らき☆べる【Lucky★Bell】   作:あずきシティ

83 / 137
[第83話]映画館

―土曜昼・柊家

 

かがみ「……。」

 

まつり「かがみ、何そわそわしてるの?」

 

かがみ「そわそわなんてしてないわよ!」

 

まつり「ふーん……」

 

―ピンポーン

 

かがみ「あ、はーい!今行きまーす」

 

まつり「もしかして男?」ニヤニヤ

 

かがみ「違っ……わないけど違う!姉さんが考えてるようなことじゃない!」

 

まつり「私が何考えてるかなんて言ったっけ?」ニヤニヤ

 

かがみ「もうっ!うるさいわね!私行くから!」

 

まつり「ハイハイ楽しんでおいでー」

 

つかさ「あれー?今、ピンポン鳴らなかった?」

 

まつり「鳴ったよーかがみが出た。」

 

つかさ「そっかー」

 

まつり「つかさ、かがみに彼氏とかいるっけ?」

 

つかさ「うーん、多分いないと思うけど……どうして?」

 

まつり「なんかすごいウキウキしてたからさー」

 

つかさ「うーん……あ、もしかして……」

 

まつり「え!?何?知ってるの!?イケメン?」

 

つかさ「いや、知らないかなーアハハハ……」

 

まつり「つかさってうそつくの下手だよね」

 

つかさ「え?」

 

 

 

―外

 

鈴木「おっす」

 

かがみ「おーす」

 

鈴木「どっか決めてきたか?」

 

かがみ「いや、全然……」

 

鈴木「そうか、じゃあ映画でも見に行くか。チケット代くらいは俺が出すし」

 

かがみ「え?あ、ありがと……ってもしかして……」

 

鈴木「ん。あの映画館とショッピングモールがくっついてるあそこまで行くぞー」

 

かがみ「歩いて?」

 

鈴木「そう、歩いて。」

 

かがみ「遠くない?」

 

鈴木「遠くないと意味ないぞ?」

 

かがみ「……意外とドSねアンタ……」

 

鈴木「多分、気のせいだ。ほら、早く行かないと映画見れずトンボ帰りになっちゃうぞ」

 

かがみ「いや、歩こうって言い出したのはアンタだからね?」

 

鈴木「ファイト!」

 

 

―映画館

 

鈴木「とりあえずこの映画のチケット2枚……ポップコーンは無しだからな?」

 

かがみ「分かってるわよ!」

 

鈴木「はは冗談冗談」

 

スタッフ「おデートのお客様ですね。」

 

かがみ・鈴木「!」

 

スタッフ「本日、おデートのお客様はカップルデート割でお二人合わせて997円となります♪」

 

鈴木「あ、どうも……ちなみになんで997円なんて中途半端な数字なんですか?」

 

かがみ(気にするのそこ!?)

 

スタッフ「997は素数、だから絶対割れませんよー♪ってことですよ!」

 

鈴木「は、はぁ…なるほど……」

 

スタッフ「はい!お釣りの3円です♪3も素数だから割れませんよ♪」

 

鈴木「ども……」

 

かがみ・鈴木(このスタッフ超うぜぇ!)

 

 

―席

 

かがみ「見事にガラガラね。」

 

鈴木「だな。色々、割引とかあの手この手で努力しないといけないのがよく分かるぜ」

 

かがみ「それはそうとさっきなんでカップルって言われた時に否定しなかったの?」

 

鈴木「ごめん。つい……嫌だったか?今から受付さんに言って誤解を」

 

かがみ「いやいやいやそうじゃなくて……その……アンタは誤解されても良かったの?」

 

鈴木「俺は別に。カップルかどうかは別にして男女が約束して2人で出かけたらデートと思われてもおかしくないなってー」

 

かがみ「ちょっ!?何言ってるのよ!?」

 

鈴木「!!すまん。なんか口が滑った!気にしないでくれ」

 

かがみ(気にするなって言っても気になるじゃない!どういうつもりよ!)

 

鈴木(つい浮かれて余計なこと口走ったなぁ……浮かれて?)

 

かがみ・鈴木(この後、どうしよう……)

 

 

―ブー

 

鈴木「映画……始まるな」

 

かがみ「そ、そうね」

 

―映画終了

 

鈴木「なかなか面白かったな」

 

かがみ「そうね。……とくにアライグマがしゃべりだしたあたりは面白かったわ」

 

鈴木「だなー。」

 

かがみ・鈴木(よし、映画のおかげで気まずさは無くなった!)

