【死んだと思ったら】ブラックに来てしまった【刀剣男士?!】   作:午後ティー好き

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みさき様の#審神者会議襲撃戦をかいてみました。

問題あるようならすぐさま消します。

相変わらずの書きたいところだけ書いたチラ裏クオリティなのでお暇な方どうぞ。




審神者会議襲撃戦をかいてみました

 

 

時の政府本館第三会議室。

 

審神者会議。

定期的に行われているらしいそれの為にゴリ……ランカーから中堅どころまで幅広く召集された審神者達がここには集っていた。

僕の主も今回呼ばれた一人。

審神者から本丸襲撃を受けて政府職員となり、そこからまた元ブラック本丸に就任したという異色ともいえる経歴によるものだろうか。それとも難しいと言われる元ブラック本丸の引き継ぎを成功させ、僕ら刀剣男士をまとめ上げている主の手腕を買われてのものだろうか。

後者なら嬉しいと思う。

 

会場となったここはもはや会議室というよりはクラシックコンサート等に使われる大型のホールとでも言ったほうが納得できそうな規模だった。

 

事前にメールで送付された資料によると召集された審神者は500人弱程だったと記憶している。

そこに審神者一人につき護衛の刀剣男士が二振り、その他政府職員。

うーん。ざっと2000くらいいるのかな?

壮観というか。とても人(一部付喪)がいる。

前世は人混みがめちゃくちゃ嫌いだった。

こうして雪守次家になった今は嫌いではないけれど、主の近くに不特定多数の人間やら付喪神がいるのは警護の面から落ち着かないなあと思うので理由は違えどやっぱり人混みに向いてない。

僕は偵察も得意ではないし。

 

遅れを取るつもりはないけれど、その辺の護衛だとかが得意なのは短刀だから。

広いとはいえ色々と物が置いてある室内だし、いくつか宙に投影されているディスプレイたちを見やすくするためか薄暗いし。

 

それにしても。

 

メールでこの会議の知らせを受けてから付き纏う嫌な予感が消えない。

単なる杞憂であってはくれないだろうかと目を伏せて、政府本館に本丸所属の刀が立ち入るときに施されるという術式により抜けなくなった本体を撫でる。

 

何が起きてもいいように、心構えだけはしておきたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名家やら上層部やら柵の多い人間たちのつまらない見栄の張り合い蹴落とし合いを主共々手持ち無沙汰に見守っていれば、張り巡らせた意識になにかが引っかかった。

 

「主、持ってて」

 

「雪守?どうしたの」

 

「長谷部さん、主をお願い」

 

「おい!ゆき!」

 

 

 

なにか起こる。いや、来るか。

とても良くないことが。

あーあ、予感が的中してしまったよ。

 

僕の本体を護符代わりに主に預けてそこそこ早い機動に物を言わせて走り出す。

 

机やら席の背もたれの上部分やらを足のふみ場にとんとんひょいひょい駆け抜けて、目的を目指す。人も付喪神も踏んでないから許してほしいな。

目立っている気がするとか会議中とかどうでもいいよね。

ぶっちゃけこれから起こるやばいことで滅茶苦茶になって全て有耶無耶になるから大丈夫な気がする。

 

うんうん、変な術の気配がするお前だね。

何する気なのかな?

走りながら政府職員に見えるナニカに向けて中指と人差し指を揃えてすっと一線。

 

 

誤魔化しの術を僕に破られたソイツはたちまち見慣れた異形の骨、遡行軍短刀の姿になり周りが騒然とするがそれどころじゃない!

ソイツが咥える刀に括り付けられた札を見て咄嗟に蹴りかかったが、遅かった。

 

蹴りが届く前に札に込められた怪しげな術が完成して空間が無理矢理開く音がする。

差し詰めそれは僕らが出陣で使うゲート。

敵短刀は蹴りが上手く入ったのか一撃で折れたが術は止まらない。

それはそうだ。術者はあいつじゃない。

嫌な予感がして距離を取れば。

 

ぱっかり空いた『門』からわらわらと出てくる遡行軍。

 

はー!やってらんない!!

 

 

 

 

パニックに陥った審神者達の悲鳴やら怒号、刀剣男士の主を落ち着かせようとする声が聞こえる中。

それに追い打ちをかけるように今更異変を察知したのかけたたましく叫び散らすアラート。

空間が揺らいで隔離されるような気配。

あ、多分ここの部屋ロックされたわ。これ。

非常事態用の封鎖システムってやつ?

これで解除コードが入力されるまではこの部屋から出られないしあちらからも入れない。

壁壊して解決するなら楽だったんだけどな。

 

審神者を逃がすこともできない空間的に孤立したこの会議室に遡行軍だけ無限湧きとかきっつい。

 

 

あー。これ、支部で読んだことあるやつ。

 

 

審神者会議襲撃戦じゃないか。

ううん、油断したなあ。

 

主達が避難できないし僕らは抜刀できないとなると僕らは圧倒的に不利。

時間は掛けてられない。早急に政府から抜刀許可ぶん取らないと。

いや、外部との連絡が取れないことも考えて遡行軍が出てきている『門』の破壊を優先したほうがいいかな。

 

しかも遡行軍が出てきたせいか穢れが広がってくるのを感じる。ますますよくない。

気休め程度だけど主に本体を預けていて良かった。

長谷部さんもいるし主は大丈夫。

 

 

んじゃあ僕は僕の仕事をしようか。

 

よしよし。日々の鍛錬を活かして魅せようかな。

伊達にいつも踊り狂ってないよ。なんてね。

 

ブリティッシュスーツでバッチリ決めた同位体がこちらに駆けてきて、そのままの勢いで現れた遡行軍の槍を蹴りではね上げ、上段回し蹴りからのかかと落としでへし折った。

かく言う僕も貫手で目潰しした遡行軍の大太刀から大太刀(ややボロ)をパチってぶん回しているんだけどね。

うーん!使いづらい!!!

