やはり俺の社畜物語は間違っている。   作:雪楓❄️

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番外編:11

side比企谷八幡

 

訓練室

 

ガハマと共に学校へ行った翌日の夜。リサリサは二宮さんと一色を連れて訓練室に入った。模擬戦でもやるのか?とも思ったが、どう考えても攻撃手のリサリサが何で射手の二人と一緒に?

射手ナンバー1・2を潰す気か?

 

リサリサ「コオォォォォ…」

 

違う。キューブを生み出していることから射手の特訓だ。ジョセフさんよりも波紋が強いリサリサだから、確かに射手や銃手も鍛えれば強いだろうが、あのルビーレーザーがあるなら射手の技術は必要なくないか?

あれは狙撃手も兼ねられる射程と威力があるぞ?

それに、不思議な事をしている。

リサリサはトリオンのキューブを体中にくっつける。

 

二宮「その体にくっつける意味が良くわからんな」

 

いろは「それに、何で射手なんですか?リサリサちゃんは断然攻撃手の方が向いてますよね?」

 

だれもがそう思うだろう。スタンドと変わらない破壊力はマジで怖い。

 

リサリサ「お姉……いろはさんと二宮さん。シールドを張って下さい。遥さん、ターゲットをお願いします。小町の周りにありったけ」

 

遥『準備出来たよ、リサリサちゃん』

 

遥さんが小町の周りに30近くのターゲットを出した。

何で周りに展開してるんだ?

 

リサリサ「みんな!」

 

リサリサはサンシャイン・ルビーの指を上に掲げる。

すると、アーシスの奴等はビクゥ!と体を跳ねさせる。

おいおい、ジョセフさんまで…なんなんだよ。

 

ジョセフ「あれのサイン…。なるほどのう。あれの特訓か」

 

八幡「あれ?」

 

ジョセフ「見ておれば解るわい」

 

なんだ?あれって。

それとこの射手の訓練が関係してるか、アーシスの連中がなるほど…と言いながら頷いている。冷や汗を流しながら。

 

リサリサ「ワッセローイ!」

 

サンシャイン・ルビーを引っ込めてリサリサはトリオンのエネルギーを全方位に発射する。

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

 

エネルギーは周囲に放たれ、埃が巻き起こる。

全方位ビーム…モビルアーマーかよ。

 

遥『命中率は16%……リサリサちゃん。全方位にやること自体が無理があるんじゃないかな?』

 

二宮「ランダムシュート……この特訓に何の意味があるのかが全くわからん」

 

いやいや、あの撃ち方で命中率を期待するなよ。

射手の弾幕としての1つの撃ち方ではあるが、それだって効率的じゃない。

 

リサリサ「コオォォォォ…」

 

小町はもう一度トリオンのキューブを体に纏わせる。

自力でトリオン溜められるって改めて見ると反則だよな。

更にリサリサはその上でサンシャイン・ルビーを出した。

 

リサリサ「二宮さん、おね……いろはさん」

 

いろは「言いにくいならお姉ちゃんでいいよ?わたしも先輩の婚約者になった気分で嬉しいし」

 

いや、ちょっとそれはちがくね?

俺、ジョナサンじゃないからな?ジョナサンも平行世界を旅しまくっているだけあって、エリナと一色の区別は付いてるから、その方面でのアプローチは無駄だぞ?

 

ジョジョ『時間の問題だと思う気がするがな』

 

お前と一緒にするな!

 

リサリサ『小町がトリオンを纏わせている場所を見てください』

 

小町「リサリサがトリオンを纏わせている場所?」

 

ジョジョ『サンシャイン・ルビーと見比べて見ろ』

 

そのままジョナサンの言葉を伝える。

……おいリサリサ。体をくねらせるな。妙な悪寒を感じるぞ。

 

いろは『……あ、スタンドの赤い宝石とリサリサちゃんのトリオンを纏わせている場所が同じだ』

 

言われて見れば。

 

リサリサ『そうだよお姉ちゃん。サンシャイン・ルビーの弱点は指以外からのルビーレーザーの命中率が余りにも悪すぎるところ。ノーコンなんだよね。ルビーレーザーは』

 

