ライバルもいなくなった彼女を止める物は既にいない。
※酸化銅テルミットはマジで大爆発するので絶対にやらないでください
今回はショートショートです。なんとなく夕張がやりそうな鉄球を熱してみたを書きたかったんです。
夕張は、Metubeを巡回して、科学系チャンネルや昔の流行りを見ていた。
そして、とある事を思いついたのだ。
「そうだ、鉄球を
夕張の
ここは、高梨商事の湾岸サーキット近くの、
全員には
一応これも撮影なのだ。
「はいどうもー。バリでぇす」
「恵奈です」
「暁よ」
「美雪だよ!」
『エナツキ科学班でぇっす』
「という訳で、バリさんの実験回でぇす。昔、『鉄球を熱してみた』って動画が流行ったんですけど、皆
夕張の説明にテロップで、『真似
「まずは、艦娘資材の余りの高速建造剤。艦娘粒子を溶解させるのに使って………」
延々と、今更機密でも何でもなくなった艦娘建造法が、早回しで流されていき……
「という訳で、四千度出ます。やってみましょう。よっこらせっと」
砂の上に置かれた鉄球に向かい、火を放っていく。
望遠レンズを使って、アップで撮影された鉄球は、みるみるうちに溶けていき……
溶けていき…………大半が
「………あれ?」
「あのぉ、鉄の沸点
「水に入れて冷やす
「というか、周りの砂も
結局、何度も水をぶっかけて冷やす羽目になった。
海の近くにあるので、水は大量に得られるのだが、
そして出来たのは、大量の
陽気に笑っている夕張に、げんなりする三人。
だが、
「気を取り直して、次の方法をやってみましょう。テルミット法で、水槽の上で、素焼きの容器に酸化金属粉末とアルミニウム粉末をマゼマゼして、長く伸ばした電球のフィラメントで着火する、
そう言いながら、夕張は酸化
安全なように、きちんとアクリル防護壁も用意する念の入れようだ。
四人でアクリル防護壁の後ろに隠れながら、恵奈はふと疑問に思ったことを訊いた。
「あの、
「あ」
言い終わる前に、夕張はスイッチを押していた。
ボウンッ!
大爆発して全てが吹っ飛び、銅色のきのこ雲が立ち上った。
「やっぱり酸化銅だったんですね!?」
「危な過ぎるじゃない!!どこが安全なの!?」
「子供が真似したらどうなるの!?」
三人のお叱りを、きちんと正座で受ける夕張であった。
ただ、おそらく子供は
基本、酸化銅は入手困難な代物で、この物体も軍科学研究所勤務が本業の、
再び装置をセットして、酸化鉄……所謂赤錆・弁柄と呼ばれる粉末と、アルミニウム粉末をセットして鉄球を乗せる。
準備中にやって来た湊社長等が、どうも~とカメラインしたり、賑やかになってきた特設実験場。
テロップで、「この実験は、科学者の監修の元で行っておりますので、真似しないでください」
と、何度も表示している。
皆がアクリル防護壁の裏で見守っている中、四人がカウントダウンを行う。
「3」
「2」
「1」
バシュウン!
爆発的に反応した鉄が、水槽に降り注いで水中で激しく燃焼し、ぶくぶくと海水を沸騰させていく。
水面はどんどん少なくなっていき、ついには蒸発して海水塩となっていった。
そして、水槽に穴を開けて、砂に沈んでいった……
もちろん、鉄粉混じりで綺麗ではなかったが、夕張は満足そうな笑顔を見せていた。
その笑顔を見ると、恵奈達も苦笑いで編集して、アップロードするのだった。
その後夕張は、シンタローおじさんにお叱りを受けたことは言うまでもないが、
反面、若干の苦言も呈されたが、それに対しては恵奈は真摯に回答している。
安全も考え、間違えて
その後もソーラーカー制作等、工業高専に入った恵奈は、メキメキと機械系動画をアップしていくことになるのだが、それはこれからの話である。