切れ味悪いなあ。もはや鈍器。

いやあ刀装も使えないし本体も抜けないのって本当に不便だ。

 

なまくらで攻撃を受けたりいなしつつ、蹴りやら拾った瓦礫で攻めるスタイルで戦う。

 

瓦礫やら石はいいよ。手軽に手に入るし、殴ってよし投げてよしのお手頃武器だからね。

この部屋に同位体はあと二振り。

あとはちょっと気配がごちゃごちゃでよく分からない。

審神者一人につき二振り連れてるもんね。

偵察が低いって???

僕は普通です!周りが高すぎるんだよ!

 

おおう。椅子をぶん回すみっちゃんだ。

かっこいい。振り回してるのがパイプ椅子なのにとっても伊達男。ハリウッドかな?

 

相手の強さ的には体感にはなるけれど阿津賀志山あたりだと思う。なかなかしんどいな。

 

主は、と目を向けると他の本丸の短刀や脇差達が審神者達を上手く守りながら一箇所に集めてくれているようでとても戦いやすい。

さっすが!極短刀もいる!よっしゃ!!!

まだ実装されたばかりな為かここには五振りしかいないみたいだけど心強い!

 

防衛に残った刀剣もいるし、打ち漏らしも結界を張れる子達で防いでいるようだけどなかなかにしんどそうなのでジリ貧になる前に一つ手を打つことにしよう。

近くで戦っていた同位体もそう思ったようでアイコンタクトを一つ。

 

うん!楽でいいね!

 

持っていた大太刀をぶん投げてへし折りタゲられた分は倒してから、自慢の隠蔽をフル活用して空気に溶け込んで、隠密。

敵と味方入り乱れる所をすり抜けて、誰にも気取られずに主たちの元へ。

 

主は僕がなぜそんなことをするのかは分からないようだったが、僕の本体をしっかりと抱いていてくれていた。

よしよし。

 

既に張られている結界を壊さないように、主に抱かれて既に中にある僕の本体を上手いこと使って補助となるように結界術を発動させる。

結界に外から干渉するのは難しいからね。

 

 

一番外側に足癖が悪い同位体の汎用結界、二番目に僕の対物理特化、三番目に審神者達の防衛に残って瓦礫を投げまくる同位体の対術式特化、四番目に結界の中で負傷者の治療に当たる同位体の浄化特化。

人の子の結界を覆うように上から四重に張る。

結界の中が清浄な気に満ちたのか、協力して結界を張っていた他所の審神者達がゆるゆると息を吐いた。

 

これでよし。

あとは抜刀許可が降りるまでの耐久戦。

 

「「「「さあ!作戦通りに行こう!」」」」

 

は、ハモリ〜!!!!

同位体すげえ。

 

てか言っておいてなんだけど僕の作戦て作戦B(各自好きに動け)なんだけど。え?違うの?

 

 

 

 

普段の戦装束ではないスーツで本体を使えないのにも関わらず獅子奮迅の闘いぶりを見せる刀剣男士、控えめに言ってめちゃくちゃかっこいい。

こんな時に不謹慎かもしれないがめちゃくちゃ美しい。

本当にやばい。かっこいい。語彙が死ぬ。

 

「ええー……やばくない?みんなカッコよすぎない??名刀で業物過ぎない?監視カメラの映像後で貰えないかなあ」

 

あらかた負傷した審神者達の手当ても終わって、今度は簡易手入れセットで傷ついた自身の刀剣達の手入れをする審神者達を手伝いながらそんなことを呟いている同位体が彼の主らしい審神者に全部口から出てるなんてツッこまれている。

 

わかりみが深いけど僕らのイメージに関わるので心の中だけで同意しておく。

 

あとは抜刀許可なんだよねえ。

倒しても倒しても肝心の『門』が開いたまんまだからいくらでも湧いてきてしまって埒が明かない。

本体が抜けさえすればあのくらいはスッパリと楽々切れるのに丸腰ではちと厳しいのが現状で。

敵さんも用心したのかあの術式だけ無駄に硬いこって。

 

結界を張った時に、試しに呼びかけてみたらウチのこんのすけが来てくれたから、時間の問題とは思うんだけど。

 

まだ誰も死んでないし折れてないけどさあ。

重傷も何振りかは出てしまっているし、簡易手入れには限界がある。

 

「このままが続くと良くないよね」

 

はぁと息をひとつ吐いて拾った鉄パイプを握り直した。

打撃武器も悪くない。

まあ刀と重心とか握り方その他諸々が違うから豆できたりするんだけどね。そもそも殴る用の物じゃないし。

丈夫で切れ味もクソもないから連続コンボが決めやすい所は嫌いじゃないよ。

一番はやっぱり刀だけどね!

