インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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第二十話

2人は亜高速で福音にまで近づいていた。

「真夏! 後10秒で着くぞ!」

「分かってる!」

箒は真夏を背負った状態でそう言うと目の前に福音の姿が見えた。

「5・4・3・2・1」

「零落白夜!」

真夏は福音と接触をする瞬間、零落白夜を発動させ福音のエネルギーを

ごっそりと戴こうとするが、福音は瞬間的に察知してすれすれの

ところで身をひるがえし、攻撃を避けると翼を広げ戦闘モードに入った。

「ちっ! 流石は軍用機かな!? でも人が乗っていないのはただの鉄屑だ!」

送られてきた情報では福音は無人状態で暴走をしているとの事だった。

しかし、福音のパイロットがいる部分は装甲が覆っており以前に学園を

襲撃した無人機の様な格好をしていた。

真夏は雪片弐型を強く握りしめ福音に近づいていった。

「おぉぉぉ!」

『ra♪』

福音は翼にシルバーベルを展開し、BTを連射するが真夏は剣を

高速で回転させて零落白夜の壁を作りだし、完璧にBTを防いでいた。

「私もいるぞ!」

箒は2本の刀を用いて後ろから、

福音に斬りかかるがそれらを全て身をひるがえしかわされてしまった。

『raaaa♪!』

福音は音を発しながら翼のシルバーベルから凄まじい数の

BTレーザーを二人に放ってきた。

「箒! 僕の後ろにきて!」

「安心しろ! こんなものなど大丈夫だ!」

「あぁもう!」

箒は福音が放ってきたBTを展開装甲の足の部分を、展開させて機動性を

上げるとスレスレでかわして福音に斬りかかっていった。

「喰らえ!」

『kyaxaxaxaxa!』

福音は腕をクロスさせて箒の2本の刀を防ぐと箒を蹴とばして距離を取った。

 

 

 

『kukakakakakakakakaka!』

福音は奇声を上げながらシルバーベルから無差別にBTを放ち

広域射撃へと切り替えた。

「うぉ! こんの!」

真夏は無差別に放たれたBTを全て零落白夜で切断するが

センサーにISではない反応が現れた。

「なんでここに船があるんだ!」

箒は一瞬、驚くがそんな事はどうでもよく思い福音に斬りかかっていった。

真夏もそれを普通にスルーして福音に向かうが

センサーにもう一機のISの反応が現れ

真夏が斬り落としたBTが黒い衝撃波に飲み込まれた。

「やっぱりクズはクズだな」

「神門! なぜ貴様がここにいる!」

箒は一夏の登場に驚いていると一夏は

瞬時加速《イグニッションブースト》を用いて福音に

一気に近づくと首の部分を掴み思いっきり

投げとばし2丁の銃を乱射して福音にぶつけた。

「神門! 何故ここにいる!」

箒は一夏に突っかかるが一夏は全く気にも留めていなかった。

「貴方がたではどうもこの作戦に不安を覚えましてね。

待機していましたが…待機していて正解でしたね」

「っ! 私たちでは作戦を遂行できないというのか!?」

「ええ、そう言っているんです。現にあなた方は人間を見殺しにしようとした」

「あいつらは密漁船だ。犯罪者など放っておいて良い。箒は最良の選択をしたよ」

真夏も一夏に突っかかるが全く意に介さず喋りつづけた。

「愚かな。やはりお前の周りの奴らはキチガイだらけだな」

「なんだ」

真夏が一夏に不服を覚え掴みかかろうとした瞬間、

福音からの砲撃が始まり3人は

一斉に散らばりそれをかわすと目標に向かって加速し始めた。

一夏は黒い刀を持ち不規則な動きで、福音を惑わしながら一太刀一太刀

丁寧に当てていき真夏は一夏があてて

福音がひるんでいる隙に零落白夜をぶつけ

エネルギーを切り裂いていった。

その動きは完全に息があっており、

一瞬の隙も見当たらず福音を追い詰めていくと

同時に他者の介入を一切許さない怒涛の攻撃だった。

『raaaaaaaaaaa!』

「せいや!」

福音はシルバーベルから特大の物を、

二人にぶつけようとエネルギーを溜めるが

それは発射される前に零落白夜により

切り裂かれ不発となりその隙に一夏が

2丁の銃を乱射し福音にぶつけた。

 

 

「さあ、これでお終いです!」

一夏は単一仕様能力(ワンオフアビリティー)、

自由なる時間を発動させ全身から黒いエネルギーを

放出させ福音に黒い衝撃波をぶつけようとした瞬間、

『goxoxoxoxoxoxo!』

「ごっ!なんだお前は!」

突如、どこからともなく一機のISが飛来し一夏に体当たりをかました。

それにより動けなくなった一夏は必死に振りほどこうとするがなかなか振りきれずに

時間だけが刻々と過ぎていった。

 

 

「な、なんだ奴は!」

「それよりも箒!僕たちは福音を!」

「分かった!」

2人は福音に向かっていくが福音は無差別にBTを乱射して2人を

足止めするとどこかに飛び去ってしまった。

「い、いない」

「反応がない」

2人は辺りをくまなく探すが反応が見つからないので一夏の方へ行くことにした。

{やばい…時間が}

自由なる時間の制限時間が残り10秒と表示された一夏の体はすでに

限界を迎えていた。

元から体力の極端に少ない一夏は短期決戦向けなのだが今の様な長期に

持ってこられると確実に負ける。

そして無残にも時間はゼロとなった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

メモリーから流れていた黒いオーラは消えさり、一夏は膝に

手をついて肩で息をしていた。

『kakkakkakkakkakka!』

「や…ば」

一夏は凄まじい倦怠感と疲労感に動くことさえできずに肩で息をしていた。

そして無人機から高威力のBTが放たれた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「遅かったか!神門!」

二人が駆け付けた時には既にBTに飲み込まれた後で一夏は全身から

血を流しひどい事になっていた。

用が済んだと言わんばかりに襲ってきたISは、

瞬時加速でその場を去った。

『篠乃ノ、織斑。作戦は中止だ。すぐさま神門を連れて戻って来い』

オープンチャンネルで回線が開かれ、真夏と箒に千冬の声が聞こえてきた。

「でも、姉さん。こいつは命令を無視してここに

来たから命令違反だよ。自業自得なんじゃな」

『良いから連れて来いと言っているんだ!命令だ!』

「は、はい!」

箒は千冬の怒号を聞いて慌てて一夏を抱えて帰還した。

「……何故?何故俺は怒られたの?俺は悪くないのに。何も悪い事はしてないのに」

 

 

 

 

その頃、IS学園では。

パリン!

「あ、あれ?」

「どうなさいました!?お譲様!」

コーヒーを飲んでいた楯無が突然、

ふらつきマグカップを落としてしまい割ってしまった。

そのカップは一夏がプレゼントしてくれた大切なものだった。

「ちょっとふらついただけ。大丈夫よ」

「そ、そうですか」

一安心した虚はすぐに仕事に戻るが楯無は胸がざわついていた。

先程、割ったカップは一夏が彼女の誕生日に買ってくれた大切な

カップだった。

{……一夏}




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