僕が書いたわけではありませんが、執筆して頂いたので載せさせて頂きます!!
2話からは視点が違いますので、本城淳さんの「やはり俺の奇妙な転生まちがっている」の方でもお読みください!!
番外編:1
side比企谷八幡(ボーダー)
めぐり『防衛任務終了だよ~。お疲れ様~』
オペレーターのめぐり先輩の声が響く。今日の防衛任務は終わりか…。それにしても、さっき感じた視線は何だったのだろうか?
いろは「せんぱーい。早く戻りましょうよー」
相変わらずあざとい後輩のうちの射手、一色が俺の腕をぐいぐいと引っ張る。おいやめろ。後で遥が修羅とかすから。
陽乃「比企谷くん?どうしたの?」
うちのチームの攻撃手、陽乃さんが心配そうに俺を覗き込む。
八幡「いえ、さっきの戦闘で気になることが…」
俺はサイドエフェクト…2㎞以内の状態を把握する能力を使って先ほど視線を感じた場所へと向かう。そこにはあったのは…
八幡「人間の…腕?それも…ミイラ?」
そこにあったのはミイラの腕だった。左腕のような…。ネイバーの被害者の腕にしては古いような…それに、こんなところにあったのならとっくの昔に戦闘で粉々になっているはずだ。何でこんなところにある?
陽乃「比企谷くん?どうしたの?」
八幡「いや、こんなところにミイラの腕が…」
いろは「ミイラ?そんなのありませんよー?幻覚でも見ているんじゃないですかー?」
そんな訳がない。現にここに…。
陽乃「!!ダメ!何があるのかわからないけど、それに触ったら…」
ズブズブズブ…ゴゴゴゴゴゴゴ…。
何だ!ミイラが俺の腕を一回破壊して入り込んで来る!
八幡「うがあぁぁぁぁぁ!腕が……トリオン体なのに痛い!何だこれはぁぁぁぁ!」
???『よぅ。初めまして…この世界の誰か』
聞き慣れた声が俺の頭に響く。
いろは「先輩!どうしたんですか!?腕は何ともなってませんよ!?」
一色が叫ぶがどういうことだ!?俺の腕は確かに…。
見ると先ほどはあれだけグロい状態になった俺の左腕は元のトリオン体にもどっていた。あれは……幻?
???『幻じゃあない。お前は俺の魂の遺体に触ったことによって、同化したんだ』
八幡「誰だ……お前は…」
めぐり『比企谷くん?』
めぐり先輩が声をかけてくるが、それどころじゃない。
ジョジョ『俺はジョジョ。別の平行世界からやって来たスタンド使いだ』
八幡「スタンド使い?何だそれは……それに、その声は俺だろ……」
ジョジョ『オーブラボー!よくわかったな?俺の本当の名前は比企谷八幡。まぁ、この世界とは違う歴史を歩んだお前の異世界同位体と思えばいい』
小馬鹿にした声が響く。ふざけてんのか?こいつ。
ジョジョ『わたくし、おおまじですわ』
八幡「オッケー。大真面目になめてんだな?比企谷八幡」
陽乃「比企谷くん……さっきから何を一人でぶつぶつ言っているの?」
ジョジョ『ぷークスクスクス…!ボケ老人みたいだな。心の中で俺に話しかけろ』
野郎…イヤな奴だな。目の前にいたらトリガーで滅多斬りにしてやるのに…』
ジョジョ『無理だな。この世界と同じ近界民の世界は経験している。トリオン体と俺の生身でやっと互角…といったところか?』
そんなバカな事があるか!俺でありながら俺じゃない。
こいつは気に入らない。
すると、俺の中にこいつの記憶が入る。DIOと呼ばれた男の記憶…ジョナサンと呼ばれた男の記憶…そして…
ジョジョ『じゃあな…消えるのは、輝かしい未来の奴等じゃあない。この邪悪の化身で良い。…大好きだったよ。みんな…後は頼んだ…おおおおおお!』
その俺は……幽霊みたいなものに…奇妙な矢を…刺し、そして…由比ヶ浜を救って…魂がバラバラになった…
これがこいつの記憶…そしてここに落ちていた理由…。
場所は…千葉村?