とりあえず『門』から出てきた早い槍はへし折る。脇差もへし折るし強そうな短刀もへし折るよ。うわ、苦無まで出たよ!へし折る!

リスキルっぽいけどゲームじゃないので問題なし。あ、リスポーンではないか。なんていうんだろこれ。まあいいか。

 

めんどくさいやつから倒すのは定石じゃない?

室内だから大太刀とかは倒しやすいけど小回りが効くやつは野放しにすると厄介だし槍は先にやっとかないと。

人の身体に対する攻撃だけじゃなく本体をへし折れば倒せるのは僕らも遡行軍も共通だからそこは分かりやすくていいよね。

刀装が使えないから、回避重視でヒットアンドアウェイを繰り返す。

 

そうしている間にも足癖が悪いというか足技が得意らしい同位体が見事な足運びと体捌きで攻撃をするすると避けながら凶悪としか言えない蹴りで遡行軍を屠っていく。

あの蹴りの威力やばくないかな?

大太刀の頭を蹴り飛ばしてたよ?

控えめに言って蹴りで首が飛ぶのやばくない??なんで???

脇差打撃ワーストワンどこにいった???

能力亜種なの??

僕は絶対無理。回避はともかくあの蹴りは出せない。

 

というか、さっきから空手なのか合気道なのかテコンドーなのかムエタイなのか躰道なのかキックボクシングなのかシステマなのかはっきりして???

さてはあっちこっちから齧って自己流に落とし込んでるね?

まあ僕も少しはやってるけどそこまで雑食にやらないよ。流石に。

僕は合気道ほんの少しとダンスのステップとパルクールと空手ちょこっとだけだよ?

あとはマジで自己流の剣舞と神楽舞くらいだからシンプルシンプル。

 

 

てかさっきから歌ってるだろ。瓦礫を投げまくってる同位体。君だよ君。

いやめっちゃ上手いしかっこいいし術と絡めてあるのか力が湧いてくるの本当にすごいと思うよ?

この疲労まで禊がれる感じはまさに鼓舞。

でもさあリズムに動きが釣られるしなんかゲームのボス戦みたいな気分になってくるんだけど。

まあその辺は何とかするけどさ。

てか君見えてないっぽいじゃない???

音とか気配頼りに投げてるんだろうに音増やして大丈夫なの???

なんでこんな混戦乱戦で百発百中でフレンドリーファイアゼロなの???

僕無理だよ?飛び道具そこまで得意じゃないもの。

そして、君だよ。おいこら、さっき監視カメラ映像欲しがってた同位体!デュエットしない!しかもカラオケ音源を流すな!立体音響ていうの?

スピーカーどうなってるの?わりと戦闘音うるさいし離れてるのにめっちゃよく聞こえるんだけど。

ついでとばかりにデュエットする声に術を乗せて瓦礫を投げまくる同位体の術を強化すな!ゲーム風に言うとバフを激盛りしてる感じ。

やば。重ね合い方が天才とかそんなんじゃないよ。

しかもこいつ他にも支援術式使ってる気配がするんだけど???

なんなの???

術式特化なの???

 

いっそ怖い。

いやもうなんなんだこいつら。

器用とか器用じゃないとかそんなレベルじゃないよ。しかも結界を維持しながらなんて無理無理。普通は無理。

少なくとも僕は無理だから!戦いながら自分の担当の結界を制御するだけで手一杯だから!

その上他の術式も展開するとか頭おかしいよ!!!

 

 

 

こうしてみると僕って振り幅やばいな。

 

四振りしかここにいないのに

体術強化型な僕

ノーマルな僕

投石強化(言霊使い?)型な僕

術式特化な僕

 

みたいなラインナップでしょ?

 

さにちゃんでアンジャッ●ュが起こるわけだ。

 

うーん控えめに言って振り幅が広すぎる。

 

性格とかはあんまり変わんないみたいなんだけどね。

能力的な個体差がやばい。

本霊がなあ。一定の分霊作るのあんまり得意じゃないからなあ。

あと周りの影響受けやすいから、僕ら。染まるって言うのかな。そんな感じ。

 

しかたないね。

 

あとは逸話が残ったり残らなかったりまちまちなせいかもとは本霊が自分で言ってたな。

まあ色々あったもんね刃生。

 

ははは。

 

 

 

 

戦い始めてどれくらいたっただろうか。

いつもの戦装束ではなく、刀も抜けない。

刀装も使えない。

いったい何体の歴史修正主義者を屠っただろう。

悲報の里脳死周回よりは多分マシだけどさあ。

 

 

 

頭が痛い。

左目に埋め込まれた呪具の後遺症か度々酷い頭痛に悩まされてきたけれど、戦闘中にくるのははじめてだ。

そんなことは無いと分かっているが、頭が今にも弾けて割れてしまいそうな気がする。

左目は開けていられなくてとっくに閉じている。

ぜえぜえと荒い自分の呼吸がうるさい。

狂ったように上がる心拍数も吹き出る冷や汗も顔と首筋に貼り付く髪もうざったい。

脇腹が攣りそうというか多分攣った。すごく痛い。

視界が霞んできて少し困る。今片方しかないのに。

 

確実な赤疲労はともかく、傷はそこまで深くない。

せいぜい重傷よりの中傷。

なのに、手も足も酷く重くて自分がまるでなまくらになったみたいだ。バフもらってるのになあ。うーん、僕の貧弱ぅ。

 

結界を維持しながらヒットアンドアウェイはなかなかにキツいものがある。

 

左手に握った鉄パイプを握りしめてまた出てきた高速槍に殴りかかる。硬いなあ!もう!おりゃ!

