インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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第十三話

翌日、シャルルと真夏は秘密を共有したのか妙に親密になっていた。

「ねえ真夏。ここ教えて」

「あ、うん。良いよ」

休憩時間は普段はシャルルは会話に入ってこなかったのだが今では

入ってきて笑っているし他の女子生徒とも会話をするようになって

一層シャルルの人気は上がっていった。

 

 

 

 

 

「ふ~すっきりした」

シャルルがトイレを済ますともう一人の男子生徒が用を足していた。

(確かあの人って神門君だったよね?……一応話しかけてた方がいいよね?)

「貴方がMSデュノアですね」

そう思いシャルルが一夏に話し掛けようとした瞬間、逆に一夏から

話しかけられ驚いてしまった。

「え、あ、はい……え? な、なんで」

「なぜ自分が女だという事を知っているのかと思っていますか?」

一夏はシャルルに対してMr.ではなくMsと言って話しかけてきた。

つまり真夏しか知りえない情報を一夏は知っているという事になる。

「楯無様がお呼びでございます。わたくしと一緒に来てくれませんか?」

シャルルは断ろうにも断れず授業を遅れるとだけ言っておいて

一夏についていった。

 

 

 

 

 

「失礼致します楯無様」

「どうぞ~」

シャルルが連れてこられた部屋は生徒会室、そして

そこにいたのは虚と楯無、それと簪もいた。

「まあ、そんなに怖がらずに気楽に座って頂戴」

「は、はい」

シャルルは部屋の雰囲気に少しおびえながらも椅子に座ると

例の件について話しはじめられた。

「シャルル……いや、もうシャルロットちゃんで良いわね。

安心して。この部屋は防音だから漏れることはないわ」

「あ、あのなんで僕が女だって」

「まあ、お姉さんは裏の家業でね。そう言うことには詳しいの。

それで昨日、織斑君とお話したんだよね?」

「は、はい」

「彼はなんて?」

シャルロットは昨日の真夏との会話を全て洗いざらい話し始めた。

「ふんふん、三年間の間でどうにかしようと考えてるのね」

「はい」

「単刀直入に言うけど……そんなの不可能よ」

楯無は真顔でシャルロットに辛い現実を突きつけた。

いくらIS学園が治外法権だとしても三年後になればフランスは

シャルロットを回収しにくる。いくら世界で二人だけしかいない

男性操縦者の一人である真夏といえども所詮は一個人。

国相手にどうこうできるはずがない。

「そ、そんなの分かりません!」

シャルロットは楯無が言った事に怒ったのか椅子から立ち上がり

感情をあらわにした。

「無理よ。国には勝てない」

「失礼します!」

シャルロットはそのまま部屋から出ていってしまった。

「楯無お嬢様。如何なさいますか」

「ま、良いわ。私は二年後にはいないからその時には

貴方にすべての権限を渡すから、良いわね?」

「畏まりました」

 

 

 

 

 

 

 

その後、シャルロットは授業に途中参加してその日の授業を終えたが

楯無に言われた事が頭の中に残っていてあまり集中出来なかった。

「何かあったのか?シャルル」

食堂で夕食を取っているとシャルルの様子が気になったのか

箒達が心配そうに声をかけてきた。

「う、ううん。何もないよ」

「ならいいが」

「それよりもよ! シャルル! 絶対にラウラに勝ちなさいよね!」

あれから鈴はラウラを目の敵にしているのかいつもシャルルに

念を押すようにして言っていた。

「うん、大丈夫だよ。真夏と一緒に必ず勝つから」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一夏はというと自分の部屋で夕食を取っていた。

本来ならば学食で取るのだが何故か楯無や簪達が必死に止めてくるので

こうして部屋まで持ってきてもらっている。

「簪お嬢様~」

「どうかしたの? 一夏」

「何故私は部屋で夕食を食べなければならないのですか?」

「え、えっとね……な、なんとなく」

「何となくって……まあ、簪お嬢様のご命令ならば

何も言いませんが」

もしも学食で食べていて『真夏』という単語を聞けばその途端に

学食は凄まじい地獄絵図に変わってしまう。

しかし肝心の一夏はそれを覚えていない。

ちなみに今は簪が一夏の部屋に遊びに来ている。

「それにしても何で俺はISを動かせたんですかね?」

「さあ? こっちが聞きたいよ」

「あ、それと織斑さん? でしたっけ? 一度戦ってみたいですね~」

「??どうして?」

「だって……あの調子乗ってる顔を絶望で染めてみたいから」

「ッッッッッ!」

簪は一夏の顔を見た瞬間、体中に鳥肌がたった。

なぜなら彼の今の表情は笑っているように見えるが

相手に恐怖を植え付けるような感じがしてたまらないのである。

「簪お譲様? どうなさったんです? そんな怯えたような顔をして」

「え? あ、いやなんにもないよ。なんにも」

「そうですか~」

しかしその表情はすぐに消え失せいつもの優しい一夏の顔に戻った。

{何も起こらないと良いんだけれど……なんだろ、この胸騒ぎ}

簪は一夏に一抹の不安を抱きながらも就寝時間の為

自分の部屋へと帰っていった。

 

 

だが、簪は気づいていなかった。

この後、起きる最悪のプロローグの幕開けの合図を。




おはようございます!
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