 

スタッフ「ありがとうございましたー♪あ、お客様!」

 

かがみ・鈴木(ってまたさっきのスタッフ!?)

 

スタッフ「先程、こちらを渡すのを忘れていました♪」

 

鈴木「えーと……何ですか?」

 

スタッフ「次回以降使えるサービス券3枚綴りです♪こちらも素数だから割れませんよ♪またお2人でお越しください♪」

 

鈴木「はは……どうも……」

 

かがみ・鈴木(このスタッフめ!!)

 

鈴木(しかもこのサービス券、3枚綴りって1枚で1人しか使えないから3人で来るか2人で来た後、1人で来なきゃならねぇじゃん……)

 

スタッフ「ほらほらもさっと立ってないで他のところも遊んでおいで♪」

 

鈴木「は、はぁ……」

 

 

―商業施設

 

鈴木「と、勢いに任せてやってきたがどうする?」

 

かがみ「……」

 

鈴木「まぁ遊んでおいでと言われてもココ、ゲーセンも無いしな……」

 

かがみ「そうね」

 

鈴木「帰るか?このままいるとまたあのスタッフに会いそうな気がするし」

 

かがみ「すごい勘ね」

 

鈴木「なんとなくだよ。まぁ、まったく知り合いでもないし勘違いされてても俺は問題ないと言えば無いんだが」

 

かがみ「ホントに問題ないの?その……アンタの好きな人とかに見られたら……」

 

鈴木「そんな見られたら困る人はいない。かがみこそ誰かにフライデーとかされたらマズいんじゃないか?今さら俺が言うのも何だが……」

 

かがみ「ホントに今さらね。でも大丈夫よ。残念ながら私にもそんな人いないし」

 

鈴木「そうか、意外と言えば意外だがな」

 

かがみ「ちょっと?それどういう意味よ?まさか私が男とっかえひっかえして遊んでそうって意味?」

 

鈴木「いやいや、別にそうは言ってないが……モテそうだとは思うけどな」

 

かがみ「ハァ!?なんでよ?」

 

鈴木「いや、なんとなく。かわいいし。」

 

かがみ「アンタ真顔で何言ってるのよ?」

 

鈴木「すまん。俺でもなんでこんな話になったか分からん。」

 

かがみ「ちょっ!?……もういいわ。帰りましょ」

 

鈴木「だな。この話はまた今度」

 

かがみ(って今度があるんかい……)

 

―帰り道

 

鈴木「そういえばなんでミスコン出るんだっけ?」

 

かがみ「え?」

 

鈴木「多分、自分からエントリーするタイプじゃないだろ?」

 

かがみ「当たり前よ!自分でエントリーするわけないじゃない!日下部が勝手にエントリーしたのよ!」

 

鈴木「あぁ……納得」

 

かがみ「それでエントリー取り消そうと思ったんだけど、参加者が足りなくて仕方なく参加することになったみゆきが私が参加すると聞いてすごい喜んじゃって……」

 

鈴木「確かにそれは断るに断れないな……」

 

かがみ「で、参加することになったのよ」

 

鈴木「まぁ良い機会じゃないか?」

 

かがみ「確かにめったに出来ない経験になりそうだけど……こんなに歩いたダイエットも無いしね。ジョギングとかだと続かなかったりすることもあるからさ……」

 

鈴木「まぁそれもあるけど……こういうのってイベント事って世界が広がったりもするだろ。」

 

かがみ「うーん……そうかもね」

 

鈴木「表舞台に立ってみたらファンが出来たりとかな。どっかの軽音部のベーシストは1年の文化祭でファンクラブまで出来たらしいし」

 

かがみ「そこまでは誰も望んでないわよ!」

 

鈴木「まぁまぁ。でもそれで彼氏が出来たりしてな。」

 

かがみ「そんなミスコン見て決めましたなんて人、こっちから願い下げよ」

 

鈴木「ですよねー。」

 

かがみ「なんか今日おかしくない?いつもと違うわよ?」

 

鈴木「だな。あのスタッフのせいにしよう。うん」

 

かがみ「へー」(ってそれ、私とデートしてることになって浮かれてるって意味!?それとも単に女の子と映画見に行けて満足満足、暇つぶせたってだけなのかしら?)

 

鈴木「どうしたんだ?」(俺、また気に障ること言ったか?からかってくる奴らがいないせいでちょっと話が変な方向に反れたしな……)

 

かがみ「い、いや別に……」(さすがにそれを聞けないわ。後者だったときに……ってなんで私、そんな心配してるのよ!?)