バキンと折った感触。

手に伝わる反動にぶつ、とまた豆が潰れたが手放す訳にはいかない。

 

いくら頑張っても酸素が足りなくて口をだらしなく開けて肩で息をしている始末。

動きにもキレが無くなってきて、頬やら耳やら右腕やらに浅い傷が増えていく。

まだ致命傷は負っていないが時間の問題かもしれない。

動けなくなったら終わりだ。

 

背後からの奇襲を防いでくれている足技が得意な同位体も先程中傷になった。

お互いの死角を補いながら変則的な背中合わせのような感じで戦っているけれどなかなかしんどそうだ。

僕も他刀のことは言えないけどひゅーひゅーと苦しそうな息が聞こえる。

 

一旦これは下がるべき、だね。

悔しいけどこのままじゃ折れる。

 

幸い戦況は拮抗しているし、実装したばかりの極短刀が此方に遊撃に来てくれているから潮時っちゃ潮時なんだよね。

 

当初は審神者達の護衛をしていたようだが、結界の強度や戦況を見て加勢に来てくれたようだ。

気配で察するに誰かは分からないが極短刀二振りが結界の外の防衛の援護にあたっているようだから、あちらも大丈夫だろう。

各自遊撃して前線を支えてくれているのは極の五虎退、平野、乱の三振り。

 

 

ちょうど他の本丸所属の極めた平野が近くにいたので一度下がることを伝えると快く引き受けてくれたので同位体と共に一度主の元に戻る。

 

演練でも見ていたが、やはり極短刀はすごい。

さすがゲームでぶっ壊れ性能とか言われていただけはある。

頭おかしいくらい早くて一撃がものすごく重い。

僕もそのうち修行に出るのだろうか。

 

消えるのが先か極めるのが先か。

それは誰にも分からないけど、僕は主のために変わってみたいと思う。

 

 

 

重傷の刀剣は結界の中に撤退してくれている様で術式特化の同位体が忙しそうに手入れの補助やらなんやらをしていた。

主は重傷よりの中傷で一時撤退してきた僕を見て泣きそうになりながらも手入れしてくれた。

清浄な主の霊力に触れてほっと息をついた。

あーきもちいい。清められて身体が軽くなった気がするし頭痛もかなりやわらいだ。

あの異常な疲労やら息苦しさは穢れのせいかあ。納得。

 

長谷部さんは防衛に加わるために結界を出たらしい。

 

聞くと主の護衛の為結界内に残っていた刀剣達も戻った刀剣が増えるにつれ加勢する為に最低限を残し打って出たようだ。

 

携帯用手入れセットではせいぜい軽傷よりの中傷くらいまでしか手入れ出来ない。

霊力の消耗も激しいからそうそう何回もは使えないし、そもそも持ち歩いていた審神者がそれほどおらずセットの数が少ないためになかなか面倒みたい。同位体がんばれ。

 

だから結界内には破壊は免れたものの、動けない刀剣がごろごろ転がされているし、無理やり前線に戻ろうとしたのか顕現を解かれて審神者に本体を抱きしめるように拘束されている刀剣もちらほら。

 

これは終わった後の審神者達というか僕らの主のメンタルケアが大変そうだ。

このお人は過去に多くを失ったから。

他の主達は知らないけど……まあ平穏に生きてきただろう彼らにはキツかろうて。

今でこそ重傷多数ではあれど誰も折れてはいないし、審神者達も結界から出ていないから最初の混乱で負った傷と精神的疲労と霊力の消耗くらいで済んでいるけれど。

審神者があの穢れを食らったら命に関わると思うし、そうなるとなかなかきっついな。

しかもだんだん負傷者が増えてきて前線への負担がやばいし。

なんとかしたいところだけど、結界を維持してる以上僕らの一振りでも気を失ったり折れたら最悪の場合審神者達が穢れにやられて総崩れだもんね。困ったな。

 

今前線で軽傷中傷でも粘っているのはやはり生存が高めな太刀や大太刀、それから打刀。

脇差や極めていない短刀はやはり一撃でもまともに喰らえば中傷やら重傷になってしまうからなかなか難しい。

 

 

 

 

 

……にしてもまだ抜刀許可は下りないのかあ。

 

主がくれた一口団子(疲労回復用のやつ。どこにもってたんだろう???)をもっちもっちと噛み締めながら遠い目になってしまうのも仕方ないと思う。

 

疲労がマシになったし大きな傷をある程度塞いでもらったのはいいけど多分もう前線には戻してもらえないよね。これ。どうしようかな。

 

 

……いやほんとどんだけかかってるんだよ。

大雑把に襲撃から四時間はたったよ?

