数日が経過した昼休み、僕はジャージに着替えていた。
どういうわけか。概要を説明しよう。
ある日、奉仕部にとある生徒が訪れた。より正確に言うならば、由比ヶ浜先輩が連れてきたのである。名前は戸塚 彩加。名前からして女のようだし、容姿も完全に女子なのだが、戸塚先輩は男子で、しかもテニス部らしい。運動系の部活には見えなかったぜ……。
そんな彼女……じゃなかった、彼の依頼はこうだ。
自分をテニスで強くしてほしい。そうすれば部員も頑張ってくれると思う。
しかし、奉仕部部長である、あの雪ノ下先輩はその依頼を断った。というか、奉仕部の理念を説明して、強くなるかどうかはわからない、と言ったのだ。まあ、断ってはないな。
そんな雪ノ下先輩に対して、急いで入部届けを手書きで書いて(いや貰ってこいよ)、雪ノ下先輩に提出した(そこは顧問じゃね?)由比ヶ浜先輩は言った。
「ゆきのんとヒッキーとハチならなんとかできるでしょ?」
と。
僕が混ざっていることが疑問でしかなかったが、雪ノ下先輩はそんなこと、気にも留めなかった。それよりも、由比ヶ浜先輩の発言を「できないの?」という挑発にとってしまったのである。
かくして、雪ノ下先輩はやはり依頼を受諾した。変なスイッチを入れてしまった由比ヶ浜先輩には何かしらの罰を与えるべきだと考えるが、まあ、今回も師匠の活躍が見れるのだと思えば赦してやらなくもない。
戸塚先輩の命と引き換えに技術向上を助けるようなレベルの怖さがあった雪ノ下先輩は昼休みに部員を集め、依頼の解決に取り組むこととなった。ぶっちゃけ、それより怖い人知ってるから、怖くなかったが、戸塚先輩は怯えてしまっていた。師匠が守ってくれるのだろう。
ならば、僕もしかとその状況を見届けなければ。
その思いを噛み締めながら、師匠と共に僕はジャージに着替え、テニスコートに向かおうとしていた。
にしても、流石師匠だ。あまり普段は見せないが、全身がそれなりに引き締まっている。腹筋は割れているわけではないが体つきががっしりしていて、憧れてしまう。それに比べると、僕はダメダメだ。体は細く、貧相で、師匠にとても見せられるものではない。
「……お前、なんで恥ずかしがって着替えてるんだよ」
「そ、それは師匠にお見せできるほどの体ではないので」
「へ? い、いやそ、そうか。べ、別に気にしなくてもいいのにな」
師匠の目は泳ぎまくっていた。ベリーベリースイミングである。いや、意味わかんないな、これ。
と、そんなことを言っている暇でもなかった。僕は切り替えて、さっさと着替え、テニスコートに、師匠と共に向かっていった。
僕の学年のジャージは無駄に暗めのレッドで目立つことはないのだが、その壮絶なまでのダサさは折り紙つきで、生徒には大不評で、体育や部活の時間外にこれを好んで着る奴はいない。
周囲が制服であるが故に、僕たちはやたらと目立っていた。
そのせいで、最悪な相手に捕まってしまった。
「ハーッハッッハッハッ八幡」
「高笑いと師匠のお名前を繋げるな僕の目の前に現れるな気安く師匠の名前を呼ぶな今忙しいから失せろの四段攻撃で退場っ」
……が、即時撤退してもらった。
生ゴミ先輩の腹部を全力で殴り、涙目になったところで僕は師匠の手を引く。生ゴミ先輩を師匠が気にする様子が若干あったが、あんなのといてもいいことはない。ってか、あの人、よく僕に恨まれてること分かった上で堂々と顔出せるよな。
思いながらテニスコートに到着した。
× × ×
テニスコートには既に雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩がいた。
