らき☆べる【Lucky★Bell】   作:あずきシティ

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[第94話]結局ヘタレった

―柊家

 

かがみ・つかさ「ただいま~」

 

いのり「おかえり」

 

まつり「遅かったじゃん。もうお腹ぺこぺこだよー」

 

鈴木「お邪魔します」

 

いのり「え?」

 

まつり「お……おう」

 

鈴木「あっ、はじめまして……鈴木と申します」

 

いのり(あっ……)

 

まつり(噂の……ってえぇ!?)

 

つかさ「えっとね、体育館の私の作業を手伝ってくれたお礼に呼んだんだ~」

 

いのり「あっ、そうなんだ……」

 

かがみ「そういうことなの。つかさがせっかくだからって言うし……」

 

まつり「ふーん……まぁゆっくりして行ってよ」(イロイロ話も聞きたいし)

 

鈴木「あ、はい。お邪魔します。」

 

つかさ「あ私、晩御飯の準備するからお姉ちゃんたちと鈴木くんは居間で待ってて」

 

 

 

―柊家 居間

 

鈴木(何だろう、妙に気まずい…)

 

まつり(イロイロ聞きたいけどかがみいるし聞きにくいなー……)

 

かがみ(姉さんたちが変なこと言い出さないか不安だわ……でも自分から何か言って墓穴掘りたくもないわね……)

 

いのり(つかさを手伝えば良かったかな……気まずいし何を話したかは後でまつりから聞けば良かったんだし……)

 

かがみ(いつもこんな静かじゃないのに……鈴木くん気を悪くしないかしら?)

 

鈴木(このまま黙っててもダメだよなぁ……"あの件"関係なく人として……)「あ、あの……」

 

かがみ・いのり・まつり「!?」

 

鈴木「ごめんなさい。自己紹介が遅くなって……鈴木善治と申します。いつも2人にはお世話になっています」

 

いのり「あっ……どうも……」

 

まつり「こちらこそ……」

 

かがみ「うーん……姉さんたちも自己紹介したら?」

 

いのり「あっ……柊いのりです。普段はOLと巫女の手伝いをしています」

 

まつり「柊まつりです。えーと普段は大学生してます」

 

鈴木(なんか事務的な挨拶になってしまったなぁ……)

 

かがみ(姉さんたちがなんでそんな緊張するのよ!?鈴木くんが変に勘ぐったらどうするの!……とは言えないわね……)

 

まつり「えーと、今日はつかさが誘ったんだよね?」

 

鈴木「え?えぇ……」

 

まつり「ってことはもしかして……鈴木くんはつかさのことが好きなの?」

 

かがみ「!?」

 

いのり「え!?ちょっ……?」

 

まつり「前から気になってたんだよね……つかさが好きでつかさに告白までした人がいるらしいって」

 

鈴木「それは俺じゃないですね。」

 

かがみ(ほっ……)

 

まつり「って誰かは知ってるの!?何?誰?どんな人?」

 

かがみ(そういえばその話。つかさから聞いたこと無いし気になるわね……)

 

鈴木「あー知ってますけど……口止めされてるんで言えないですね」

 

かがみ「え?鈴木くん知ってたの!?」

 

鈴木「え?あぁ……ってかがみは分からないか?口止めする意味無いくらいだと思うんだが……」

 

かがみ「うーん……分からないわね……誰かしら?」

 

鈴木「まぁあくまでも俺からは言えないけど……ホントに分からないか?」

 

かがみ「うるさいわね!鈍感で悪かったわよ!」

 

鈴木「あ、ゴメンゴメン。かがみが鈍感だって言いたいわけじゃなくて……ただまぁ本人はかがみにバレるのを怖がってたしなぁ……すまん、俺からは言えないな」

 

かがみ「いや、良いわ。……ごめんね?この話題はもう終わりましょ?」

 

鈴木「だな。不用意にバラすとマズいし」

 

まつり「じゃあさー鈴木くんはどうなの?彼女とかいる?」

 

かがみ「ちょっ!?姉さん!?」

 

まつり「えーだって高校生男子にそんな質問する機会もないしサー」

 

いのり「それはいつもじゃん」

 

まつり「姉さんだって人のことは言えないじゃん!……で、どうなの?」

 

かがみ「鈴木くん、気にしなくて良いわよ?」

 

まつり「そんなこと言ってー。かがみも気になってるクセに」

 

かがみ「そっ、そんなことは……」ゴニョゴニョ

 

まつり「ほらー鈴木くんどうなのよ?」

 

鈴木「まぁ……彼女はいないですね。」

 

いのり「へーそうなんだ」

 

まつり「じゃあさ、私なんてどう?」

 

鈴木「はい?」

 

かがみ「ちょっ!?姉さん!?何言ってるのよ!?」

 

まつり「だって良い人そうだしもったいないじゃんー。」

 

