やはり俺の社畜物語は間違っている。   作:雪楓❄️

28 / 38
更新遅れて申し訳ないです

由比ヶ浜の犬の下りはありませんのでご了承ください。

それではどうぞ


第10話

「…八幡お疲れ」

 

訓練室から出てきた俺に最初に声をかけてくれたのは遥だった。

 

(……やっぱさっきの聞こえてたか。)

 

「……俺のせいですまん」

 

「ううん。八幡のせいなんかじゃないよ」

 

遥はそう言ってくれたが、実際俺のせいだ。

雪ノ下雪乃も言っていたように、俺のせいで遥の評価が下がることはあっても上がることは無いのだろう。

 

「ありがとな。」

 

俺は遥の頭を少し撫でてから、先程から凄い勢いでこちらを睨みつけている奴の元へと向かった。

 

「あ、あなたまたズルしたわね。さっきの空間だって、彼女が設定したものなのだから幾らでもやりようがあるものね」

 

まだ言うのか、こいつは。

俺の事が視界に入るなり叫ぶように言ってたが、まさかここが何処か忘れてるわけじゃないだろうな

 

「…はぁ。言っておくが、遥はなにもしていない。」

 

「そんなわけないじゃない。どうせあなたが彼女に頼んだに決まっているわ。そうじゃなきゃ、私があなたなんかに負けるはずがない」

 

こいつの頭の中に人の言うことを聞くっていう選択肢はないのか…。

 

「やっぱりズルをしてたんだね。しかも、綾辻さんにまで手伝わせるなんて最悪な彼氏だ。ほら、綾辻さんもそんな奴とは別れて僕等の方に来た方がいい」

 

お前、まだそんな態度とれるほど余裕あったのか?と思い、葉山のほうを見ると遥の肩に手を伸ばしていた。

 

「……おい、葉山。お前誰に触れようとしてるんだ」

 

自分でも聞いたことのないような低い声が出た。

葉山は腰を抜かして、その場に座り込み周りにいた奴らもほとんどが座り込んでいた。

 

「お前ら、2人にはそれ相応の処罰が下るだろうから覚悟しとくんだな」

 

この2人とこれ以上関わるのも面倒だったので、俺は背を向けて遥の手を掴んでブースを出た。

 

 

 

 

 

 

「ほんとにすまん…。俺なんかのせいで遥まで……」

 

コツン

 

土下座とまではいかないが、これ以上無いほど綺麗なお辞儀をしたのだが、その下げた頭を遥に叩かれてしまった。

 

「だ・か・ら、八幡は悪くないって言ってるでしょ!あんな人たちの言うこと真に受けたらダメ。」

 

頬を膨らませて、かなりご立腹なようだが全く怖さを感じない…。むしろ、可愛いまである」

 

「なっ!またそうやって…。もう許さないんだから」

 

俺が何かしたのだろうか…

遥は顔を背けてしまった。

 

「その、……ほんとにすまん。何でも言うこと聞くから許してくれ……。」

 

「…ほんとに何でも?」

 

「あぁ、俺に出来ることなら…」

 

この時、少しぐらい制限を付けるべきだったと俺が後悔するのはこの後すぐだった。

 

 

 

「…それじゃあ、

 

 

 

 

今、キスして欲しいな」

 

遥はそう言い耳まで真っ赤に染め上げながら、少し顔を背ける。

 

ん?

いや待てよ、ここはあれを使うべきだ

 

「ちょ、ちょっと待て今なんて?」

 

ふっ、これで完璧だ……

 

「だ、だから、キスして欲しいって」

 

………ダメでした。

 

「だ、ダメかな?」

 

……くっ。こんなん、断れるわけが無い

 

「…はぁ、わかったよ」

 

俺がそう言うと遥は目を瞑った。

つまりは、俺からしろってことだよな…。

 

(ええい。もうどうとでもなれ)

 

俺は決心して、遥の肩を抱きそのまま顔を近づけていった。

 

チュッ

 

時間にすれば一瞬だったのだろう

けれど、俺からしたらその一瞬がとても長く感じられた。

 

「あ、ありがとう」

 

「…あぁ」

 

誤魔化しが効かないほど、2人して顔を真っ赤に染め上げた俺たちは、何も話すことなくブースに戻り、そのまま解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、雪ノ下雪乃と葉山についての処罰を俺はボーダー上層部から教えてもらった。

 

雪ノ下雪乃、葉山隼人共に退学処分とはならなかった。

雪ノ下は、2週間の自宅謹慎。一ヶ月間の奉仕活動。反省文の提出に加え、ボーダーへの謝罪文ということになったらしい。

葉山隼人については、2週間の自宅謹慎に加え部活動の無期限停止、その間の奉仕活動。反省文の提出となった。

 

俺としてはあいつらの処分には興味はなく、特に異論は無かったのだがその場に一緒にいた陽乃さんや一色、めぐみさんが軽すぎると城戸さんに言ったが城戸さんとしてもこれでも出来る限り重くしたらしい。

 

城戸さんが言うには、理由は二つあるらしい。

一つは、雪ノ下雪乃の実家である雪ノ下家がボーダーのトップスポンサーだということ。雪ノ下家が何か言ってきたという訳では無いらしいのだが。

二つ目は、迅さんが退学処分はしない方がいいと上層部に助言したらしい。なんでも、退学になった場合あの2人が近界に渡る未来が見えたらしい。

と言うより、あの時あの場を見ていたのなら少しは止めて欲しかったものだ。

 

 

 

 

 

にして、ボーダーってことが学校にもバレたし明日からは変装する必要なくなったな……。

 

……………学校行きたくないな

 

 

 

 

 




お読み頂きありがとうございました。

以前アンケートをとっていた新作についてですが、オリジナルキャラでアンケートで多い作品を書きたいと思いますので楽しみに待っていて貰えると嬉しいです。

次回更新は、アスタリスクかSAO、もしくはもう一つのワートリになると思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。