インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

37 / 51
第三十五話

キャノンボールファストも無事とは言い難いものの終わり、一年生たちは

友人も増えて、学園生活が楽しいと感じるようになってきた今日この頃。

今日の物語の舞台は今日も平和

「え!? ちょ! 何何!?」

生徒会室で一人で仕事をしていた楯無は突然の爆音と小さな揺れに

驚きのあまり、イスから落ちかけた。

今日も超スーパーウルトラギガマックスウルティメイトに平和な

IS学園の調理室が今回の話のメイン会場である。

「な、何々!? どうしたの!?」

楯無は血相を変えて調理室に入るとそこには何やら真っ黒な

異物が調理室のドアの前に落ちていた。

「な、何これ」

楯無は興味本心でその異物の匂いを嗅いでみた。

「……何故かしら。こんな真っ黒なものからショートケーキの匂いがする」

「……さ、更識」

「お、織斑先生!?」

聞き覚えのある声が自分の名前を呼んだのを聞き、顔を上げてみると

そこにはいつもとは違う服装をした千冬が立っていた。

ブラックのエプロンを着け長い髪が邪魔だったのか箒の様にポニーテールにして垂れ下げている。

逆にあの爆発でよく、そのままの状態でいられるものだ。

「どうかなさったんですか? というより何をなさってたんですか?」

「あ、ああ……そ、そのだな……ま、真夏と一夏に誕生日ケーキを作ってやろうと思ったんだ」

それだけ聞けば弟思いのいいお姉さんなのだが……。

「……それにしてもどうやったら調理室を吹き飛ばすほどの爆発を起こせるんでしょうか」

「……そ、そこでだ更識」

千冬は開き直ってにこにこ笑いながら更識の両肩に手を乗せた。

「料理を教えてくれ」

「……はい」

断るに断れなかったという。

 

 

 

 

 

「という訳で苺ショートケーキを作りましょう!」

後日、楯無は千冬を自宅へと招きいれ台所でエプロンを身につけていた。

作り方の分からない千冬に変わり用意した材料は

スポンジ 生クリーム300cc、砂糖30g 苺 1パック。

シロップに関してはグラニュー糖25g、水50cc

ちなみにスポンジは売ってある奴を使用。

「まずは下準備として苺を一口サイズに斬っていきましょう」

「う、うむ」

――――――ダン!

「……」

千冬は包丁を腕をまっすぐにのばし空高く上げたかと思うと

勢いよく包丁を苺めがけて振り下ろし綺麗に半分に斬った。

台所にはまな板に包丁がものすごい速度で降ろされたという

証拠である音が響いた。

斬ったのは良いが見ている方は非常に怖い。

「では、もう一つ」

「ちょっとタンマ!」

楯無は千冬に包丁の切り方から教え、ようやく普通に切れるようになった。

流石はブリュンヒルデ、一回の説明で全てを理解する。

シロップ用の水を熱し、グラニュー糖を溶かしてから冷ましておく……のだが

「ちょ! 何いきなりマックスの火の量であっためてるんですか!」

「何故だ? 温めるのだから変わりはないだろうに」

(そう! 確かにそうなんだけども!)

楯無は叫びたい衝動を必死に抑えてマックスの半分くらいの火の強さにまで

落として水を熱しグラニュー糖を溶かして冷ました。

「では、次にスポンジを半分に切りましょう」

「う、うむ」

千冬は先程楯無に教えられた方法でスポンジを半分に切るのだが

「ッ!」

「あ! 切っちゃいましたか!?」

千冬の綺麗で細い指から赤い血が少し出ていた。

「大丈夫だ。バンドエイドで十分だ」

「……分かりました。では、次に生クリームにグラニュー糖を

加え角が立つまで泡立てましょう」

「よ、よし!」

千冬は泡立て機で泡だてようとするのだがボウルを抑えるのを忘れていたため

何やら凄い動きをしてボウルはクリームを辺りにぶちまけた。

「………やり直しましょう」

「う、うむ」

千冬の苦難は続く。

 

 

 

 

そしてついに千冬お手製(9割方楯無がヘルプしたもの)が完成した。

「つ、ついに完成したぞ!」

「は、はい~」

楯無の顔は疲労の色が若干見えていた。

「礼を言う更識」

「い、いえ~」

楯無は嬉しそうに二つの小箱を持って帰宅する千冬を眺めながら部屋に入った。

「……私も作ろ」

楯無も付き合っている一夏に誕生日プレゼントを作るため張り切ってケーキを作り始めた。

 

 

 

 

「ただい……なんかいい匂いがする」

帰ってきた一夏は台所に向かうとそこにはエプロンをつけた楯無が

何やら作っている光景が見えた。

(なに作ってんだ? 氷ちゃんは)