かがみ「そうかもしれないけど……だからって姉さん言って良い冗談と悪い冗談が」

 

まつり「ダメかー?じゃあかがみはどう?ちょっとキツいこと言うけどいい子だよー?」

 

かがみ「姉さんってば!」

 

まつり「だってかがみも鈴木くんが」

 

かがみ「言ってないわよ!……鈴木くん今の忘れて!まつり姉さんはよくノリで変なこと言うだけだから」

 

鈴木「お、おぅ……」(って言われてもさすがに今のを忘れるのは無茶だ)

 

かがみ「もう!鈴木くん迷惑してるじゃない!」

 

鈴木「いや、まぁいいけど……普段から俺の話題してるんですか?」

 

まつり「ん?いやーちょいちょい顔出してくれてるからそれで」

 

鈴木「あぁ……はい」

 

まつり「正直、かがみをどう思ってる?」

 

鈴木(どうしよう……みずりんから言われたことを言ってみるか?)

 

つかさ「お待たせ~。バルサミコ酢~♪風味からあげを作ってみたよ~。お口に合うと嬉しいな……ってみんなどうしたの?」

 

かがみ「どうもしないわ。せっかくだし冷めないうちにはやくいただきましょう。」

 

鈴木「お、そうだな。いただきます。」

 

まつり(核心はつけないまま誤魔化されちゃった……鈴木くんの友達とか紹介してもらいたかったのに……)

 

鈴木(あそこで言えたらなぁ……なんだかんだ俺もヘタレか……)

 

 

 

―玄関

 

鈴木「ありがとう、ごちそうさまでした。」

 

つかさ「どういたしまして~」

 

かがみ「じゃあまた明日ね」

 

鈴木「あぁ、また明日な」

 

つかさ「ばいばーい」

 

 

 

 

―電車内

 

鈴木(俺、柊家で話題になってるのか……?そしてあの発言……あれはまつりさんのイタズラ……とは思うがスルーしてて良かったのだろうか……まぁ時間は巻き戻せ無いし仕方ない……のかな)

 

水原「おー」

 

鈴木「んん?みずりんか?今まで学校で作業だったのか?もう9時だぞ?」

 

水原「んー?今『まで』じゃなくて今『から』だよ」

 

鈴木「は?」

 

水原「いったん学校出て古野家でメシ食ったら遠方組と入れ替わって作業や」

 

鈴木「お……おう、大変だな……」

 

水原「そういうチミはなんでこんな時間に糖武鉄道に乗ってるんや?」

 

鈴木「えーと……寄り道しててだな……というか『チミ』ってなんだ?『チミ』って?」

 

水原「まぁノリで聞いてみただけで何してたかは知ってるんだけどね」

 

鈴木「ほぅ……。で『チミ』呼ばわりか……俺に非があるわけじゃないと思うんだが?」

 

水原「うんナイナイ。だから余計に悔しいのかもしれないね。卑怯な手を使われたわけでもないのに自ずと負けているのが」

 

鈴木「………。」

 

水原「楽しかったか?」

 

鈴木「まぁな……」

 

水原「そうだろうなぁ……楽しいだろうなぁ。あれだけ楽しそうな家族だもんなぁ」

 

鈴木「……なんなんだよ!はっきり言えよ!ネチネチゴチャゴチャ言うなよ!」

 

水原「うらやましいだけだよ!好きな女と飯食ってワイワイしてオマケに私の好きな子から手料理まで作ってもらって!……それで『俺は場の流れに合わせただけ』みたいな雰囲気出してるんじゃねぇよ!クソ野郎!!!恵まれた環境をもっと胸張って楽しんでくれよ!……それができない奴も世の中ゴマンといるんだからさ……」

 

鈴木「……それさー、楽しんでてもお前は良い顔しないよな?」

 

水原「まぁねー。するわけないじゃんHAHAHA」

 

アナウンス「みなさまーお疲れ様です。まもなく糟日部です。本日も糖武鉄道のご乗車ありがとうございました。」

 

 

―プシュー

 

水原「さて……そしたらまた明日な。」

 

鈴木「お、おぅ……」(結局なんなんだよアイツ……)

 

水原「あ、そやそや。後悔はしてからじゃ遅いからな」

 

鈴木(してからじゃ遅いから後悔なんだろ……何が言いたいんだか……)

 

アナウンス「扉が閉まりますー」

 

―プシュー

 

鈴木「まぁみずりんもこんな時間から登校とかで頭おかしくなっただけだろうな。そう思おう……」(にしても俺が何してたか知ってるのは妙な話だな……。なんで知ってるだ?さすがに柊家に盗聴器置いたりはしてないだろうし……)

 

こなた(回想)「真面目にやってればイイことあるよ~」

 

鈴木(あぁ……なるほど。こなたの仕込みで今晩は本当なら俺じゃなくて、みずりんが誘われていたのか……で俺へのあたりがきついと……ほとんど逆恨みじゃねぇか。ただの偶然なのに。それにそんなに本気なら飯食いに帰る時間に柊家に乗り込むくらいしろよ……)

 

水原(回想)「それができない奴も世の中ゴマンといるんだから」

 

鈴木(できないんじゃなくてやらないだけだろ……あ!)