雪ノ下先輩は制服のままで、由比ヶ浜先輩だけがジャージに着替えている。
ここで昼食をとっていたのだと思う。棒たちが現れると先輩たちはそのやたらと小さいお弁当箱を手早く片付ける。
尚、僕は彼女に連絡して、すぐに食べれるようなものを作ってもらった。流石、僕の未来の嫁。
「では、始めましょうか」
「よ、よろしくお願いします」
雪ノ下先輩に向かって、戸塚先輩がぺこりと一礼する。
「まず、戸塚くんに致命的に足りていない筋力を上げていきましょう。上腕二頭筋、三角筋、大胸筋、腹筋、腹斜筋、背筋、大腿筋、これらを総合的に鍛えるために腕立て伏せ……とりあえず、死ぬ一歩手前ぐらいまで頑張ってやってみて」
「うわぁ、ゆきのん頭よさげ……え、死ぬ一歩手前?」
「そうですよ、超回復っていうんですけど、ハードなことをやってから二、三日筋肉を休ませたほうが、ハードなことをやり続けるよりも筋肉がつくんですよ。だから死ぬ一歩手前なのかと」
「んな、サイヤ人じゃねぇんだからよ……」
「まぁ、サイヤ人みたいにすぐに筋肉がつくわけじゃないですけどね。とはいえ、基礎代謝をつければエネルギー変換効率も上がりますしやっておいた方がいいという判断なのかと思います」
「そ、そうね」
僕から言葉を奪われたのがショックなのか、少し声を落として雪ノ下先輩が言う。
しかし、女子よりも男子の方がこの手のことに詳しいのはある意味では当然だ。
男にはあるのだ。筋肉をつけたいと思うときが。しかし、中高校生ともなるとジムに通うわけにはいかない。そうなったときに、効率よく筋肉を付け、痩せる方法を調べるのはよくあることなのである。
師匠の場合、そのようなことが身近になかったのだろう。師匠は体引きしまっているからなぁ。
「……?」
「簡単に言うと、生きているだけで痩せていくことになりますね」
由比ヶ浜先輩が戸惑っていたので補足すると、瞳に輝きが増した。うっわ、この人犬っぽい。別に気にするほどの体型じゃないだろうに。
「と、とにかくやってみるね」
「あ、あたしも付き合ってあげる!」
戸塚先輩と由比ヶ浜先輩が腕立て伏せを始めた。僕も、どうせなので便乗することにする。
というか、運動でもしていないと戸塚先輩の優しさによって参加することになった生ゴミ先輩を殴ってしまいそうで仕方ない。……というか、師匠の名前を連呼しながら倒れている生ゴミを拾ってきて、練習に参加させるよう説得するとか、戸塚先輩マジエンジェル。
正直言うなら、今ここに居る中で断トツで可愛いしな。うちの彼女には負けるが。
最終的に師匠と生ゴミ先輩も腕立て伏せをやり始め、それを雪ノ下先輩が見下すという謎の状況の中、練習は続いたのであった。
× × ×
そんなこんなで日々が過ぎ、僕たちのテニスは第二フェイズに突入していた。
かっこよく言ったが、要するに基礎訓練を終えて、いよいよボールとラケットを使っての練習に入ったのだ。
練習をするのが戸塚先輩だけ、というのは戸塚先輩の身が危ない気がしたので今は、鬼教官の指導の下、僕と戸塚先輩で壁打ちをしていた。まあ、戸塚先輩も競争相手がいた方がいいだろう。
テニスをやったことがない僕だが、戸塚先輩の動きを見ることである程度出来るようになった。壁打ちくらいなら誰だってできる。他のメンバーは、基本的に好き勝手に時間を過ごしていた。
雪ノ下先輩は木陰で本を読みながらときどき思い出したように戸塚先輩の様子を見ては檄を飛ばす。……おいおい、しっかりやれよ。
由比ヶ浜先輩は最初こそ戸塚先輩と一緒になって練習に参加していたが、すぐに飽きてほとんどの時間、雪ノ下先輩の近くで寝息を立てていた。ほんと、その姿が犬に被り過ぎてやばい。