 

結界もまだ持つだろうしなんとか持たせてみせるけれどあと半日と言われると僕は自信がない。

 

そして何よりも主たち審神者の限界が近い。

体力的にも精神的にも物資的にも。まずいな。

彼らが一人でも倒れたりすれば浮足立つし士気の大幅な低下は免れない。

それでなくとも、主たる審神者の心が折れてしまえば僕らはひとたまりもない。

それだけ主というのは重い存在だ。

 

そして同時に刀剣は彼らにとって特別な存在で心の支えだ。

 

その相互関係は契約と絆で強く繋がったもの。

この絶望的な今だけはただの主従関係ならどれだけよかったかと思うくらいに。

彼らは僕らを深く深く愛して大事にしてくれている。

それこそこんな状況で一振りでも折れたら。

きっと心が折れてしまうくらいに。

 

彼らは僕らを、主は僕をあいしてくれている。

 

折れてでも護りたいと思う心に偽りなどない。

多分ここにいる刀剣皆そうだと思う。

主のために戦って、主を護って折れる。

それが刀剣、僕らの誇りだから。

 

悲しませたいわけじゃない。

傷つけたいわけじゃない。

それも本心。

でも、きっと泣いてくれるだろうと思ってしまう。

 

それを思い浮かべてどこか喜ばしく思う僕はまさしくひとでなし、かな。

まあ刀なんだけど。

 

 

 

 

 

 

いや、本当にどれだけ会議が踊り狂ったらこうなるのか。

まだ踊り足りないの!ってか?おん???

 

それならこっちも踊ってみようかな。

前線に戻らないなら主も許してくれそうだし。

 

ワンチャン僕が神気を使って踊ったら浄化とか鼓舞にならない?あとは何も知らん上層部がびびってくれないかな。多分だけど術式か何かでここを覗いてそうな気配を感じるから。

あとはね、政府からの謎な指名バイトで元ブラック本丸っぽいところで踊り狂うことがあるんだけど、三時間くらい曲を変え振りを変え衣装を取っかえ引っ変えして踊りまくったあと毎回職員さんにめっちゃ感謝されるんだよね。何故か穢れも祓えてるみたいだしさ。

んーそれなら結界が解かれてしまっても主達への影響を少しでも抑えられるか。

 

そう考えると割とアリだね。

 

今回はできれば神楽にしたいところなんだけどね……装備も何もないから難しい。

できるところまででやるしかない。

 

神楽鈴がないし本体も依然として抜けないから主に扇を借りた。

雅楽もないし舞台もない。

周りも瓦礫だの何だのが転がってて良いステージとは言い難い。

衣装もオーダーメイドとはいえ戦闘でボロボロになったスーツ。

僕自身全体的に煤汚れて、怪我もしているからとてもじゃないが綺麗とは言えない。

少しだけしてきた化粧も汗やら返り血やらで思い切り崩れてひどい有様だろう。

 

でも、やらない理由にはならない。

 

 

 

 

 

主が大切にしてくれている扇君によろしくね、とひとなでして、結界の外に出る。

中だと狭くて危ないからね。

何も知らされていない防衛担当の刀剣達がぎょっとするが百発百中の同位体が上手く制してくれて邪魔は入らずそれどころか舞のスペースを確保してくれた。

BGMは……お?合わせてくれるっぽいな。

流石同位体。ありがたい。

 

 

 

 

 

目を閉じて、すぅと一呼吸。

 

全てが透き通っていくこの感覚。

 

場を己のものとして支配する、そんな感じ。

 

魅せて、清めて、守る。

 

僕は祈る。

 

開放した神気で風が起こり、頬を撫でて行く。

 

よし。

 

 

構えからゆるりと動いて、踏み出す。

 

動きにあわせて扇君についた鈴が歌う。

 

あとは本能の告げるままに。

 

僕は舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扇をすっと閉じて肩で息をする。

団子食べてても流石にしんどい。

舞ってる時は無我夢中だからよくても終わるとどっとくるよね。疲労が。

また目が霞んできたし、耳鳴りまでしてきたんだけど。

神気使ったからなんだけどいやぁやばい。

頭痛が悪化して立てなくなる前になんとかしないと。

 

「こんのすけ」

 

「はいっ!雪守様!大変お待たせいたしました!抜刀許可でございます!!!

《パスワードを入力します》」

 

よっしゃ!そろそろかなと思ってたんだ!

 

反撃開始だね!

 

それにしてもこんのすけってば、やけにぼろぼろになってるからあとで歌仙さんに協力してもらっておいなりさんとお揚げの甘辛煮を作ろうかな。

頑張ったみたいだし。

脳内にメモメモ。

 

 

……意気揚々と本体を取りに戻る途中で瓦礫に躓いて他の本丸の物吉君と鯰尾君に助けてもらったんだけど、主だけには見られたくなかった。

バッチリ目撃されていて本当に折れたい。

あとクッソ笑ってるそこの同位体どもは許さない。特にそこの術式特化のお前。

あとで蹴り飛ばす。

 

戦況も巻き返したことだしこのまま『門』をぶっ壊しに洒落込みたいところ。

結界は維持したままいきたいので本体の代わりに髪留めでいいかな。よし。

 

借りていた扇君を主に返して、本体を受け取って走り出す。

髪留めは扇君と一緒に渡した。

僕は他の同位体と違ってそこまで術が得意じゃないからさ。持っててくれないと守れないからしっかり持っててね?

