ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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十一話です。

出張中でスマホで書いてるので、誤字とかあったらすみません。


第十一話GX

キャロルと一緒に外に出る。

 

対峙するのは…

 

「小日向…」

 

小日向未来がただ1人立っていた。

小日向は無言で構える。

 

「ハッ、お前1人で充分という事か…舐められた物だな!!シンフォギア!!!」

 

キャロルが手を翳す。

炎の激流が小日向を襲うが、小日向はそれを難なく避わす。

 

「八幡…あの子を倒したのは私。言い訳はしない。どんな罵りも受ける。だから、帰ってきて!」

 

小日向が俺に向けて言葉を投げかける。

そうか…こいつがガリィを…

しかし、元々俺に小日向を責める権利など無い。

それに、こいつは何か勘違いをしている。

俺は俺の意志でキャロルの側にいるのだ。

 

なおも小日向は続ける。

 

「八幡がいないと、響は歌えない…みんなも…私じゃダメなの、ダメだったの…だから、お願い!!」

 

なるほど、こいつ1人なので陽動かと思ったが、どうやらそうではなく、こいつ1人しか戦えないのだろう。

こちらにとっては好都合だ。

 

「キャロル」

 

「なに?パパ」

 

「あいつの気を逸らしてくれ。その隙に俺がこいつをあいつに打てば障害はクリアだ」

 

アンチLiNKERを取り出す。

 

「うん、わかったパパ」

 

名残惜しいが、キャロルの手を離す。

 

「あっ…」

 

どうやら、キャロルの方も名残惜しかったようだ。

しかし、今は小日向を排除するのが先だ。

 

「八幡!!」

 

小日向が俺に向かってくるが…

 

「お前の相手はオレだ!」

 

キャロルが行く手を阻む。

 

「邪魔しないで!抜剣!!」

 

小日向のギアが漆黒に変わる。

それだけ、本気だと言う事だろう。

キャロルを心配しつつ、背後に回り込むため、走る。

あのギアの小日向は危険だ。

一刻も早く決着を着ける必要がある。

 

「イグナイトか、ならばオレも本気を出そう。来い!ダウルダブラ!!」

 

キャロルが琴のような鎧を召喚し、身に纏うと…

みるみるうちに大人の姿に成長していた。

……バインバインはマジだったのかよ…

 

***

 

――閃光――

 

「ヘルメス・トリスメギストス!チッ、これもダメか…まったくやりずらい!」

 

キャロルと小日向の激戦は続く。

どうやら、あのギアの力は錬金術に対しても有効なようだ。

何とか、小日向の背後に回り込めたのはいいんだが、戦闘が激し過ぎて近付けない。

一瞬でも動きが止まってくれたら何とかなるんだが…

 

「臍下あたりがむず痒い!オレとパパの幸せを邪魔する禍根はここでまとめて叩いて砕く!!」

 

キャロルが琴のような糸を弾くと、旋律と共に4つの紋章が同時起動する。

四大元素の錬金術の同時起動…

凄まじいエネルギーが小日向を襲うが…

 

――漆黒――

 

小日向が黒く輝く光を放つ。

何だ…あの技は…

黒い光はみるみるうちにキャロルの術を飲み込み、キャロルに向かって襲いかかる。

キャロルが気がかりではあるが、技を打って硬直している今しかチャンスは無い。

俺は全力疾走で小日向に向かい、小日向を拘束しようとするが…

 

「八幡!?離して!」

 

小日向が暴れる。

拘束の時に抱き締めるような形になってしまい、その…暴れられると色々と当たるのだ…

しかし、最大のチャンスだ。

なんとか、アンチLiNKERを打たないと…

なおも小日向は暴れるため、ついには向かい合って抱き締める形になってしまう…

 

「あっ…」

 

小日向が顔を真っ赤にする。

ん?少し大人しくなったか?

 

「パパ!?何してるの!?」

 

キャロルが後ろで喚いてる。

どうやら無事だったようだ。

ひとまず一安心ではあるが、今は小日向を無力化するのが先だ。

俺はすかさずアンチLiNKERを取り出すが、さすがに何をされるか理解したようで、小日向の抵抗が激しくなる。

 

「八幡!お願い、やめて!!」

 

「チッ、大人しくしろよ」

 

………客観的に見たら絵面が酷いな…

どう見ても、ごうか…いやいやいや、ぼっちがそんな事する度胸無いからね?

しかし、こいつら揃いも揃って力強えな…

俺も割と空いてる時間に筋トレとかしてんのに、全然勝てないんだけど…

 

「やめ…むぐぅ!!!!?」

 

あっ…………

激しく抵抗する小日向と押さえつけようとする俺…

揉み合いになって倒れた拍子にその……唇が触れ合ってしまう。

俺…今勝っても確実に死ぬんじゃないですかね?