生ゴミ先輩は必殺魔球の開発とやらをしている。どんぐり投げたり、ラケットでクレーコートを穿り返したりと迷惑極まりないが依頼者の希望なら仕方ない。
師匠は、というとコートの片隅でアリの観察をなさっていた。様子を見ているだけで実に楽しそうである。何故か、表情をころころ変えていらっしゃるし。
そんなことを考えている間に練習内容の変更の指示が来た。どうやら、コートにボールを投げて、それを相手のコートに返す練習らしい。バレーボールとかでもよくある奴だ。由比ヶ浜先輩がえっちらおっちら運んでいるボールカゴを引き継ぎ、僕が戸塚先輩に投げることにした。
「戸塚先輩! 十五球を目処に僕と役割を交代しましょう。どこに投げれば相手が取りにくいのか、知るのも重要ですから」
「そう、ね。一理あるわ。戸塚くん、日木くんの言うとおりに」
「は、はい」
僕の提案に乗ってくれたようで、よかった。僕も体動かしたいし、何より戸塚先輩の最後の目的は部員全体の技術向上だ。それなら、練習の補助の役割も果たせるようになる必要がある。
「よし、じゃあ交代お願いします」
「う、うん」
「さっき僕がやったみたいに、相手に意地悪するくらいやってください」
「わかった!」
コートをチェンジし、今度は僕がラケットを構えて戸塚先輩のボールを返す。……戸塚先輩のボールっていうと、なんか卑猥だな。
ここで、突然だが先日の体育の話をしよう。
僕は、先日速水と短距離走をしたわけだ。体力がない僕は、走り終えてから倒れたわけなのだが、別に僕は走り負けたわけじゃないのである。
端的に言うと、速水と勝負して、僕は勝ったのである。
では、何故そんなことを今言ったのかというと、得意分野の話をしたいからだ。
「す、すごい……比企谷くんもすごいけど、日木くんもすごいなぁ」
「そんなすごいことじゃないですよ。体力ないんですぐバテますし」
詰まるところ、僕は素早い。テニスのようなものでも、ランダムに飛んでくる球に追いつき、返すのは得意だ。だから、戸塚先輩は僕を褒めてくれる。
しかし、自覚している。僕はそれどまりだ。褒めてくれる、というくらいが限界で、高みを目指すのは難しい。だからこそ、喜ぶことができないのだ。
「それは、僕も同じだよ。今度、お昼一緒に練習したいな」
「まあ、考えておきます。さ、交代です」
言いながら、コートチェンジをする。今の練習でどこに球が投げられると嫌なのか分かったので、もっといやらしく投げていく。
――と、そのとき。
戸塚先輩がずさーっと体勢を崩して転んでしまった。
「うわ、さいちゃんだいじょうぶ!?」
由比ヶ浜先輩がネット際に駆け寄る。戸塚先輩は擦りむいた足を撫でながら、濡れそぼった瞳でにっこり笑い、無事をアピールした。健気な人だ、と思う。
「大丈夫だから、続けて」
だが、それを聞いて雪ノ下先輩は顔を顰めた。
「まだ、やるつもりなの?」
「うん……、みんな付き合ってくれるから、もう少し頑張りたい」
聞いて、僕も顔を顰める。
こんなにいい人に怪我をさせたのは紛れもなく僕だ。僕が性格悪い投げ方をしたからいけない。試合で、あんなところに球がくることないだろってところだったし。
褒められて調子に乗ったのだ。愚かだ。いや、後悔している場合じゃない。自戒するのは一人のときだ。
「雪ノ下先輩、救急箱をお願いしますっ!」
「ええ、そうね。由比ヶ浜さん、日木くん、続けていて構わないわ。戸塚くんも、大丈夫よね?」
「う、うん」
戸塚先輩の返事で、雪ノ下先輩は保健室の方に立ち去っていった。
その代わりに師匠が僕たちの元にやってくる。