 

後ろから主の呼ぶ声がする。

ごめんね。

 

こればっかりは他の子たちにさせるわけにはいかないんだ。

 

僕なら大丈夫だから。

ちゃんとあなたのもとに帰るよ。

待っていて。

 

 

 

『門』からはまだ絶え間なく遡行軍がわいていた。

途中で術式特化と合流したが他二振りは先に到着していたらしい。

うーんやっぱり、考えることは同じってやつ?

それはそうか。

だって僕らは『雪守次家』だもんね。

 

湧き続ける敵を斬り捨てて『門』の周りを等間隔で四角形になるように囲む。

 

そして、同時に本体で一閃。

 

確かな手応え。

硝子の砕けるような儚い音を立てて『門』を開いていた術式が斬られて消える。

それと同時に振りぬいた僕らの本体にピシ、と嫌な音を立てて亀裂が入り、連動して身体にもザックリと裂傷が入った。

やっぱりか。この手の術式なら仕込みの一つや二つあると思ったんだよね。

四振りで一気にやってよかった。

一振りでやっていたら跳ね返ってきたダメージで折れていたかもしれない。

うはあ、穢れもすごいな。この術。

一体何をどうしたらここまで恨み辛みがべっとりこびりつくのか。

いくら付喪神とて妖怪よりの個体なら触れただけで一発闇落ちアウトじゃないかな。これ。

神様よりでもきっと大ダメージで最悪の場合刀解騒ぎとかになりそうなレベル。

 

全くたちの悪いものを仕掛けたものだよ。

 

さて、あとは残った敵を殲滅するだけ。

 

でもまあ、流石に僕らもボロボロもいいところで僕は左足、体術特化は右腕、百発百中は左腕と胸のあたり、術式特化は右足と脇腹がザックリばっくりやられてしまったので退場かな。

 

多分四振り仲良く重傷生存一桁台てやつ。

ただし、僕と体術強化は九とか八で残り二振りは三とか二とかそういう感じかな。

僕も抜刀許可と同時に解禁された金の盾兵二つ展開してるのにダメージ貫通してきたからね?

やばくない?

壊れてないからまだ使えるのが幸いだけど。

この有様だよ。

立っていることすらできずに膝をつき、苦痛と疲労にぜえぜえと息をつきながら、情けなくも納刀した自分の本体を立てて支えにする始末。

しかも出血が酷くて目の前がチカチカしてきた。

まずいな。これは、落ちる。

 

気を失うのはまずい。

結界が解けてしまう。

穢れはある程度払ったけれど残党がまだいるのに。

 

同位体たちもとてもじゃないがもう戦える状態じゃない。周りに他の刀剣男士がいるものの、今はまだ目の前の敵を倒すだけで精一杯のようできっと救援は望めない。

気絶は気合でなんとかするとして僕ら四振りとも戦えないお荷物になってしまった以上防衛役のいる主達のところまで戻らないと。

 

そんなときに限って敵が接近してくるもので。

 

遡行軍・太刀。

 

僕の索敵的にはそれほど強い相手ではない。

練度で言えば僕の圧勝でいつもなら歯牙にもかけず一撃で刀装ごと切り捨ててしまえる敵。

 

立てもしない僕らを見てニタニタと嘲笑いながらこちらに向かってくる。

まるで逃げられない獲物を見るように。

身構える暇もなく大きく振りかぶる、その鈍らでも今の僕らを折ることなど容易い。

僕の盾兵で受けられて後二撃。

 

……ここで、折れるのか。

 

 

 

いや、動けるとか動けないとか関係ない。

 

あの人を守り抜くって決めただろ。

 

僕はいずれ消えるけど。

 

今できることをやるって誓ったじゃないか。

 

足が動かないくらい、なんだっていうんだ。

 

戦うための僕だろ!!

 

かぁんと音を立てて盾兵が一撃を受け止めた。

 

その瞬間。

 

突如湧き上がる熱。

勢いのまま霊力と神気を放出。

右足だけで強く踏み込んで抜刀、一閃。

 

「攻撃は最大のっ!防御ってねえっ!!!」

 

真剣必殺。

 

熱い。血がたぎる。

 

これが、そうなのか。

 

 

 

 

そんな高揚も敵を切り捨てたそのままの勢いで地面に叩きつけられるまで。

 

本当に折れたかと思った。

 

冗談抜きに心鉄まで響いた衝撃と痛み。

 

どうやら振りぬいた格好から無意識に本体だけはと肩から落ちて身体の右側を床やら瓦礫で擦られながら無様にズザザと着地したらしい。

すごい、本体僕手放してない。奇跡。

スラックスで守られている腰から下はともかく、腕やら頭から腹にかけてはひどい有様な気がする。特に顔。すごく痛いし。

というか、一瞬意識が飛んでいたみたい。

 