二宮『…それは危なくて滅多に使えないな。命中率が悪すぎる』

 

おいおい…考えてみればそうだ。

アレを自在に射てるなら、むしろそっちを優先して攻撃をするよな。

致命的な弱点じゃないかよ。

 

ジョセフ「強すぎる故に却って弱点……ルビーレーザーが今くらいの威力や速度ならば問題ないが、ノーコンの光速数万度の光線が全方位に撒き散らされたら防ぐ手立てがゼロじゃ」

 

まったくだ。強すぎるのが弱点って…。

本当に言葉通りの意味でその実例をみるとはな。

核兵器かよ。

 

小町「でも、照準ってそんなに難しいんですか?」

 

八幡「小町、スナイパーの練習をしてみろ。難しいなんてものじゃない」

 

射撃をしない者なら小町の言うように簡単に射手が当たらない事を言う。ゲーセンの射的じゃあるまいし、そう簡単にいくか。あんなに簡単にいくなら誰だってスナイパーになれるし、荒船さんが目指すパーフェクトオールラウンダーが何人も出てる。

俺を含めてオールラウンダーは数いれど、パーフェクトオールラウンダーは木崎さん以外はそんな存在がいないのだから、スナイパーがどれだけ難しいかわかるだろう。

逆を言えばスナイパーの命中率は中々だ。特に嵐山隊の佐鳥さんなんてよくツインスナイプなんて化け物みたいな事はやらない。まぁ、バックワームが使えなくなる欠点もあるからなのだが、そうじゃなかったにしてもツインスナイプなんて荒業は佐鳥くらいだろう。

 

いろは『そんなに難しいんですか?狙撃』

 

おいおい一色…。勘弁してくれよ。

 

リサリサ『お姉ちゃん。1°でも狙いがずれた時、1キロ先ではどれだけずれるか知ってる?』

 

いろは『知らないけど…』

 

リサリサ『約16メートル。あのね、より精密な角度を示すミルって単位があるんだけど、一周を6400分割したしてるんだ。それがミル』

 

いろは『360°の約20倍…』

 

二宮『1ミルの誤差が1キロ先では1メートルも違ってくる。それは人間の体の中心を狙った場合、上下左右ともに確実に外す誤差だ』

 

そう。1/20°の僅かな誤差が1キロ先では致命的な誤差になる。大分努力をしたんだな。少しでも命中率を上げるために…。

 

リサリサ『1発の射撃の失敗は大きいんだよ。ルビーレーザーは光だからあまり影響はでないけど、実弾のスナイパーは更に風速や風向、地球の自転、自転を考慮した方向の誤差、発射した銃の反動による誤差まで計算に入れなきゃいけないの。だからスナイパーは簡単になれないんだよね』

 

リサリサは能力に胡座をかいているだけじゃない。

自分で経験して知ってるんだ。だからスナイパーがどれだけ大変かを知っている。

 

小町「ほへぇ……狙撃ってそんなに頭を使うんだ…地球の自転まで計算に入れなきゃいけないなんて…小町、考えたこと無かったよ。狙ってポーンってやるだけで良いかと思ってた…パーフェクトオールラウンダーって何で少ないんだろうって不思議に思ってたけど、そんなに難しかったんだ…」

 

ジョセフさんじゃないが、このアホ娘が…。

 

八幡「バッカ。銃手の射撃だって簡単じゃ無いんだぞ。しっかり狙ったつもりでも、姿勢1つで全然狙った場所に飛ばないんだからな?マシンガンで航空機を落とす命中率を知ってるか?」

 

射撃で重要なのは何か。それは姿勢だ。

反動によるブレを姿勢でどれだけ抑えるかが重要になる。思ったよりも反動で弾は上に飛んでいくからだ。

よく漫画や映画でピストルを真横に射った後で反動で真上に向いているシーンがある。

あれ、現実だと全然当たって無い。というか、射った方の射手の手や肩がいかれる。射撃の反動を舐めんな。正しい姿勢を取らないと射った方の人間の方が危ないんだよ。バイパーなんてもっと難しいんだぞ。曲射の設定を前提とした狙いなんて普通以上に難しい。狙撃手ばかりの難しさを語ったが、銃手だって難しいんだ。