こいつは自分を犠牲にしたんだ…。しかも、あんなやつらの為に……
ジョジョ『おい、俺の世界の由比ヶ浜をバカにするんじゃあない。確かに近界民の世界の全部と言っても良いくらいにお前らと奉仕部の関係は最悪だったし、理由も納得するが…俺の世界は違う。それに葉山や平塚も呪われた血筋や植え付けられた物によって狂ったんだ。この世界と同じにみるな』
ゾクリ……。明らかな殺気……。こいつの記憶にあった光景には…平気で人を殺す記憶があった……。
ボーダーの誰からも感じたことのない、躊躇いもなく人を殺す。冷たい殺気が俺の中で蠢く。
ツェペリ『どれだけの人間の血を吸った!』
ディオ『お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているのか?』
こいつの中にあるのはDIOと同じ殺気…。
敵だと認識した人間は息をするように殺す。
俺達はネイバーに対しては殺意を持つが、同じ人間には持たない…。
人の心があるのか…。薄れ行く意識の中で、こいつに対する嫌悪感が更に募った…。
ジョジョ『やはりな。ネイバー相手にはいくらでも殺意を持てるが、同じ人間には持てない…。模擬戦闘訓練であるランク戦とか呼ばれるものも、所詮は模擬…。せっかく出会ったんだ。鍛えてやるよ。その精神を…』
精神の中で俺は水色の幽霊…スタンドにぐりぐり頭を踏まれながら意識を遠退かせた…。スタンドの横で立つ目付きの腐った俺が黒く嗤う。
ジョジョ『この邪悪の化身、ジョジョがな』
ジョジョ…許さん。
ーボーダー本部・医務室ー
八幡「はっ!ここは……」
遥「八幡!起きたんだね!」
ガバッと幼なじみで彼女の綾辻遥が抱き付く。
遥「トリオン体でいきなり倒れたって聞いたよ?心配したんだから!」
心配させたか…悪いことをしたな…。
俺は無意識に遥の頭を撫でる。さっきのは悪い夢だったのだろう。そうに違いない。
ジョジョ『残念ながら現実だ。諦めろ。それにしてもこの世界のお前の彼女は綾辻か。他の世界でも三上とか那須とか色んな奴がお前の彼女だからな』
そんな世界もあるのか…どれだけ他の世界をかき回してるんだ?こいつは。
ダダダダダダダ!
廊下を走る音が響く。
いろは「せんぱーい!ヤバイですヤバイですヤバイですー!」
一色が医務室に飛び込んでくる。
ジョジョ『いろはっ!…いや、イッシキか…。こいつは別人だ……』
ジョジョが一色に反応する。ああ、こいつの彼女は一色だったか。俺の綾辻に対する気持ちと同種のようなものを感じた。
八幡「どうした一色。今起きたばかりなんだが」
いろは「イチャイチャしてる場合じゃないんですよー!マジでヤバいんですー!ゲートとは違う方法で近界民が攻めて来て……三輪隊が全滅したんですー!」
何だって!?三輪隊が!?
いろは「しかもその近界民……。小町ちゃんにそっくりなんですよー!小町ちゃんだけじゃなくて、川崎先輩の弟とか、材木座先輩とか、由比ヶ浜先輩とか、小さな幼児とか、鳥とか、おじいさんとか……とにかくやたら強いんです!比企谷隊もスクランブルがかかりました!三輪隊が全滅したことで、他の隊の士気も下がりまくりなんですー!死人は出てませんが、重傷者が多すぎてます!」
人間型のネイバーだと?しかも三輪隊が全滅……これはかなりのヤバい事態だ!