呻きながらようやく身体を起こそうとすると僕の本丸の長谷部さんが助け起こしてくれて、そのままいつもの片腕抱っこに落ち着いた。

どうやら回収のために駆けつけてくれたらしい。

うわ、すごく怒ってる気配がする。

これは帰ったら主と長谷部さんからのお説教は間違いない。平野くんと小夜くんの追加もあり得る。

だって納刀してくれた僕の本体返してくれない。

 

 

見れば他の同位体も同じ本丸の刀剣男士が回収に来たようで大人しく抱きあげられたり担ぎ上げられたりしている。

赤疲労、重傷とくれば流石の僕らもぐったりと動けない。

さっきのは火事場の馬鹿力ってやつだよ。うん。

後処理とかもろもろは他の刀剣男士にお願いするしかないね。

 

本体?スーツに合わせて長谷部さんが着けてる剣帯に差されてるよ。定員一振りなのに二振り突っ込むからぎゅうぎゅうだけど。

国宝へし切長谷部のすぐ隣に雪守次家。

差し方がちょっと大小みたいな感じで嬉しいとかないから!!!

 

 

 

そのまま僕は長谷タク(主命名)により、開放された政府の手入れ部屋に担ぎ込まれた所で力尽きて顕現が解けてしまい、阿鼻叫喚の騒ぎになったらしいのは本当に申し訳ないと思っている。

 

とてもじゃないが疲れて寝落ちただけなんだとは言えなかった。

 

そして、ギャン泣きする主にめちゃくちゃポンポンされたらしい。

 

ごめんて。

 

 

 

 

 

 

 

回復後三日も眠り続けたらしい僕は案の定めちゃくちゃ叱られたし揉みくちゃにされた。

 

同位体ネットワークの脳内掲示板を覗いてみるとよくやった派ともうちょい体力配分考えろ派、僕はあんなことできないんだが?!!派にだいたい別れてて笑った。

僕ら本当に振り幅でっかいから。

もはや全員亜種みたいなところあるよね。

 

ちなみにおいなりさんと甘辛煮はめっちゃ作った。

こんのすけは大喜びで大成功。

でっかい狐と本体が寡黙な狐も釣れた。

可愛い奴らめ。

 

 

あ、ちなみに術式特化は政府刀剣鍛錬用の施設を借りてボッコボコにしたよ。

本体なし、術なし、道具なし、仕込みなしの体術オンリーで許可が下りたから素手でね。

まあ途中で体術特化と政府所属の国広の、同じ部署の同田貫さんやらなんなら腕自慢が乱入した為にバトルロイヤルもといただの乱闘になったわけだけど。

いやあ楽しかったけど疲れたよね。

 

 

 

 

 

 

途中でなんかちゃうなってなったからボツしたルート

 

一旦主のところに戻って少しでも手入れしてもらう?

否、今ここで僕が下がれば負傷者が増えるし最悪の場合拮抗している戦線が崩壊する。

まあ本当にやばくなったら主が持たせてくれたお守り極を使うしかない。

主にも長谷部さんにも皆にもめっちゃくちゃ怒られると思うけど審神者達の命には代えられない。

但しお守りを使うとはいえ一度折れてしまえば僕の構築した結界は崩れる。そうなったら重なるように張ってある結界も揺らいでしまうから本当に奥の手だ。

 

背後からの奇襲を防いでくれている足技が得意な同位体も先程中傷になった。

お互いの死角を補いながら変則的な背中合わせのような感じで戦っているけれどなかなかしんどそうだ。

僕も他刀のことは言えないけど。

 

全く倒しても倒しても湧いてくるから体力の前に心が折れないかが心配になってくる。

優秀な審神者ほど負け戦を知らないしギリギリの持久戦になることもそうはないだろう。

まあ戦う方の刀剣男士は名剣名刀揃いだから大丈夫は大丈夫だと思うんだけどさ。

重傷になったら結界の中に撤退してくれている様だし。

主の護衛の為結界内に残った刀剣も戻った刀剣と入れ替わるように此方に加勢してくれるからなんとかもっている。

 

終わった後の審神者達というか僕らの主のメンタルケアが大変そうだ。

あのお人は過去に多くを失ったから。他は知らないけどさ。

今でこそ重傷多数ではあれど誰も折れてはいないし、審神者達も結界から出ていないから霊力の消耗くらいで済んでいるけれど。

誰か一振でも折れたら、総崩れになる。

そんな予感がするんだよね。

いやあきっついな。

 

今前線で軽傷中傷でも粘っているのはやはり生存が高めな太刀や大太刀、それから打刀。

脇差、極めていない短刀はやはり一撃でもまともに喰らえば中傷やら重傷になってしまうからなかなか難しいものがある。

 

極めた短刀もまだ実装されたばかりな為かここには五振りしかいないようだ。

めちゃくちゃ強いけど。

いやすごい。

めちゃくちゃ早くて一撃がものすごく重い。

当初は審神者達の護衛をしていたようだが、結界の強度や戦況を見て加勢に来てくれたのだが、本当にすごい。

さすがぶっ壊れ性能とか言われるだけはある。

五振りの極短刀たちの内二振りが結界の外の防衛の援護にあたり、三振りが各自遊撃しながら前線を支えてくれている。

 