そもそも、簡単に片手で射つようには拳銃だって出来てない。映画とかで素人が片手射ちを簡単にやっているから簡単なように見えるが、それを安易に真似して素人が射ち、死亡事故に繋がった例などいくつもある。

拳銃の正しい射撃姿勢は意外な事に両手で照準したへっぴり腰。

それに、機関銃も難しい。

 

小町「ううん。知らない」

 

八幡「一万発で1発当たれば良い方だ。特に高低差がある場合を狙うのがどれだけ難しいか…」

 

高低差がある場合は目標の見え具合が変わってくる。直線距離が同じ距離でも高低差があると目標が近くに見えたり遠くに見えたりする。簡単に思えが、それがかなり難しい。実際、対空機関銃なんてのは虚仮脅しくらいの意味しか持たない。

 

二宮「それでこの特訓か…言っては何だが、全方位の精密照準なんて夢のまた夢だ。それも照準器無しなんて不可能に決まっている。指からの精密射撃を可能にしているだけでも大したものだ。それもやろうと思えば月まで照準が可能だと?馬鹿げた射程が逆に弱点だな。地球が滅ぶぞ」

 

だけど、二宮さんの言いたい事はわかる。しっかり照準器のついたスナイパーライフルだって長距離射撃は難しい。むしろ、指先からのレーザーが精密に射てているだけでも相当な努力の結果だと思う。

 

いろは『地球が滅ぶなんて大袈裟な!出来るわけないじゃないですか』

 

おいバカ一色(# ゜Д゜)

無駄な挑発するな。知れば知るほどルビーレーザーの異質さと扱いの難しさがわかるんだぞ。

 

スッ…

 

遥『え?ちょっと……小町ちゃん!ムカついたからって自棄を起こさないで!』

 

ジョセフ『バカ娘が!短気を起こすんじゃあない!』

 

リサリサ「全力全開!全方位ルビーレーザー!」

 

ブウウウウン………。

その日の夜。ボーダー本部の全システムがダウンした。

 

キングクリムゾン!

 

ジョセフ「この………アホ娘がぁぁぁぁぁぁ!なんて事をしてくれるんじゃ!今、ネイバーが出てきたら終わりじゃぞ!」

 

ゴンッ!

 

手加減抜きの全力全開の、しかも義手の方の手でジョセフは拳骨を落として来た。これは間違いなく本気で怒っている。

当たり前だ。訓練室の疑似空間の過負荷が原因でボーダーのシステムがメルトダウンなんて前代未聞だ。

それだけにルビーレーザーのヤバさの裏付けになったんだが。

 

材木座「ダメだ……あちこちのヒューズが一気にイカれておる。システムが死んでしまっていてとても直ぐには復旧できん。予備電源で何とかレーダーとオペレーションシステムだけは使えるが…」

 

SH「我も手伝おう。これはアーシスの責任じゃ」

 

材木座「助かる。このままではベイルアウトシステムが作動しない。B級以下の防衛任務は急遽、全てA級にスクランブルがかかった…まさかルビーレーザーの威力がここまでとは…強すぎるのが弱点とはまさにこの事だ」

 

ベイルアウトシステムの不具合…。これは不味いな…。

万が一を考えたらB級でも危ない。

 

佐鳥「俺が分析するにリサリサちゃんのルビーレーザーが精密に狙えるのは1度に二ヶ所。それもあまり離れていない範囲で。奈良坂達が一気にやられたから勘違いしていたけど…」

 

流石は狙撃のスペシャリスト。リサリサのルビーレーザーの弱点を見破った。

そんな弱点を隠せた上の最初のペテンか…。

 

小町「佐鳥さんでも?」

 

佐鳥「照準器無しであれをやれなんて無理だ。トラブルメーカーじゃなければマジでボーダーにスカウトしたいくらい、現段階でパーフェクトオールラウンダーだよ。だが、短気なところは狙撃手に向かないな。やっぱり適正ポジションは攻撃手、良くて射手だ」

 

よく勘違いされるが、狙撃手は命中率が良いだけでは務まらない。トラッパー並の知識や冷静な判断力も問われる。少なくともリサリサの技量はパーフェクトオールラウンダーかも知れないが、その辺がお粗末だ。

