみません、構成が少し甘いので、書き直すかも…
やはり大阪出張で少し時間が足りない感じが…

しかし、本日中に何とかしたい気持ちでの投稿と相成りました。
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