ぼっちが人前で歌などハードルが高すぎる   作:祥和

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恒例の絶唱しないです。


幕間 絶唱しないシンフォギアGX1

*** 自動人形(オートスコアラー)達の休憩 ***

 

ここはチフォージュ・シャトー…

かつて、悪辣と背徳の限りを尽くした青髭ことジル・ド・レの居城の名を冠する錬金術師キャロルの根城である。

ここでは、主であるキャロルに忠誠を尽くす自動人形(オートスコアラー)達が日夜働いているのだ。

今日は丁度、休憩中の彼女達の様子を見てみよう。

 

「あ゛ぁ゛~しんど!マスターってば、ガリィちゃんをこき使い過ぎじゃない!?」

 

「文句言わないの。だって貴女、汎用性高いじゃない」

 

「器用貧乏とも言うゾ」

 

「地味な仕事は私には似合わない」

 

「うるせえぞ、てめえら!まったく、なんでガリィちゃんがあんな目の腐った男の世話しなきゃなんねえんだよ」

 

「私の服を勝手に着て、いつの間にか派手に全裸になっていた変態か…あいつは何なんだ?」

 

「なんか、マスターがやけに気に掛けていたわね…変態なのに」

 

「ただの変態にしか見えないゾ」

 

「てめえら変態変態うるせえぞ!だいたいあいつはなぁ、目は腐ってるし、言う事はだいたい斜め下だし、猫背だし、言いたい事は山程あるけど…」

 

~30分後~

 

「…とまぁ、こんな感じでいいとこ…じゃなくて悪くないところもあるんだよ!べっつにガリィちゃんは全然好きじゃないけど!?」

 

「派手に恋してるな…」

 

「完全にホの字ね…」

 

「これでバレてないつもりとか、信じられないゾ…」

 

「おい!てめえら、聞いてんのか!?ほんっと、あいつといると苦労するぞ!だから、好奇心で近付くのはやめとけよ!」

 

*** 比企谷さん家のキャロルちゃん ***

 

私は、比企谷キャロル。

訳あって、比企谷家にお世話になっている。

八幡パパと父娘なんだけど、血の繋がりは無い。

なので、八幡パパとほうてきに親子になるまでが、勝負の鍵だと小町叔母さんは言っていた。

ほうてきに親子ってなんだろう?

難しい言葉はわかんないや…

 

後、私には比企谷家に来るまでの記憶がほとんど無い。

八幡パパがパパだって事と、パパと何か大事な約束をしていた事くらいしか覚えてなかったのだ。

でも、同居している年増を見ると妙に腹が立ったり、パパと一緒に寝るとすごくドキドキする。

たぶん、パパや年増は記憶が無くなる前の私を知っているんだと思う。

でも、話してくれないって事は、今はまだ知らなくていいって事だよね?

いつか話してくれる日が来るのかな?

 

そういえば、元々自分の事は、オレって言ってたんだけど、小町叔母さんに無理矢理矯正させられた。

こういう時の小町叔母さん本当に怖いんだよなぁ…

 

そんな訳で、比企谷家で暮らすようになってから、いろんな人にお世話になっている。

一番お世話になっているのはパパだけど、たまに来る弦十郎おじさんは、いつも映画のDVDとお菓子をおみやげに持ってきてくれるし、よく来る調と切歌は友達だ。

ただ、エルフナインだけは本当に私そっくりでびっくりした。

なんでも、私とは姉弟みたいなものらしい。

博士?誰それ?そんな変な人は知り合いじゃないし、お世話にもなってない。

 

比企谷家で生活するようになって、しばらくしたある日、小町叔母さんから買い忘れた卵と牛乳を買ってきて欲しいとおつかいを頼まれたので、近所のスーパーまで買い物に出ている。

500円までならお菓子も買っていいって言われたから、喜んで引き受けた。

パパはずっと心配してたけど、小町叔母さんには頭が上がらないみたいで、渋々納得したみたい。

パパは心配性だなぁ…私だっておつかいくらい出来るのに。

でも、知らない人とかおまわりさんに声を掛けられたら、「モクヒシマス、ベンゴシヲヨンデクダサイ」って言うといいって教えてもらった。

やっぱりパパは頼りになるね!

 

「お、キャロルじゃねえか?おつかいか?」

 

出たな!?ハレンチおっぱい!!

 

こいつは、パパをおっぱいでゆうわくする危険人物だ。

初めて会った時から妙に気に入らない。

きっと私をダシにして、パパに言い寄るつもりに違いない。

ここは無視だ、無視。

 

「あ、おい!無視すんなよ!知り合いに会ったら、挨拶しろって小町に言われなかったか?」

 

ぐ…こいつ、痛いところを…

仕方ない、挨拶くらいはしてやろう。

 

「こんにちは、さようなら」

 

「雑すぎんだろ…」

 

こいつと会ってしまうなんて、最悪だ。

こいつは何だかんだ理由を付けて、パパに会おうとする。

きっとえっちな事をするつもりに違いない。

ん?何か思い出せそうな…

 

「なぁ、待てよ。そ、そうだ!お菓子買ってやろうか?」

 

「そんな事言って私をゆうかいするつもりでしょ!おまわりさん!こいつです!」

 

「ちがっ…ってマジで来たじゃねぇか!?クソッ、どうすりゃなついてくれんだよ…」

 

何かボヤキながら、悪は去った。

パパとえっちな事しようなんて私が許さないんだから!

