インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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第四十七話

「いけ」

マドカのその一言で六基のビットが射出され、様々な方向からレーザーが放たれ、

タイタンの全身に直撃するが目に見えるダメージは一切なく、タイタンはその歩みを

一切止めない。

「うらぁぁ!」

一夏はシロバットの剣でタイタンを背後から切りつけるも逆に彼の腕に

衝撃が走って若干、痺れてしまった。

直後、タイタンの腕が後ろにまで振るわれてきたのを見て一夏はすぐさま

上空に上がって、マドカの隣にまで退却した。

「流石に鉄とコンクリをボディにしているから固いな」

「一応、あいつが持っている武装はほとんど私が使ったから増えていないと

したら使ってこないと思うよ」

「ミサイルなんかは良いんだよ。問題はあの巨体にあのパワーだ」

タイタンが一夏達を追って一歩、歩みを進めるたびに地響きが鳴り響き、コンクリートの

道路にヒビが無数に入っていく。

それを防ごうと二人が上空へ上がってもタイタンは上を向くだけで上空を

飛ぼうとはしなかった。

恐らく、その巨体を浮かせるほどのエネルギーは残っていないのか、それとも

ワンオフアビリティーの容量がでか過ぎるために基本要素を排除してようやく

発動できたのか。

『グオオォォォ!』

横薙ぎに振るわれてくるタイタンの右腕を二人が上空へ上がって避けると

その拳は近くの高層ビルに直撃し、そのまま腕が振り切られたことによりビルは

そのまま横に倒れて倒壊した。

「どうする。あいつにエネルギーもくそもないと思うぞ」

「……ISの攻撃は鉄やコンクリなんか目じゃないよ」

「だからそれをどうやって」

一夏がそう聞いた直後、七つの青い光がタイタンのボディにめがけて飛んでいき

全てが同じ個所にぶつかるとボロボロと小さな破片が落ち、タイタンの

ボディが見えた。

「なるほど。奴のボディはただ単にコンクリと鉄を体にくっつけたものか」

「そう。だから威力を最大にすればタイタンの本体のボディに」

その瞬間、マドカが開けた穴が瞬く間に閉じていった。

「……再生能力もありか」

「本当にどうしようか」

『そんな時の束さんだよー!』

突然、二人にチャンネルが開かれ耳に甲高い声が響いた。

「……あんたはまだ俺を」

『覚えてるよ~。タイタンのワンオフアビリティーが発動しちゃったみたいだね』

「どうすれば倒せる」

『ひとしきり暴れさせたらいいよ』

束は軽くそう言うがタイタンは一歩動けば、地面に大きな穴をあけるほどの

巨体だ。それがひとしきり暴れれば確実にこのあたり一帯は壊滅するであろう。

『タイタンはその巨体故に莫大な熱量を放出しなければならないわけよ。

でも、今のタイタンは放出口も鉄なんかで覆われているから排出できない。つまり』

「内側からその熱量で溶かすと。ていうか、あんたどこから見ている」

『イエス! 私は天才の束さんだぞ~。どこからでも世界を見れるのだ!

今のタイタンの熱量は崩壊させるまでに至っていない。だからもうひとしきり暴れさせて』

その言葉を最後に連絡は途切れた。

一夏とマドカは互いに顔を見合わせ、ため息をつきながらもタイタンに向かっていく。

マドカは遠距離から狙い、一夏はタイタンの攻撃をよけながらシロバットの剣で

タイタンのボディを切り裂いていく。

「タイタンを動かさずに崩壊させるんだ!」

「わかってる!」

一夏とマドカはすぐさまタイタンから距離をとり、遠距離での攻撃に

切り替えてタイタンのボディに何度も攻撃をぶつけて、その場から動かさない

ように連続で攻撃を当てていくが、突然、クロバットの声が一夏の耳に響いた。

『おいおいおい! 大変だぞ、一夏!』

「どうしたこんな時うぉ!」

一夏はクロバットの声を聞きながらも振るわれてくる、タイタンの

大きな拳を上に上がって避けた。

『人の反応があるぜ! しかもすぐ近くだ!』

「バカな!」

一夏はタイタンに攻撃を与えつつも周囲のビルの窓を見ていくとタイタンから

2メートルほど離れたビルに血を流して倒れている女性とその女性を

泣きながら揺らしている幼い女の子が視界に入った。

(逃げ遅れたのか!)

