鶏ちゃんソーラーフェスティバルは架空の催し物です
中津川 THE SOLAR BUDOKANは作中年までず~っと続いている設定です(作中現在2027年4月)
今回は超短いです もしかしたら書き直すかもしれません
まだ雪の降る中、杏子が降り立ったのはJR中津川駅。
名古屋駅発の中央本線快速電車の終点駅である。中津川駅より先は、乗り換えが必要となる為、
早起きした杏子は、うつらうつらしていた。
今日の同行者は恵奈で、
「もうじき着くよ。今、美濃坂本駅出たよ」
「ふぇ……どうせ終点だから、大丈夫だよ」
天然な杏子の発言に、ふふっと笑いながら眺めている恵奈。
杏子は、再びうつらうつらしている。
そうこうしているうちに駅に到着すると、二人は電車を降りた。
駅に降り立つと、早速駅前にある美味しい焼きそば屋に立ち寄る。
駅からちょっと入ったところの、郵便局の隣りにある焼きそば屋さんで、視聴者さんから教えてもらった中華料理店である。
そこでは塩焼きそばが大変人気で、ラー油をかけて食べると、ピリッと辛いものになっている。
残念ながら取材の許可は出なかった為、
「さて。腹ごなしも済んだことだし、行きましょ」
「うん、そうだね」
本来の目的は、中津川で行われる鶏ちゃんフェスティバルの取材である。
ここ中津川は、中津川 THE SOLAR BUDOKANが行われるエコロックフェスの聖地であり、
2013年から行われている、100%太陽光エネルギーで賄われるイベントであり、
鶏ちゃんソーラーフェスティバルも、同じ会場で四月に行われる、100%太陽光エネルギーで賄われる、鶏ちゃん見本市である。
春の鶏ちゃんフェス、夏の中津川 THE SOLAR BUDOKANと、二大エコイベントとなっている。
中津川駅からタクシーに乗って中津川公園にやって来ると、太陽光パネルが立ち並んでいる。
この電力で、鶏ちゃん焼きをしたり、ご飯を炊いたりしている。
視聴者さんの一人が実行委員で、招待してくれたのだった。
視聴者さんは、忙しいのとシャイな為、出演は遠慮されたが、ここの何処かで働いているだろう。
会場にやって来ると、鶏ちゃんのいい匂いで満たされている。
「美味しそう……」
カメラを回し始めた恵奈は、隣でうっとりする杏子を見て、大きな溜め息を吐いた。
こうなった杏子は、もう
「はぁ……」
鶏ちゃんの歴史は、戦前大正期に遡る。
羊毛自給の国策である、「緬羊百万頭計画」で、その羊毛のみならず、羊肉を消費するように考え出されたのがジンギスカンであり、
岐阜県でも、そのようにジンギスカンが盛んだったが、牧羊が途絶えると同時に消滅した。
要するに、
郡上地域では郡上味噌味、飛騨高山中津川北部では醤油味になっている。
他にも、塩味や色んな味の鶏ちゃんが存在している。
鶏ちゃん合衆国なるホームページまであり、岐阜県全域で親しまれている郷土料理である。
会場の屋台では、色々な鶏ちゃん焼き等が出品されており、
隣の市である恵那市の地鶏、『恵那どり』の鶏ちゃんも出品されていて、大盛況である。
大抵、キャベツや玉ねぎと炒めてあり、鶏肉なのでカロリーも少なく、いい事だらけである。
カメラマンに徹している結衣とは違い、杏子と恵奈は自撮り棒を使い、仲良く鶏ちゃんを頬張っている。
少食の恵奈は、すぐにギブアップしているが、恵那どりの鶏ちゃん
『恵那どりを食べる恵奈』と言うテロップを付けようか、とか考えている。
「ねぇ…恵奈」
「なぁに?」
「世の中には、いろいろ美味しいものあるんだね」
そんな幸せそうな笑顔を見ていると、少しふっくらしたことや、ちょっとお肉が摘めることも、許せちゃう恵奈である。
会場を後にすると、中津川駅に戻った。
「ねえ。夕飯に、とりトマ丼食べたい」
「えっと……?」
とりトマ丼とは、下記のレギュレーションに基づく、ローカル料理群である。
1「中津川産の鶏(恵那どり)」を使う事。その他、トマトと米を
2 鶏肉、トマトの調理法は問わないが、どんぶり形式にする事(皿でもよい)。
3 具材は中津川産の鶏、トマト、米の他は自由とするが、食材はなるべく
つまり、店によって味も製法も違う、というものなのだ。
こうして二人は、とりトマ丼の食べ歩きに、夜の街へと消えて行ったのだった。