だけどいかんせん敵が倒しても倒しても一向に減らない。ほぼほぼ無限湧き状態だからね。

戦況をひっくり返すまでには至らないな。

本体さえ抜ければこんな敵楽々と殲滅出来るはずなんだが本当に辛い。

 

こんな時に自分の身が悔しい。

ここにいたのが、僕じゃなくて。

 

僕の写しとして打たれて、僕を超えてくれたあの子。

鈴鳴次直だったら、なんて。

やっぱり僕は弱い。

 

だから、僕は誰も。

 

いや駄目だ。戦闘中に弱気になったらいけない。

不安は伝播する。士気を下げてはいけない。

考えるな。考えるな。息をしろ。

思考を回せ。導き出せ。最善を。最良を。

敵を見ろ。一体でも多く屠れ。

 

主の為に戦うために今いるんだろ!!

 

守り抜くって決めただろ。

 

僕はいずれ消えるけど。

 

今できることをやるって誓ったじゃないか。

 

意地でも抗ってやる。

 

 

 

 

そして今のBGMが戦闘音混じりのI be● youなのほんと解せない!!!

同位体おいこら!!!

 

 

 

 

 

 

なんてシリアルにしようとしてみるものの。

困ったな。

手汗かなにかで握りしめたバールのようなものが滑る。

 

余裕があれば布とかそのへんで固定できるんだけど無理か。

 

そもそも余裕があっても無理か。さっき右腕を肘から先の途中できり飛ばされてしまったんだった。

 

共に戦っていた同位体も他の刀剣を庇い折れかけて彼の本丸の仲間らしい刀剣に回収されていった。

 

一度拭おうにも離したらもう握れない気がするからそのままいくしかない。

左手の感覚が遠い。思い切り握っているつもりだけれど今にもすっぽ抜けてしまいそうだ。

足元を執拗に狙ってくる敵短刀を蹴り飛ばし、勢いよく向かってくる敵槍をカウンターの要領でへし折る。

 

さて次の敵、とバールのようなものを構え直そうと所で何かが、視界の端で何かが動いた。

振り返って咄嗟にバールのようなもので受けようとしたが、間に合わず。

あ。と思う間もなく鈍い音を立ててバールのようなものはどこかにぶっ飛ばされた。

手が痺れるほどの衝撃。

 

体勢を崩された、がら空きの身体。

 

全てがスローモーションのように見える中、僕は敵打刀の接近に気づかなかったのだと、ようやく理解した。

 

ああ、これはもう。

 

折られる。

 

ごめんね。主。

 

お守りで復活、できるといいんだけど。

 

 

 

 

一陣の風が吹く。

 

「圧し斬るッ!!!」

 

どんっと何かにぶつかられたと思ったらすごいスピードで運ばれている、らしい。

 

ふわり、と鼻先を擽るのは血と藤の香り。

 

ああ、抜刀許可が下りたんだね。

 

「……はせべさ、ん」

 

「今は喋るな!意識をしっかり持て!」

 

「ぼく、の……ほんたい」

 

「大丈夫だすぐ主が手入れしてくださる!ゆき!持ちこたえろっ!!」

 

「ぅ……ちが……あれ、こわさ…ぃと」

 

満足に持ち上がりもしない左手で『門』を指さそうとするも長谷部さんは止まってくれない。

 

「……っひゅ、こわさないと、おわら、な」

 

「それも問題ない!お前の同位体が何やらやっている!」

 

良かった。それなら大丈夫だね。

 

「雪守?おい!しっかりしろ!!」

 

 

気が抜けたらすごく寒い。

血を、流しすぎたのかもしれない。

つかれただけだから、大丈夫だって。

目を閉じただけだよ。

 

結界がまだ維持されているんだから寝てないに決まってるでしょ、もう。

 

長谷部さんったら。

 

 

 

 

 

 

そのまま長谷部タクシー(主命名)により、政府の手入れ部屋に担ぎ込まれた所で力尽きて権限が解けてしまい、阿鼻叫喚の騒ぎになったのは本当に申し訳ないと思っている。

 

とてもじゃないが疲れて寝落ちただけなんだとは言えなかった。

 

そして、ギャン泣きする主にめちゃくちゃポンポンされたらしい。

 

ついでに強制キャンセルされた僕の結界のせいで浄化結界の調整がめんどくさかったらしく、術式特化の同位体にしばかれた。

『門』を閉じたのはこいつだったみたいだから甘んじて受けたけどね。ひどいなあ。

 

 

 

 

おまけ

 

 

襲撃生還後なんとなく仲良くなった四振りでそれぞれ独断と偏見で選んだ曲を踊ってみた&歌ってみた動画を投下したらしい。

 

no tit●e

ドラマ●ルギー

おね●いダーリン

ジベタト●ベル

●視眈々

ニビ●ウカン

バ●リーコ

メーベ●

えれくと●っく・えん●ぇぅ

ブリ●ノダンス

響喜●舞

極●浄土

宵闇胡●

Addi●tion

一●当千

ガチ百●の女王

 

 

辺りで審神者も刀剣関係なく沼に突き落としたとかしないとか。

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございました!

すみません!審神者会議襲撃事件ではなく審神者会議襲撃戦でした!!!!修正しました!
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