―舞台裏
こなた「いよいよ本番だぜぇ」
鈴木「おうさ!」
みゆき「みなさん、頑張りましょう!」
水原「行くぜ!」
―客席
つかさ「いよいよだね~。」
かがみ「というかつかさはここにいて良いの?」
つかさ「うん。劇の間はやることが無いから観てて良いんだって~」
かがみ「へぇ」
―ブー
つかさ「ベル鳴ったね。あっ携帯切らなきゃ。お姉ちゃんは大丈夫?」
かがみ「え?あっ、ヤバッ……切ってなかったわ……」
―♪~
ヨシノ(みゆき)・柿本(鈴木)「こんばんは」
柿本(鈴木)「ニュースプラネットの時間です。」
ヨシノ(みゆき)「政治経済、科学に教育、国際問題からご近所の噂話まで、ホットな話題を冷めないうちにお届けします。」
柿本(鈴木)「司会は私、柿本光介と」
ヨシノ(みゆき)「サクラダヨシノです。」
柿本(鈴木)「最後までごゆっくりお楽しみください。」
---
つかさ「ここの音楽、私が選んだんだよ~」ひそひそ
かがみ「へぇー」(何よ、心配するほどじゃないじゃない。ちゃんと演技出来てるじゃん。)
---
サルマル(水原)「はるかさんから聞いたでしょ?僕のこと」
柿本(鈴木)「ちょっとだけ。」
サルマル(水原)「僕は振られた男だけど、はるかさんの幸せを誰よりも願ってるんです。もしかしたら、あなたよりも……」
---
かがみ「水原くんが『僕』ってなんか新鮮ね。」ひそひそ
つかさ「え?そうだね。」ひそひそ
かがみ「にしてもこのサルマルって人、どんだけ未練タラタラなのよ……まぁある意味、似合ってるけど。」ひそひそ
---
柿本(鈴木)「他人の過去をいじくり回して何が面白いんだ!」
サルマル(水原)「……失礼。」スタタタタ
柿本(鈴木)「サルマルさん!」
---
かがみ(わっ、びっくりした!本当にキレてるみたいね。凄いじゃない……。)
---
柿本(鈴木)「もうやめてください!はるかの幸せを誰よりも願っているなら……」
サルマル(水原)「……ささの葉はみ山もさやにさやげども吾は妹おもふ別れ来ぬれば……。」
---
つかさ「お姉ちゃん意味分かる?」ひそひそ
かがみ「気になるなら帰って調べなさい。授業でやったから。」ひそひそ
-
かがみ(いよいよサルマルさんがはるかを奪っちゃったわね……どうなるのかしら)
---
柿本(鈴木)「僕との過去はどうなるんだ!?」
はるか(こなた)「それはもう……どこにもない」
柿本(鈴木)「頭の中にあるだろ?忘れてないだろう?」
はるか(こなた)「忘れるわけないじゃん……3年も一緒に過ごしてきたのよ?」
柿本(鈴木)「それを捨てるつもりなのか?」
はるか(こなた)「捨てるんじゃなくて、なくしてしまったの……」
柿本(鈴木)「サルマルがやったんだ!」
はるか(こなた)「そうかもしれないけど今のあたしには、そうまでしなければならなかったあの人の気持ちがわかるの……」
柿本(鈴木)「僕の気持ちはどうなるんだ!?」
はるか(こなた)「ごめんなさい……でもあなただって、別の誰かと出会わなかったの?」
柿本(鈴木)「出会ったよ」
はるか(こなた)「結婚は?」
柿本(鈴木)「ぎりぎりセーフってところだった。」
---
つかさ「ゆきちゃんかわいそう……」ひそひそ
かがみ「そうね、ヨシノさんは気の毒ね……」ひそひそ
かがみ(男の人って好きじゃなかったらあんな風に捨てちゃうのかな……)
---
ヨシノ(みゆき)「それなら1年だけ戻ったら?結婚する直前に」
柿本(鈴木)「10ヶ月しか戻れないんですよ……」
ヨシノ(みゆき)「10ヶ月しか戻れないのは滞在時間が1時間だからよね?もし1年戻ったら滞在時間は?」
サルマル(水原)「滞在時間は1時間って決まってるんですよ!」
ヤマノウエ(モブ)「トラベラーが迷子になって、2時間や3時間ってのはよくある話です。短くなったって問題は無いでしょう?」
サルマル(水原)「規則は規則だろっ!」
ヨシノ(みゆき)「1000万で1年戻るとしたら、滞在時間は?」
ヤマノウエ(モブ)「きっかり45分!」
ヨシノ(みゆき)「柿本くん……」
柿本(鈴木)「……ヨシノさん」
ヨシノ(みゆき)「成功なんか祈らないからね」
柿本(鈴木)「行ってきます。1年前の3月へ」
---
つかさ「ゆきちゃん切ないね……」ひそひそ
かがみ「……そうね」ひそひそ
つかさ「…お姉ちゃんどうしたの?」ひそひそ
かがみ「何もないわよ」ひそひそ
---
ヤマノウエ(モブ)「わかりました。でも、本当に一言だけですよ?」
柿本(鈴木)「春山はるかさんですね?」
はるか(こなた)「……ええ」
柿本(鈴木)「はじめまして。柿本光介です」
ヤマノウエ(モブ)「さぁ、もういいでしょ?」
柿本(鈴木)「好きでした!会うのは今日が初めてだけど、ずっとずっと好きでした!」
ヤマノウエ(モブ)「柿本さん!」
柿本(鈴木)「僕はただ、あなたと出会いたくて―
ヤマノウエ(モブ)「さぁ!」
はるか(こなた)「あたしのこと、知ってるんですね」
柿本(鈴木)「秋山の黄葉を茂み迷ひぬる―
ヤマノウエ(モブ)「いきますよ!」グイグイ
はるか(こなた)「―妹を求めむ山道知らずも」
---
つかさ「凄いね……本当に恋人さん同士みたい……」ひそひそ
かがみ(問題のシーンはここだったのか……何よ、本当に問題無いじゃない……本気でこなたが好きみたいに見えるわね……)
---
柿本(鈴木)「春山はるかさんですか?」
はるか(こなた)「……ええ。」
柿本(鈴木)「はじめまして、柿本光介です」
はるか(こなた)「初めてじゃありません。1年前にお会いしました」
柿本(鈴木)「覚えてたんですか?」
はるか(こなた)「ええ」
柿本(鈴木)「失礼ですけど、今、結婚してらっしゃいますか?」
はるか(こなた)「いえ」
柿本(鈴木)「しなかったんですか?どうして?」
はるか(こなた)「1度はしようと思ったんです。でも、誰かが待っているような気がして」
柿本(鈴木)「……待っていたんです。1年前から。いや、3年前から。いや、もっともっとずっと前から。あなたに出会うために。」
―パチパチパチパチ
こうしてクラス劇は終幕となりました。
つかさ「すごかったねー私、感動してちょっと泣いちゃった」ウルウル
かがみ「……」
つかさ「…お姉ちゃん?」
かがみ「別に泣いてなんか無いわよ!さっクラスの仕事しなきゃっ。つかさ、また後でね!」
つかさ「……うん。」(いくら何でもハンカチを持ちながら言われてもなぁ……)
この作品には続編がありまして…
そこではるかは若くして亡くなっていることが判明しています…