WeAre MeTuber エナツキ!   作:SAMICO

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短いです。


これ以降完全不定期更新となります。



恵奈提督と強豪たち

最近、ゲーム「艦隊これくしょん」が大人気である。

世界を救った艦娘達を六隻の艦隊に編成して、全国の強者と戦える艦隊運営シミュレーションゲームである。

 

今までの艦娘データを元に、アーケード・PC・据え置きゲーム機・スマホやタブレットで艦娘カードを集め、練度を上げることで、深海棲艦退治や全国対戦等が楽しめ、

提(・)督(・)気(・)分(・)になれるゲームである。

ベースシステムは、士官学校のシミュレーションである為、元軍人や現役軍人も参加している。

 

このゲームは、階級に応じてマッチングできるシステムとなっており、基本的に同等の強さの提督との対戦が可能なのだ。

そしてこのゲームには、ユーザー層が三つ存在している。

まずはライトユーザーである。少佐から大佐の、所謂佐(・)官(・)リ(・)ー(・)グ(・)で楽しんでいる層である。

次に重課金ユーザーと呼ばれる、カード(建造や開発)ガチャを回したり、レアカードをトレーディングして最強の艦隊を作るユーザーで、これは将(・)官(・)リ(・)ー(・)グ(・)と呼ばれている、全国強豪層である。

そして最後の層は、元(・)軍(・)人(・)・現(・)役(・)軍(・)人(・)勢であり、元(・)提(・)督(・)勢である。大(・)人(・)気(・)な(・)く(・)重課金したり、今までのノウハウを使ったりで、全国トップクラスに位置している。

 

全国には大湊・横須賀・舞鶴・中部・呉・佐世保の6サーバが存在しており、

基本的に、旧(・)艦(・)娘(・)本(・)部(・)の(・)所(・)属(・)エ(・)リ(・)ア(・)の都道府県で区分されている。

もちろん、他のサーバへの遠征対戦も可能である。

 

まず大湊警備府は、比較的ライトユーザーが多い地区である。

ここは、復興の遅れから稼働数が少ないのもある。

 

そして激戦区と呼ばれる、関東エリアの横須賀鎮守府サーバである。

ここには破壊竜(安藤龍)やMiRAI(高梨未来)、更にはヘルズゲートが所属しているサーバである。

普段から他のサーバからの挑戦者が殺到している、一番大きいサーバである。

 

次の激戦区は中部警備府であり、不敗の女神(高梨湊)やTOMO(高天原智子)、更に不屈の抵抗者(高天原智紀)等、中部警備府の元軍人勢がひしめく強豪サーバである。

稼働初年度とあって、数々のエラーを乗り越えて漸く稼働半年を迎えた。

そんな中部警備府サーバに所属しているのが、エナツキの大村恵奈である。

恵奈の編成は、天龍改二を旗艦に龍田改二、それに暁改二、響改二(ヴェールヌイ)、雷改二に超(・)レ(・)ア(・)カ(・)ー(・)ド(・)の恵海改二航である。

階級は少将で、所謂将官リーグで鎬を削っている。

もちろん恵海改二航は、モ(・)チ(・)ー(・)フ(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)艦(・)娘(・)に配布された特(・)別(・)カ(・)ー(・)ド(・)を恵海からもらったもので、

MeTuberの収入でガチャもガンガン回して、それも配信している。

今日も、高梨商事運営のゲームセンターで収録をしている。

 

 

「はいどうもー、エナツキです。恵奈です」

「響だよ」

「今日もゲームセンター配信、ということで、アミューズメントプレイス金城埠頭店のご協力でお送りしております」

「はい、どうも。不(・)敗(・)の(・)女(・)神(・)こと、高梨湊です」

全国ランキング二位にして、各サーバの一位、「司令長官」の不敗の女神こと湊も出演している。

艦これ配信は、このゲ(・)ー(・)マ(・)ー(・)ズ(・)ト(・)リ(・)オ(・)が平日夕方やっているのだ。

平日にも拘わらず、収録日には多くの来場者が詰めかけ、

不敗の女神の直接指導を受けたり、大賑わいである。

「という訳で、今回も横須賀鎮守府に殴り込みをかけに行きましょう!」

 

横須賀鎮守府サーバに接続して、対戦相手をマッチングする。

「げっ」

対戦相手名を見ると、恵奈は嫌な顔をした。

対戦相手名「鉄(・)壁(・)の(・)大(・)垣(・)城(・)」……つまり、大(・)垣(・)守(・)防(・)衛(・)大(・)臣(・)なのだ。

彼も政務の合間を縫って、ゲームセンター通いをしていることで有名である。

また、自身の邸宅にもゲーム設備を整えている。

一線から退いて腕は多少錆びついたものの、その粘り強い用兵で、まさに鉄壁と言わしめている。

ただ、ほとんど遊べない為に、現在は少将にランクされている。

 

「お。これは、珍しい対戦になったね」

響の言葉に、湊も頷く。

「そうですね。鉄壁の重装甲戦艦と大鳳を擁する大垣城にどう立ち向かうか、見ものですね」

大垣の布陣は、大鳳を旗艦に大和、武蔵、長門、陸奥、アイオワのヘビー(重量級)艦隊である。

 

カメラは、一旦対戦画面に向けられて、再び恵奈の手元に移る。もちろん、動画ではライン出力でゲーム画面がポップアップされる予定だ。

 

両者共墳式艦爆がいないので、航空戦が始まる。

装甲空母と、空母付き戦艦では制空権に差がある為、

制空権は相手に取られてしまう。

それでもへこたれずに、恵海改二の強みである、先制魚雷をぶっ放して、旗艦の大鳳に中破判定を与える。

「駆逐艦隊突撃!」

駆逐艦の強み、速さを活かした高速戦術で艦砲をすり抜け、魚雷を撃ち込んでいく。

恵海は足が遅い為、追いかけながら航空機の第二次攻撃を行いつつ、超大和砲で援護射撃をする。

大垣艦隊も、鉄壁の布陣で防御を行い、ダメージコントロールをどんどん使用していく。

「あ、私(・)がやられた」

「これは手痛い。でも、大鳳も炎上してますね」

運悪く、大和の改大和砲を喰らいヴェールヌイが戦線離脱をするも、こちらも大鳳を何とか撃沈判定に追い込んでいく。

 

戦闘時間の残りが差し迫っていき、ゲームセンターの観客による秒読みが開始される。

 

『3!2!1!』

 

ビーッ

 

ゲーム終了の音が鳴ると、判定が出る。

判定、戦術的勝利。

 

一(・)般(・)人(・)勢の元(・)軍(・)人(・)勢への勝利である。

「やったーっ!!!」

恵奈はテンションが上がり、響に抱き着いたり、周囲にハイタッチをしたりしている。

カメラマンの暁は、その様子をカメラで撮している。

 

その後は、皆でワイワイやるのを収録するのが常である。

ここの常連は、皆それを知っててやってくるので問題はない、という訳である。

 

湊が心からの笑顔を浮かべているのを見ていると、ああ戦争が終わったんだ、と実感する恵奈だった。

 

 

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