一夏はこっそりと近づいていって氷菓に後ろから抱きついた。

「きゃっ! い、一夏!?」

「ああ、なに作ってるの?」

「お、驚かさないでよ! こ、これはその……秘密!」

「教えてくれよ」

「ん!」

一夏は氷菓の耳たぶに息をふっとかけると氷菓は身震いした。

「なあ、教えて? 氷ちゃん」

「ふぅん!」

氷菓は首筋を舐められて一夏に体重を任せるようにして倒れ込んだ。

「ぜ、絶対に教えないんだから! 一夏はお昼寝でもしてなさい!」

赤い顔で一夏にそう言うと氷菓は一夏を無理やり一夏の部屋に押し込んだ。

 

 

 

 

そして日にちが経ち真夏と一夏の誕生日がやってきた。

まずは真夏の様子から。

「「「「誕生日おめでと―――!」」」」

真夏の家にはいつもの専用機持ち達や一組の生徒達が大勢集まっていた。

「ん! この料理美味しい!」

「これ僕の新作なんだけどうかな?」

「うん! めちゃくちゃ美味しいよ!」

一組の委員長さんが大絶賛するミニケーキを他の生徒達も食べると所々から

賞賛の声が聞こえてきた。

「それにしても変わったな、真夏は」

「何が?」

ラウラはボソッと楽しそうにしている真夏を見て隣のシャルに話しかけていた。

「以前よりも人間らしくなったというか」

「うん……なんか前よりも腰が低くなったというか」

2人が視線を前に移すと鈴と真夏がバトっていた。

「あ、ちょっと真夏! あんただけパスタ喰いすぎよ!」

「とったもん勝ちだよ、鈴」

「隙あり!」

鈴は勝ち誇っている真夏から大量にパスタが入っている皿を掻っ攫うと

ズズっと一気にパスタを口のなかに流し込んだ。

「ああぁぁぁぁ! 僕の、僕のパスタがぁぁぁぁぁ!」

「取ったもん勝ちなんでしょ? 真夏君」

「グヌヌヌ! ……喉乾いてるでしょ? 鈴」

そう言って真夏は鈴にお水の入ったコップを手渡した。

「あ、ありがと」

なんの疑いもなしに水を飲んだ瞬間鈴の口の中で大爆発が起きた!

「辛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「アハハハハハハハ! どうだ! 僕の開発した激辛お冷は!」

「み、水ぅ!」

慌てて鈴が水を飲み口の中を癒していく。

賑やかなまま楽しい誕生日会は過ぎていった。

 

 

 

「じゃあね、皆」

夜も遅くなり、もうすぐで日付が変わるという時間帯にパーティーは終了し

全員が学園の寮へと帰っていった。

本来ならば門限が数時間前に設けられているのだが今回は延長願いなるものを

全員が出しており、さらにほとんどの生徒が実家に戻ったりしているので

実質、寮に帰るのはシャルロットや鈴くらいである。

全員が帰ったことを確認すると真夏は家の電話を使い誰かに電話をかけ始めた。

「あ、うん。今終わったよ」

真夏が電話を切った瞬間、家の庭に何かが不時着したかの様な音が鳴り響いた。

「……もう少し静かに着陸してほしいね」

真夏は苦笑いを浮かべながら窓を開けるといきなり兎の耳を

頭につけた女性がタックルするように抱きついてきた。

「まっくーん!」

「ふふ、今日も可愛いよ。束」

そう、真夏の彼女さんである篠之ノ束であった。

「お誕生日おめでとう! まっくん!」

「ありがと、束」

真夏は不意に束の唇にキスをすると束は顔を真っ赤にして顔を緩ませた。

「あ、ちーちゃんから預かりものがあるんだ!」

束は来ている服のポケットから箱を取り出し真夏に渡した。

「何これ?」

「ちーちゃんからのプレゼント!」

「へ~なんだろ……ケーキだ!」

真夏はあの料理下手な姉からショートケーキをくれるなんて思っても

みなかったのかかなり驚いていた。

「ん……うん、美味しい!」

「どれどれ……ほ、本当だ。あのちーちゃんが!あの料理すると爆弾を作るあのちーちゃんが!」

束はかなり驚いていた。

以前、真夏がおなかがすいたというので千冬が料理を作ることになったのだが、

僅か数分で台所からボン! というすさまじい音が聞こえ、近隣の住民に

消防車を呼ばれたくらいである。

「あ、あのね。今年の誕生日プレゼントはね」

束は顔を赤くしながらも服を突然脱いでいき一糸纏わぬ姿になった。

「私だよ♪」

よく見ると首のあたりに軽く赤いひもがチョウチョ結びにして巻かれていた。

「……今日は寝かせない」

真夏は束を姫抱きにして自室へと彼女を連れていった。

 

 

その部屋からは夜が明けて明るくなるまで女性の喘ぎ声が響いていた。




どうも、人の心情描写で自分が抱いているものと
読者の皆様が抱くものとが大きく違い過ぎているようです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。