対深海棲艦兵がブラック鎮守府に着任しました 作:トラバース伍長
先の大規模作戦から数ヶ月後
某海域にて
???「敵の殲滅完了」
七英雄の一人コードネーム『リーパー』はこの海域に出没する敵艦隊の殲滅をしていた。敵は戦艦ル級をした主力艦隊だが彼は特に苦戦することなく物の数分で敵を殲滅した。
リーパー「弱かったな・・・」
彼がそう呟いたその時、背後に何者かの気配を感じた。
リーパー「(生き残りか)」
彼は振り返り銃を背後の何者かに向けて構えた。
だが、その正体は深海棲艦ではなく赤いセーラー服を着たポニーテールの艦娘であった。
しかも大破の状態で。
リーパー「大丈夫か?(この艦娘はたしかに大和型戦艦の大和だったか?)」
艦娘「・・・あなたは味方ですか?」
リーパー「味方だ、君はドロップ艦の類なのか?」
艦娘「違います、私は宿毛湾泊地所属の大和です」
リーパー「泊地に所属しているはずの艦娘が単艦でなぜこの海域に?」
大和「私は脱走したんです」
リーパー「なに⁉」
助けた艦娘の話によると所属する鎮守府は俗に言うブラック鎮守府で艦娘たちは酷い扱いをされているようだ。
大破進軍は当たり前のことで轟沈したが何人もおり、敵を逃せば暴力を振るわれて入渠や補給もろくにしてもらえないとの事。
それを聞いてリーパーは。
リーパー「おかしい、普通ならその司令官は憲兵に捕まるはずだが?」
大和「憲兵達は買収されて逮捕するどころか」
リーパー「取り締まる連中が堕落しやがって・・・」
大和「私はそんな鎮守府に嫌気が差し脱走したんですが」
リーパー「途中で追跡部隊に追われこのざまか」
大和「はい」
大和「お願いしますこれ以上仲間が沈む姿を見たくないんです!」
リーパー「・・・分かった、その鎮守府に案内してくれ」
大和「分かりました」
数時間後 宿毛泊地 港湾部にて
大和「着きました」
リーパー「ここか・・・」
大和の案内でリーパーは彼女の所属する宿毛泊地の前にいた。
リーパー「奴は何処にいるんだ?」
大和「おそらく執務室かと」
リーパー「執務室か」
二人は執務室がある建物に向かって歩いていく、少しすると
頭が禿げた憲兵「おい、貴様は何者だ!」
頭が禿げた憲兵が目の前に現れた。
リーパー「ここの提督に会いにきた」
頭が禿げた憲兵「提督は執務が忙しため会うことができない、さっさと帰れ!」
リーパー「執務という名の艦娘への暴行だろ」
頭が禿げた憲兵「なに⁉」
憲兵の顔が青ざめる。
リーパー「ここは艦娘に非人道的行為を行うとここを脱走した大和に聞いたが?しかも憲兵は賄賂で買収されて知らん顔らしいな」
青ざめた憲兵はリーパーの後ろにいる大和に気づく。
頭が禿げた憲兵「貴様ーーー!!!」
憲兵は激昂し持っていた軍刀を抜いて大和に切りかかろうとした、しかしリーパーはそれを見逃すはずがなく持っていたソードオフショットガンで憲兵の足を打ち抜いた。
頭が禿げた憲兵「ギャァァァァァァ!足が……足がァァァァァ!」
憲兵は悲鳴を上げのたうち回る。
リーパーはそんな憲兵に蹴りをいれ、のたうち回っていた憲兵は動かなくなった。
大和「殺したんですか⁉」
振り返ると青ざめた顔の大和が。
リーパー「いや、まだ死んでいない」
リーパー「それより早くここの提督を探さないと・・・」
そう言ってその場を離れようとしたが、
『銃声がしたぞ!』
『憲兵が撃たれた!!』
『撃った犯人に脱走した大和がいるぞ⁉』
『ひえー!』
銃声を聞きつけて近くの艦娘が集まってきた。
その中になんか某高速戦艦の声が聞こえたような気がするが。
リーパー「大和、早く執務室に案内しろ!」
大和「はっ、はい!」
大和は急いで執務室に向かいその後ろをリーパーがついていく。
大和「ここです」
リーパーは大和の案内で執務室の前に着くと強引に扉を蹴り破り中に入っていった。
