やはり俺の社畜物語は間違っている。   作:雪楓❄️

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お久しぶりの更新となり、ごめんなさい…。
そのせいなんでしょうか、最近低評価ばかりが増えていく………。
この作品、僕の中で一番お気に入り数多いんですけど低評価数も一番多いんですよね…


最近、色々な作品と俺ガイルのクロスオーバーが増えててなんか皆さん描くの上手いなぁと思う日々です。

僕としては、もっと陽乃さん推しの作品が増えると嬉しいんですけどね!


それでは本編どうぞ!




16話

初日も無事終わり、俺ら高校生組も明日へ向けて色々話し合いをすることになった。

 

「………それでは、明日も頼むぞ」

 

一応連絡は終わり、平塚先生はそう言ってお開きにしようとする。

 

「どうした、葉山。浮かない顔をして」

 

平塚先生は下を俯きかけている葉山に話しかけた。

 

「いえ、ただ今日孤立しちゃっている子がいたので」

 

葉山の言う孤立しちゃっている子とは、十中八九鶴見のことだろう。

奴の言うように、鶴見が孤立しているのは事実だが俺らが出来ることなんてたかが知れてる。

俺らが小学生たちに何かを言ったところで、あいつらは俺らがいなくなった途端また同じことを繰り返す。それも、今までよりも酷く。

 

「…ふむ、君たちはどうしたい」

 

そう言った平塚先生の目はどこか、俺たちを試しているように見えた。

 

「俺は可能な限りどうにかしてあげたいです」

 

「………あなたでは無理よ。そうだったでしょう?」

 

「…………。」

 

雪ノ下の反論に葉山は黙り込むことしか出来なかった。

 

(ここに陽乃さんがいなくて本当に良かった。あの人いたら、ここが修羅場になりそうだし…)

 

陽乃さんはどこに行ったかと言うと、迅さんと電話をしに行った。

俺がしても良かったのだが、一応ボーダー側の代表でもあり抜けるわけにはいかなかったため陽乃さんに頼んだのだ。

 

「そうか。ボーダーの諸君は何かあるかね?」

 

こういう時にこちらの意見を取り入れようとしてくれるのが、平塚先生のいい所だ。

 

「そうですね、現状出来ることはないと思います」

 

俺は正直な自分の考えを述べた。

見なくても分かるが、絶対に遥は俺の意見に異論を唱えたがっている。

 

「……でも、孤立しているという点なら何とか解決出来ますよ」

 

鶴見が孤立しているのをさせないようにすることぐらい簡単なことだ。

今回のこのボランティアは、葉山の監視や防衛の任務も兼ねているが一番はスカウト。

理由は、小学生からボーダーで有望な隊員を育てればそれだけ長い間戦闘員として活躍出来るからだ。

 

「先生、これは奉仕部の合宿も兼ねているとおっしゃていましたよね?ならば、彼女が助けを求めるならば手を貸すことも可能ですよね?」

 

雪ノ下の発言は一見理にかなっているが、大きな落とし穴が一つある。

それは、【鶴見自身が助けてとは一言も言っていない】ということだ。

無言のSOSと言えば聞こえはいいが、それは受け手が勝手に綺麗に解釈しているに過ぎない。

 

「あぁ、構わないが」

 

「わかりました。」

 

「よし、それでは私は寝る。後は君たちで話し合いたまえ」

 

そう言うと平塚先生はコテージの方に歩いていった。

 

(………多分、生徒の成長を期待してるんだろうけどそんなに単純じゃないっすよ?こいつらは)

 

俺の予想通り、平塚先生の思惑通りとは行かないようだった。

 

 

「じゃあ、どうしようか」

 

平塚先生がいなくなると当然のように、葉山が司会役を勝手でた。

 

(……よくこの状況でやるよな、やっぱりリア充は違うな)

 

俺だったら確実にやらない。

理由は簡単。見ろ、あの三輪の目を。隣のめぐりさんが宥めてなかったら今すぐにでもコテージに帰るぞ、あいつは。

 

「つーかさー、あの子可愛いんだし話かけりゃいいじゃん?試しに話すじゃん、仲良くなるじゃん、余裕じゃん?」

 

「それだわー優美子冴えてるわー」

 

「それは優美子だからできるんだよ」

 

「そもそも今の状況だと話しかけること自体がハードル高いかもね」

 

リア充らしい三浦の考えだ。

確かに三浦ほどのコミュニケーション能力を持ってすればそれも容易いことなんだろうがそれが出来ないからこそ鶴見は孤立しているのだ。

 

「やっぱり、みんなで仲良くするしか……」

 

まだ言うか、このアホは。

俺は葉山に案の甘さを思い知らせようと、発言しようとしたのだが

 

「まだ隼人はそんなこと言ってるのかな?」

 

丁度戻ってきた陽乃さんによって、その場の空気が一瞬にして凍りついた。

先ほどまで、ワイワイやっていた葉山グループの奴らもすっかり黙ってしまっている。

 

「八幡に案があるみたいなんだし、八幡に任せれば大丈夫だよ?わかったら、みんな早く寝た方が良いんじゃないかな?」

 

