自らをネタに昇華させたエピソードになります。
3時間くらいで書き上げたので、かなり短い内容になります。
それではどうぞ。
これはG&Kの「とある部隊」が三すくみの戦場で奮戦を繰り広げる中、「M590が好きすぎる指揮官」の部隊で繰り広げられた珍騒動の記録である。
「あ、M1918。指揮官を見ませんでしたか?」
「指揮官?確か製造区画に歩いていくのを見ましたけど……何かあったんですか?」
「本社から緊急の指令書が来てるので目を通してもらわなければいけないんですが、何をしているのやら……」
――失敗した失敗した失敗した。
こんな、こんなはずじゃない。だって、確かに「流れ」が来てたんだ。流れが――
「指揮官、こちらにおられましたか。本社から指令が届いています。緊急みたい、です、ので……」
あ、M590の声が聞こえる。何か用があって来たみたいだ。
でもすまん。今は、ちょっと一人にして……。
「指揮官!指揮官!?しっかりしてください!指揮官!」
「で、辞世の句は決めたのか?指揮官」
「まぁまぁ、落ち着いてMG3。指揮官も悪気があったわけじゃあ……」
「悪気が無ければ物資の浪費が許されるとでも言いたいのか!?ここ最近は大人しくなったと思ったらこれだ!」
「また三食合成パンの生活ですか……。馴れない新米あたりからの不満が高まりそうですね」
どうやら製造区画で気を失った私は、気が付くと三人の戦術人形―M590、M1918、MG3―に囲まれていた。
聡明な読者の皆様であれば既にお気づきだろう。私は、現場慣れした指揮官が「わかっていても必ずやってしまう」失敗を犯してしまった。
「これで通算10回目の爆死ですね。我が部隊はただでさえ大飯食らいな娘が多いですから困りましたね……」
「それに本部からの指令、でしたっけ?そっちでも出費は大きくなりそうな気がしますよぉ?」
「まさに泣きっ面に蜂だな。指揮官も羹に懲りてあえ物を吹いてくれていれば良かったものを、喉元過ぎれば熱さを忘れるではな……」
「話は聞かせてもらった!もうだめだぁ、おしまいだぁ!」
そこに唐突に表れたのはM590の妹分的存在、M500であった。
「M500?ハゼ釣りのノルマは達成したんですか?」
「持ちのロンだよM590!それよりもさ、とっておきの策が閃いたから聞いてよ!」
彼女のひらめきは某機械生命体司令官の「良い考え」と同レベルであるためM590とMG3は怪訝な表情を浮かべながら、一先ず彼女の話を聞くことにした。
結果から言おう。彼女にしてみればまともな方。いや、まともな策であった。忠実に任務を遂行する同輩の指揮官たちには大変申し訳ない気持ちにもなるが、諺にもあるように「腹が減っては戦ができぬ」を地で行くのが我らが現状。
しかし、上からの命令なので参陣しなければいけない。
であれば、高度な戦術的行動を遂行するに足る兵站物資が確保できるまでは現地調達を行おうじゃないか、というのがM500の進言であったのだ。
「報告ー!正規軍の後詰が接近中!距離500!」
「時間は無いが、1人につき最低でも2箱ずつは積み込め!」
「こっちの荷台は満載です!早く出発してください!」
「回収跡にはC4とIEDをありったけ仕掛けておくのも忘れないでねぇー」
G&K、もしくは正規軍の部隊によって壊滅させられた鉄血勢力陣地。私達は部隊総出でスカベンジングにいそしんでいた。
もちろん、世間体を維持するために主力部隊は全力出撃して、悪くない戦火を挙げている。
しかし、これがさらに激戦地になると雲行きが怪しくなる。だから「後方警戒」の大義名分を掲げ、突発的戦闘、遭難人形の回収ならびに火事場どろ、ではなく独自行動を行っているのだ。
「それはそうと指揮官。この間、お部屋を掃除させていただいた際にこのような物を見つけたのですが」
「ん?……あ」
それは私がサイドビジネスでの収益を保管しているバンクデータの写しであった。
「指揮官の好きなコミックだと、確か……そこでジャンプしてみろよ。でしたっけ?そういうんですよね?」
「……ハイ、オッシャル トオリデ ゴザイマス」
「よろしい。とりあえず、RTBしたら必要な物資の注文をしておきますね」
こうして私は、良い笑顔をする副官M590に財布の紐を管理される数少ない指揮官の一人となった。
それから数日後、ようやく兵站が整った我が部隊も「とある部隊」が激戦を繰り広げる戦場に足を踏み入れることとなる。
私達の戦いは、これからだ。
25日の製造成功率UPに向けて60US$課金しました(無反省)