一夏はタイタンの攻撃を避けつつもあの二人を助け出す方法を考えていく。

「マドカ! あのビルの窓に穴をあけてくれ」

「なんで!?」

「良いから!」

理由が分からないマドカはとりあえず、一夏の言うとおりに一基のビットで

ビルに穴をあけると一夏はそこへ飛び込んだ。

「大丈夫か? すぐにここから」

「兄さん!」

マドカの声が聞こえ、慌てて振り返るとビルを破壊しようとタイタンの

大きな腕が近付いて来ていた。

(……クソ!)

「マドカ!」

「兄さん!」

一夏は二人をマドカめがけて放り投げ、そのままタイタンの大きな

拳に直撃した。

「がっ!」

タイタンの攻撃は絶対防御を破ろうとする勢いで一夏に襲いかかり、

彼の全身には凄まじい衝撃が走った。

一夏は口から血を吐きながらもその衝撃を何とか受け止めたが

すぐに地面に膝をついてしまった。

「げほっ!」

剣を杖代わりに地面に突き刺して体が地面に倒れることは防いだものの

既に先ほどの絶対防御を破ろうとする勢いの衝撃は一夏の全身に響き渡っていた。

突然、ビル全体が大きく揺れだし、一夏がなんとかして天井に穴をあけて

ビルから脱出した瞬間にタイタンの腕がビルを無理やり真っ二つにしながら

振りあげられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄さん! どうして傷を負ってまで」

先ほどの二人を安全な場所にでも置いてきたのかマドカが一夏の傍にやってきた。

「……例え覚えていなくても……俺は助ける。関係がなくても

助けなくちゃ……いけないものだってあるんだ」

例え己の力を発動した度に人の中から自分が消え去っても目の前で

傷ついている人を助ける。一夏が過去に誓ったことだった。

『ガ……ゴガガ』

突然、何かのうめき声のようなものが聞こえ、顔を上げると目の前の

タイタンの右肩の表面が溶け、中が見えていた。

すぐに溶けて穴が開いた部分は修復されるものの所々から煙が噴き出る音が聞こえ、

ガタガタとタイタン自体が震え始めていた。

「直に崩壊するな」

そんなことを言った瞬間、タイタンの全身に小さなあが開き、そこから

ロケットランチャーやらマシンガンなどの重火器が姿を現わし、一夏達めがけて

一気に引き金を引いた!

二人はすぐさま瞬時加速を発動させ、タイタンから距離を取るがタイタンは

無茶苦茶に重火器を発砲しながら地響きを響かしつつ、二人に近づくために

ドシドシと走ってきた。

「マドカ! お前のエネルギーはどのくらいだ!」

「あと八割以上はあるけど」

「それならいい」

「兄さん!?」

一夏は突然、停止したかと思えばタイタンめがけて瞬時加速を発動させ、

鉛の嵐向かって動き出した。

その手には刀身が赤色に光輝いているシロバットの剣と黒いエネルギーを

放出して、刀身に纏わせている黒刀が握られていた。

「っ!」

一夏の視界にミサイルが映った瞬間、突然後ろから青い何本もの

線が走り、ロケットランチャーから放たれる大きめの弾丸を次々に落としていく。

う尻を振り向かずとも一夏はそれが誰なのか分かった。

さらに手に力を入れて二本の剣を握り締め、マドカが撃ち落としきれない

小さな弾丸をその身に受けながらタイタンに向かって突撃していく。

一夏の頭の中には今まで出会ってきた人たちの顔が次々と脳裏をよぎっていく。

今まで育ててくれた千冬、両親、少なからずいた中学の時の知り合い、

更識の従者になってから知り合った本音、虚、簪。そしてこの学園で

出会った四組のメンバーや双子の弟、そして二人の教師……そして

初めて恋愛感情を抱いた楯無。

既に彼らの頭の中には一夏の記憶は消えている。

だが、それでも一夏の頭の中には彼らとの思い出が大量に詰まっている。

「お前に」

一夏は今まで以上に光輝いているシロバットの剣とフリータイムの効果で

凄まじい勢いで黒いエネルギーを噴き出している剣を強く握りしめ、

タイタンに向かっていく。

「行けぇぇぇぇ! 兄さん!」

「俺の思い出を破壊させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

一夏がタイタンのボディに二本の剣を突き刺した瞬間!

黒いエネルギーがタイタンの中に大量に注入され、それを処理しようとする動きが

熱を処理しようとする動きよりも活発になり、処理が間に合わなくなると同時に

赤色の刀身がタイタンを貫通していた。

『g……ガガガガガガガ……g』

タイタンの声がなくなった直後、タイタンが光輝きだし、大爆発を起こし、

広範囲の地形を大きく変えた。




駆け足のように感じた人が多いかもです
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