 

リサリサ「それはジョセフにもよく言われるよ。感情を抑えるのが下手だって。リサリサの時はそうじゃあなかったんだけどなぁ…」

 

ジョセフ「まったくじゃ!カーズやエシディシを騙した冷静なリサリサ先生の生まれ変わりとはとても思えんわい!この世界に来てからと言うもの、どうしたのじゃ?らしく無いぞ」

 

すると、ジワジワとリサリサの目に涙が溜まる。しまった!ガハマばかりに目を向けていたが、リサリサも…。

 

リサリサ「う………うう………お兄ちゃん……うわぁぁぁぁぁん!お兄ちゃぁぁぁぁぁぁん!」

 

リサリサはビルから飛び降り、危険区域を突っ走っていった…。我慢の限界が超えてしまったんだな。

 

ジョジョ『小町ぃぃぃぃぃぃ!』

 

ジョナサンの悲痛な叫びが頭に響く。わかるぞ。小町がこんなことになったら後悔してもしきれない。

だから、ジョナサンには苦言を呈する。

 

八幡『………おい、ジョナサン』

 

ジョジョ『………』

 

八幡『二度と………こんな状態になるようなマネはするなよ……あんな小町は…例えリサリサでも俺は見たくない』

 

親父や母さんを失ったときの小町…あれをリサリサを通じて見ることになるなんてな…。胸糞が悪い。

 

ジョジョ『………ああ。俺が小町を…天使を壊してしまった…』

 

さすがに堪えているようだ。

 

小町「ジョナサンお兄ちゃん……小町、あの小町の事はあんまり好きじゃないけど……あれはない。あれはないよ!小町だってお兄ちゃんがいなくなったらあんな風になっちゃうと思う!かわいそすぎるよ!」

 

小町が泣きながらそう言った。

そうだな…俺も気を付けないと…。

 

遥「リサリサちゃん…無理してた。どんなに強くても、リサリサちゃんは小町ちゃんだもん…。まだ中学生なんだよ?辛い前世だったから、それだけに今が凄い幸せだったんだよ。それが突然崩れちゃったら、リサリサちゃんだってああなるよ。ううん…辛い前世だったからこそ今まで気丈に振る舞えたんだよ。リサリサちゃんは…」

 

リサリサは強かった。だから大丈夫だと思っていた。だけどそれは間違いだったんだな…。無理をしていたんだ。リサリサは……。

 

いろは「リサリサちゃんだけじゃありませんよ…ジョセフさんだって、ガハマさんだって…それに他にも4つの世界にジョナサン先輩の魂は飛んで行ったんですよね。先輩を助けに行った皆さんは…エリナさんっていうもう一人のわたしも含めて、皆さんはそれぞれの世界で戦っているんだと思います…。ただ、大好きな先輩を助けたい一心で…知るべきです。先輩はもっと人の気持ちを…」

 

ジョジョ『いろは…ジョジョ…陽乃さん…承太郎…仗助…ジョルノ…徐倫…』

 

そうだな…。迅さんが言っているのが間違いなければ、どの世界のコイツの仲間も、ここと同じように戦いが起こっている筈だ。それが分かっているのに、それでもそれぞれの世界にいっているからにはそれだけ全員がジョナサンであるこの比企谷八幡が好きだからだろう。ジョナサンはもっと知るべきなんだ。自分がどれだけ愛されてるかを。

 

小町「さすがに見てられないよ…小町、あっちの小町を探してくる!」

 

え?おい、待てや妹エンジェル。リサリサが走っていった方向は危険区域の方…。C級のお前じゃあ。

 

陽乃「待って!小町ちゃん!あ、訓練用のトリガーを起動して行っちゃった!」

 

めぐり「え……こんな時にゲート反応!?」

 

これは不味い…リサリサはともかく小町では満足に戦えん!訓練用のトリガーじゃ大した事は出来んぞ!

 

ジョセフ「アーシス!スクランブルじゃ!」

 

八幡「こっちもスクランブル!行くぞ!」

 

けーちゃんとシュトロハイムを除いて全員が出動した。

嫌なことは嫌な時に重なるものだ…。

無事でいろよ!小町!

 

←To be continued

 

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