だって、私はひとつ思い出したのだ。

パパとの大事な約束。

パパは私とえっちな事をする約束をしてたのだ!

 

………え?パパってろりこんだったの?

でも、私と一緒に寝ててもパパは何もしてこないけど…

大人になったらって事なのかな?

でも、パパがろりこんなんだったら今の方がいいんじゃないのかな?

うーん、わかんないや。

今度パパに直接聞いてみよう。

 

「あら?キャロルじゃない?元気してたかしら?」

 

ん?このピンクの髪の人誰?知らない人だ。

パパの知り合いかな?

ていうか、あのハレンチおっぱいに近いおっぱいだ。

でも、何だろう?おっぱい大きいのに、この人からは安全なオーラみたいなのを感じる。

でも、私は知らない人だしなぁ…

知らない人に声を掛けられたら…えーっと…確か…

 

「モクヒシマス、ベンゴシヲヨンデクダサイ」

 

「何故そこで弁護士っ!?」

 

*** 防人、倫敦に立つ ***

 

私、風鳴翼は今、絶望的な現実と戦っている…

装者としての戦友、アーティストとしての盟友、そして同じ男を好きな恋敵でもあるマリアと共に倫敦の地に来ているのだが…

 

ラーメンが…食べれない…

 

思えば、比企谷がいないので、もはや好物にまで昇華したラーメンが食べれないのだ…

何故だ!?こんなにラーメン屋があるのに!?

何故、私はラーメンが食べれないのだ!?

 

倫敦は今、ラーメンブームらしく、一◯堂などの日本でも有名なラーメン屋が多数出店している。

もはや、メシマズの国などというレッテルは時代遅れと言えよう。

だからとて、カロリーにうるさそうなマリアは誘えない。

緒川さんなど論外だ。

確実に説教コース間違い無しだろう。

 

だいたいなんなのだ?

このふぃっしゅあんどちっぷすだの、じぇりーどいーるだのといった料理は?

食べる人を馬鹿にしているとしか思えないんだが…

 

「翼さん、今日の夕食ですが…」

 

緒川さんに声を掛けられる。

夕食…か、今日は何ですか?

じぇりーどいーる以外ならもう何でも…

 

「そろそろ故郷の料理が恋しいでしょうし、日本食にしましょう」

 

何!?もしかして…

ラーメンですか!?

ラーメンでしょう!?

ラーメンですよね!?

 

「よければ、マリアさんも誘いましょう。彼女も日本食が好きみたいですし」

 

そうなのか?

ならば、背に腹は代えられん。

今度、緒川さんに内緒でマリアを誘ってラーメンを食べ…いかんいかん、比企谷と食べに行くことが大事なのだ。

戦いしか知らぬ女が愛しい男と持てた唯一の接点だ。

自らの手で台無しにしてどうする?

くっ、比企谷が同行してくれてさえいれば…

しかし、比企谷には学業もあるし、妹御を想う気持ちもわかる。

私の都合だけを押し付ける訳にもいかんからな。

しかし、出された料理を食べないのも失礼だからな。

仕方なく、そう仕方なく!今日はラーメンを食べようではないか。

 

「では、マリアには私から声を掛けておきます」

 

「はい、楽しみにしておいてください」

 

では、早速マリアの元へ向かうか。

 

「あ゛ぁ゛~、イギリス料理も゛う゛無理…何でウナギをゼリーにしようなんて思ったのよ…蒲焼きが一番美味しいに決まってるじゃない…って翼!?どうしたのよ!?」

 

どうやら、マリアも日頃の料理には不満があるようだ。

まぁ、ろーすとびーふとかすこっちえっぐなど美味しい料理もあるらしいのだが、私達アーティストの食事には、基本的に肉料理が出てこないのだから当然か…

 

「マリア。今日は緒川さんの好意でな、日本食を食べに行かないか?」

 

まぁ、当然ラーメンだと思うがな?

なんと言っても、日本の国民食と言っても過言ではない料理だからな!

 

「日本食!?フッ、当然行くに決まっているじゃない!これを糧に私のステージは更に輝きを増すわ!」

 

そうか、マリアもラーメンが食べたかったみたいだな。

何、食べた分は運動すれば良いのだ。

 

くっ、落ち着くのだ、風鳴翼!

しかし、久しぶりのラーメンを前にして、鞘走らずにいられようか!?

楽しみだ…王道の一◯堂か、昇◯か、金◯屋か…いや一◯張というのも…

 

「翼さん、マリアさんお待たせしました。では、行きましょう」

 

「えぇ、楽しみだわ」

 

あぁ、そうだろうそうだろう。

今から久しぶりのラーメンなのだ。

最早ステージに立つのと同様の高揚感だ。

 

「ここです」

 

―The Ar◯ki―

 

…え?

 

「ここは何と、銀座でミシュラン三つ星を取ったお寿司屋さんのロンドン店なんですよ」

 

「ヤバい!テンション上がってきたわ!!あれ?翼、どうしたの?」

 

「…いや、なんでもない。なんでもないんだ…」

 

やはり、もう最終手段、自作するしかないのか…

納得のいくものが出来たら、いつか比企谷に振る舞ってやろう。

そう心に誓ったのであった。




という訳で絶唱しないひとつめです。

ジェリードイールはゼリーに魚の生臭さを凝縮させた狂気の料理です…

食べてみたい方は自己責任で…
好奇心という方はやめておく事をオススメします。
少なくとも、私は二度と食べたいとは思いません。
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