インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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第十九話

翌日の朝、本格的に臨海学校が始まろうとしている最中にラウラが

珍しく寝坊をして遅刻してしまった。

「遅れてすみません!」

「遅刻をしたボーデヴィッヒにはコアネットワークについて話してもらおうか」

「え、えっと。ISのコアに内蔵されている、データ通信ネットワークのことで

広大な宇宙間での相互位置確認・情報共有のために開発されたシステムです。

現在は操縦者同士の会話として、オープン・チャネルとプライベート・チャネルが利

用されています。さらに最近の研究で、非限定情報共有(シェアリング)を行い、

コア自身が自己進化していることが判明しています」

流石は代表候補生、一字一句間違えることなく

コアネットワークについての説明を終えた。

「今回は免除してやろう。さっさと列に入れ」

「はい」

ラウラは少ししょんぼりしながらも列に入った。

「ではこれよりISの各種装備試験運用を始める」

千冬がそう言うとそれぞれの生徒達はISの装備をせっせと運び始めた。

ISの装備はかなり重いので女の子では運ぶのが少し難しい。

「あ、それと篠乃ノ。お前はこっちにこい」

「はい」

「今日からお前は」

千冬が箒に連絡事項を伝えようとした瞬間、向こうの砂浜から

凄まじいほどの砂ぼこりをあげて何かがこちらに迫って来ていた。

不思議に思った生徒たちはよく目を凝らしてみると頭にウサミミをつけていた。

「ちーーーーーーちゃーーーん!」

束は勢いを殺さずにそのまま千冬に抱きつこうと飛びかかるが千冬は

それを少し身体を傾けることでかわすと顔面から束は砂に突っ込んだ。

「ぺっぺっぺっ! もー! ちーちゃん! 私の愛を受け止めてよ!」

「お前の愛などいらん」

「またまた~。知ってる? ちーちゃんみたいなのをツンデレってイタタタタタ!」

千冬は束にアイアンクローをかまし力づくで黙らせた。

「篠乃ノ、今日からお前も専用機持ちだ。束」

「あいあいさ!ぽちっとな!」

千冬のアイアンクローから解放された束は

着ている白衣の胸ポケットからボタンを取り出してそれを押すと

空から黒くて大きい何かが地上めがけて降ってきた。

それを見た生徒達は一目散にその場から離れた。

そして大きな音を立てて地面に落ちたものは何やら箱のようなものだった。

「じゃじゃ~ん!!これが箒ちゃん専用のIS、その名も紅椿だよーーーン!」

箱の扉があき中に入っていたものはすべてが紅色に染められている

一機のISだった。

「このISはね!第4世代機で展開装甲を全身に使ってる

まさしく最強にふさわしいスペックを持つISだよ~ん!

さあさあ、乗った乗った!」

「お、押さないでください!」

箒は束に押されながらも紅椿を纏い初期設定を始めた。

「篠乃ノさんて家族だからっていうだけで貰えるの?」

「それってずるくない?」

彼女たちの言い分はもっともである。

今の時代、専用機を持とうと思えば厳しい特訓に耐え

さらにセレクションで決められる。

そんな簡単になれるものではないのだ。

「おやおや?だから君達みたいなおバカさんは嫌いなんだよね~。

歴史の授業を習わなかったの?歴史上平等なんてことはないんだよ」

束にそう言われた女子生徒は慌てて準備を急いだ。

「お久しぶりです。束さん」

「まっくーーーーーーん!」

束は目の前に真夏が現れるとすぐに彼に抱きついた。

「ちょっと束さん。皆がいますよ」

「ぶぅ~。そんなのいいもん!おバカさん達なんか存在価値ナッシングだもん!

あ!でも、箒ちゃんとちーちゃんとまっくんは別だよ?って言っても二人とも天才だけどね」

その後も束は真夏にひっついていたが紅椿の準備をするため渋々彼から離れた。

 

 

 

そして紅椿の準備が終わりデモンストレーションを行うとその圧倒的な

性能に代表候補生たちは何も言えなかった。

「紅椿……これならやれる!」

「織斑先生!大変ですぅぅぅ!」

すると奥の方から山田先生が慌てて千冬の元に駆け寄り端末を見せると

千冬の顔が一瞬にして曇った。

「全員注目!これより我々は特殊任務に入る!一般生徒は

自室にて待機しろ!これは命令だ!」

そう言われた生徒達はただならぬものを感じ急いで準備していたものを

片付け宿の自室に戻った。

「神門、更識、鳳、ボーデヴィッヒ、オルコット、

デュノア、そして篠乃ノは今すぐ私と共に来い!」

「はい!」

気合いの入った箒の返事がよく聞こえた。

 

 

 

 

「では現状説明を行う。先刻、アメリカとイスラエルが共同開発した

第3世代機の軍用IS、福音の鐘が暴走をはじめ亜光速でこちらに

向かっているとの連絡が入った。質問があるものは挙手をしろ」

「はい!そのISの詳細なスペックを求めます!」

「構わないがくれぐれもこれは漏らさない様に。

万一漏らせば罰則もあり得る」

「分かりました」

そう言いセシリアが受け取った福音のスペックデータに

代表候補生たちが群がっていった。

各々、そのスペックに驚きを隠せなかった。

「こいつ、かなり広範囲に攻撃出来るわね」

「それだけじゃないよ。機動性も異常に高いね。

流石は軍用というだけはあるかな」

「教官。さらに詳しいものはないのですか?」

「あぁ、送られてきたのはそれだけだ」

その後、作戦会議が行われた。

「福音を迎撃することが既に上層部からの命令にある。

短期決戦で行かなければ確実にやられる」

それを言った瞬間、全員が真夏の方向を向いた。

「僕の零落白夜を使えば短期で決着をつけられる。先生…

いや、姉さん。僕に行かせてください」

「……分かった。後はどうやって近づくかだ」

「織斑先生。先日、国から高機動用のパッケージが届いています」

「オルコット、それはダウンロード済みか?」

「いえ、30分もあれば可能です」

「そうか…なら」

「ちょっと待った!そんな時には紅椿だよん!」

突然、束が作戦室に乱入してきた。

束曰く紅椿をちょちょっと改造すれば福音なんか目じゃないくらいの速さが

出せるらしく千冬は少し考えたが最終的に箒と真夏を作戦に出すことにした。

 

 

 

 

会議を終えたメンバーは真夏に駆け寄り高速戦闘についての説明をしていた。

天才といえど経験がなければ意味がない。

しかし、簪と一夏は全く関与する気はなかった。

2人は会議の時もそうだったがこうして真夏に集まっている時でさえ

2人して別の場所に座っていた。

「……一夏。今回は私たちはいらないかもね」

「………恐らくこの作戦は失敗する」

「え?」

「いえ、何でもありません。少しトイレに行ってきます」

そう言い一夏はその場を離れた。

そして作戦開始時刻となり砂浜に真夏と箒、そしてほかのメンバーたちも

集まって来ていた。

 

 

 

「時間だ。では、作戦開始!」

白と赤があっという間に砂浜から飛びあがり福音のもとへと向かっていった。




こんばんわっす!
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