「日木、お前は休んでろ。由比ヶ浜じゃ、あれだが俺ならやるから」
「師匠……申し訳ありません。お願いします」
自戒するためにも、磨り減った体力を回復するためにも今は休憩するのが最善手だ。流石師匠、冷静な判断をなさる。
僕はおとなしくコートから出て、座り込んで休憩をした。
師匠が何球か投げていたとき、不意に由比ヶ浜先輩の顔がどこか暗くなった。
「あ、テニスしてんじゃん、テニス!」
きゃぴきゃぴとはしゃぐような声がして、振り返ると葉山先輩と金髪の女子を中心にした一大勢力がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。ちょうど生ゴミ先輩の横を通り過ぎたあたりで、向こうも師匠と由比ヶ浜先輩の存在に気付いたらしい。
「あ……。ユイたちだったんだ……」
金髪女子の隣にいた眼鏡の女子が小声で漏らす。
どうやら彼らは皆、師匠と同じ二年F組のようだ。見るからにリア充なグループで、葉山先輩がいることから考えて、いつもなら速水はいるのだろう。が、速水は今日は体調不良で休んでいる。なので彼らの中で僕を知る者はいない。
だとしたら……万が一のことを考えて、僕は物陰に隠れる。で、とあることの準備を始めた。
「ね、戸塚ー。あーしらもここで遊んでていい?」
「三浦さん、ぼくは別に、遊んでいるわけじゃ、なくて…練習を…」
「え? 何? 聞こえないんだけど」
戸塚先輩の小さすぎる抗弁が聞き取れなかったのか、金髪少女の言葉で戸塚先輩は押し黙ってしまう。どうやら金髪少女は三浦という名前で、お山のボス猿をやっているらしい。なんか面倒だなぁ。
戸塚先輩はなけなしの勇気を搔き集めて再び口を開く。
「れ、練習だから……」
だが、ボス猿はそれを屁とも思わない。
「ふーん、でもさ、部外者混じってるじゃん。てことは別に男テニだけでコート使ってるってわけじゃないんでしょ?」
「そ、それは、そう、だけど……」
「じゃ、別にあたしら使っても良くない? ねぇ、どうなの?」
「……だけど、」
そこまで言ってから戸塚先輩が困ったように師匠を見る。おう、流石分かってらっしゃる。
師匠ならきっとなんとかしてくださる。由比ヶ浜先輩が気まずそうにしているところを見ると、きっと彼女もあのグループにいたのだろう。が、師匠はそんな由比ヶ浜先輩を救った。
ならばこそ、師匠ならなんとかしてくださると期待できる。
「あー、悪いんだけど、このコートは戸塚がお願いして使わしてもらってるもんだから、他の人は無理なんだ」
「は? だからあんた部外者なのに使ってんじゃん」
「え、いや、それは戸塚の練習に付き合ってるだけで、業務委託っつーかアウトソーシングなんだよ」
「はぁ? 何意味わかんないこと言ってんの? キモいんだけど」
刹那、堪忍袋の緒がいとも容易く切れたのは言うまでもない。ダメだわ、このボス猿由比ヶ浜先輩と比にならないくらいゴミだわ。だが、今、出て行くわけにもいかない。僕は最悪な状況を見越して急いで準備をする。
「まぁまぁ、あんまケンカ腰になんないでさ」
葉山先輩がとりなすようにして間に入る。
「ほら、みんなでやったほうが楽しいしさ。そういうことでいいんじゃないの?」
あーあ、やっちゃった。師匠、怒らせちゃった。ボス猿によって撃鉄が起こされ、葉山先輩が引き金を引いた。
後は、うつだけだ。
「みんなって誰だよ……。かーちゃんに『みんな持ってるよぉ!』って物ねだるときに言うみんなかよ……。誰だよそいつら……。友達いないからそんな言い訳使えたことねぇよ」
「撃つ」と「鬱」のダブルミーニング! 奇跡のコラボレーション! 完璧すぎますよ、師匠!?