ジョジョ『あー…そいつらはネイバーじゃあない。多分、俺の魂の欠片を追ってアメリカ大統領閣下がこの世界に連れてきた俺の世界の小町達だ…助けに来てくれたのか…ジジイ』
こいつの関係者か……。ならばとっととこいつを引き取ってもらうか。
side比企谷小町(ジョジョ世界)
大統領閣下のD4Cに連れてこられ、小町達はこの世界にやって来た。ここは近界民世界…いくつか行った世界だ。よりにもよって平行世界の近界民世界かぁ…。小町、この世界は嫌いなんだよね。まだ確定したわけじゃあないけれど、平行世界の自分達がいる世界の大抵は録なものじゃあなかった。少なくとも小町にとっては。
ヴァレンタイン「それでは私は戻ります。ジョースター卿。空条博士や東方代表、ジョバァーナ代表をそれぞれの世界へ送らねばならないので」
ジョセフ「いえいえ、感謝いたします。大統領。承太郎や仗助、ジョルノ達を頼みましたぞ?」
ヴァレンタイン「わかっています。ジョースター卿。くれぐれもご無事で帰還願います。八幡君の魂の欠片を持って…由比ヶ浜結衣…。気をしっかり持てよ…どジャァァァン!」
大統領はアメリカの国旗に包まれて帰っていった。
ジョセフはそれを確認すると、ボロボロに崩れている街並みを眺める。
結衣「あたしのせいでヒッキーは禁断の力を使っちゃったんだ…だから、今度はあたしがヒッキーを助けるんだ…そして、ありがとうって……お礼を……ううう」
まだ立ち直っていない結衣さんはすすり泣く。
でも、ゆっくりしている場合じゃあない。
ジョセフ「酷い光景じゃのう。小町や…お前さんは何度かこの世界の平行世界には来ていると言っておったか?」
ジョセフは帽子を目深に被り直して小町に質問してくる。
小町「うん。ここは近界民…ネイバーと呼ばれる者達が侵略している世界。それから人々を守っているのが…」
ジョセフ「ワシらを囲んでおる奴らか。結衣!泣くのは後じゃ!出てくるんじゃ!」
ジョセフが一喝すると、ボーダー…この世界を守っている集団がポツポツと現れる。
米屋「へぇ…よくわかったな」
三輪「………新種のネイバーか……しかも比企谷の妹に化けて出てくるとは…」
この人達は三輪さん…だったっけ?その人達の部隊だ。だったらスナイパーがあと二人隠れている…。隠れても無駄だけどね?波紋で気配を探る。いくら気配を隠していても無駄だよ。小町達波紋の戦士は気配を探るのに長けている。生命エネルギーを操る波紋使いの技術だ。
それにしても、また三輪さん?何でいつもどジャァァァンしてくると第1に絡んで来るのが三輪さんなのかなぁ…
小町「ジョセフ…小町にやらせて。みんな、今日の屍生人たちとの戦闘の疲れが癒えていない内に来たでしょ?ここは小町に任せて」
大志「でも、それは師匠だって……」
京華「そうだよリサリサ様」
結衣「小町ちゃん…あたしだって…」
ペットショップ「クエエー!」
材木座「うむ!我だって……」
みんなも戦おうとするけど、小町はそれを制する。
ジョセフ「わかった。小町に任せよう。全員、スージーを守りながらスタンドを出して待機じゃ。特に材木座。お前さんは一度死んでおるのじゃ…。お前は結衣を守っておれ」
さすがはジョセフだね。全員の疲労…。特に精神的な疲労が半端じゃあないことを見抜いている。千葉村の戦いは小町以外は転生してから初めての実戦だった。それに、結局お兄ちゃんを助けられなかった悲しみが強い。特に、自分が柱の一族に覚醒してしまってお兄ちゃんを失う原因になった結衣さんと、結衣さんに吸収される形で一度死んでしまった材木座さんの疲労…そして、重傷を負ったペットショップちゃんと、エシディシとの戦いで異変があったスージー…けーちゃんの疲労は特に大きい。第一、スージー…あなたは戦闘向きじゃあないでしょ?
自分でも気が付かない疲労は全員を確実に蝕んでいる。一番疲労が少ないのはダメージらしいダメージを負っておらず、戦闘経験も豊富な小町とジョセフだ。
それに……気に入らないんだよね…毎回話を聞かないでドンパチ仕掛けてくるボーダー…特に三輪隊は。最終的には和解してるけどさ。
小町「ぴょっ!」
小町はまだ臨戦体勢に入っていない米屋さんの懐に入り込む。
米屋「は、はや……」
全力で走れば高速道路の車並みに走れる小町だよ?歴代波紋使い最強をなめるな!大体、なんで敵と認識している小町達に姿を出していながら戦闘体勢に入っていない!私に対しての無防備は、死の覚悟が必要なり!
小町「コォォォォォ…
米屋「がっ……………!」
トリオンは波紋と同じで生命エネルギーを具現化したエネルギー…。同じ生命エネルギーの波紋ならば、トリトン武器じゃあなくても…ましてや生身でもダメージを与えられる。
一気にトリオンがなくなり、ベイルアウト。
米屋陽介…
三輪「なっ!トリトン体じゃないのに…」
小町「喋ってるなんて余裕だね?サンシャイン・ルビー!」
小町はサンシャイン・ルビーを出して三輪さんの体を掴む。
三輪「なっ!何かに掴まれているように引っ張られる!」
小町「スタンド……超能力を具現化した精神エネルギーを具現化したもの…スタンドはスタンド使い以外には見えないしスタンド以外ではダメージを与えられない…こっちが生身だと思って油断しているからこんなことになるんだよ。仲間の攻撃で…再起不能になりなさい」
スナイパーの小町を狙う射線に三輪さんを入れる。
パァン!パァン!
