その日のお昼。真夏と箒を除いた一年生の専用機持ち、そして楯無はメールでアリーナに
来いというメールを受けて集合していた。
楯無は一夏から、一夏は楯無から、簪も楯無から、シャル、ラウラ、箒、鈴、セシリアは
真夏から連絡をそれぞれ受けていた。
「でもいったい誰がこんな事を」
『それは私がしたんだな―――――――!』
突然、アリーナの放送が入ったかと思えば爆音が響き、思わず姿勢を
低くした全員。
一夏はすぐさま顔を上げて砂埃が立っている場所を見ると驚きのあまり、
口が開いたままになってしまった。
一夏が見たもの―――――――それはアームが十本はあるんじゃないかと思うくらいの数、
そして一般的なISよりも五倍は大きいであろう巨体のISらしきものだった。
『ふっふーん! みんなびっくりしているな~? これは私がまっ君の
ゴミを排除するために五年をかけて開発した最強のISなんだぞー!』
よく見るとその最強のISとやらの胸の辺りにコクピットらしき
部分があり、そこに束の姿があった。
「ゴミ……私達のことですか?」
『そうだぞー! 特にまっ君と同じ顔をしたそいつが一番いらないんだー!』
そう言うと、束は十本あるうちの一本のアームを動かし、一夏めがけて
振り下ろすがそれをさせまいと完全展開したラウラが一夏の前に現れ、
AICを使用して振り下ろされてくるアームを停止させた。
「丸腰の一般人にISをぶつけるというのはダメじゃないのか?」
『君邪魔』
冷たい束の声が聞こえると同時にもう一本のアームが横薙ぎに動かされて
ラウラを弾き飛ばそうとするがランスを持った楯無により、腕が防がれた。
「楯無様!」
「一夏は使っちゃダメ!」
一夏はISを展開しようとするが楯無の怒鳴り声で止まった。
「な、何を言っているんですか!」
「貴方が……貴方がISを使うと皆の頭から記憶がなくなるのよ!」
『フッフーン! 君のISは使用すると人智を超えた現象を世界に起こすんだよね~。
その効果は君の記憶が関係の薄い人間から消えていく。これは部分展開でも同じことだよ』
三本目の腕が一夏に振り下ろされたとき、瞬時加速を発動したシャルが
凄まじい速度で一夏を抱えて別の場所へと移動した。
『あーもう! ゴミはゴミらしく消えてろぉぉぉぉぉ!』
「わっ! 皆離れるわよ!」
相手の全身からミサイルが一気に射出され、楯無の一声で全員が一気に
束の傍から離れれるが追尾性能でも付いているのか、一人三つ単位で
追いかけてきた。
シャルにいたっては一夏を抱えているので二人分の六個のミサイルに
追いかけられている。
それぞれ、銃やら武装などで撃ち落とそうとするがミサイルにレーダーでも
搭載されているのか銃をミサイルめがけて撃てばミサイルから迎撃用の
レーザーが放たれる。
「山嵐で」
「ダメよ簪ちゃん! 単一ロックオンシステムじゃ
動きながらのロックオンはやりにくいわ!」
「大丈夫! なんとかやる!」
そう言い、簪は山嵐の稼働を開始、動きながら前方に展開されている
単一ロックオンシステムの画面に指を走らせてミサイルをロックオンしていく。
「簪様! 上です!」
「任せろ!」
一夏の叫びで上を向いた簪の頭上には一基のミサイルが迫っていたが
ラウラが右肩からワイヤーを射出して簪に巻きつけるとそのまま、
ミサイルから離れた位置まで引き寄せた。
「これで最後!」
簪が最後のミサイルにロックをつけた瞬間、総数四十八発のミサイルが
放たれ、束が放ったものと衝突し、全てが大爆発を上げ、さらに
余ったミサイルが束のもとへと向かっていくが四本のアームの指から
細いワイヤーのようなものが出現し、四本の腕がぐちゃぐちゃに動かされると
ワイヤーもグチャグチャに動き、簪の放ったミサイルをみじん切りにした。
「さて、この後はどうするんだ? 生徒会長」
「と言われても倒すしかないでしょ」
こちらの戦力は学園最強の楯無を筆頭に箒と、真夏を除いた一年の専用機持ち、
それに対して相手の戦力は未知数。
操縦しているのはIS発明者の束であるため、いったいどんな凶悪な武器を
隠しているのかすら分からない。
「一夏は外と連絡をしてちょうだい」
「わ、私も戦います!」
「ダメよ……これは命令よ」
楯無はそう言うと一夏は渋々といった様子で後ろに下がり、外との
連絡を試みるために戦場から離脱した。
『だから逃がさないって言ってるんだな――――――――!』
再び相手の全身からミサイルが放たれるがそれと同時に簪が山嵐を
発動させて、全てのミサイルを撃ち落とした。
「二度も同じ技は通用しない」
「じゃ、行こうかしら!」
「クロ! シロ! どうだ!?」
『残念ながら俺たちでは無理だわ』
一夏は外へ出られる出口を必死にあたっていくがそのどれもが中から
開けられない様にシステムでロックされているらしく、押しても引いても
全く開かなかった。
あれだけ騒いでおきながら外からの救援が来ないということはやはり、
あの天才が何かしらをしたのか。
「くそ! まったく開かない! だったら! だぁぁぁ!」
一夏は近くにあった工具で扉を叩くが部屋に金属音が鳴り響くだけで
扉には傷一つつかなかった。
「クロ! 織斑真夏にチャンネルを」
『お前に関する記憶が消えてもか』
「……あぁ、良い。記憶が消えようが存在が消えようが楯無様が
生きていれば俺はそれで良い!」
「それはダメだよ」
もう一度、工具をドアに叩きつけようとしたとき、突然扉が開いた。
それと同時に声も聞こえ、顔を上げるとそこには真夏と箒が立っていた。
「……織斑」
「会長の傍から君が消えるのはダメなんだ……束の暴走は僕が止める」
さあて! 最終章も書きあげちゃうもんね! 今月中には
絶対に完結してやるもんね!