今日は日曜日、つまりはデート日和。
最近ようやくキスをした初々しすぎる恋人がイチャイチャするのだが
今日は別の人物とお出かけをしていた。その人物とは
「あ、兄さん! おまたせ! いや~服選ぶのに時間かかっちゃって」
そう真夏とである。
(一体全体何故こうなった)
この原因は遡ること4日前。
「はぁ!? 俺とお前がお出かけだぁ!?」
今、生徒会室では一夏と真夏の会話が熱を持っていた。
内容は真夏が一夏に『兄さん! 今度一緒に出かけようよ!』と言ったことが事の発端である。
「うん! 姉さん曰く兄弟そろって出かけたのは物心つく前
らしいからさ! 一緒に出かけようよ!」
楯無達は真夏の変わりように非常に驚いていた。
あれほど唯我独尊状態だった真夏が今は普通の少年に戻っていたのである。
今は砕けたような口調だが同い年のクラスの子にまで丁寧な言い方で話すようになり、
今までよりも受けがよくなったとか。
「良いんじゃないの一夏」
「た、楯無様!?」
主であり恋人でもある楯無からの思わぬ解答に一夏は驚きのあまり、
イスから立ち上がった。
「さっすが会長さん! 分かっていらっしゃる!」
「じゃ、一夏この書類お願い」
「は、はい」
楯無は一夏に書類を渡して生徒会室から出した。
「いや~それにしても楽しみだな~」
(あれ?)
真夏がふと髪の毛をワシャワシャしたときに一瞬だけ真夏の頭皮に
傷がある事に気付いた。
「ねえ、真夏君」
「はい?」
「頭の傷どうしたの?」
楯無に言われ頭をさすった真夏は「あ~」と言って説明しだした。
「この傷は昔、火事現場に遭遇しちゃって。その時に頭の上に
瓦礫が落ちてきてぶつけちゃったんです」
その説明を聞いた時に何故か楯無は一夏に闇を生んだあの事件の事を思い出した。
「ね、ねえ。その時に誰かに助けられなかった?」
「……そういえば助けられたような……頭ぶつけたせいで
昔のことあまり覚えてないんですよね~」
その事を聞いてさらに楯無は核心を突く質問をした。
「そ、その人は?」
「えっと…確か……お兄ちゃんて呼んでたような」
「「「っ!」」」
その説明を聞いて楯無、布仏姉妹は驚きに顔を染めた。
あの火事現場にいたのは真夏だったのだ。
(つまりあの時一夏が助けようとしていた子は真夏君?
その時の事故の影響で真夏君は記憶に欠如が
生まれた……だから昔の事は覚えていない?)
「あ、兄さん! このゲームしようよ!」
真夏はシューティングゲームを指差した。
「はっ! 馬鹿馬鹿しい、なんで俺がお前と」
「あ? 何? 負けると思うからしないの?」
そう言われた瞬間、一夏の動きが止まり怒りのオーラを纏わせた。
「……いいだろう、俺の力見せてやる!」
その様子を後ろから隠れて観察している楯無と簪はというと。
((うわ~やっぱり兄弟ね))
さらに面白い事に銃を撃つタイミングも一緒、弾をリロードする
際にプレートを踏むタイミングも一緒……まあ、的を狙うのは違うかったが。
そして二人はファーストフード店に入る。
「「ハンバーガーセット」」
((ッッッッッッ!))
2人は変装しながら隠れて2人の絶妙なハモリ具合に腹を抱えて笑っていた。
ちなみに店員さんも若干半笑いである。
2人が開いている席に座りハンバーガーセットを食べていると
何人かの女の子が気づいたのだろうか、何やらこそこそと話していた。
「あ、あの!」
勇気を振り絞った一人の女の子が二人に話しかけた。
「はい?」
「お、織斑真夏さんですよね!?」
「ええ」
「サ、サインください」
天才真夏君は考えた。
ここでこの子にサインをすれば私も私も状態で店内は大きく荒れるであろう。
と言う事真夏が出した結果は
「すみません。そういうのはちょっと」
「そ、そうですか。あ、あの目の前の方は」
「へ? 神門君だよ。神門一夏」
「誰です?」
(そんなバカな、兄さんは2人目の操縦者……なんで知らないんだ)
ひと先ず天才頭脳……じゃ、なくても冷静な人なら分かるように
ひと先ずこの場は何も言わずに納めて兄弟の触れ合いは終了した。
「シロ、クロ。貴方達に訊きたい事があるの」
楯無は真剣なまなざしで自分の部屋で二匹に質問していた。
「なんだなんだ? 俺っち達に恋でも」
「クロ、黙ってろ」
シロの一言でクロは渋々黙った。
「最近、一夏に関する記憶が皆から抜けているの。これはいったいどういう事」
楯無は二匹に質問する。
「……教えてやろう。一夏は」
同時刻、真夏は束に前に調査を依頼した事を聞いていた。
『でねでね! サイレント・ゼフィルスはイギリスから強奪しちゃったのだー!
しかもカスタマイズを色々されてて結構ヤバい能力もあるってさ!』
「そっか……ねえ、束」
『なーに?』
「最近、兄さん……神門一夏に関する記憶が皆の中から無くなってるんだ。
僕が独自に調べたんだけど……兄さんと関わりの少ない人。例を言えば
一年生の他クラスの子、世界の情報……なんかから消えてるんだ。
一体今何が起きてるの?」
『………』
真夏の問いに束は黙りこくった。
「束……お願い、教えてほしいんだ」
真夏の優しい声に束は白状した。
『うん……分かった……神門っていう子が使ってる機体は』
「あいつが俺達を使えば使うほど」
『周りから関わりの薄い人から自分……つまり神門一夏に関する』
「『記憶が消滅していく』」
「ど、どういう事? なんで一夏がISを使えば使うほど記憶が無くなっていくの!?」
楯無は二匹に詰め寄るが二匹は答えようとはせずに開いている窓から飛んでいった。
「な、なんで? と言うよりもそんなこと生物学的にもIS的にもあり得ないんじゃ」
『……まっくん……メモリーはいわば1000の偶然と万の失敗からできた
とても不安定なISなの。だから何が起こるかはまっくんにも私にも分からない』
真夏は力なくヘナヘナと座り込んだ。
「もしも……もしも仮に兄さんに関する記憶が僕らから抜けたら……
誰も兄さんの事覚えていないってなったら……どうなるの」
『……それは私にも分からない。生物学的に記憶は確かに古いものは消えていく。
でも、完全に人の中からある特定の記憶だけ消えるなんてことはあり得ない。
人類的にも、宇宙学的にも初めてなの』
記憶――――――それはこの世のなかで最も大事なもの。
……読んだ人も思ったと思いますがこの小説もとうとう、
現実路線から大幅に外れてしまいました。
少し仮面ライダーに詳しい人だと、『おいおいゼロノスじゃねえぞ』って
思った人もいますよね。すみません。まあ、取り敢えずこのまま最終回までもっていきます。
一応、頭の中に構想はありますので。それでは