中に入るとリーパーは執務室の内装に不快感を覚えた。
床は虎の毛皮の絨毯が敷かれて天井はシャンデリア、本棚やソファーには細かい装飾がされていて、執務机に限ってはダイヤやルビーなどの宝石を埋め込まれていて部屋全体が中世の王族のような感じになっていた。
???「なんだ貴様は⁉」
執務机のイスに中年の太った男が座っていた。
リーパー「お前がここの司令官か」
???「ふん、私がこの宿毛泊地司令官の木川征二中将だ、いきなり扉を蹴り破って入ってくるとはどういうつもりだ!」
リーパー「お前がこの鎮守府で艦娘に暴力を振るっていると聞いて来たんだ」
リーパーはここに来た理由を伝えた。
木川中将「どこぞの対深兵がどこで聞いたか知らないが事実だ、あいつらは人間じゃなく兵器だ、だから所有者である俺がなにしようがお前には関係ない!」
リーパー「人類のために命をかけて戦ってくれているんだぞ!」
木川中将「艦娘なんぞ建造さえすればいくらでも増えて替えがきく」
木川中将「しかも艦娘は容姿がいい奴ばかりでな、売りさばいてかなり儲けさせてもらったよ」
この中将は挙句の果てに艦娘を闇マーケットに商品として売り私腹を肥やしていたのいたのだ。
木川中将「この部屋もあいつらのおかげだよ」
イスにふんぞり返りながら男は喋る。
リーパー「人間の屑が・・・」
話を聞いてリーパーはそう吐き捨てた。
木川中将「さてと、話は終わりだ」 カチッ
中将が机の上にあるボタンを押し、緊急警報を鳴らした。
警報が鳴るとすぐさま三人の突撃銃を持った兵士が執務室に入ってきた。
木川中将「自分の地位を脅かす存在はいつもこうやって対処しているんだよ」
薄ら笑いを浮かべながら中将は話す。
木川中将「連れていけ」
兵士「来い!」
中将の命令で兵士たちリーパーを連れて行こうとする、だが次の瞬間三人の兵士はリーパーの攻撃で地に伏せていた
木川中将「なっ⁉」
中将は驚き啞然とする。倒れている兵士たちはこの鎮守府でもかなりの実力を持っている者たちだ。その三人を一瞬で倒すなんて夢にも思わなかったのだろう。
木川中将「貴様ただの対深兵ではないな!」
声を荒げ持っていた9ミリ拳銃をリーパーに構える。
リーパー「俺はリーパー、深海棲艦を倒す兵士・・・」
そう呟く彼は背負っていた全長約2メートルはある大きなライフルを中将に向けて構えた。
そして中将は気付くこの男が前回の大規模作戦で敵の侵攻を止めた【亡霊の七英雄】の一人であると。
相手の正体に気づいた瞬間中将の身体は吹き飛ばされ息絶えた。
残された部屋には銃口から微かに煙を吐くライフルを構えたリーパーと屍しかいない。
しばらくすると廊下からドタドタと複数の足音がしてきた。
大和が何名かの艦娘を引き連れてきたのだ。
部屋に入るなり惨状を見て絶句する者や口元を押さえる者が何人かいた。
空母艦娘「なぜあなたは司令官を殺害したんですか⁉」
リーパー「・・・人類のために命をかけて戦ってくれている艦娘を人ではなく物として扱ったからだ」
リーパー「どうせ軍法会議にかけられたら死刑になるから早めの実刑だよ」
リーパー「まぁ後は知り合いの憲兵に鎮守府は処理させるから気にするな」
大和「あなたはこれからどうするんですか?」
リーパー「大本営に行って提督射殺の件を報告してくる」
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翌日
早朝の新聞の一面には宿毛泊地の司令官殺害と泊地で行われていた艦娘に対しての暴行及び憲兵の買収などが大きく書かれていた。
ニュースにも大本営の監視不足や憲兵の腐敗などが取り上げられ大きく批判された。
続く
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