これはさすがに葉山先輩と言えど、動揺したらしく、
「あ、いや。そういうつもりで言ったわけじゃないんだ。……なんか、ごめんな? その、悩んでるんなら俺でよければ相談乗るからさ」
すごい勢いで師匠を馬鹿にしだした。
葉山先輩はいい人なのだろう。慰めだって取るのなら、思わず「ありがとう…」とか涙ながらに言いそうになってしまった。
けどな。
その程度の安い同情、僕たちにとっちゃ侮辱でしかねぇんだよ。そんな言葉一つで誰かの悩みが解決できるなら、そもそも悩みゃしねーんだよ。
「……葉山、お前の優しさは嬉しい。お前の性格がいいのはよくわかった、そしてサッカー部のエースだ。その上、お顔までよろしいじゃないですか。さぞや女性におモテになられるんでしょうな!」
「い、いきなりなんだよ……」
突然のヨイショに葉山先輩が明らかな動揺を示す。ふん、せいぜい師匠に讃えられいい気になるがいい。今なら、師匠の仰りたいことが分かるぞ、僕には。
なぜ人が人を褒めると思う? それはな、さらなる高みに持ち上げることで足元を掬いやすくし、高所から叩き落すためなんだっ! 僕自身、何度も経験してるからな、これの強烈さは分かるんだよっ!
これを人は褒め殺しと呼ぶ。
「そんないろいろともっていて優れてるお前が、何も持っていない俺からさらにテニスコートまで奪う気なの? 人として恥ずかしいと思わないの?」
「そのとおりだっ! 葉山某! 貴様のしていることは人倫に悖る最低の行動だ! 侵略だ!復讐するは我にありっ!」
いつの間にか生ゴミ先輩が寄ってきて、師匠の隣で怪気炎をあげる。
「ふ、二人そろうと卑屈さと鬱陶しさが倍増する……」
師匠の横で由比ヶ浜先輩が絶句する。僕も同感だ。この状況に於いてのみは、生ゴミ先輩の援護射撃はでかい。
何故ならトップカーストの葉山先輩は二対一という状況で自然に退散することができるからだ。彼は頭をがしがしと搔いてからため息をついた。
「んー、まぁそうかぁ……」
師匠と僕の口元から思わず邪悪な笑みがこぼれてしまう。流石だ、師匠。この状況で真面目に交渉するべきはボス猿ではないのだ、とすぐに察知したのだから。これなら、最悪の場合はありえないかもしれない。
「ねー、ちょっと隼人!」
気だるげな声が脇から滑り込んできた。
「何だらだらやってんの? あーし、テニスしたいんだけど」
ほんと、ボス猿邪魔だなぁ。脳細胞、曲がってるんじゃねぇの? その髪も曲がってるしさ。話の流れちゃんと追えよ。お前みたいな奴がアクセルとブレーキを間違えて踏むんだよ。
実際、ボス猿はアクセルとブレーキを間違えていた。
その言葉のせいで葉山先輩に考える余裕を生んだ。
「んー。あ、じゃこうしよう。部外者同士で勝負。勝ったほうが今後昼休みにテニスコートを使えるってことで。もちろん、戸塚の練習にも付き合う。強い奴と練習したほうが戸塚のためにもあんるし。みんな楽しめる」
はぁ、結局トップカーストってどいつもこいつも馬鹿なんだな。
「テニス勝負? ……なにそれ、超楽しそう」
ボス猿が炎の女王特有の獰猛な笑みを浮かべる。
その瞬間、わっと取り巻きの連中が沸き立つ。男三人に女子一人。女子一人以外はどいつもこいつもバカにしか見えない。
第三フェイズに突入した瞬間であった。
かっこよく言ったが、まぁ要するにテニスコートを賭けて勝負、である。
しかしながら、僕は嫌な予感がしてならない。だからこそ、僕は用意をしていたのだが、できればそれはやりたくない。
最悪の展開がこないように、僕は祈った。
ごめんなさい、キリが悪くて遅くなりました。
本日は二度、投稿しますのでご容赦を。