WeAre MeTuber エナツキ!   作:SAMICO

2 / 13
※注※
鶏ちゃんソーラーフェスティバルは架空の催し物です
中津川 THE SOLAR BUDOKANは作中年までず~っと続いている設定です(作中現在2027年4月)


今回は超短いです もしかしたら書き直すかもしれません



杏子のグルメ~岐阜県全域/鶏ちゃん~

まだ雪の降る中、杏子が降り立ったのはJR中津川駅。

名古屋駅発の中央本線快速電車の終点駅である。中津川駅より先は、乗り換えが必要となる為、

早起きした杏子は、うつらうつらしていた。

今日の同行者は恵奈で、隣にある市(恵那市)が自分の名前に似てるから、と従いて来たのだ。

「もうじき着くよ。今、美濃坂本駅出たよ」

「ふぇ……どうせ終点だから、大丈夫だよ」

天然な杏子の発言に、ふふっと笑いながら眺めている恵奈。

杏子は、再びうつらうつらしている。

そうこうしているうちに駅に到着すると、二人は電車を降りた。

 

 

駅に降り立つと、早速駅前にある美味しい焼きそば屋に立ち寄る。

駅からちょっと入ったところの、郵便局の隣りにある焼きそば屋さんで、視聴者さんから教えてもらった中華料理店である。

そこでは塩焼きそばが大変人気で、ラー油をかけて食べると、ピリッと辛いものになっている。

残念ながら取材の許可は出なかった為、()()()()に早速二人で食べる。

「さて。腹ごなしも済んだことだし、行きましょ」

「うん、そうだね」

 

本来の目的は、中津川で行われる鶏ちゃんフェスティバルの取材である。

ここ中津川は、中津川 THE SOLAR BUDOKANが行われるエコロックフェスの聖地であり、

2013年から行われている、100%太陽光エネルギーで賄われるイベントであり、

鶏ちゃんソーラーフェスティバルも、同じ会場で四月に行われる、100%太陽光エネルギーで賄われる、鶏ちゃん見本市である。

春の鶏ちゃんフェス、夏の中津川 THE SOLAR BUDOKANと、二大エコイベントとなっている。

 

中津川駅からタクシーに乗って中津川公園にやって来ると、太陽光パネルが立ち並んでいる。

この電力で、鶏ちゃん焼きをしたり、ご飯を炊いたりしている。

視聴者さんの一人が実行委員で、招待してくれたのだった。

視聴者さんは、忙しいのとシャイな為、出演は遠慮されたが、ここの何処かで働いているだろう。

 

会場にやって来ると、鶏ちゃんのいい匂いで満たされている。

「美味しそう……」

カメラを回し始めた恵奈は、隣でうっとりする杏子を見て、大きな溜め息を吐いた。

こうなった杏子は、もう()()()()()()()()()()()()のだ。

「はぁ……」

 

鶏ちゃんの歴史は、戦前大正期に遡る。

羊毛自給の国策である、「緬羊百万頭計画」で、その羊毛のみならず、羊肉を消費するように考え出されたのがジンギスカンであり、

岐阜県でも、そのようにジンギスカンが盛んだったが、牧羊が途絶えると同時に消滅した。

要するに、()()()()()()()()()()()()()()である。

郡上地域では郡上味噌味、飛騨高山中津川北部では醤油味になっている。

他にも、塩味や色んな味の鶏ちゃんが存在している。

 

鶏ちゃん合衆国なるホームページまであり、岐阜県全域で親しまれている郷土料理である。

会場の屋台では、色々な鶏ちゃん焼き等が出品されており、

隣の市である恵那市の地鶏、『恵那どり』の鶏ちゃんも出品されていて、大盛況である。

大抵、キャベツや玉ねぎと炒めてあり、鶏肉なのでカロリーも少なく、いい事だらけである。

 

カメラマンに徹している結衣とは違い、杏子と恵奈は自撮り棒を使い、仲良く鶏ちゃんを頬張っている。

少食の恵奈は、すぐにギブアップしているが、恵那どりの鶏ちゃん()()はしっかり食べた。

『恵那どりを食べる恵奈』と言うテロップを付けようか、とか考えている。

「ねぇ…恵奈」

「なぁに?」

「世の中には、いろいろ美味しいものあるんだね」

そんな幸せそうな笑顔を見ていると、少しふっくらしたことや、ちょっとお肉が摘めることも、許せちゃう恵奈である。

 

会場を後にすると、中津川駅に戻った。

「ねえ。夕飯に、とりトマ丼食べたい」

「えっと……?」

 

とりトマ丼とは、下記のレギュレーションに基づく、ローカル料理群である。

1「中津川産の鶏(恵那どり)」を使う事。その他、トマトと米を()()使用する事。

2 鶏肉、トマトの調理法は問わないが、どんぶり形式にする事(皿でもよい)。

3 具材は中津川産の鶏、トマト、米の他は自由とするが、食材はなるべく()()()()()()に拘る事。

 

つまり、店によって味も製法も違う、というものなのだ。

こうして二人は、とりトマ丼の食べ歩きに、夜の街へと消えて行ったのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。