しかし、予想に反して小日向の抵抗はみるみる弱くなり、何故か目を閉じている。

アレ?ナニコレ?まぁ、チャンスなのは間違いないか…

俺はまったく抵抗しなくなった小日向の首筋にアンチLiNKERを打ち込んだのであった。

 

***

 

「色々と言いたい事はあるけど、パパ!まずはオレ達の勝ちだ」

 

ぶすっとしたキャロルがそう言う。

いや、あれは不可抗力だからね?

 

「むぅ、パパ、帰ったらオレにもして貰うからね?それ以上の事も!」

 

キャロルが頬を染めながらそう言う。

今は大人の姿なので、色々とヤバい。

これは、大人の階段登っちゃうお誘いなんじゃねぇの?

普段の俺なら、間違いなく、勘違いだと決め付けるだろう。

しかし、キャロルの好意に関しては疑いようも無いため、俺も…

 

「うす…」

 

とだけ答える。

ヘタレ?何とでも言え。

 

「パパはどっちの姿がいい?」

 

おそらく、顔が赤くなっているだろう俺に対して、キャロルが更に爆弾を投げてくる。

 

「い、いにゃ、キャ、キャロルにみゃかしぇる」

 

盛大に噛んだ。

ぼっちの俺にそんな免疫まったくねぇんだよ!

仕方ねぇだろ!

 

「そうか、じゃあパパはおっぱいが好きみたいだからこっちの方がいいかな」

 

………いや、それはその…まぁ、否定はしない。

俺だって男子高校生だからね?

 

「ではこの後、お楽しみの予定が出来たんでな!邪魔者には消えて貰おう!!」

 

キャロルが、ギアが解除され、気を失っている小日向に向けて四大元素の水の錬金術を放つ。

 

「馬鹿!やめろ!キャロル!」

 

気付けば、小日向に向かって走り出していた。

 

「パパ!?」

 

キャロルが慌てて叫ぶが、術はもう止まらない。

間に合え!間に合ってくれ!!

 

***

 

気が付くと、真っ赤だった。

あの後、何があったんだろう?

私、死んじゃったのかな?

だんだん、意識が覚醒する。

 

あの時、八幡にキ、キス…されて、それから、どうしたんだっけ?

完全に意識がはっきりする。

真っ赤なこれは、血だ。

でも、これは…この血は私のものじゃない。

 

「八幡!!!」

 

八幡のものだ。

八幡は私を抱き締める形で、あの子の術をその身に受けていた。

意識が無いらしく、みるみる抱き締める力が失われていく。

 

「パ…パパ…」

 

あの子が呆然と呟く。

やがて、八幡が糸の切れた人形みたいに崩れ落ちる。

嫌だ!ダメ!行かないで!

誰か…誰か助けて!

 

「パパァァァァ!!!」

 

あの子が叫ぶ。

自分の術だ、まともに受けた八幡が致命傷だと理解しているらしい。

 

「もはや、パパのいないこんな世界など要らぬ!全てまとめて消し去ってくれる!!」

 

あの子が激しい怒りと共に歌を歌う。

愛を、奇跡を呪う禍々しい歌…

でも、今の私にはどうする事もできない。

あの子の怒りのエネルギーが私に襲いかかる。

八幡…目を覚ましてよ…

いつもみたいに捻ねくれた理論であの子を救ってよ…

目の前まで来たエネルギーに最期を悟り目を閉じる。

 

……

………?

 

「遅くなってゴメン!未来!!」

 

「ひ…び…き、みんな!」

 

私の前に、響、翼さん、クリス、マリアさん、調ちゃん、切歌ちゃんが立ってあの子のエネルギーを受け止めていた。

 

「苦労をかけたな、遅れた分は防人の剣が露を払おう」

 

「悪ぃ、未来は八幡を!フィーネなら何とか出来るかもしれねぇ!いや、絶対に何とかしてくれる!!」

 

「ここは私達が死守する!」

 

「力の見せ所デスよ!!」

 

「もう二度と失わせない!!奇跡だって手繰り寄せてやるわ!!」

 

弱気になるなんて、私はどうかしていたみたい。

そうだ、諦めない!諦めてなるものか!!

 

「未来さん!こちらへ!!」

 

緒川さんが車で駆け付けてくれる。

待ってて、みんな!

八幡は絶対に助けてみせるから!!




という訳でクライマックスです。

八幡はどうなってしまうのでしょうか?
そのあたりはまた、次話で書いていきます。
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