頭と心臓を撃ち抜かれて三輪さん。
小町「ゴミゴミゴミゴミゴミィ!」
小町は狙撃された三輪さんを引きずり倒して手足の骨を踏み折り、最後に頭を踏む。トリオン体で気絶?白々しい。
バリバリバリバリバリバリ!
三輪「ぐあああああああ!」
悲鳴すら上げながらベイルアウトする三輪さん。
三輪秀次…
ジョセフ「Oh my god…八幡以上に容赦ないのう?相変わらずじゃな…リサリサ先生…っと、狙いをワシらに変えたか…甘いのう」
ターン!
ジョセフは全員の前に立って狙撃を受ける。だけど、無駄だ。ジョセフもハーミット・パープルのツタを体に巻き付けて波紋を流し、ガードする事によって狙撃をガードする。
ジョセフ「小町が言っておったじゃろ。スタンドはスタンド以外ではダメージを与えられん…と。幻影の波紋じゃ!」
ジョセフは全員の姿をハーミット・パープルで覆い、念写と波紋の力で消す。最近、ジョジョお姉ちゃんのアイデンティティーが下がってきてない?
小町「トリトン体のスナイパーが二人…指2本分で充分かな?」
小町はサンシャイン・ルビーの指を隠れながら移動している2つに気配に向ける。
小町「飛び道具ならこっちも持ってるよ。世界最強の飛び道具がね…ルビーレーザー!」
シュウウウウ……
1秒で地球を7周半すると言われる光。光の速さで飛ぶ数万度の熱線のレーザーが恐らくは奈良坂さんと小寺さんであろう二人を襲う。一瞬だけ発射された目で見えない熱線を受けたスナイパーは、自分の身に何が起きたかわからないだろう。気配がなくなった。ベイルアウトしたようだね。
奈良坂透…
小寺章平…
三輪隊…小町一人に完敗。
その後も小町は他のボーダー隊員を一方的に叩きのめして死体(死んでない)を山積みにする。
うん♪分かりやすい死屍累々が完成♪
ジョセフ「ここまでやる必要があったかのう?」
小町「やり過ぎちゃった♪てへっ♪」
ジョセフ「徐倫なら拳骨をおとしておるぞ?それにどうするんじゃ?この後始末……」
小町「ボーダーを壊滅させる?」
ゴンッ!
ジョセフは小町に拳骨を落として来た。
痛い……母親の生まれ変わりに拳骨はやめてよ…しかも鋼鉄製の義手で。
違う…この役目はお兄ちゃんのポジションだ…やっぱり主人公の役目?(メメタァ!)
ジョセフ「どこまで平行世界が嫌いなんじゃ!エリザベス・ジョースター!」
小町「前世の名前をフルネームで呼ばないでよ。おじいちゃん♪」
ゴンッ!
ジョセフ「カワイイ顔してもダメじゃ!何がおじいちゃんじゃ!この凶悪娘が!段々八幡に似てきておるぞ!性格も容赦なさも!」
そりゃあ妹ですから♪
八幡「こ……これは……酷すぎる…これを小町がやったのか……」
出てきたね?この世界のお兄ちゃん…それに陽乃さんとお姉ちゃん…いや、いろはさん…。
小町「初めまして、ゴミィちゃん。小町は平行世界の比企谷小町。小町にとってはあなたは霊長類ヒト科のアカノタニン。小町を邪魔するなら始末するよ。そこにあるゴミの山のように。小町は愛するお兄ちゃんの魂を探したいだけ。邪魔をしないなら再起不能にはなってもらうけど、何もしないと約束するよ」
八幡「お兄ちゃん?ジョジョの事か?」
!!!
小町の中にあるお兄ちゃんの魂の欠片が共鳴する。
ジョセフ「小町……遅かったみたいじゃ。既に八幡の魂の欠片はこっちの八幡の中に取り込まれておる…確実に厄介じゃぞ?これは……コーラを飲んだら必ずゲップするように確実にじゃ…」
どうするかな……ゴミィちゃんを殺してお兄ちゃんの魂を回収する……はっ、小町の考えを読み取ったジョセフに睨まれたから却下だ。どうしよ……。
八幡「連行しろ」
とりあえず、大人しく捕まっておくかな?今はね?
←To be continued