文句を言おうものなら、黙らせる。そんな感じすらした。

余程迅さんからの連絡が悪かったのだろうか。

 

「ヒキタニ、本当に大丈夫なんだろうな?」

 

葉山はいつになく凄んで見せるが、何も怖くない。

というより、よくこの空気で俺の名前を間違えられたと思う。

陽乃さんや一色が俺の名前を葉山が間違えたことに文句を言おうとしたがある人の発言に阻まれた。

 

「…………八幡の苗字は、比企谷だよ?」

 

俺の隣に座る遥の声だ。

だが、いつもよりも冷たくとても低い声だった。

ボーダー組で一番怒らせちゃいけない5人。それは、陽乃さん、三上、遥、那須そして、めぐりさん。

この5人を怒らせたものなら、味方が0になるのは言わずもがな、めちゃくちゃ怖い。

 

「す、すまない。」

 

これには流石の葉山も驚いたのか、素直に謝った。

 

「ほら、八幡行こう。」

 

遥はすぐにここから立ち去りたいのか、俺の手を引くとすぐにコテージの方に歩き出した。

その後、ボーダー組も俺達のあとを追うように着いてきた。

 

 

 

 

 

「遥、ありがとな」

 

俺と遥は自分たちの部屋にそのまま戻ってきた。

 

「ごめんね、勝手に連れてきて。我慢出来なかったの…」

 

遥は申し訳なさそうに俯きながらそう言った。

 

「…………いや、……嬉しかったよ。」

 

「……八幡……。」

 

俺が頭を撫でながらそう言うと、遥は頭をあげこちらに顔を近づけて来た。

 

「「…………」」

 

俺はそれを拒むこと無く受け入れ、あと数センチと迫ったところで

 

 

コンッコンッ

 

「「……………………。」」

 

「八幡〜、まだ起きてる?」

 

図ったかのようなタイミングでドアをノックしたのは、陽乃さんだった。

 

「……ごめん、ちょっと出てくる。遅くならないとは思うけど、先寝てていい」

 

「うん。あの話だよね?」

 

遥たちオペレーターには念のため今回の話をしてある。

ネイバーが襲ってくる可能性があること"だけ"。

 

「………あぁ」

 

俺は遥に背を向けてドアを開けに行った。

 

 

ガチャ

 

「むぅ、遅いなぁ。まさか………?」

 

「遅いですよぉ、先輩!もしかして……?」

 

と俺が出たとわかった途端にこれだ。

この2人、絶対にタイミング見計らって来たな。

 

「ただ遥と少し話をしてただけだ。それよりも少し場所変えよう」

 

「そうだね、ここだと立ち聞きされる可能性あるもんね」

 

俺と一色、陽乃さんの3人は一度外へと出ることにした。

 

 

 

「それで、迅さんはなんて?」

 

ある程度コテージから離れ、サイドエフェクトを使って周りに誰もいないことを確認してから話を始めた。

 

「うん、迅くんによると『葉山隼人が今回動く可能性は限りなく低い。だが、ネイバーは確実に襲撃してくる。』とのことよ。」

 

葉山の可能性は限りなく低いか。

ただ普通のネイバーなら、ノーマルトリガーの方が動きやすかった気がするんだが。

 

「それで八幡に伝えてくれって言われたんだけど、『八幡は、襲撃があったら絶対に小学生たちから離れるな』だって。そうしないと、最悪小学生が何人も攫われるか隼人が何かをしでかすって。」

 

「………わかった。」

 

なるほどね。

だから、俺にブラックトリガーだけを持たせたのか。

俺のブラックトリガーの得意分野は多対一。

と言うより、周りにいる味方が多ければ多いほど自由が効かないため殲滅力は激減する。

 

「でも、葉山先輩って何か出来るんですか?」

 

確かに、それは俺も引っかかっている。

葉山が邪魔をするにしろトリガーすら持っていないあいつが何かを出来るとは思えないが……。

 

「それなら『もし葉山隼人が乱入する場合、八幡以外勝てない。』って言ってたよ。私達が勝てないってことは、ブラックトリガーでも持ってるんじゃないかな?」

 

ブラックトリガー。

簡単に手に入るような代物ではないが、陽乃さんたちを倒すとなると今の奴の実力を考えてもブラックトリガーである可能性が一番高い。

 

「その場合は、俺が対処する。その代わり、ネイバー襲撃時の指揮は陽乃さんに任せて大丈夫ですよね?」

 

「うん。お姉さんに任せなさい!」

 

実際、陽乃さんは隊長向きだ。

城戸司令も隊長にしたいらしいし、俺がS級になってもこれなら大丈夫だろう。

 

「それじゃあ、そういう事で。一色もいいな?」

 

「はい!はるさんなら、むしろ安心出来ますし」

 

「おっ、嬉しいこと言ってくれるねぇ。」

 

(……俺、S級になろうかな………)

 

一色の言葉にかなりショックを受けた俺は2人に流されるままコテージへ戻った。

 

 

 

 

 

 

 




陽乃と迅は同い年の設定です!!
あまり影響はありませんが。

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