インフィニットストラトス 光の英雄、闇の英雄   作:kue

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END1

ファントムタスクがIS学園の専用機持ちと戦いを繰り広げてから数年が経った。

既にあの戦いの事後処理はすべて終わり、今は被害を受けた町の復興が

最優先に行われている。

IS学園で起きた爆発による被害は相当だった。

その原因は爆発が起きたのがお昼時であったことにあった。教員の多くは

食堂で注文したものを職員室まで持ち込んで食べていたため当時、在籍していた

教員の実に九割以上が即死した。

残りの一割で生存していたのは僕――――織斑真夏の姉である織斑千冬と

次の授業でISを使用するために副担任と一緒に整備をしていた一年四組の

担任、副担任の二人だけだった。

教員の被害もさることながら生徒の被害もあったがそれは少なかった。

お昼時ということもあり大勢の生徒が食堂という一か所に集まっていたことが

幸いした。

しかし、被害者数がゼロという訳ではなかった。

その日、たまたま食堂に行くのが遅れた生徒が約二十名ほど被害をこうむったが

姉さんがすぐさま救出したことにより、爆発時の爆風で壁に叩きつけられた際の

打撲などの軽傷で済んだ。

しかし、お上はそんな人の被害など気にもしていなかった……いや、むしろ

別のことをかなり気にしていた。

IS学園で爆発が起きた個所はいくつかある。その中には職員室などが

上げられるが重要なのはそこがISを保管していた場所も爆発していたということだ。

ISといえど全ての攻撃に無敵の強さを誇るわけではない。

人が乗ることで初めて無敵の強さを誇るだけであり、人が乗らなければ

重量が凄まじいただの鉄の塊なわけである。

学園が所有していた多くのISはコアごと吹き飛んでおり、修繕は不可能。

少ない数のISは保管庫から出された物のコアがひどく損傷しており修繕は

不可能。日本という国の地位が著しく落ちることが心配された。

本来IS学園はどの国にも下ってはいないが多くの国が責任を日本に

押しつけてきたのである。

『IS学園があるのは日本なのだから日本が責任を取れ』ということだった。

しかし、ここで救世主が現れた。

束である。束がIS製作費を自分で負担し、学園を新たに建設するということを

条件に学園専用のISを制作することとなった。

これに対し、世界は反感を抱くも束の一言で全ての国が黙った。

「だったら全てのISの機能を天才束さんが遠隔操作でとめちゃうぞ♪」

しかし被害を受けた地域の復興が最優先となり、IS学園の再建設は

後回しとなった。

ファントムタスクの目論見も徐々に明らかになってきた。

世界各国から親が居ないなどの理由でヤサグレた者達をファントムタスクに集め、

世界全てのISを破壊し、ファントムタスクが世界の頂点に立つ。

これが表に発表されている目論見だ。実際のところはよく分かっていない。

スコールが戦場で言った

『この世界は汚れた部分が淘汰され、新しく、そして素晴らしい世界が

作られる。ファントムタスクが頂点に立つという素晴らしい世界がね』という

言葉にも僕は疑問を抱いている。

汚れた部分とは何か、そして汚れた部分を淘汰した後に残るものが

ファントムタスクが頂点に立つというものが本当にヴァルキリーなどの

地位を蹴ってまで実現させるほどのものなのか。

彼女は確かにこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ISなんて兵器として使ってなんぼ』

もしも、こう考えているならばファントムタスクが頂点に立ってしまえば

ISを兵器として使う機会など大幅に減ってしまうのではないか?

そんなことをするよりも兵器として使うことを禁止されている今の世界で

暴れた方がよっぽど兵器としての価値が確立されると思う。

そしてもう一つ、謎が残っている。

あの日、束が制作した最強のIS―――――タイタンを破壊した兄さんは

どこへ行ったのかということだった。

タイタンが破壊された瞬間、直径一キロが爆発により壊滅した。

その破壊力は遠くのビルの窓が全て砕け散るほどの威力だ。

まず、タイタンと戦っていた兄さんは助からない――――それが

兄さんの記憶がある人物の中である意見だ。

でも、僕は信じている。

きっと、兄さんはどこかで生きていると。

「まっ君」

「あ、束。調子はどう?」

「うん、上々だよ。もうすぐだね」

「そうだね。後は……姉さんとの仲直りだね」

「うぅ……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの戦いから数年が経過し、ほとんど痛々しい傷跡も町には

見えなくなったある天気の良いお昼。

一組の男女がブラブラと歩いていた。

そこへ一人の女性が男性にぶつかってしまい、手荷物を勢いよく

地面にばら撒いてしまった。

「大丈夫ですか?」

「あ、はい。ぶつかってすみません」

「いえ……ご結婚なされるのですか?」

「へ? なんで」

「幸せいっぱいのオーラが貴方からビンビン感じてきます」

「アハハハ……はい。来週に式を予定しているんです」

「そうですか。お幸せに」

女性の最後の手荷物を男性が手渡しした瞬間、突然女性が男性の顔を

不思議そうに見つめていた。

「……どうかしましたか?」

「い、いえ。何か悲しそうな顔をしていたので」

「そうですか。それでは」

男性はぶつかった女性に別れを告げ、そばにいた女性と再び歩き始めた。

「ホントに泣きそうな顔をしているよ」

「……うるさい。行くぞ」

「うん。ずっと一緒に行こう。“兄さん”」

彼は歩き続ける。

例え愛した人の頭の中から自分のことが抜けたとしても。




さて、一つ目の最終話ですぞ!
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