インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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第三十二話

『悪いがまた今度ゆっくり話そう……兄さん』

ずっとあの言葉が一夏の頭の中を支配していた。

文化祭の時に襲撃してきた女性が放った言葉は延々と一夏の頭の中で

リピートしていた。

この世に一夏を兄と呼ぶであろう存在は真夏くらいなのだが確かに

あの時、侵入者は一夏の事を『兄さん』と言った。

「……!」

(何であいつは俺の事を兄さんって呼んだんだ)

「……夏!」

(考えても分からない)

「一夏!」

「っ!」

楯無の大きな声にようやく一夏は自分が呼ばれている事に気付いた。

「どうかしたの? さっきからボーっとしてるけど」

「え、あ、いや何でもありませんよ」

「そう……だったらいいんだけど」

一夏は疑問を残しながらも生徒会の仕事を着々と進めていった。

すると、生徒会室のドアがノックされた。

「誰でしょうか」

「こんにちわ、織斑です」

生徒会室への乱入者が入ったことにより今日の一日の引き金が引かれる。

 

 

 

 

 

 

「すみません。この前は迷惑をかけて」

「良いのよ別に」

真夏は先日執拗に一夏を出せと言い迫ったことを楯無に謝っていた。

「僕は生まれ変わりました! もう今は楽しすぎて死んじゃいそうです!」

「そ、そう」

楯無は真夏の変わりように若干引いていた。

以前は計算がど~だとかあ~だとか言っていた真夏が、あの真夏が

なんだか開放的な性格に変わったのである。

すると真夏は突然一夏の所に向かっていった。

「……何か用か?」

「……兄さん!」

「ぐうぇ!」

「「「――――――!」」」

いきなり真夏が一夏の胴体にタックルを……というよりも抱きついた。

「は、離せ! 俺にはそんな性癖はない! というよりも兄さんて呼ぶな!」

「良いじゃないか! ずっと離れ離れになってたんだしこれからは

触れあっていこうじゃないか兄さん!」

一夏は必死に真夏を引き離そうとするが真夏は思いのほか強めに

抱きついていてなかなか離せなかった。

「こ、こら! いつまで私の一夏に抱きついてるのよ!」

それを見ていた楯無が無理やり真夏を引き離した。

やはり、兄弟と分かっていても恋人が他人に抱きしめられているのを

見るとやきもちを焼くのだろうか。

「良いじゃないですか! 兄弟の触れ合いです!」

「そ、そういう問題じゃないの!」

「あ、大丈夫です。兄さんは更識会長のものですから」

「っ! わ、分かってるなら良いわよ」

楯無は真夏に言われた事に顔を真っ赤にして渋々触れ合いを承諾した。

「そう言えばどこまで兄さんとは行ったんですか?」

「「ぶふっ!」」

楯無と一夏は真夏が聞いたことに思いっきり飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。

恐らく、二人は心の中でまだキスもできていないなんて言えない、といった感じの

ことを思っているに違いない。

 

 

 

 

 

『まっく~ん』

「やあ、束。元気?」

『うん! 束さんはまっくんの声で元気100倍なのだ!』

用事を終えた真夏は生徒会室から出て今は廊下で愛しの束と電話をしていた。

「調べてほしいことがあるんだけどいいかな?」

『ん~まっくんのお家に行ってもいいなら!』

「勿論。誕生日の日に僕の家に来なよ」

『やった! 何を調べたらいいの?』

「うん。亡国機業(ファントムタスク)、サイレント・ゼフィルスについて」

『おっけおっけ~! この天才束さんなら楽勝なのら~!』

「ふふ、任せるよ。束」

楽しそうな束の声を聞いて、真夏は小さな笑みを浮かべながら電話を切り、

ポケットに入れた。

「ふぅ……みんなに謝りに行かないと」

以前の唯我独尊な自分の身勝手な行動により、誰かに迷惑を

かけたかもしれないという風に考えた真夏は覚えている限りの中で

中学生の友人などに謝罪をして言っていた。

それはIS学園での友人も同じだった。

 

 

 

 

 

その晩、一夏の部屋は異様なまでにピンク色な空気に包まれていた。

理由は楯無が一夏の抱っこされて甘えているからである。

「ふふ、一夏の匂い~」

「どうしたの? いきなり」

「甘えたくなったの♪」

楯無の満面の笑みに顔を赤くしながらも一夏は楯無の青色の髪を撫でていた。

「氷菓の髪ってサラサラなんだね」

「ふふ、でも癖っ毛が強いのよね」

「俺は良いと思うよ」

「ふふ、ありがと」

ふと2人の目線がカチリとあった。

ジッと見つめあう2人、部屋には一夏と氷菓の二人だけ。

以前の失敗を考慮しドアのカギは閉めているし仕事は終わらせている。

もうこれほどにまでキスをする環境がそろっていることはそうそうない。

「……一夏……」

「……氷菓……」

愛する者の名を互いに呼び合うだけで充足感に満たされる2人。

彼女がいない人がこの光景を見れば発狂するであろう程までの糖度である。

氷菓が目を瞑ったのを合図に一夏は顔を近づけていく。

徐々に2人の口は近づいていく。

「お~い、いちもがぁ!」

若干黒いものが見えたような気がしたが白いものによって口を押さえつけられている。

しかし目の前の愛する者しか見えていない2人は全く気付かなかった。

そして。

―――――――ちゅっ。

2人の唇がようやく重なった。

今までに二度も失敗している。

一回目はラウラの乱入、二回目は文化祭での侵入者の乱入。

ようやく三回目にして初めてできた。

それにより一夏の理性は完全に壊れた。

「んん!?」

「んちゅっ、ちゅっ、はぁ。くちゅ」

突然一夏が氷菓の口内に無理やり舌をいれこみ下で氷菓の

口内を犯し始めた。

「んちゅ、くちゅ! ちゅぅぅ!」

「んんはぁ! ちゅっ! くちゅ! くちゅ!」

舌を氷菓の舌に絡ませお互いの唾液を交換したり氷菓の歯茎に

舌を当て歯茎を犯し、手で氷菓の腰を撫でていた。

「ぷはっ! んん!」

「ちゅっ! くちゅ! くちゅ!」

一度、空気を求め口を離すが一夏は間髪入れずに氷菓の口内をもう一度犯し始めた。

「ぷはっ! はぁ、はぁ、い、一夏」

「……氷菓」

「きゃっ!」

一夏はそのまま氷菓をベッドに押し倒し彼女の寝巻のボタンを二つほど外すと

豊かな胸が押し狭まれていた形が解放され大きな谷間を作っていた。

「もう我慢できない」

一夏が氷菓の胸に手を当てようとした瞬間、氷菓によって止められた。

「ま、待って」

氷菓は顔を真っ赤にしながら一夏に語りかけた。

「なんで?」

「貴方は私の体が目当てなの?」

「っ!」

それを言われた一夏の昂っていた気持ちが徐々に冷めていった。

「わ、悪い。氷菓」

「良かった。元の一夏に戻って」

氷菓は理性に駆られた一夏ではなく、いつもの一夏に戻ったのを本当に

嬉しそうに笑みを浮かべながら一夏の頬にキスをした。

「じゃあ私はもう帰るね」

「ああ、御休み」

「おやすみ」

最後に軽いキスをした後、氷菓は部屋を去った。




今回の話は一切、ストーリーが進んでいません。ごめんなさい
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