WeAre MeTuber エナツキ!   作:SAMICO

3 / 13
消えたMeTuberを探せ~調査~

消えたMetuberの所持品を、警察に届け出て三ヶ月経過した後、所有権が移り、

恵奈達は、改めて中身を確認することにした。

 

所持品は、三人分共全て()()()()()()()だけで、特に変なものはなかった。

謎の動画は、新井田博士がアカウントハッキングしたものだと判明した為、

なぜ「謎の廃墟がある」か、を知ったのか?

 

「全ては闇のままか」

中身確認も、個人情報に関するものは何もなく、もし消えたMeTuberが現れた場合は、返すつもりだが、

このままでは、()()()()になってしまう。

「根を詰めているようだな?」

ルーデル妖精さんが、恵奈の部屋に置いてある()()()()()から出て来る。

「あ、隊長さん」

「現場調査に行ってみたらどうだね?」

その言葉に、机の横においてある、御蔵島の上陸許可証に目をやる。

 

その週の日曜日。御蔵島探検は、恵奈と美雪と夕張で行われた。それに、()()()()()()の各務原大佐が、軍から派遣された。

()()()第13泊地跡地で合流すると、恵奈が元気よく、

「今日はお願いします!」

「うん、よろしくお願いするよ」

もう既に、カメラは回っており、各務原大佐の事を、「陸軍最強の男」とテロップを付けようかな、等と考えながら、頭を下げると、

裕二も笑顔でそれに答える。()()あってもいいように、()()()()()を派遣してくれたのだ。

 

早速、第13泊地の建物を調べる。

既に廃墟と化していて、主だった物は軍に接収されてしまった為、

裕二が丁寧な説明と共に、ここにはそういう物があった、ここにはこういう物があった、と説明される。

「ここまでで以上かな?それじゃあ、そろそろ帰ろうかな?」

その言葉で恵奈は、裕二が()()()()をしていることに気づいていた。

「裕二おじさん、何か隠してません?可笑しいと思ったんです。護衛に()()()()()なんて」

「………」

「各務原大佐、何か隠してるの!?」

少女二人に詰め寄られると、裕二はしばし逡巡の後、大きな溜め息を吐いた。

「参ったよ、降参だ。僕は、君達を()()()()()()()()()()()よう、命令されていたんだ」

「とある場所?」

その言葉に、今口を濁しても、彼女等はMeTubeへ、アップロードを強行するだろう。

裕二は、大きな溜め息を吐いて語り始めた。

 

「実は、戦艦棲姫を生き埋めにしていたことが、艦娘本部解体時の調査で判明して、その調査も兼ねてたんだ。深海棲艦は全て消えた筈だから、危険ではないんだけど、まあ、ここは立ち入り制限区域ではなかったから、秘密にってことだったんだが……仕方がないか」

「軍の思惑は、カットしますからどうぞ。大佐が止められなかった、ということでどうぞ」

「済まないね、ありがとう」

裕二のお礼に、恵奈も笑顔で、

「我儘聞いてくれて、ありがとうございます。行きましょう」

こうして、深海棲艦の埋められた場所へと向かった。

 

密林の中に、少し人工のようなものがあり、()()()()()()()()()ような建物が存在していた。

「何だろう?この不自然な建物……」

裕二は、他の違和感も感じ取っていた。

「地面の色が違う。夕張さん、簡易地質検査キット持ってますか?」

「え?あ、はい………」

サークル状に、地面の色が違うことに気がついた裕二は、夕張に地質検査キットを使った調査を依頼する。

夕張はすぐに答えると、サークルの外側と内側の地質の、簡易調査を行った。

まず、地質が別のものだということが判明すると、全員に緊張が走る。

「どういうことだ……?」

「まるで、()()()()()()()()()()()()()みたい……」

美雪のその言葉に、全員が美雪を向いた。

「とにかく、この建物を調べて動画にアップして、情報提供を募ろう」

 

まずは、建物の外観を調べる。建築学にも明るい夕張が、

「んー。これは中世に見られた建築様式で、一部現代の技術も取り入れられていますけど、なんか違和感のある建物です。()()()()()()()()()()()()()()()()かのような………」

扉には、武器庫と書かれており、中には弓矢や西洋剣等があり、一部の剣から、夕張は()()を感じていた。

はっと気づいた夕張は、直ぐに船に戻ると、霊子検査機を持ち出す。

深海棲艦の消滅で、大気中や地面の霊子は大幅に減少してしまったが、そのサークル内()()霊子が強力に検出されていた。

「…………はぁっ!」

試しに、艤装を展開させようとすると、艤装は()()()展開できた。だがサークルから離れると、唯一残っていた夕張の艤装も、ボロボロと崩れ落ちてしまった。

「これは……美雪ちゃんの見解が正しいかもしれない。こことどこかが入れ替わったんだ。そしてそのMeTuberは……カメラを持っているメンバーが巻き込まれた。そう考えると辻褄が合う。でもこれは……()()()()で、どうしていいものやら……」

「そうだね」

頭を抱える恵奈に、裕二も困ったように答える。

 

じーっと建物を眺めていると、切り取られた部分の切断面が、()()()()()()ことに気がついていた。

「この建物の切断面、何かで切った形跡が無いってなんだろう、やっぱり空間そのものが、スパッと切れてる感じ……」

「空間ねえ…………」

 

ここで全員が、これ以上の考えが出なくなり、深刻そうに唸り声を上げた。

「取り敢えず、ここは軍で立ち入り禁止区域に設定するから。こちらでも調査を行うから、君達は動画で、情報を募ってもらえないかな?」

軍民協力の、MeTuber捜索プロジェクトが始まった瞬間だった。

 

 

軍は調査官を派遣し、厳密な地質の調査が行われ、ヨーロッパの地質だ、ということを確認した。

恵奈達は、ここまでを編集してから、動画撮りを行う。

 

「はいどうも、恵奈です」

「美雪だよ」

「バリです」

『エナツキです』

いつものように、挨拶から始まる。今日のBGMは、都市伝説用の暗いテーマ曲だ。

「ということでね、都市伝説。消えたMeTuber。荷物を見つけたんだけど、個人情報に繋がるものは何もなくて、誰だったかは判らずじまい」

「それで、調査に行ったんだけど、皆に見てもらおうか」

 

そして先日の動画を放映する。最後に、「解明不能か?」と云うテロップで、幕が閉ざされる。

 

「ということで。もし、何かご存知の方、リプやコメントに連絡をください」

「それじゃあエナツキでした。また明日」

と、挨拶で動画を締める。

 

それをアップした翌日に、あるメンバーを名乗るアカウントから、リプライがあった。

「不可思議動画探偵団の太陽です。二人が謎の塚で消えてしまって、建物が現れたのを目撃しました」

 

こうして、消えたMetuberの謎は、深まっていくばかりだった……

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。