 

鈴木「なら良いんだが……」(やっぱりなんとなく変だよな。とはいえ、これ以上根掘り葉掘り聞けないし……というか俺、なんでそこまで気にしてるんだ!?)

 

かがみ・鈴木(まったく……どうしちゃったのよ<んだ>……私<俺>……)

 

 

―神社の近く

 

鈴木「今日は……お疲れさま」

 

かがみ「あ、うん。お疲れ……」

 

鈴木「多分3日分のノルマは達成してるはず、明日はゆっくり休みを満喫してくれな。」

 

かがみ「うわっホント……もう20キロも歩いてるじゃない……」

 

鈴木「かなりの距離だろ?筋肉痛とかならんように気をつけろよー。今日はサンキューな」

 

かがみ「あ、うん。こちらこそありがとう……」

 

鈴木「じゃっまた月曜ー」

 

かがみ「あ、うん。またねー」

 

 

かがみ(さっき20キロを10キロってさば読んだら鈴木くんは明日も来てくれたりしたのかしら……まぁウソはよくないわよね。彼だって暇じゃないだろうしいつまでも私に付き合ってられないでしょうし……明日は同じような口実でみゆきのとこまで行ってみゆきとデートしたりするのかしら?もしかして私はその予行演習とか?……さすがにそれは無いわよね?……ってあったとしてもそれは鈴木くんの自由か……)

 

 

―夜・かがみの部屋

 

かがみ(なんか変ね……鈴木くんが意味深な発言するから妙に気になっちゃうわよ……)

 

―コンコン

 

かがみ「ん?どーぞ?」

 

―ガチャ

 

つかさ「お姉ちゃん……」

 

かがみ「つかさ?どうしたの?改まって」

 

つかさ「それがね……」

 

まつり「かがみー、つかさから聞いたよ?」

 

かがみ「聞いたって何をよ?」

 

まつり「鈴木くんだっけ?といい感じなんだって?」ニヤニヤ

 

かがみ「ハァ!?ちょっ!?え!?つかさ?何言ったのよ?」

 

つかさ「私はまつりお姉ちゃんが『かがみが仲良くしてる男の子がいるの?』って聞かれたから『鈴木くんと仲は良いみたい』ってだけしか答えてないよ!いい感じなんて言ってないんだけど……」

 

かがみ「似たようなもんじゃない!」

 

つかさ「ごめん……」

 

かがみ「もう、しょうがないなーつかさは……」

 

まつり「で、実際はどうなのよ?」

 

かがみ「どう?って何がよ?言っとくけど付き合ってたりするわけじゃないわよ?」

 

まつり「そりゃそうよねー。かがみに告白する度胸は無いよねー。向こうから言わせないとだめよねー。」

 

かがみ「なんか言い方がムカつく……というかちょっと待て!いつからそういう流れになったんだ!?」

 

まつり「え?違うの?だってよく寝言で『鈴木くんだいすきー』って言ってるじゃん」

 

つかさ「え?さすがにそれは聞いたことないけど……」

 

まつり「あっ、つかさ……」

 

かがみ「そんな見え見えのウソよくつけるわね。姉さんの部屋まで聞こえるような寝言ある訳ないし、姉さんの部屋まで聞こえるのにつかさが聞こえないわけないし」

 

まつり「それはつかさも寝てるから……」

 

かがみ「だいたい、鈴木くんって名前知ったの今の今でしょ?」

 

まつり「あ……」

 

かがみ「まったくもう……」

 

つかさ「で、お姉ちゃん。実際、鈴木くんとはどうなの?」

 

かがみ「ちょっ!?つかさまでその質問してくるの?」

 

つかさ「だってお姉ちゃん、鈴木くんといるとき楽しそうだし……私やこなちゃんといるときも楽しそうだけど、それとは違うような……」

 

かがみ「ちょっと何を言ってるのよ!?全然、違うこと無いわよ!?」

 

つかさ「じゃあ鈴木くんのことはまったく興味ないの?」

 

かがみ「そう……とは言ってないけど鈴木くんは私のことなんとも思ってないんだし」

 

つかさ「それ、鈴木くんから直接聞いた?」

 

かがみ「いや、そういう訳じゃないけど……」

 

つかさ「お姉ちゃん、ネガティブな思い込みは良くないよ?」

 

かがみ「う、うん……」(ってあれ!?いつの間にかつかさに諭されてる!?)

