それでも長い目で待ってもらえると嬉しいです。
テニス騒動から少し経ってからというもの謎の美少年という噂が流れていた。
何人かは俺にたどり着きかけたようだったが、似ても似つかない俺の姿を見てやっぱり違うだろとなったらしい。
「先輩〜。いい加減、髪上げて過ごしたらいいんじゃないですかぁ?」
朝から隣にいるこの後輩はやたら目立たせようとしてくる。
「目立ちたくないんだからいいんだよ。」
急に目立って、話しかけられてもあれだしな。
「目立ちたくないですかぁ。それは残念ですね…。それじゃあ、また後でです。」
なんか意味ありげな雰囲気で一色が言っていたがなにかあったか?
聞こうと思ったが一色は校舎の方へ小走りで行ってしまった。
「八幡、おはよう」
と後ろから遥が歩いてきた。
「おう。遥」
朝から四大天使のうちの1人に会えるとは光栄だ。
残りは誰かって?もちろん、小町、戸塚、三上だ。
癒しって言われると国近さんやめぐりさんが断トツだがな。
「学校中の噂の美少年くんはいつまで隠してるつもりなの?」
「卒業までだよ。目立ちたくないから、ボーダーでも土下座までして情報統制頼んだんだからな」
「そっか、目立ちたくないからだけか。」
今度は遥もなにか意味あり気な言い方だった。
「さっきも気になったんだが、何かあるのか?」
「え?知らないの?職場体験、ボーダー志望の人が多いから全員ボーダーになったんだよ」
はい?よく聞こえなかったな。ボーダーがなんとかなんて言うのは俺の空耳だ、きっと。俺はいつからラノベの難聴系主人公に転生したんだろうか
「…今なんと?」
「だから、職場体験がボーダーになったって」
オーマイゴッド。
空耳じゃありませんでした。
「よし。今すぐにでも職員室に行って俺だけでも変えてもらおう!」
「いやそれは無理だよ。」
なに!?ならば最終手段に出るしかないのか
「………なら、城戸さんか忍田さんに頼んで防衛任務でも」
「それも無理。いろはちゃんと陽乃さんがこの前忍田本部長にその日に用事頼まれてたから。」
…詰んだ。
だから、一色はあんなこと言っていたのか。
いや、オペレーターさえいればどーにでも………
「それにめぐりさんもその日は学校公欠するらしいから用事あるんじゃないかな」
まさかの最後の希望までが…………。
「私も学校でも八幡の格好いい所見たいし、いい機会だと思うんだけど。…………ダメかな?」
そのポーズは卑怯だぞ!
ボーダーでもトップクラスの可愛いさの遥に上目遣いで頼まれてみろ?大抵の事は断れないぞ。むしろ、断れるヤツいるなら出てこい!
「……分かったよ。目立つ目立たないは関係なく行くだけは行く」
「ありがとう♪でも、来たら目立つよ。絶対に」
遥はそれだけ言って教室の方へと向かっていった。
絶対に?まだ何かあるのだろうか……………俺はこの時ちゃんと理由を聞かなかったことを後悔する。
教室に着くと何やらザワザワしていた。
「おはよう、八幡」
「お、おう。おはよう、戸塚」
癒される。もうこの世の中、戸塚と遥と小町と三上だけでいい。
「……それでなんの騒ぎだ?これ」
「それがね、この前の美少年がボーダー最強じゃないかって。」
どうしてそれが?………いや、絶対に分かるはずがない。
「………なんでそー思うんだ?」
「この前テニスの事があった後に雪ノ下さんのお姉さん?がそーやって言ってたらしいよ」
あの人か!
何してくれちゃってんの?…………絶対目立つじゃん。
「そ、そーなのか。でも、ボーダー最強って確か名前とか分からなかったよな?」
「うん。だから、みんな噂してるんだよ。それに今まで後ろ姿しか写真とかも無かったからアホ毛があることぐらいしか分かってなかったから余計ね」
……アホ毛バレてんだ。
もう絶対に職場体験なんて行ってやらん。
「今度の職場体験で会えるといいね。八幡」
「あ、あぁそーだな」
すまん、戸塚。目の前にいる。
周りの会話に少し耳を傾けると
「イケメンで強いなんて、凄いよねぇ。ボーダーの職場体験楽しみだよねー」
「隼人くんもA級いけるんじゃない?」
………前半の人には心から謝りたい。
葉山がA級?笑わせるな
俺はそのままいつも通り自分の席についてイヤホンを耳に付けて睡眠に入った。
次に俺が目にしたのは目の前で拳を振り下ろしている白衣を着た女教師の姿だった。
えー、短文になってしまい申し訳ありません。
チェーンメールの所は飛ばさせて頂きました。
理由は奉仕部にほとんど行っていないこと、正直展開的に難しいと思ったので。
感想、意見などご遠慮なくお願いします。
次回は川崎の件。
その次には職場体験に入りたいと思います。
今回もありがとうございました。