 

水原(回想)「好きな女と飯食ってワイワイして」

 

鈴木(なんかみずりんの中で俺がかがみを好きなのが既成事実になってるじゃねぇか……まぁ否定はできないか……今は無性に寂しい……)

 

 

 

 

―学校・体育館・22時

 

水原「ばんわー」

 

石橋「おぅ、ホンマに来たんか。アホやなぁ」

 

水原「まぁねぇ……というか先生が呼んだのにその言い方ってどうなんですか?」

 

石橋「おっ、パワハラや。俺は傷ついた!」

 

水原「何言ってるんですか……」

 

石橋「まぁでもアホは事実やろ。ホンマは今頃もっとお楽しみタイムやったりするんちゃうの?」

 

水原「へ?」

 

石橋「あれ?泉が言うとったぞ?『久々に良いことしたから成績上げて』って。詳しく聞いたら……」

 

水原「いや、それ以上は良いですわ」

 

石橋「え?何?誰かに横からかっさらわれたん?」

 

水原「えぇまぁそんなところで」

 

石橋「ざまぁwwwwwメシウマwwww」

 

水原「ちっとは気遣いしてくれても」

 

石橋「嫌や、なんで気遣わなあかんねん」

 

水原「ですよねー」

 

石橋「よし、もう10時や。他の奴らは帰らせよか」

 

水原「了解です」

 

 

石橋「高良ー」

 

みゆき「はい、先生。何かご用でしょうか?」

 

石橋「よし、実行委員全員帰れ」

 

みゆき「え?ですが明日はリハーサルですし、今帰ったらステージの建設やあれやこれやが間に合わないのですが……」

 

水原「でも明日からリハーサルとか本チャンとかで実行委さんに倒れられたら困るし」

 

石橋「高良は今から帰ったら家に着くのは何時になる?後は、俺らがなんとかするから今日は帰れ」

 

みゆき「でしたら私は平気ですから他の皆さんは……それに文化祭は生徒のイベントですから先生方にお願いするわけにも」

 

水原「まぁまぁまぁ……そう言わずに今日くらいは」

 

石橋「はっきり言うけどな。高良が帰らんかったら他のみんなも帰れない。それに文化祭は『生徒のイベント』じゃなくて『学校全体のイベント』や。教師だろうが保護者だろうが客だろうが全体で作るもんやろ!?」

 

みゆき「先生……!」

 

石橋「だから、とりあえず今日は帰れ。ええな?」

 

みゆき「はい。……委員会の皆さん、集まってください。今日は……」トコトコ……

 

 

水原「先生たまにカッコいいこと言いますよね。"俺ら"に私が含まれてるのは若干、アレですけど。まぁちゃっちゃと残りの準備をやっちゃいましょうかー」

 

石橋「そうやな。じゃ頑張れよ」

 

水原「はい!……ってアレ?私一人っすか?」

 

石橋「当たり前やん。」

 

水原「文化祭は学校全体のイベントだって……」

 

石橋「おぅ。でも主役は?」

 

水原「……生徒?」

 

石橋「おぅ、そうやな。じゃあお前は?」

 

水原「……生徒です……」

 

石橋「おぅ。じゃあ頑張れよー」スタスタスタスタ……

 

水原「……やられた。良いとこの好感度だけ全部持ってかれた。しかもなんやかんや言って委員会みんな帰ってるし……チクショォォォォ!!!」

 

 

 

 

―シーン……

 

水原「……やるっきゃねぇな……」




-らっきー☆ちゃんねる

あきら「おはらっきー!!!ナビゲーターの小神あきらです!」

白石「アシスタントの白石みのるでーす。よろしくお願いいたします。」

あきら「結局、水原は真相に気づくんですね~」

白石「主人公補正が効かない分、鈍感さも無いんですね」

あきら「やっぱり脇キャラはきついですね~」

白石「しかも夜10時から学校で作業って……」

あきら「ブラック企業並みだね~」

白石「この後、彼どうなるんでしょうね」

あきら「ま、次回は体育館で朝を迎えるところから始まるんじゃない?うまくいけば主人公鈴木善治より出番があるかもよ~」

白石「まぁ……悲しい理由ですけどね」

あきら「ってことで(作中内で)明日はリハーサルだし楽しみですね!」

白石「文化祭本番が近づいてまいりましたねー!」

あきら「さぁ楽しみの時間は近づいてるぞー!!」

白石「おー!!」

あきら「ってことでー」

あきら・白石「ばいにー!!」
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