 

まつり「おー、いつも立派な姉のかがみがつかさに押されてるじゃん」

 

かがみ「うるさい!まつり姉さんには言われたくない!」

 

まつり「へー。私には言われたくなくてもつかさに言われるのは平気なんだー?」

 

かがみ「そういう訳じゃない!……けど、あ……これつかさがいるところで言って良いのかしら?」

 

まつり「?」

 

つかさ「何?」

 

かがみ「いや、風の噂で聞いたんだけどね、つかさのことが好きな人がいるとか……」

 

つかさ「あー」

 

まつり「それね」

 

かがみ「え!?知ってるの!?」

 

つかさ「うん。もう1年くらい前から知ってるー」

 

まつり「私は今日聞いて知ったー」

 

かがみ「え゛……何よそれ……もしかして、その……付き合ってたりとか……」

 

つかさ「ううん。付き合ってはないよ~」

 

かがみ「あ、そうなんだ……って言うか誰なのかしら?」

 

つかさ「それは言えないかな……一応、名前は言わないでって言われてるし」

 

かがみ「ふーん……って、えぇ!?それってつまり……」

 

つかさ「告白はされたよ~うん。」

 

かがみ「」ポカーン

 

まつり「つかさ、意外と残酷だよね」

 

つかさ「そう?今の関係が壊れるのも嫌だから付き合えなくても別にいいかもーって言ってたし」

 

まつり「うわー妥協ー。それじゃ告白もしなけりゃいいのにー」

 

つかさ「知っといてはほしかったんだってー」

 

まつり「何それ。つかさみたいにいい子じゃなかったら関係がギクシャクしちゃうの目に見えてるじゃんー」

 

つかさ「ギクシャクしないって信頼があったから伝えたしそういうところも好きだからーって言ってたよ?」

 

まつり「うわーある意味すごいなー」

 

 

 

―学校

 

水原「ハックッシュン!」

 

石橋「どうしたー?」

 

水原「いや、急にくしゃみが……」

 

石橋「ちなみに今日土曜日やねんで?しかも今はもう夜やで?」

 

水原「呼びつけたのは誰ですか?こんな時間まで作業させてるのは誰ですか?」

 

石橋「なんや?なんか文句あるんか?」

 

 

 

―かがみの部屋

 

かがみ(知らなかった……いつも私の後ろにいると思ってたつかさがまさか……)

 

つかさ「お姉ちゃん?」

 

かがみ「え!?え!?何?」

 

つかさ「どうしたの?複雑そうな顔して……」

 

かがみ「いや……」

 

まつり「まさかつかさに先越されて焦ってる!?」

 

つかさ「先は越してないよ~」

 

かがみ「なんでもない。なんでもないわよ……」

 

つかさ「お姉ちゃん、好意を受けて嫌な気分になる男の人はいないらしいから。ちょっとは相手の気持ちより自分の気持ちを素直に考えてみてね?」

 

かがみ「・・・。」

 

つかさ「ふわぁぁぁ……眠たくなってきたし、今日はもう寝ようかな……」

 

まつり「はやっ!?まだ8時半だよ?」

 

つかさ「私、寝るよ……お姉ちゃん、夜遅くにごめんね?」

 

かがみ「いや、いいわよ。おやすみー」

 

つかさ「おやすみー」

 

 

―ガチャ

 

まつり「……えーと、かがみ?」

 

かがみ「何?姉さん」

 

まつり「からかってごめんねー。でも高校の青春は卒業したら取り戻せないから、たまには思い切って行動してみな」

 

かがみ「む。姉さんが言うと薄っぺらく聞こえるな……」

 

まつり「何を!?」

 

かがみ「本心は?」

 

まつり「その人の友達とかで良い人紹介して!」

 

かがみ「だと思ったわよ」笑

 

まつり「あったりまえじゃん」笑

 

かがみ「やれやれ」笑

 

まつり「じゃ、おやすみー」

 

かがみ「あ、うん。姉さん、おやすみ。」

 

 

 

―ガチャ

 

かがみ「……素直にか……。私は鈴木くんのことをどう思ってるんだろ……。」

 

 




らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす」

あきら「さぁ今回も始まりましたー!」

白石「今日は長めですね~」

あきら「1日を1話にするとこーんなに長いんですね!!」

白石「ダラ~っとした感じにはなってきましたけどね」

あきら「それも良さ良さ。あっさり終わるのは面白くない!!」

白石「今後もしばらくお付き合いいただければ」

あきら「と作者から言えといわれたことをいう白石君なのでしたー」

白石「出番のためには必死ですよ」

あきら「ばいにー!!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。